あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

THE GUN OF ZERO-09


探索一日目。
 宇宙をディス・アストラナガンで飛びながら、クォヴレーは先程から気になっていることがあった。
 周りにあるのが若く、小さな星ばかりなのだ。
 しかも、どれもこれも軽元素ばかりからなる種族Ⅱの星。
 ハルケギニアを含む大地を持つ惑星の親星たる恒星は、もちろんのこと種族Ⅰだったが、それ以外に重金属を含有した恒星が見つからない。
 そして、尚奇異なことに、それらの恒星には、一つとして惑星を持つものがなかった。

探索二日目。
 その日の探索で、クォヴレーはあり得ないものにたどり着く。
 世界の果て。
 漆黒の宇宙の先。本来なら、常に膨張を続けていて観測不能であるはずのそこは、微動だにせぬダークマターの壁だった。
 しかも何故、これがこんなにも近くに存在しているのか?
 あの星を出てから、ほんの1光年しか移動していないのに。

探索五日目。
 クォヴレーは青い顔をしていた。
 ディス・アストラナガンの目前には、やはりダークマターで構成された壁。
 光を反射しないその壁は、ハルケギニアから仰げる太陽を中心として、東西南北四方八方360度、ありとあらゆる方向に張られていた。
「まるで……箱庭だな」
 その大きさ。僅か、半径1光年。
 銀河一つすら内包出来ない箱庭だ。
 そして、その箱庭で生きる者が居るのはあの惑星ただ一つ。
「箱庭で生かされるモルモットたちか……」
 何故に見る星見る星、種族Ⅱの星ばかりなのか。そして何故一つとして惑星を連れているものがないのか。それが判った気がした。
 この恒星達は全て書き割りだ。
 ハルケギニアの大地から見て、夜空が星で溢れているように見せかけるためだけに用意された舞台なのだ。種族Ⅱの星ばかりなのは、おそらくただ単に箱庭制作者の手間を省くため。
 そしてハルケギニアの科学力でいえば、書き割りの星にわざわざ惑星を付けておく必要はない。誰もそんなことに気づきはしないのだから。
 この箱庭の主は一体誰なのか?そして何のためにこの箱庭を作ったのか?
 情報が足りなさすぎる。

 再度転移して帰還する中、クォヴレーは思いがけないものを視界に捕らえた。
「あれは……!?」
 箱庭に浮かぶ即席の星々に惑星はなかったはずだが、その恒星はただ一つ惑星を従えていた。

 ただ、それをクォヴレーは惑星と呼んだことは無かったが。
「自動攻撃衛星、ネビーイーム……」
 ゼ・バルマリィ帝国バルマー本星防衛の切り札にして、侵攻作戦の駒の一つ。白き魔星。
 要塞側のプロテクトにアクセス。――解放、進入。
 コクピット後部のトランクからベレッタ90-Twoを取り出し、ネビーイーム内部機動兵器発着用のハッチに降り立つ。
 ひとまず手近な端末にとりつき、情報を引き出す。
 ……これは侵攻作戦用のネビーイームであるらしい。バルマー本星の情報ではなく、銀河を航行するデータがインプットされていた。それも地球への。
 続けてネビーイーム内生命反応を探査。
 ――自分以外に反応無し。
「生命反応ゼロ?」
 思わず驚きの声も上げてしまう。
 そんなはずはない。
 防衛用のネビーイームでも、自分たちバルシェムのような人造生命は兵士として配備されているし、これが侵攻作戦用のネビーイームであるというのなら、なおさら侵攻を統括する役目のハイブリット・ヒューマンが一人はいるはずだ。
 とりあえずネビーイーム内部の全防衛機構を外そうとして……外せなかった。
 既に外されていたのだ。
 尚のこと不信感を大きくしつつ、ディス・アストラナガンに戻りネビーイーム内部の探査を始める。
 ……兵器貯蔵施設、サンプルデータ収集用プラント『キブツ』、コールド・スリープ施設、中央制御室。全てもぬけの殻だった。
 メギロート一体、見つからない。プラントでは機器の一つに至るまでもなくなっているし、何より、全ての制御系たるジュデッカも消えている。
「どうなっている……」
 このネビーイームの戦力。ハルケギニアどころかあの惑星そのものを征服するのにも困らない質・量の筈だ。
 交戦の跡が全く見られないということは、この世界に存在する誰かが、根こそぎその戦力を保有しているという事になる。
 しかし、クォヴレーの確認する限り、バルマーの兵器をあの惑星周辺で未だ見かけたことはない。
 単なる世界征服が目的ではないということか?
「いや、そもそも……」
 慌てて首を振る。
 何故ネビーイームがここにあるのかという根本的な疑問が解決出来ていない。
(この書き割りの世界に、コイツを持ち込んで何をするつもりか?)
 現状では、箱庭の主が持ち込んだのかどうかさえ判らない。
 そして、あるべき戦力がどこへ行ったのかも、掴めない。
 ネビーイーム内には、何も残っていないとはいえ、未だに兵器製造プラントは生きていた。
 今後利用させないため、自爆シークエンスを作動させ、クォヴレーは白き魔星を飛び立ち、
(ネビーイームを利用する者……その影を追うにも、鍵を握るのはやはりあの星か)
 一路、ハルケギニアへと戻った。




新着情報

取得中です。