「あんた誰?」
抜けるような青空をバックに少女が烈火に問いかけた。
知らない顔だ。年は烈火とそう変わらないだろう。
「誰って…俺の名前は、花菱烈火だけど」
「変な名前。どこの平民?」
平民?なに言ってんだコイツは。
周りを見回すと、彼女と同じような服装をした少年少女たちたくさんいた。皆、例外なく棒のようなものを持っている。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
「さすがゼロのルイズだ!」
誰かが言うと、
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
と目の前の少女が怒鳴った。
この子は、どうもルイズという名前らしい。
烈火は足りない頭で必死に考えた。
ここはどこなんだ!?
こんな場所は日本にはない。それに、烈火の周りにいる少年たちの顔立ちは日本人のそれとはかけ離れている。
俺は、確かに近所の公園にいたのに…
日本の歴史や文化以外の知識ははさっぱりである烈火には、ここが何処であるか推測すらできなかった。
「ミスタ・コルベール!もう一度やらしてください!」
ルイズが怒鳴ると、人並みの奥から中年男性が現れた。
RPGの魔導士のような格好をしている。
「それはダメだ、ミス・ヴァリエール。『使い魔』の召喚は一度しかできない決まりだ」
「でも!平民を使い魔にするなんて聞いたことありません!」
また周りがどっと笑う。
会話の流れから察するに、"つかいま"とはどうやら烈火のことらしい。
「では、儀式を続けなさい」
「えー、彼と?」
ルイズは困ったように烈火を見つめた。
なにをする気だ?
抜けるような青空をバックに少女が烈火に問いかけた。
知らない顔だ。年は烈火とそう変わらないだろう。
「誰って…俺の名前は、花菱烈火だけど」
「変な名前。どこの平民?」
平民?なに言ってんだコイツは。
周りを見回すと、彼女と同じような服装をした少年少女たちたくさんいた。皆、例外なく棒のようなものを持っている。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
「さすがゼロのルイズだ!」
誰かが言うと、
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
と目の前の少女が怒鳴った。
この子は、どうもルイズという名前らしい。
烈火は足りない頭で必死に考えた。
ここはどこなんだ!?
こんな場所は日本にはない。それに、烈火の周りにいる少年たちの顔立ちは日本人のそれとはかけ離れている。
俺は、確かに近所の公園にいたのに…
日本の歴史や文化以外の知識ははさっぱりである烈火には、ここが何処であるか推測すらできなかった。
「ミスタ・コルベール!もう一度やらしてください!」
ルイズが怒鳴ると、人並みの奥から中年男性が現れた。
RPGの魔導士のような格好をしている。
「それはダメだ、ミス・ヴァリエール。『使い魔』の召喚は一度しかできない決まりだ」
「でも!平民を使い魔にするなんて聞いたことありません!」
また周りがどっと笑う。
会話の流れから察するに、"つかいま"とはどうやら烈火のことらしい。
「では、儀式を続けなさい」
「えー、彼と?」
ルイズは困ったように烈火を見つめた。
なにをする気だ?
「ねえ」
ルイズは烈火に声をかけた。
「なんだよ」
「あんた、感謝しなさいよ。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」
「は?」
何言ってんだコイツ。
烈火はまったく訳がわかっていない。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
ルイズの唇が烈火のそれと合わさる。
はあああああああ?!烈火は心の中で絶叫した。
「お、お前!いきなり何しやがんだ!」
「た、ただ儀式を済ませただけよ!!」
ルイズは顔を赤くしている。照れるなら何故やるんだ。
「ふざけんな!てめ…あちっ!?」
烈火の体に熱さと痛みが走る。
「大丈夫よ。使い魔のルーンが刻まれてるだけだから」
「なんなんだよ、"つかいまのるーん"…って…」
烈火は、体の中を走る痛みに意識を摘み取られた。
ルイズは烈火に声をかけた。
「なんだよ」
「あんた、感謝しなさいよ。貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから」
「は?」
何言ってんだコイツ。
烈火はまったく訳がわかっていない。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
ルイズの唇が烈火のそれと合わさる。
はあああああああ?!烈火は心の中で絶叫した。
「お、お前!いきなり何しやがんだ!」
「た、ただ儀式を済ませただけよ!!」
ルイズは顔を赤くしている。照れるなら何故やるんだ。
「ふざけんな!てめ…あちっ!?」
烈火の体に熱さと痛みが走る。
「大丈夫よ。使い魔のルーンが刻まれてるだけだから」
「なんなんだよ、"つかいまのるーん"…って…」
烈火は、体の中を走る痛みに意識を摘み取られた。
花菱烈火、高校一年生の16歳。
運動神経、最高。
成績、下の下。彼女いない歴16年。賞罰アリ(主に罰)。
先生の評価は『烈火?アイツは勉強しないと二年になれないでしょう。まずは授業に出ないと』
親の評価は『烈火?誰それ?そんなやついたっけか?』
そんな彼は、人一倍トラブルに巻き込まれやすい。
もっとも、彼の16年の波乱万丈な生涯の中でも、ここまで大きなトラブルはなかったが。
運動神経、最高。
成績、下の下。彼女いない歴16年。賞罰アリ(主に罰)。
先生の評価は『烈火?アイツは勉強しないと二年になれないでしょう。まずは授業に出ないと』
親の評価は『烈火?誰それ?そんなやついたっけか?』
そんな彼は、人一倍トラブルに巻き込まれやすい。
もっとも、彼の16年の波乱万丈な生涯の中でも、ここまで大きなトラブルはなかったが。
烈火は、ほんの30分前まではちゃんと学校の近所の公園にいたのだ。
いつも通り授業をサボり、友人(宿敵?)の石島土門と霧沢風子の襲撃をやり過ごしたあと、彼はゆっくりと通学路の途中にある公園を散歩していた。
しかしその時、彼の目に妙なものが写った。
通学時にいつも通る公園の噴水の近くに、鏡のようなものが浮かんでいた。
好奇心から、その鏡に手を伸ばした…すると、
いつも通り授業をサボり、友人(宿敵?)の石島土門と霧沢風子の襲撃をやり過ごしたあと、彼はゆっくりと通学路の途中にある公園を散歩していた。
しかしその時、彼の目に妙なものが写った。
通学時にいつも通る公園の噴水の近くに、鏡のようなものが浮かんでいた。
好奇心から、その鏡に手を伸ばした…すると、
気がつけば、ファンタジーだったのである。
「それほんと?」
疑わしげに烈火を見つめるルイズ。
「嘘ついてどうすんだよ」
烈火は後悔していた。
授業、サボるんじゃなかった…。
やっぱり、ここは日本じゃない。
というか、地球ですらない。
夜空に浮かぶ二つの巨大な月を見たとき、烈火は思わず目眩を感じた。
しかもここは魔法を学ぶ学校らしい。なんだそれ?なんの映画だ?
「信じられないわ…」
「それは俺の台詞ぢゃ!一体なんなんだよここは!?」
「ここはトリステインの魔法学院。そんなことも知らないの?」
「知るわけねえだろ!第一、魔法学院なんて聞いたことねえよ!!」
「…あんたのいう『別の世界』ってどんなとこなの?」
「魔法使いなんかいねえし、月はひとつしかねえ」
「そんな世界あるわけないじゃない!」
「俺の世界はそーなの! ここが変なんだよ!」
「怒鳴らないでよ。平民の分際で」
「平民だとお!?じゃあお前は一体何様なんだよ?」
「私はメイジよ」
「…明治??」
「…あんた、ほんとにこの世界の人間なの?」
「だから違うつってんだろ!…まあ何にせよ、お前が俺を元の世界に帰してくれりゃいいんだよ」
「…無理ね」
「なんでだよ!?」
「別世界と、この世界をつなぐ魔法なんてないもの」
「じゃあなんで俺はここにいるんだ!?」
「知らないわよそんなの!」
にらみ合う烈火とルイズ。
ふうと息をつく。
「あのね、ほんとのほんとに、そんな魔法ないのよ。大体、別の世界なんて聞いたけとないもの」
「勝手に召喚しといてそれかよ…」
「使い魔として人間を召喚した、なんて例も聞いたことないし」
「人事みたいに言うんじゃねえ。…とりあえず、その召喚の魔法とやらをもう一度俺にかけてみろ」
「どうして?」
「そうすりゃ戻れるかもしれねえだろ」
「無理よ。『サモン・サーヴァント』は呼び出すだけ。元に戻す魔法なんてないわ」
「いいからやってみろって」
「不可能。今は唱えることも出来ないわ」
「意味わかんねえよ!どういうことだ?」
「…『サモン・サーヴァント』を使うにはね」
「おう」
「一回呼び出した使い魔が、死なないとダメなの」
「…マジかよ」
「死んでみる?」
「いや、パス…」
疑わしげに烈火を見つめるルイズ。
「嘘ついてどうすんだよ」
烈火は後悔していた。
授業、サボるんじゃなかった…。
やっぱり、ここは日本じゃない。
というか、地球ですらない。
夜空に浮かぶ二つの巨大な月を見たとき、烈火は思わず目眩を感じた。
しかもここは魔法を学ぶ学校らしい。なんだそれ?なんの映画だ?
「信じられないわ…」
「それは俺の台詞ぢゃ!一体なんなんだよここは!?」
「ここはトリステインの魔法学院。そんなことも知らないの?」
「知るわけねえだろ!第一、魔法学院なんて聞いたことねえよ!!」
「…あんたのいう『別の世界』ってどんなとこなの?」
「魔法使いなんかいねえし、月はひとつしかねえ」
「そんな世界あるわけないじゃない!」
「俺の世界はそーなの! ここが変なんだよ!」
「怒鳴らないでよ。平民の分際で」
「平民だとお!?じゃあお前は一体何様なんだよ?」
「私はメイジよ」
「…明治??」
「…あんた、ほんとにこの世界の人間なの?」
「だから違うつってんだろ!…まあ何にせよ、お前が俺を元の世界に帰してくれりゃいいんだよ」
「…無理ね」
「なんでだよ!?」
「別世界と、この世界をつなぐ魔法なんてないもの」
「じゃあなんで俺はここにいるんだ!?」
「知らないわよそんなの!」
にらみ合う烈火とルイズ。
ふうと息をつく。
「あのね、ほんとのほんとに、そんな魔法ないのよ。大体、別の世界なんて聞いたけとないもの」
「勝手に召喚しといてそれかよ…」
「使い魔として人間を召喚した、なんて例も聞いたことないし」
「人事みたいに言うんじゃねえ。…とりあえず、その召喚の魔法とやらをもう一度俺にかけてみろ」
「どうして?」
「そうすりゃ戻れるかもしれねえだろ」
「無理よ。『サモン・サーヴァント』は呼び出すだけ。元に戻す魔法なんてないわ」
「いいからやってみろって」
「不可能。今は唱えることも出来ないわ」
「意味わかんねえよ!どういうことだ?」
「…『サモン・サーヴァント』を使うにはね」
「おう」
「一回呼び出した使い魔が、死なないとダメなの」
「…マジかよ」
「死んでみる?」
「いや、パス…」
烈火はうなだれた。
そして、左手の甲に文字が刻まれていることに気付く。
「ああ、それはわたしの使い魔ですっていう印みたいなものよ」
烈火はしばらく考えた。
あああ、ふっざけんじゃねえ。
こんな生意気娘の家来なんて、絶対にイヤだ。
けど、今ここでコイツに刃向かえば、これから生活していくことができない。
知り合いひとりいないこの世界で、烈火だけで生きていくのはおそらく不可能だろう。
ここで死ぬぐらいなら、例え気に入らない女と一緒でも、最低限の生活が保証されたここで暮らすほうがマシだ。
それに、戻る方法もここにいたほうが早く見つかるはず。
楽天的な烈火は、すぐに自分の世界に帰れるものだと踏んでいた。
苦しい生活をするより、ここにいたほうが得だ、と考えたのである。
「…わーった。しばらくはお前の使い魔…ん?ちょっと待て。
俺がお前の使い魔ってことは、お前は俺の主ってことだよな?」
「もちろん。今さらなに言ってんのよ」
「…じゃあ、お前は俺の君主ってわけだ」
「…?」
「よし!じゃあしばらくは俺がお前の忍になってやる!」
ほんとは、もっと優しくて…できれば日本人の君主に仕えたかったが。
まあ、どうせすぐ元の世界に戻れるだろうし。
「…シノビ?なにそれ?」
「ああ、そっか。この世界には忍者なんていねえよな」
「ニンジャ?…ああ、ほんとになんなのよこの使い魔は…」
「だーかーらー!"忍"だって言ってるだろうが!
俺が元の世界に戻るまでは、お前を守ってやる!!」
「ああもう、わかったわよ。喋ってたら眠くなっちゃったわ」
「…俺はどこで寝りゃあいいんだ?」
ルイズは床を指差した。
「確かに、本物の忍者は布団では寝ないけど…床で寝ろってか?」
「仕方ないでしょ。ベッドは一つなんだから」
おもむろに、ルイズはブラウスのボタンを外しはじめた。
下着が露わになる。さすがに烈火も慌てた。
「うわ!?何してんだよお前!?」
「…?何って、着替えてるんだけど」
「お、俺を試すのか?!俺は君主に手を出すようなダメ忍者じゃねえぞ!?」
「何言ってるのよ?使い魔の前で着替えるのなんて恥ずかしくもなんともないわ」
「は?」
なんだよそれ。
っていうか、ほんとにこんなやつを君主にしちまっていいのか? 俺。
「じゃあ、これ明日になったら洗濯しといて」
ぱさっ、ぱさっと何かが飛んできた。
それは、レースのついたキャミソールと、パンティだった。
「ふ、ふざけんなてめえ!!忍は君主を守るものであって召使いじゃねえんだ!」
思わず立ち上がると、ルイズの肢体が目に入った。
烈火は思わずパンティを握りしめてしまった。
コイツ、ほんとに恥ずかしくないのか? いくら忍だといえ、ここまで意識されないのも空しい。
「誰があんたを養うと思ってるの? 誰があんたのご飯を用意すると思ってるの? ここ誰の部屋?」
「…ぐ」
「あんたはあたしの使い魔。洗濯、掃除、雑用、当然じゃないの」
ダメだ。"忍"や"男"どころか、人間として見られていない。
はあ、帰りてえ。やっぱ、君主変えようかな。
いやいや、忍は一度決めた君主は絶対守り抜く。
ポンポン君主を変える忍者には忠義も男気もないだろう。
すでにベッドの中で寝息をたて始めた君主を見て、烈火はため息をついた。
見た目は結構かわいいけど、性格はマジで最悪。風子以下だ。
烈火は窓から、二つの巨大な月を見上げた。
そして、左手の甲に文字が刻まれていることに気付く。
「ああ、それはわたしの使い魔ですっていう印みたいなものよ」
烈火はしばらく考えた。
あああ、ふっざけんじゃねえ。
こんな生意気娘の家来なんて、絶対にイヤだ。
けど、今ここでコイツに刃向かえば、これから生活していくことができない。
知り合いひとりいないこの世界で、烈火だけで生きていくのはおそらく不可能だろう。
ここで死ぬぐらいなら、例え気に入らない女と一緒でも、最低限の生活が保証されたここで暮らすほうがマシだ。
それに、戻る方法もここにいたほうが早く見つかるはず。
楽天的な烈火は、すぐに自分の世界に帰れるものだと踏んでいた。
苦しい生活をするより、ここにいたほうが得だ、と考えたのである。
「…わーった。しばらくはお前の使い魔…ん?ちょっと待て。
俺がお前の使い魔ってことは、お前は俺の主ってことだよな?」
「もちろん。今さらなに言ってんのよ」
「…じゃあ、お前は俺の君主ってわけだ」
「…?」
「よし!じゃあしばらくは俺がお前の忍になってやる!」
ほんとは、もっと優しくて…できれば日本人の君主に仕えたかったが。
まあ、どうせすぐ元の世界に戻れるだろうし。
「…シノビ?なにそれ?」
「ああ、そっか。この世界には忍者なんていねえよな」
「ニンジャ?…ああ、ほんとになんなのよこの使い魔は…」
「だーかーらー!"忍"だって言ってるだろうが!
俺が元の世界に戻るまでは、お前を守ってやる!!」
「ああもう、わかったわよ。喋ってたら眠くなっちゃったわ」
「…俺はどこで寝りゃあいいんだ?」
ルイズは床を指差した。
「確かに、本物の忍者は布団では寝ないけど…床で寝ろってか?」
「仕方ないでしょ。ベッドは一つなんだから」
おもむろに、ルイズはブラウスのボタンを外しはじめた。
下着が露わになる。さすがに烈火も慌てた。
「うわ!?何してんだよお前!?」
「…?何って、着替えてるんだけど」
「お、俺を試すのか?!俺は君主に手を出すようなダメ忍者じゃねえぞ!?」
「何言ってるのよ?使い魔の前で着替えるのなんて恥ずかしくもなんともないわ」
「は?」
なんだよそれ。
っていうか、ほんとにこんなやつを君主にしちまっていいのか? 俺。
「じゃあ、これ明日になったら洗濯しといて」
ぱさっ、ぱさっと何かが飛んできた。
それは、レースのついたキャミソールと、パンティだった。
「ふ、ふざけんなてめえ!!忍は君主を守るものであって召使いじゃねえんだ!」
思わず立ち上がると、ルイズの肢体が目に入った。
烈火は思わずパンティを握りしめてしまった。
コイツ、ほんとに恥ずかしくないのか? いくら忍だといえ、ここまで意識されないのも空しい。
「誰があんたを養うと思ってるの? 誰があんたのご飯を用意すると思ってるの? ここ誰の部屋?」
「…ぐ」
「あんたはあたしの使い魔。洗濯、掃除、雑用、当然じゃないの」
ダメだ。"忍"や"男"どころか、人間として見られていない。
はあ、帰りてえ。やっぱ、君主変えようかな。
いやいや、忍は一度決めた君主は絶対守り抜く。
ポンポン君主を変える忍者には忠義も男気もないだろう。
すでにベッドの中で寝息をたて始めた君主を見て、烈火はため息をついた。
見た目は結構かわいいけど、性格はマジで最悪。風子以下だ。
烈火は窓から、二つの巨大な月を見上げた。
オヤジ、すまん。俺、しばらく帰れそうにねえわ。心配すんな…あのオヤジが心配なんかするわけねえか。
烈火の使い魔…もとい、忍としての生活が始まった。