あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロディス-01


~第一話 魔神少女エトナ~

 所変わって、ここはハルケギニアという人間界の一つ。
 この世界では一部の人間が魔法を使えたりしちゃう世界。
 そんな世界のトリステイン魔法学校近くの草原にて、春の使い魔召喚を行っている最中にそれは起こった。

 轟音、爆音、炸裂音
 今までの爆発とは一線を駕するものに、桃色の髪の少女は確信した。
 この小さな少女『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』はどんな魔法を使っても爆発しかしない。
 当然ながら、使い魔を召喚するためのサモン・サーヴァントも爆発し続け、流石に挫けそうになりながらも、これで最後!と言わんばかりに杖を振った結果、やはり爆発だったのだが、その爆発の中に確かな手ごたえを感じたのだ。
 まあ『何か今までの爆発より威力高いし、これはイケる!っていうか絶対成功した!』という、かなり心もとない手ごたえではあったのだが、その心もとない手ごたえは、確かにとんでも無いものを呼び出す結果となった。

「……ぬいぐるみと…平民?」

 生徒の誰かがそう言った。

「平民だな」

 また誰かが言った。

「…ぷっ!流石は『ゼロのルイズ』だな!!どっからか平民の女を呼んだみたいだぞ!」

 もうそこからは爆笑である。
 『ゼロのルイズ』と呼ばれた彼女は、爆発のショックからか呆然としている目の前の少女と、その少女が掴んだぶっさいくな鳥のようなぬいぐるみを見てプルプル震えていた。
 そう、『ゼロのルイズ』
 どんな魔法も失敗し、何一つ成功した試しの無い落ちこぼれの烙印。
 悲しいやら情けないやらで、肩の震えは身体全体に広がり、今にも大きな鳶色の目は涙を流そうとしていた。
 そして、そんなルイズを気の毒そうに眺めながらも、自分の仕事を全うすべく、死神の鎌のような言葉を言い放つ、頭髪が寂しい頭のコッパゲ教師ことコルベール。

「では、ミス・ヴァリエール。契約を。」

 それを聞いたルイズは、もう一度だけ召喚させて欲しいと嘆願するも、神聖な儀式ですので云々というコルベールの言葉に逆らうことも出来ず、肩を落としながら、未だに呆然とした少女を少し観察する。

 髪は赤色、背は自分より少し高いぐらいだろうか?服装は、上も下も黒を基調としたやたらと露出度の高い物。素材は皮?あ、胸はなんだか友達になれそうな感じだ。目つきは…正直悪い。何かやたらと鋭い。でもまあ、全体的には可愛いと言える。うん、それだけが救いかもしれない。これで不細工だったら流石に泣く。

 そこまで観察し、最終的には「髪と露出がツェルプストーっぽくてムカツクけど、胸が無いからまあいっか。まあ雑用ぐらいには使えるだろうし…」という、事あるごとに嫌味を言ってくる、胸の大きな同級生の一人には聞かせられない理由で、契約のキスを決意し、召喚した少女の方へ一歩近づいた。
 すると、それまで呆然としていた少女が、未だに手に持っていたぬいぐるみを目の位置まで持ち上げ、恐ろしい声で呟いた。

「プリニー…起きてんでしょ~…?ちょ~っとだけあたしとお話しよっかぁ…」

 少女がそう言うと、その少女が握っていたぬいぐるみがビクンと跳ねるように動き、驚くことに言葉を発した。

「エトナ様…あのー…掃除終わったんで、しばらくお暇もらってもいいッスかね?1000年ぐらいでいいんスけど?」

 エトナと呼ばれた少女は、その言葉を聞くと、額に青筋を何本か出し、地獄の底から響くような声で、そのしゃべるぬいぐるみを怒鳴りつけた。

「なら、1000年と言わず、永久に暇しとけやコラああああああああああっ!!!」

 そして、そのままフルスイングでぬいぐるみを空高くまで投げ飛ばす。 
 勢いよく投げられたぬいぐるみは「あーれー!!」という情けない言葉を残しながら校舎の方へ吹っ飛び……大爆発した。
 ルイズの失敗魔法を鼻で笑うような大爆発に、周囲のコルベールも、生徒達も、当然呼び出したルイズも揃って口を大きく開いて呆然とする。
 そして、その状況を作り出した、エトナと呼ばれた少女は「後で拷問決定!!」という容赦ない一言を言い放ち、未だに口を開けたままのルイズに向き直ると、周囲の全てを凍りつかせる事を言った。

「で?アンタが魔界に次元ゲートもどきを作って悪魔を呼ぼうとした命知らずの人間?望みは何?誰かブッ殺したい奴でもいんの?」

「あくま…?」

 呆けた表情でルイズが聞き返すと、その少女はルイズを小馬鹿にするような表情で言い返した。

「魔界から召喚されるもんが悪魔以外の何だつーのよ。ほら、早く願い言いなさいよ。さっさと終わらせてあんたの魂もらって魔界に帰ってスイーツ食べたいのよあたしは」

 そう。悪魔を呼び出した者は、何かの望みと引き換えに、呼び出した者の魂を代価として取られる。
 御伽噺や古い書物でお決まりのアレ。
 しかし、まさか、自分の身にそんなもんが降りかかるとは全くちっともこれっぽっちも思っていなかったルイズは全身をピシリと固めると、半泣きの表情でコルベールの方を見て助けを求めた。 

「みみみみみすたこるべーる、どどどどどうしたらいいでしょう?」

 しかし、話を振られたコルベールも、悪魔召喚といった御伽噺ぐらいは知っていても、流石に目の前にした事は無く、どうしていいやらわからない。
 必死に薄くなった頭の中で、対応策を考える。

「えー…ミス・エトナでよろしいですかな?」

 言葉も通じるのだし、取りあえずはコンタクトを取ってみないとと判断し、コルベールはできるだけ慎重に、その自分を悪魔だという少女へ話しかけてみる。

「あによ?アンタが死にたいの?なら、一気にサクっと殺っちゃうけど?」

 その「あ、そうだ。城下町に行こう」みたいな軽さで自分の命を取られそうになったコルベールは、必死に頭を横に振り、いくつか質問をしてみる。

「いえ、死にたくはありません!あのですね、貴女は悪魔という事でよろしいですかな?」
「だからそうだって言ってんでしょ。ついでに言うと、悪魔の中の神。つまり魔神よ。で?質問は終わり?死ぬ?」
「いえいえ!死にたくは無いです!というか、あなたを召喚したのは、誰かを殺すためではありません!!」
「は?じゃあなんであたし呼び出されたのよ?つうか、あたし呼んだのってアンタじゃなくて、そこのチビでしょ?何でアンタがあたしにどうこう言うの?つうか死ぬ?やっぱ死ぬ?」

 そう言ってルイズを指差した後、少女は凄まじい殺気を放ち、それをコルベールに叩き付けた。
 このコルベール、今ではのほほんとした教師ではあるものの、昔はそれはもう血生臭い事をやってきた悪魔みたいな人物であるのだが、本物というものはレベルが違った。
 普通の人間なら、発狂してしまう程の殺気を叩きつけられ、貴重な頭髪を数本撒き散らしてしまう。
 ついでに、その余波を受けて、周囲の生徒達も、その使い魔も気絶してしまい、今では少女を召喚してしまったルイズと、髪の毛が更に可哀そうな事になってしまったコルベールのみとなってしまった。

「みみみみすう”ぁりえーる!!ちょちょちょっとこちらへ!!」

 どうにか気絶する事を堪えたコルベールであったが、殺気の直撃を受けてしまい、情けないことに足が言うことを利かず、自分からルイズの方へ行けない為に、こちらへ呼ぶと、ルイズは半泣きになりながらコルベールむかって匍匐前進してきた。
 腰が抜けてしまったのである。

「(どどどどうしたらいいでしょうか)」
「(ミス・ヴァリエール、こうなったらコンクラント・サーヴァントに賭けるのです!契約さえしてしまえば、万に一つですが、あなたに逆らえなくなるやもしれません!)」
「(ええええ!?でも、契約しちゃったらわたしの魂がっ!)」
「(いえ、恐らく彼女のいう契約と、私達でいうところの契約は別のものと推測できます。もし我々の契約と彼女の契約が同じであるならば、既にあなたは無理矢理契約を結ばれ、魂を奪われているのではないかと)」
「(言われてみれば…ですが、どうやって契約すれば…)」
「(そこは…あなたにお任せするしかありません。情けないことに、私の力では彼女を止める事すらできないでしょう。いえ、このハルケギニア全体を見ても、彼女を止められる者がいるかどうか…)」
「(わたし、なんてモノを召喚しちゃったんだろう…うう…始祖ブリミルよ…せめて平凡な平民とかでも我慢したのに…恨みます…)」
「(同情はしますが、呼んでしまったものは仕方ありません…ミス・ヴァリエール、万が一、彼女が逆上してしまった時は私が壁となります。恐らく、ほんの一瞬でしょうが、どうか逃げてください…)」
「(ミスタ・コルベール…)」

 などと、匍匐前進のポーズのルイズと、足がカクカクして、産まれたての小鹿みたいなコルベールが目の幅涙でヒソヒソとカッコイイ事を言ってると、いつの間にか彼等の後ろに来ていた魔神が口を開いた。

「で?話は終わった?」

 ルイズとコルベールの時が止まる。
 人間というものは不思議なもので、想像を絶する恐怖に対峙すると、凄まじいポテンシャルを発揮するもので、今のルイズとコルベールは正にそれだった。
 コルベールの目がルイズを見て、一瞬で思考を伝える。
 一方ルイズも、そのアイコンタクトを一瞬で理解し、凄まじい勢いで言葉を紡ぎだした。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール五つの力を司るペンタゴンこの者に祝福を与え我の使い魔となせえええっ!!」

 ルイズが一気にそう言うと、コルベールは自由に動かない足に精神力で気合を入れ、ルイズを掴み上げると肺の底から叫んだ。

「うおおおおおおおっ!!」

 そしてコルベールは、ルイズを思いっきり少女に投げつける。
 まるで一瞬が永遠に感じられる世界。
 その世界でコルベールは確かに見た。
 ファイアーボールの如く飛翔するルイズの身体が少女に向かっていくのを。

「……美しい…」

 もしかすると自分のみる最後の光景はこれなのかもしれない。
 そう思いながらも、コルベールはその姿に心を奪われ、思わずそう呟いた時、ルイズの唇は少女の唇に吸い込まれるように触れ合い…その直後に凄まじい激突音と

「「ぐはあっ!!」」

 という、どこぞの悪役みたいな声を上げて、仲良く気絶したのである。
 こうして、ゼロと呼ばれ続けた少女と、魔王すらも凌ぐ力を持ち、最凶と恐れられた魔神との契約は完了することとなった。


~次回予告~

「魔法世界ハルケギニアに飛ばされてしまった、美人魔神少女エトナっ!」
「俺もいるッスよー」
「そこで待ち受けていたのは、悪魔を手足に使い、ハルケギニアを征服しようと企む、恐ろしい爆発魔法の使い手ルイズ!!」
「え!?待って!!わたしそんな役なの!?」
「そのルイズの腹心である、邪悪なコッパゲ教師コルベールが、か弱いエトナの…ああっ!!ここから先は言えないっ!!」
「あれでか弱い!?か弱いんですか貴女!?ううむ…これから先、世界はどうなってしまうのでしょうか…」

「次回!!ゼロディス第二話!!~ルイズ逝く~お楽しみに♪ハルケギニアの歴史がまた一ページ…」
「ちょっと!?わたし死ぬの!?ファーストキスがあんなな上、次で殺されちゃうの!?ちょっと!!待って!!いーーーやーーー!!!」




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