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ゲーッ!熊の爪の使い魔-06


第六話 食堂の変

昼、掃除の終わったルイズとベルモンドは食堂へ来ていた。
しかし食事をするルイズとは別にベルモンドはふらふらと歩きまわり、その中に見知った顔を見つけていた。
「遊ぼ、遊ぼ」
「あの、ごめんなさい、ベルモンドさん。気持ちは嬉しいけど今お仕事中なの」
話しかけられたシエスタは配膳中のトレーを示してこたえる。
「うーん、じゃあボクも手伝うよ」
「え、そんな悪いですよ。朝も洗濯もの持っていただいたのに」
「でも今日の朝、シエスタは洗濯場の場所を教えてくれたし洗うのもやってくれたよね。
ボクはまだ一つしか返してないんだから気にしないでいいよ」
そう言われると断りにくい。
加えてこのクマちゃんと入れるということもあって、結局シエスタはベルモンドに手伝ってもらうことにした。


「キャー、かわいーー」
食堂に歓声が上がる。その中心にいるのはベルモンドだった。
ベルモンドは手伝いとして食後のデザートのケーキを配っていた。
ケーキを配るクマちゃん、その可愛らしい仕草が女生徒たちに受けていた。
授業の時とは違い、今回はルイズを馬鹿にするような声もないためひたすらベルモンドへの歓声のみが響いている。
それを快く思わないものもいた。
ギーシュである。
このクマが来てからというものすっかり自分は見向きもされなくなってしまった。
ケティもモンモランシーもほかの女の子たちもみんなあのクマ野郎を見ている。
ギーシュの(逆恨みな)怒りはどんどん膨れ上がっていった。
そして、
「あの、落されましたよ」
この一言が彼の怒りの引き金を引くことになった。
モンモランシーの香水の小瓶が見つかったことから二股がばれ、その結果少女たちに攻め立てられる。
だが、それだけではなかった。
「ギーシュ、あなたなんかよりルイズの使い魔のクマちゃんのほうがずっといいわ!」
そのあとにもいろいろ言われた揚句しまいにはぶたれてしまったがそんな中でもギーシュの脳裏にはその言葉が響いていた。
僕が、このグラモン家のこの僕があんな畜生以下……
ギーシュの中で何かが切れた。
そしてその怒りは一連の流れの引き金を引いたシエスタに向けられた。


「おい!そこのおまえ!お前のせいでレディが傷ついた揚句この僕が罵倒されたんだぞ!
たかが平民の分際で何様のつもりだ貴様!いったいどう責任を取るつもりなんだね!!」
怒りのあまり普段の気障な態度も消えものすごい剣幕でつかみかかり、
あまつさえ平民とはいえ女性に対して貴様、と言い放つ。
シエスタは哀れにも全身が震え涙を浮かべていた。
謝り許しを乞おうにもうまく口も回らない。
シエスタは今まさに、死の恐怖を感じていた。
だが、そうしてシエスタに絡むギーシュの肩をつかむ者がいた。
「ねえ、もうやめなよ。このことは君のほうが悪いよ」
ベルモンドである。
そうだ、こいつだ。そもそもこいつが僕から彼女たちの心を奪っていったんだ。
もともとの怒りのほこ先であるベルモンドが現れたことでギーシュはあっさりとシエスタから顔を離しベルモンドへとつかみ掛かった。
「ああ、なんだこのクマ野郎め、畜生の分際でこの僕に意見しようというのかい!?
さすがケダモノだけあってまともな脳みそも持ち合わせていないようだな!」
この暴言を聞いてまわりの女生徒から非難の声が上がる。
「何言ってるのよ、サイテー!」
「クマちゃんに謝って!」
だがそのような声もギーシュを止めることはなく逆にヒートアップさせていく。


「うるさい黙れ!大体こんな布と綿の塊の何がいいって言うんだ!
それにクマ野郎、あんな平民に何か言ったところで僕の何が悪いって言うんだ!
たかが平民だぞ!僕ら貴族の足元に群がるようなやつらに対して礼儀でも尽くせっていうのかい!?」
「……ええと、貴族とかそういうのは関係なしに偉い人っていうのは立派だから偉いと思うんだ。
いい事をしていけばそれでひとは偉いと認めてくれる。
すごい王様とか立派な侯爵とかみんなが話してくれるような本当に偉い人っていうのはそういう人だと思うんだ。
君は貴族っていうことで威張ってるだけだよ。
もっと、貴族の名にふさわしい生き方をしないと本当に立派な貴族にはなれないよ」
このときベルモンドの脳裏にはある一人の超人が浮かんでいた。
強く、勇敢で、友のために率先して前に出て戦った男。
弱きを助け強きをくじく、それを体現したもの。
アイドル超人軍のリーダー的存在。
自分に多くのものを与えてくれた師匠。
その立派な生きざまは正に仮面(ペルソナ)の貴公子、と称されるにふさわしい。
皆に尊敬される紳士超人。
彼を思うと、シエスタを守るだけでなく、
どうしてもギーシュに真の立派さについて語らずにはいられなかった。
……彼が時たま奇行に走り仮面(ペルソナ)の奇行子と化していたことは無視した。


だが、そんなベルモンドの言葉もヒートアップしたギーシュには届かなかった。
「なんだ、クマごときが貴族のなんたるかを語るなんて何様のつもりだい。
ああ、さすがゼロのルイズが召喚しただけあるなあ。
魔法も使えないゼロに畜生のクマ野郎、どっちも口だけはえらそうなとこが同じってわけか。
いいだろう、しょせんは低能なクマには言葉じゃなく体に分からせてやるしかないようだね!」
「どうしようっていうの?」
ベルモンドが問いかける。
それに対し、ギーシュは、
言ってはならないことを口にしてしまった。
「決闘だ!!」
「……くうーん?」


ええと、どうしてそれで決闘になるの?」
「はは、きまってるダろう、言ってもわからない貴様に礼儀を教えて泣いて謝らせてやろうって言うのさ。
散々無礼な口をたたいたことを後悔させてやるよ。
ああ、もちろんいまサラ謝っても無駄だ。ボロ屑にしてやる」
「そんな、力ずくなんて立派な貴族のすることじゃないよ」
「なんだい、おじけずいたのかい?大体僕らは魔法が使える。
脳なしの平民の上に立つのは当然じゃないか!」
「……わかったよ、決闘を受けるよ。
でも約束してもらう、ボクが勝ったら君にシエスタ、絡まれたメイドの子と
君に馬鹿にされたルイズに謝るんだ。
それに君が二股をかけた女の子たちにも。
強いほうが偉いって言うのならかまわないよね」
「はははっ、大きく出たな!しょせんはクマか。いいだろう乗ってやるよ!
じゃあヴェストリの広場に来たまえ、そこで礼儀を教えてやるよ!」
そう言ってギーシュは去って行った。先に広場へ向かったのだろう。


それと入れ替わりにルイズとシエスタがやってくる。
「あんた、なに勝手なことしてんのよ、自分が何したかわかってんの!?」
「そうです、貴族の方と決闘なんて殺されちゃいます!もともと悪いのは私なんですからそんなことしないでください」
「そんなことないよ、シエスタは悪くない。力をかさに着るなんて見過ごせないよ。
それにギーシュはルイズも馬鹿にした。あんなに頑張ってるルイズを馬鹿にするなんて許せない。
ボク、怒ってるんだ」
「え、私のため…で、でもだからって相手はメイジなのよ!
ぬいぐるみのあんたがどうこうできる相手じゃ!」
「大丈夫だよ、昨日も言ったけどボク、強いんだ」
そのままベルモンドは二人に背を向け、ギーシュの向かった方へと自分も向かっていったのだった。


次回、青銅の人形とクマちゃんが激突する!
第七話 ヘルズ・ベアー  へと続く。




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