あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

毒の爪の使い魔-11



教室を出てからもジャンガは暫くルイズを解放せずに歩き続けた。
広場に面した通路に来て、漸く胸倉を掴み上げる爪を離した。
首が絞まっていたルイズは、床に落下した途端、大きく咳き込んだ。
「ごほっ、げほっ」
「テメェに聞きたい事があるゼ?」
そんなジャンガの言葉にルイズは恨めしげに見上げる。
「な、何よ…授業中にいきなり」
「授業中も何も関係無ェだろうが?テメェがいた所で爆発起こして邪魔するか、
邪魔にならないように隅で本を読むしかネェじゃねェか?…そんな奴が一人居なくなったところで、
大して支障は無ェだろうが。違うか?」
「…っ」
痛い所を突かれ、ルイズは悔しげに歯噛みする。
それをつまらない物でも見るように、見下ろすジャンガ。
「フンッ…、まァ、そいつは置いといてだ……テメェ、モット伯って知ってるか?」
ルイズは驚き、顔を上げる。
「モット伯!?あ、あんた…そんな事聞いて、どうする気なのよ…?」
「別に…ただ、気になっただけだ」
「気になるって……何でモット伯を気にするのよ?」
「モット伯の所に、あのシエスタ嬢ちゃんが仕える事になったゼ」
「…え?」
ジャンガの言葉に驚き、目を見開くルイズ。
「シエスタが…本当?」
「ああ…、今朝迎えの馬車に乗り込む所に出くわしたゼ。実に寂しげな顔をしていたっけな~?」
それを聞いたルイズの顔はどんどん曇っていく。
「そんな、急に…」
「モット伯の事、教えろ」
「…モット伯は王宮の勅使よ。学院にも偶に来るわ。…いつも偉ぶってて、私は好きじゃないけど」
「勅使ィ?」
「簡単に言えば、王宮の重要な命令なんかを伝える役目を担ってる官吏の事よ。ようは王宮の御偉い様ね」
「…んだ?命令伝えるなんざ、手紙でも送りゃ済む事じゃねェか…。わざわざ”そんな事”にまで役目与えるなんてな…」
”そんな事”の部分を強調するジャンガにルイズはムッとした。
「勅使が伝える事は外部に洩れてはいけない、洩らしてはいけない本当に重要な事なの。
伝書フクロウなんかで運んだら、万が一他人に盗み見られるかもしれないじゃないの。
だからこそ、王宮では信頼に値する実力の伴った貴族を勅使に任命するのよ。解った!?」
「あ~はいはい…、実に良く解る説明だったゼ」
爪で器用に耳の穴を穿りながら、ジャンガは生返事を返す。
「でだ…、そんな御偉い勅使の”貴族様”がなんだって、こんな所で働いてる小娘一人をわざわざ引き抜いたりするんだ?
御偉い様なんだからよ…召使なんかには事欠いていないんじゃないか?」
その質問にルイズは難しい顔をする。
「…多分、自分の妾にするのだと思うわ…」
「はァ?」
間の抜けた声が口から漏れた。
妾……つまりは、最初から”女”として扱う為に雇ったと言うのだ。
「貴族にも色々いるし、噂でしか聞いてないけど…。そう言う話もあるって事…」
「ハンッ、想像していたよりも、貴族ってのは性質が悪いみたいだな。…獣以下だゼ」
ジャンガの最後の言葉にルイズはキレた。
「あ、あんた、今のは貴族全員に対する最大の侮辱よ!?」
「事実を口にしただけだぜ…?この間のキザ野郎もそうだが、平民に対して人としての接し方をしてるとは思え無ェよな?
まるで牛馬に対するような、家畜同然の扱いだ」
「そ、それは…」
「テメェだってそうだろう…、俺様を使い魔だと言って、こっちの言い分なんか聞きもせずにこき使ってくれたくせによ?
…もうそんな命令は受けたりしネェけどなァ~。キキキ、お前もモットって奴と同じだゼ」
「違う、私は違う!私は…」
「どう違うってんだ?違う所を探す方が難しいぜ…。――ああ、”魔法が使えない”って所は違うかもな…キキキキキ!」
「くく~~っ!!」
悔しがるルイズ。と、唐突にジャンガは笑いを引っ込める。


「な、何よ?」
「まァ……貴族はクソだが、平民もクソが多いよな…」
「え?」
「例えば…こんな奴等さァァァーー!!」
叫びながら、ジャンガは後ろへと振り向きざまにカッターを放つ。
唸りを上げて飛ぶカッターは少し離れた所の壁を大きく抉る。
煙が立ち込め、壁の欠片がパラパラと降り注ぐ。その光景にルイズは呆然とするしかなかった。
「あ、あんた…いきなり何を――」
「おい…そこに居るんだろう?」
ルイズの言葉を遮って、ジャンガは崩れた壁を見ながら声を掛ける。何だろうと思い、崩れた壁を見る。
煙が晴れ、そこに数人の給仕の男女の姿が見えた。突然の事で皆一様に震えている。
その給仕達に向かってジャンガは歩み寄るや、男の一人の胸倉を掴み、高々と持ち上げた。
首が絞まり、息苦しさに苦悶の表情を浮かべる。
ジャンガはそんな事は気にも留めずに給仕の男を睨み付ける。
「おい…さっきからウルせェんだよ…。陰で隠れてこそこそしやがって、正直ウゼェぜ」
「ちょっ、ジャンガ!いきなり何を!?」
怒鳴るルイズにジャンガは不思議そうな表情を向ける。
「お…こいつらの事を庇うのか?…こいつらが今何を言っていたか知りたいか?」
「え?」
「こいつら、さっきからここに隠れてテメェの悪口を言ってたんだよ。無能なのに貴族で生意気だとか…、
とんでもない奴を召喚しやがってとか…、使い魔の主人のくせに管理できてないとか…、
そりゃもう色々とな…。正直、あまりのバリエーションの多さに俺でも脱帽しちまったぜ…キキキ」
「……」
「ま、無力な雑魚共が出来る事といやぁ…これ位だろうけどな。――俺としてはウゼェ事極まりねェ…」
そこまで言ってジャンガは給仕の男を自分の眼前に引き寄せた。
息が掛かるほどの距離で睨み付けられ、給仕の男は震えるばかりだ。
震える男にジャンガは威圧感タップリに言った。
「お前等が別に貴族の奴等をどう思おうと、どう悪く言おうと関係無ェさ…。だがよ、そういうのは俺のいない所で言いやがれ。
ウゼェんだよ…、今度俺の近くで同じ事をしたら……」
そこで一旦言葉を切ると、一層濃い殺気を含んだ視線をぶつける。

「殺すぞ?」

――たったの一言だった。しかし、その一言に掴まれた男だけでなく、他の給仕も全員、一様に激しく何度も首を縦に振った。
それを見ると、ジャンガは男の胸倉を掴み上げる爪を離した。
地面に落下した男は、その場で息を整えるもせずに咳き込みながら、ほうほうの態で逃げ出す。
他の給仕達も男が逃げ出すと同時に蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
その様子を見て、ジャンガは笑った。
「キキキ…全くよォ、互いに憎み合っている様は見ていて楽しいぜ。
貴族も平民もやってる事は同じだってのによ…それにすら気付いてねェかな?キキキ…馬鹿ばかりだな」
「な、何よ…煩いんじゃなかったの?」
「あン?…別に見ている分には楽しいさ、当然の事だろう?ただよ…、俺が話をしている時に横槍を入れるのが気にくわねェんだよ」
「そう…」
「フンッ……もうテメェに聞く事も無ェ…、教室に戻るなり部屋に戻るなり好きにしやがれ」
「その積りよ!」
ルイズはスカートに付いた埃を払い、踵を返すと教室へと戻っていった。
ジャンガはもう一度つまらなそうに鼻を鳴らすと、その場から立ち去った。



夕方…
オレンジ色に染め上げる夕日、輝きを増してきた二つの月が空に浮かんでいる。
それらを本塔の屋根の上で見上げながら、ジャンガはポツリと呟いた。
「…不味かったな、昼食…」



あの後、適当に時間を潰し、昼食をいつもの通り厨房で食べた。
マルトーとか言うオッサンは嫌な顔をしていたが、相手の機嫌を損ねるとどうなるかは解っているので、
嫌な顔をしながらも最高の料理とワインを出したから別にいい。――しかし、何か物足りなかった。
今までと同じような食事だ。実際、味は悪くない。違いは無いはずである。
…あるとすれば、いつも怯えながらも厨房の連中でただ一人、笑顔で居続けた例の小娘が居なかった事位か。
小娘一人居なくなっただけで、なんでこんなに飯が不味く感じるのだろうか?
不思議……と言うよりは不愉快だった。
「チッ…」
ジャンガは舌打し、目を閉じた。少し…と言うよりはかなり早いが、眠ってしまえば嫌な事も忘れられる。
そう考え、ジャンガは夢の世界に意識を委ね様とした。…が、その考えは直ぐに打ち砕かれた。
目を閉じた瞬間、例の小娘の顔が浮かんだのだ。それも最後に別れた時の寂しげな表情をして…。
(ああ……全く、ウザってェ…)
イライラを募らせながら、何とか視線を小娘から逸らそうとするが、それも叶わなかった。
やがて、小娘は会釈をし、馬車へと走っていく。
(クソが……いつまで続くんだよ――って、ん?)
イライラが頂点に達しようとした時、ジャンガはある事に気が付いた。
馬車の扉が開け放たれた時に、中に赤く丸いずんぐりとした生き物が見えたのだ。――その生き物にジャンガは見覚えがあった。
生き物が何であるのか理解した瞬間、ジャンガは両目を見開いていた。
跳ね起き、ポツリと呟く。
「何で…ここにいるんだ?」
解らない。ここが自分の居た世界とは違うのは既に承知の事実。…では、何故”あれ”がここに居るのだ?
自分の様に召喚されたのか?ルーンは見当たらなかったが、逃げ出したりしたのだろうか?
…いや、もっと単純な理由がある。そう”あいつ”だ。
「…確かめるか」
ジャンガは立ち上がると本塔の上から消えた。

寮塔の玄関ホールにある噴水。
その縁に腰掛け、二人の生徒が話をしている。ギーシュとモンモランシーだ。
モンモランシーはギーシュから手渡されたのであろう、ブローチを嬉しそうな笑顔で見ている。
「素敵、ミスリル銀のブローチね」
「君にお似合いだろう、モンモランシー?」
その言葉にモンモランシーは怪訝な表情を浮かべると、ギーシュを見た。
「これでこの間の事を帳消しにしようっての?」
モンモランシーの言葉にギーシュはふと笑みを浮かべる。
その笑顔にモンモランシーはドキッとしたが、辛うじて顔には出さずにすんだ。
「な、何よ…そんな顔しちゃって?」
「モンモランシー……僕は間違っていたよ」
「え?」
ポカーンとするモンモランシーだが、ギーシュはそのまま言葉を続ける。
「僕は多くの女性に対して同じように接するのが正しい事であるとして信じてきた。
だが、それは間違いだった。この間の事で理解したよ…真に愛する者はただ一人しかいないのだと。
君はあの時、あの凶悪な亜人を目の前にしながら、僕を庇ってくれた。
…嬉しかったよ、本当に。そして、同時にこんなに優しい君をちゃんと見つめていなかった自分を恥じたよ。
これからは君を見続けるよ。無論、必要な時には一人の男として他の女性に接したりするだろう。
だが、愛するのは君だけだ…モンモランシー。約束する、もう君を悲しませたりはしないよ、僕のモンモランシー」


モンモランシーは別人を見るような目で目の前の男を見た。
あの決闘騒ぎ以前の彼ならば、こんな台詞を吐く事は……あったかもしれない。
(それはどうでもいいわ!)
心の中で叫ぶ。…とにかく、今のギーシュは以前とは違う。
軽い軟派な男ではなく、文字通りの”漢”だ。
モンモランシーは確信していた、今の彼ならば全てを信じて上げられる…と。
「…いいわ、信じてあげる。――絶対に、私を泣かせないでよね?」
「ああ、約束するとも」
そう言うと、ギーシュはモンモランシーの顎に手を添え、目を閉じる。
モンモランシーもウットリとして目を閉じる。
目を閉じた二人の距離は徐々に近づき、そして――

「おー、おー、熱いねェ~?」

――唐突に聞こえてきた声に、二人は目を開き、声の方に顔を向ける。
ニヤニヤしながら長身の亜人が自分達を見下ろしていた。
「ジャ、ジャンガ!?」
ギーシュは反射的に立ち上がり、モンモランシーを背に庇う。
モンモランシーは心配そうにギーシュを見つめる。
「き、君は…ま、また、人の恋路を邪魔しに来たのか…?」
「キキキ…、そりゃお前…こ~んな楽しい事をやっている所へ首を出さない訳が無いだろうがよ?」
「傍迷惑よ!」
叫ぶモンモランシーだが、
「――嘘だがよ」
直後のジャンガの言葉に脱力し、一瞬こけそうになった。
しかし、ギーシュは変わらずジャンガを睨み付けた。
「一体、僕達に何の用が有るんだ!?」
そう叫ぶギーシュにジャンガは目を向ける。ギーシュはその目に一瞬、決闘の時の恐怖を思い出し震え上がったが、
直ぐに立ち直ると杖である造花のバラを構えた。それを見てもジャンガは笑うだけだ。
「キキキ、そんなにカリカリすんじゃねェよ。――テメェに聞きたい事が有るのさ」
「へ?」
唐突なその言葉にギーシュはポカンと口を開けた。

その夜…
夕食を取っていたルイズの下に珍しく、料理長のマルトーがやって来た。
「あの、貴族様…お食事中に申し訳ないんですが…」
「何?」
ルイズはスプーンやフォークを動かしていた手を止め、取り出したハンカチで口元を拭う。
「その、貴方様の使い魔の事なのですが…」
「……ジャンガがどうかしたの?」
また何かしでかしたか…、ルイズは頭痛がする頭を抱え込む。――しかし、返ってきた答えは予想外の物だった。
「いえ…いつもならば既に姿を見せているはずの時間なのですが…、一向に厨房に現れないので…。
折角の料理も冷めてしまうので…それで、主人である貴方様にお尋ねしたのですが……ご存知ではないですか?」
ルイズは驚いた表情でマルトーを見る。
「あいつが…いないの?」
「へ、へぇ…」
どうしたのだろうか?まさか、何処かで遊び呆けているのか?
悩んでいるとテーブルを挟んだ向かいで、モンモランシーと食事をしながら談笑していたギーシュが口を挟んできた。
「あの亜人がいないのか、ルイズ?」
「ええ…そうみたい。何か知ってるの?」
「いや、実はさっきの事なのだが、あの亜人がモット伯の屋敷の場所を尋ねてきてね」
「モット伯ですって!?」
驚き、声を上げるルイズ。昼間の件もある、一体あの亜人はモット伯の屋敷に行って何をするつもりなのだ?
ルイズは唐突に席を立つと、そのまま食堂を出て行こうとする。マルトーはルイズの背に声を掛ける。
「あの、貴族様…どちらへ?」
「…貴方には関係ないわ」
「食事は?」
「片付けておいて。もういらないから」
そう言うとルイズは食堂から出て行った。




――ここで少し時間を遡る…

――ルイズが食堂を出る約二時間前――
ギーシュから場所を聞いたジャンガは、今モット伯の屋敷の前へと来ていた。
「来たはいいが…さて、どうするかねェ~?」
と、門前で腕組みをし、悩んでいるとジャンガの存在に気付いた一人の衛兵が駆けて来た。
「誰だ!?」
「お~お~…こりゃ好都合だ」
「何者だ貴様!?亜人がここへ何のようだ!?」
「ムゥッ!」
衛兵の声の後に聞きなれた可愛らしい叫び声が聞こえ、ジャンガは目を向ける。
そこには予想通りの物が居た。
ジャンガは口の端を持ち上げ、ニヤリと笑った。

一方、屋敷内では…
モット伯が雇ったばかりのシエスタを自室へと呼び寄せていた。
シエスタは学院のとは違う給仕の服を身に着けている。
黒ではなく赤が強調されているのもそうだが、スカートは格段に違う。
学院の物と比べても短すぎ、太股までが見えてしまっている。無論、モット伯の趣味だ。
モット伯はそんなシエスタを頭の上から爪先まで舐めるように見つめる。
「どうだ、仕事には慣れたか?」
「はい、大体は…」
「そうか…まぁ、余り無理はせぬようにな」
そう言ってモット伯はイスから立ち上がり、シエスタの後ろへと回ると肩に手を置くと、そのままシエスタに顔を近づけた。
突然の事にシエスタは驚き身を竦ませる。モット伯は彼女の耳の傍で囁くように言った。
「私はお前をただの雑用の為に雇った訳ではないのだからな…、シエスタ…」
「あ、あの…」
どうしたらいいのか解らず、シエスタはただうろたえるのみだった。
その時、扉が叩かれた。モット伯はシエスタから離れ、扉に向かって声を掛ける。
「何だ?」
「ジャンガと名乗る亜人が伯爵に面会したいと言っております」
「ジャンガ?知らぬ名だな…。しかも亜人だと?」
怪訝な顔をするモット伯の横でシエスタは動揺を隠せなかった。
(まさか…どうして?)
何故彼が、ここに来たのか…シエスタには理由が解らない。
そして、彼女はモット伯に言われ、疑問を残しながら部屋を退室した。

モット伯の部屋へと通されたジャンガは屋敷の豪華さに忌々しげに鼻を鳴らした。
「ハンッ…成金趣味丸出しだな…」
「君かね、私に面会したいとか言う亜人は?」
聞こえてきた声にジャンガは視線を前に向ける。
豪華な屋敷に負けないくらい立派な服に身を包み、赤いこれまた立派なマントを羽織った男が居た。
どうやら彼がモット伯らしい。ジャンガはこれと言った感情も表さずにモット伯を見据える。
「モット伯ってのはアンタの事か?」
「下賎な亜人風情が、貴族に馴れ馴れしい口を聞くな!」
ジャンガの言葉にモット伯は怒鳴った。
しかし、ジャンガがその程度の怒鳴り声で怯えるはずも無く、爪で頬を軽く掻く。


「まァそんなにカッカするんじゃねェよ…、血圧が上がるゼェ?」
「ふんッ!…それで、亜人風情が貴族の屋敷に何の用だ?」
「そりゃ、用があって来たのさ…。大体、用も無けりゃ、こんな所に来やしねェよ。
――テメェみたいな…女抱く為に立場を利用する阿呆の所なんかにはな…キキキ」
「貴様!亜人の分際で貴族を侮辱するか!?」
痛い所を突かれ、逆上したモットはイスから立ち上がり、壁に立て掛けてあった自らの杖を取る。
「そこへなおれ!」
「待ってください、伯爵!」
扉が開き、シエスタが部屋に入ってきた。ジャンガはシエスタに目を向ける。
「何だ、嬢ちゃんか?」
シエスタはモット伯の前に跪く。
「伯爵、この者の無礼をお許しください」
「ならぬ!かような亜人風情の無礼を許していてはジュール・ド・モットの名が廃る。そこを退かぬか、シエスタ!?」
「出来ません!」
「何!?」
「モット伯、私はどのような罰でもお受けいたします。ですから、ジャンガさんの事を許してください」
驚くモット伯に顔を上げたシエスタは懇願した。
幾分か気持ちが落ち着いたのか、モット伯はシエスタに尋ねた。
「お前はその亜人とどのような関係なのだ…シエスタ?」
「…私が向こうで給仕をしていた時の知り合いです。ジャンガさんは、私に良くしてくれたとある貴族の方の使い魔でして…」
「フン、なるほどな」
つまらなさそうに鼻を鳴らすモット伯に、シエスタは懇願を続ける。
「お願いですモット伯、ジャンガさんがここに来たのは私の責任なのです。ですから、罰を与えるなら私に――」

「テメェ……本当のバカだな?」

シエスタの声を遮って、ジャンガの声が部屋に響いた。
その声にシエスタは思わず振り返ると、下らない物を見るかのようなジャンガの顔が目に入った。
「ジャンガさん?」
「俺がいつ…”テメェの事で来た”なんて言った?勝手に勘違いしてんじゃネェよ、ウザってェ…」
「そ、そんな…」
「ま、そんな事よりもだ…」
悲しそうな表情を浮かべるシエスタを気にも留めず、ジャンガはモット伯を見据える。
「テメェによ…聞きたい事があるんだがな~?」
「貴様、何処までも無礼な態度を――」
「ああ、もう最後まで話しは聞きやがれ。ッたく…貴族ってのは本当に要領が悪すぎる奴ばかりだゼ」
悪態を吐きながら、ジャンガは顎をしゃくる。
モット伯が目を向けると、そこには自分が…否、正確には自分が雇っている幻獣が使役する幻獣がいた。
「ムゥ?」
頭と身体の区別が無い、いわゆる”一頭身”の幻獣は、ほぼ身体全体を傾ける。
その仕草は見る物が見れば間違いなく可愛らしいと言うだろう。
モット伯はジャンガに視線を戻す。
「その幻獣が何だと言うのかね?」
「キキキ、いやなに……こいつらは俺の知っている幻獣だ…。『ムゥ』って名なんだがよ…、こいつはお前が使役してるのか?」
モット伯は、何だそんな事か…、とでも言うかのように鼻を鳴らす。
「違うな。それは私が雇っている、とある幻獣が使役しているのだ」
その言葉にジャンガは目を光らせ、口の端を吊り上げる。
「ほゥ?そうかい…」


「聞きたい事はそれだけかね?では、貴族を愚弄した罰を受けてもらおうか」
杖を構えるモット伯にシエスタは慌てて懇願する。
「待ってください、モット伯!お願いです、ジャンガさんへの罰は私が受けますから、どうか!?」
「ええい、お前は下がっておれ、シエスタ!」
そんな二人の会話も何処吹く風…、ジャンガは自分の予感が当たった事に笑いを隠せずにいた。
(キキキキキ…、なるほどねェ~…”あいつ”も来ていたとはなァ…。キキキキキ…)
「キキキキキ…、キーーーッ!キキキキキキーーーッ!!」
突然、大声で笑い出したジャンガに、シエスタもモット伯も呆然と見つめる。
ジャンガは一頻り笑うと静かに呟いた。
「随分とまた……回りくどい真似をしやがるぜ…」
そして目を見開き、高らかに叫んだ。

「居るんだろ!?出て来いよ、ジョーカーーーー!!!」

「のほほほほ、いつお呼びしてくれるか…ドキドキしながら待っていましたよ、ジャンガちゃん♪」
何処からともなく、場の雰囲気にそぐわない陽気な声が聞こえ、唐突に一体の幻獣がその姿を現した。
その姿は一目見ると、誰もが道化師=ピエロを思い浮かべるだろう。
ムゥと呼ばれた幻獣と同じ頭と身体の区別が無い一頭身…大きさは一メイルほどだろうか?
白い顔には黒い十字マークのような目とギザギザの歯が描かれたような笑みを浮かべた赤い口、
オレンジと赤の縞模様をした身体、その身体(頭部?)の一部が背後に向かって突き出し、下巻きに緩やかなカーブを描いている。
白い手袋をしたような手や先の曲がった紫色の靴を履いた足は腕や腿で繋がっておらず、両手や身体はフワフワと宙に浮いているような感じだ。
何とも珍妙な…ハルケギニアでは見ない種類の幻獣である。
ジャンガは笑いながらピエロの幻獣を見つめる。
「よう、久しぶりだなァ…ジョーカー?」
ジャンガにジョーカーと呼ばれた幻獣は左手を口元に当てて笑う。
「のほほほほ、それは此方もですよ…お久しぶりですネェ~ジャンガちゃん」
「相変わらずのようだなァ?…率直に聞くが、あの馬車にムゥを乗っけたのはお前か?」
「その通りですよ。いやァ~ジャンガちゃん早く来ないかなァ~と、ワタクシ胸をトキメかせて待っていましたよ」
二人はそれまでの場の雰囲気などそっちのけで談笑する。まるで、仲の良い旧友に出会ったかのような…そんな感じだった。
たまらず、モット伯が怒鳴った。
「ジョーカー!貴様、その亜人と知り合いなのか?」
「あ、はい、そうですよ~♪ワタクシの無二の親友です、のほほほほ」
「親友ねェ~、あのガキ共が使うような歯の浮く台詞を、よくもまァ平気で言えるもんだなァ?」
「のほほほほ、他意は有りませんよ?」
そうやって再び楽しい会話を始めようとする二人にモット伯は再び怒鳴った。
「え~い、黙れ!ジョーカー!貴様の親友であろうと関係無い、その亜人はこのジュール・ド・モットを侮辱したのだ。
貴様の幻獣共を呼び出し、即刻そやつを捕らえよ!」
しかし、ジョーカーはモット伯を見つめ、動こうとしない。モット伯は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「どうした、ジョーカー!?」
「あ、いえ……どうして貴方の命令を聞かなければならないのかと、そう疑問に思っただけですよ?」
「何!?」
ジャンガはその時、ジョーカーの身体の右側面に刻まれたルーンに気が付いた。


「おい、ジョーカー…お前、まさかそのオッサンに召喚されたのか?」
「まさか?こんな人に仕えても面白くなさそうですからネェ~…小悪党のいい例ですし」
「貴様…、ジョーカー!?主であるメイジから逃げ出し、行く当ての無かった貴様を拾ってやった恩を忘れたか!?」
叫ぶモット伯にジョーカーは怪訝な表情を浮かべる(と言っても、実際殆ど変わらないのだが)。
「はて?ワタクシ…いつそのような事をおっしゃいましたか?ワタクシは『ここで働かせてもらえませんかネェ?』と言っただけですが?」
「ぬっ!?」
ジョーカーは再び手を口元に当て、片方の目の形を変え、如何にも可笑しいと言う表情を見せる。
「まァ…出会いのイベントとしては上々な出来でしたかね?役者が大根でシナリオの半分もこなせてませんでしたが…」
「キキキ…なるほどねェ。俺と会う為だけにこいつを利用したのか……いいねェ、そういう所…変わってなくて嬉しいぜ。キキキキキ」
「お褒めに預かって光栄ですネェ~、のほほほほほほ♪」
二人の笑い声が部屋に響き渡る。
一頻り笑うとジャンガはジョーカーに言った。
「さてと…それじゃ仕上げと行くか?」
「はいな~、ジャンガちゃん♪」
ジャンガの言葉に嬉しそうに返事をするジョーカー。
「おっと、その前に…ジョーカー?」
「はい?」
「仕上げの前にそこにいる…シエスタ嬢ちゃん、眠らせてくれねェか?」
ジャンガに顎で示された所には跪いたままのシエスタがいた。
ジョーカーは納得するとシエスタに向かって右手を飛ばす。彼女の頭の上に掌を翳す形で停止した右手の掌から、紫色の輝きが放たれる。
途端、シエスタは目を閉じ、繰り糸を手放された人形のようにその場に倒れ込む。
「何?」
「がっ!?」
「ぐっ!?」
モット伯が驚くや、衛兵の呻き声が聞こえた。
見れば、ジャンガが後ろに居た衛兵二人の胸を両手の爪で貫いている。
爪を引き抜くと同時に倒れる衛兵。
ジャンガは爪から血を滴らせながら、モット伯へと向き直る。
「キキキ…次は、テメェだな?」
「き、貴様……私の二つ名は『波濤』のモット!トライアングルの――」
「メイジだって言うんだろ?…聞き飽きたゼ、その手の台詞はよ」
耳を穿りながらそう言い捨てるジャンガ。その相手の態度にモット伯は激怒した。
「お、おのれ、その余裕も今のうちだ!」
「どうでもいいがよ……テメェらメイジは杖は大事なんだろ?」
唐突なその言葉にモットは怪訝な顔をする。
「それがなんだ!?」
「手放していいのかと思ってな…?ああ、いや違ったな。手放しちゃいねェな…。
にしても、繋がってなくても放さないってのは…凄ェもんだゼ、キキキ」
何の事だ?目の前の亜人は何を言っている?
唐突にジョーカーが笑った。
「のほほほほ、いやいや…相変わらず凄いですネェ~。やられたご本人、全く気が付いていないのですから」
「な、何の事だ!?」
「貴方の足元を見れば解ると思いますがネェ~?」
「ん?」
言われるがまま足元を見る。そこには人の腕が落ちていた。
誰の腕だ、と思う前にその腕の握っている杖や服の袖に見覚えがあった。いや、見覚えがありすぎる。…だってそれは、自分の物だから。
恐る恐る自分の右腕を見ると…無かった。…肘から先が綺麗さっぱり。
一瞬、思考が停止した。
「な、な、何だとーーー!!?」
その絶叫と共に、止まっていた時間が動きだしたかのように、モット伯の腕の断面だから激しい血飛沫が迸る。
瞬間、音も無く駆け寄ったジャンガによってモット伯はその胸を貫かれた。
モット伯はパクパクと陸に上げられた魚のように口を動かし、やがて事切れた。
死んだモット伯を見下ろし、ジャンガは心底楽しそうに笑う。


「キーーーッ!キキキキキーーーッ!!!感謝しなオッサンよォ~…秒殺してやったんだからなァ。何処かの気障ガキと比べたら幸せなもんだぜ…」
「のほほほほ、お休みなさ~い、モット伯さん。のほほほほ♪」
ジャンガに同調するようにジョーカーも実に楽しげに笑う。
と、扉が叩かれ、衛兵の声が聞こえてきた。どうやら、騒ぎを聞きつけてきたようだ。
ジャンガは笑いを止め、ジョーカーに向き直る。
「よう、ジョーカー…シエスタ嬢ちゃんを見ていてくれるか?」
「あ、はい、いいですよ。ジャンガちゃんは”お掃除”に行くんですか?」
「いや、夜も遅いからよ…”寝かし付けてくる”」
ニヤリと笑うジャンガ。それにジョーカーも笑みで答え、手を振って見送った。
扉を開けると、向こうに衛兵が屯していた。
ジャンガとその姿に怯む衛兵達の姿が扉の向こうに消える。



――約十分間ほど、モット伯邸に大勢の悲鳴と断末魔、狂ったような笑い声が響き渡った――



静寂が支配したモット伯邸…
モット伯の部屋ではジョーカーが未だジャンガを待っていた。
ジョーカーが座った椅子の足元にはシエスタが寝息を立てて眠っており、離れた所には二人の衛兵と右腕を切り落とされたモット伯の死体がある。
そんな中、ジョーカーは椅子に座ったまま両足をパタパタと動かし、鼻歌を歌いながらジャンガを待っている。
その光景は実にシュールだった。
と、扉が開いた。入ってきたのはジャンガだった。
「あ、ジャンガちゃん、お疲れですネ。終わったんですか?」
「ああ、もう全員眠ったぜ?キキキ…寝付きのいい奴らばかりで、助かったゼ」
「のほほ、それはそれは。では、後はワタクシが後始末をしておきますので」
「キキキ…、それでだ」
「はい?なんですか?」
ジャンガは爪でシエスタを指し示す。
「そいつの頭の中を弄ってくれるか?とりあえず、メイジ崩れの盗賊連中が大挙して襲ってきて、そいつは慌てて逃げ出した。
そんで、俺とは森の中であって、気絶した…そんな感じにやってくれや」
「のほほほほ、お安い御用です。では、シエスタさん…少~し頭の中に失礼させてもらいますよ?」
そう言ってジョーカーは先程と同じようにシエスタの頭の上に右手を翳した。

――モット伯邸の門の所までジョーカーはジャンガを見送る事にした。
「それでは、ワタクシはこれから後片付けに戻りますね?」
「ああ、頼んだゼ…」
シエスタを横抱きに抱きかかえながら、ジャンガはジョーカーを見つめる。
ジョーカーはそこでふと思い出したようにジャンガに尋ねる。
「そう言えばジャンガちゃん?」
「ん?」
「何でその方だけは助けたんです?」
「…別に深い意味は無ェ。…ただ、こう言うお人好しなバカは使いようだからな。助けておけば、後々役に立つだろうって事さ…キキキ」
「なるほど…それもそうですね。では、ワタクシはこれで、またお会いしましょうジャンガちゃん♪」
「ああ、俺は暫くは魔法学院に居座ってる積りだ。ま、暫くはお互い好きにやろうや…」
「そうですね~、のほほほほほ♪」
「キキキキキ」
二人の笑い声は闇夜に木霊した。

ジョーカーと別れ、ジャンガは森をシエスタを抱きかかえながら、一路魔法学院へと向かった。


途中の森の中でジャンガはふと、腕の中のシエスタを見た。
ジョーカーの眠りの幻術が掛かっているとはいえ、実に気持ち良さそうに眠っている。…本当に気持ち良さそうだ。

――もう~歩けな~~い~~、だっこして~~――

――テメェは飲みすぎなんだよ…、ッたく…――

また、昔の光景が脳裏を過ぎる。頭痛がし、左手にも痛みが走った。
「チッ…」
舌打ちをし、ジャンガは頭を振った。
徐に月を見上げる。…実に綺麗な月だった。
「いい月夜だな…」
そうジャンガが口にした直後、遠くから馬の蹄の音が聞こえてきた。
目を凝らすと遠くから桃色の髪を揺らしながら、一人の少女が馬に乗って此方に向かって来てる。
「チッ…無粋な野郎が来やがったゼ…」
ジャンガの横を通り過ぎ、少女=ルイズは馬を止める。
「ジャンガ!あんた、何やってるのよ!?」
「んだよ、テメェには関係無ェだろうがよ?」
「関係無いって……」
そこでルイズはジャンガの腕の中で眠るシエスタに気が付いた。
「シエスタ!?ジャンガ…どう言う事!?」
「どうもこうも…この森を歩いていたら嬢ちゃんが歩いてきてよ、随分と疲れた様子だったぜ?
話を聞く限りじゃ、モット伯の屋敷にメイジ崩れの盗賊が入ってきたらしいゼ?嬢ちゃんは必死で逃げてきたんだとさ。
んで、一通り話したら気絶しちまった…ってことさ」
一応筋は通っているようだ。…が、ルイズは一つ気になった事があった。
「あんた…随分前に出たんじゃない?何でこんな所を歩いていたのよ?」
「…別に。ただ道に迷っただけだ」
「…凄く見通しのいい道ばかりなんですけど?」
「……」
二人の間に沈黙が広がった。
「あんた…何をやっていたのよ?」
「…別に?」
ルイズは反射的に道の先に目を向ける。遠くにモット伯の屋敷の明かりが見えた。
そんなルイズにジャンガは声を掛けた。
「止めときなァ、屋敷には近づかない方がいいゼ~?…死にたくなけりゃよ」
「ジャンガ……あ、あんた…」
声を振るわせるルイズを笑みを浮かべながら見つめるジャンガ。
「いいじゃねェかよ…俺達には関係無ェんだからよ。所詮はお偉いさん達の間の問題だ…。キキキ、気にする事は無ェゼ」
そう言ってジャンガは歩き出した。
色々と言いたかったが相手は聞きもしなさそうなので、ルイズは諦めるとジャンガの後を追って馬を歩かせる。
ルイズはもう一度、モット伯邸を見た。闇夜に薄っすらと浮かぶ屋敷の明かりは不気味な感じがした。



その頃、モット伯邸では…
「いや~申し訳ありませんね、ガーゴイルを送ってもらって助かりましたよ…。流石にムゥちゃん達だけでは細かい作業は無理な物ですからネェ~」
ジョーカーは人形を手にしている。何処にでもありそうな普通の人形だった。
その人形へとジョーカーは語り掛けていた。…誰かと話をするかのように。


「あ、それよりも、タバ…シャルロットさん、もう完全に完治したみたいなので、”仕事”には戻れると団長さんに伝えといてください。
いえいえ…、今はあの方も私の取ってきた例の”オルゴール”に夢中でしょうしね……他の準備など諸々は遅れても仕方ないでしょう。
あのお方はマイペースですからね…のほほほほ。あ、いえいえ…バカにした訳ではないですよ?本当ですよ。
ワタクシですか?もう少し、あの学院を見ていようと思いますね。…いえ、何か物凄く楽しい事が見つかりそうなんですよ。
こういう時のワタクシの感は当たるんですよ…いえ本当ですよ?
まァ、暇は貰っていますし……もう暫くは此方に居ます、はい…そう言う事で。
…では、またお会いしましょう。あのお方にもよろしく伝えて置いてくださいネェ~、のほほほほ♪」
話し終えたらしく、ジョーカーは人形をポイと宙に放る。瞬間、人形は消しゴムで擦るように消えた。
「…始祖の残せし秘宝ですか…。ただのオルゴールでは無いと思ってましたけど…とんでもない代物だったんですネェ~?
それにしても、あのオルゴールの本来の持ち主の方々…既に偽者に摩り替っているなんて夢にも思わないでしょうね」

ジョーカーはそう言うと、一人楽しげに笑うのだった。



――翌日、
モット伯邸が何者かに襲われ、モット伯以下…使用人、衛兵の区別無く全員が皆殺しになると言う大惨事に、
学院は愚か…トリステイン中がひっくり返るような大騒ぎとなった。
モット伯邸へと向かった使い魔ジャンガと主人のルイズ、唯一の生き残りであるシエスタは重要参考人として王宮からの使いに事情を聞かれたが、
有用な情報は得られず、シエスタの記憶も曖昧な所が多かった為、状況証拠から事件はメイジ崩れによる強盗だと言う事で決着が付いた。
シエスタは再び学院で雇われる事となり、全ては元の鞘に収まった……かに見えた。

実際は、ルイズがジャンガへの嫌悪感をますます募らせたり、記憶を改変されたシエスタがジャンガを恩人と慕ってより一層懐いた…などの変わった所もあったのだった。





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