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ゼロの超律-01


 「出来損ない」と呼ばれることには慣れていた。
 勉強はそれほど得意ではなかったし、元が孤児で字も読めなかったことを考えれば、講堂で講義を受ける自分が滑稽ですらある。
 周囲の席に座る名家の子弟に比べれば、道端の塵のような自分だ。成績が底辺を這うようなものでも誰も気にしない。
 さすがにそれだけでは癪なので、枯葉のような自尊心のために選択科目の剣術に精を出したが、成績の悪いおちこぼれ寸前と言う評価は変わらなかった。


 子どものころ、孤児だった彼は、道端で石を拾った。きれいな石だ。
 後にその石がサモナイト石と呼ばれる召還の触媒であることを学ぶのだが、その場では関係ない。
 手の中で転がる石が綺麗で、何度も何度も石を転がした。
 そして、光る石に少しだけ願をかけた。
 それが過ち。
 石から閃光がほとばしり、異界への門を開き、そこから出現した巨大な何かが、一瞬で街を焼き尽くした。
 地面を這うようにして生きていた孤児の、少しの幸せを願う小さな思いは、街を一つ灰にした。
 そして、何日かしてやってきた、ローブをまとい杖を手にした人々の手によって拘束されるまで、彼……マグナは、自分がその手で燃やした街を、呆然と眺めていたのだった。


 それからはあっという間だ。
 気が付けば蒼の派閥と呼ばれる召喚師の組織、そこで代々召喚師の家柄と言う同級生とともに、平民でありながら召喚師として教育を受けることになった。
 そこでマグナは、自身の手から放たれ、街一つを焼いた光が、召喚術と呼ばれるものであることを知る。
 それが十年ほど前。
 十年で召喚師としての基礎教育が終わり、マグナは追放同然で見習い卒業の旅に出されることになる。
 それから数ヶ月、様々なことがあった。
 背中を任せられる仲間との出会い、立ち寄った山村への焼き討ちと漆黒の剣士との戦い。
 そんな旅の中で、マグナは、自分に関わるいくつかの事実を見つける。

 調律者。クレスメント。機械魔ゲイル。天使アルミネ。そして召喚兵器アルミネ。

 自分は世界すら滅ぼしかけた罪人の血脈である。
 打ちのめされた。
 そんな生やさしいものではない。
 血と、重油のような罪咎にまみれたそれらの事実は、容赦なくマグナ・クレスメントになった彼の心を叩き潰した。
 結局、自分はどこまで言っても罪人で、幼い日に街を焼いたことはいつまでも許されないのだと、そう宣告されたようだった。

 お前には、幸せを望む権利はない。

 いっそ消えてしまいたいと思ったマグナを、誰が責めるのだろうか。
 そして事実、アルミネスと呼ばれる森から、王都ゼラムに帰還したその日の内に、マグナは消失する。

 銀色の鏡のような『扉』によって。……


ゼロの使い魔・サモンナイト2クロスオーバーSS
ゼロの超律・序「召喚・前」了



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