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ゼロの皇帝9

「んー、暇じゃのう、ミス・ロングビル。何かこう血湧き肉躍る、エキサイティングでエキセントリックな
ことでもないかのう?」
「オールド・オスマン、とりあえずあなたにとって私のお尻を触るという行為はそれらに該当しないよう
ですね」
「いやいやそれは違うぞ、ミス・ロングビル。そなたの尻は癒し。慈悲と慈愛に満ちたものであるからこそ
こうしてわしは触り、そして和んでおるのじゃ」
「ではなぜ私はこんなにもストレスが溜まっていくのでしょうか」
「そりゃ年れ」


コンコン。
いつもより丁寧にノックをする。こういう重大な用件を伝える時ほど、冷静にならなければならないことを
彼-コルベールは長年の経験から知っていた。報告をする側の人間が慌てていては、どれほど重要な事
でも正確な対応が取れないばかりか、全く役に立たない事を延々と繰り返してしまう可能性すらあるのだ。
そして今回の件は下手をすればこの国の将来をも大きく変えてしまう、それほどの用件である。
そして一つ息を吐いた後、もう一度ノックをする。
コンコン。
…返事がない。また学園内を徘徊しているのか?それともうたた寝でもしているのか?そんな事を考えてはみるものの、
一刻も早く学園長に知らせなければという気持ちからとりあえず部屋に入ってみる事にする。

「オールド・オスマン。コルベールです、入ります。」


そう言いながらコルベールが扉を開けて中を見るとそこには…ミス・ロングビルから強烈なボディーブローをお見舞いされて、
数センチとはいえ宙に浮いているオールド・オスマンの姿があった。

「ヘビー級(?)のオスマンクンが浮いた!?」

思わずそう言いたくなるぐらいの一撃が見た目はヨボヨボのじーさまに炸裂していた。よりによって攻撃していたのが、
少なくともコルベールの知る限り荒事には縁のなさそうなミス・ロングビル。しかも次に彼女から出た言葉が

「てめーは誰なのか!?このアタシにでっけぇ声でいってみろ!?あぁ!?」

である。そしてコルベールが腰を抜かしている間に、ロングビルはセクハラがくの字に体を折ったところへ下半身の
バネを最大限利用してセクハラの顎に強烈なアッパーをカチ食らわす。そのままとどめと言わんばかりに体を揺すり
ウィービングを始めようとした時、やっと正気を取り戻したコルベールに止められた。

「落ち着いてください、鰐ぶ…じゃなくてミス・ロングビル!何があったかは知りませんが、オールド・オスマンは一応
老人です!万が一のことがあったら…それはそれでいいかもしれませんが…いや、とにかく落ち着いて下さい!」
「……あら、ミスタ・コルベール?すいません、ついカッとしてしまって。はしたない所をお見せしてしまったかしら?」

非常に返答に困る質問である。

「あー、えーとー、そのー…あ!オールド・オスマン!大変な事が分かりました!」
「それは…今のわしの状況より大変な事かの?」
「当たり前じゃないですか!ガンダールヴがミス・ヴァリエールで、使い魔が召喚したのは伝説なんですよ!」
「は?何を言っているんじゃ、おぬしは」
「ああ、もう!だから伝説のミス・ヴァリエールは、ガンダールヴが召喚した使い魔だったんです!」
「…すまん、ミス・ロングビル。こやつに目の覚める一撃をお見舞いしてやってくれ」


「…つまり、ミス・ヴァリエールが召喚した使い魔が伝説のガンダールヴであると、こう言いたいのじゃな」
「はい、そうですオールド・オスマン」
「ですがミスタ・コルベール、あの使い魔は召喚早々ミス・ヴァリエールの手で“ひき肉”にされていましたよ」
「まあ、そうなんですが…しかし!彼の左手に現れたルーンは間違いなくガンダールヴと同じもn」

とその時、マリコルヌにかけたリヴァイヴァが無事発動。

「「「ん?」」」

「…何じゃ今のは?」
「誰かが魔法を唱えたようですね」
「しかし、今の魔力の量は…しかも私達のものとは何か微妙に違う気がするのですが」
「ふむ。ミスタ・コルベール、おぬしは昨晩に似たような事があった事に気付いておったかね?」
「ええ、確か学生寮のほうで。しかも今まで感じた事がない類の…。…!まさか今のも」
「おそらくはそうじゃ。ただ一瞬で消えてしまったのと深夜だったためすぐには対応せんかったがの」
「しかし今回のはどちらかというと火の系統に近いような気がしましたが」
「なにをズレたことを言っておる、ミスタ・コルベール。あれほどの魔力の持ち主が一つの系統だけしか使えない
わけが無いじゃろが」
「そ、それもそうですね」
「あの、オールド・オスマン。さっきのはどの辺りで発生したのですか?」
「ああ、だいたいヴェストリ広場の辺りじゃ。どれ、ためしに覗いてみるか」

そう言ってオールド・オスマンが『遠見の鏡』を取り出しそれを覗くとそこには、大勢のギャラリーに囲まれている
ギーシュとその悪友たちが雑談をしていた。

「あれはグラモン家のせがれか?それにこの人だかり、なにか見世物でも始まるのかのう」
「いやなぜか彼が見世物になってしまう気がするのですが…おや?誰か来ましたよ」
「あれは…昨日ミス・ヴァリエールに召喚された使い魔のようですね」
「あ、確かにそのようです。しかし一体何が…」
「決闘じゃの」
「ああ決闘ですか、なんだそんな事…って決闘!?えぇ!?オールド・オスマン、早く止めにいかないと!」
「なぜじゃ?禁止されているのは貴族同士での決闘じゃろ?貴族対平民なら止める理由もあるまい」
「しかし、ギーシュ君はまだドットといえれっきとしたメイジ!これでは一方的なリンチになってしまいますよ!」
「やれやれ…ミスタ・コルベール。おぬしは何を報告するためにここへ来たのかもう一度思い出してみい」
「それはミス・ヴァリ……!しかしそれなら今度はギーシュ君の身が危ないです!」
「仕方ないじゃろ。おおかたあのマセガキがなにかヘマをやらかしたのをあの使い魔が仲裁に入って、それが不満で
八つ当たり気味に決闘を吹っかけた、こんなとこかの」
「しかしそれにしても…」
「それにじゃ、ミスタ・コルベール。これはあくまでわしの勘じゃが、この騒ぎで昨晩と今回の謎の魔力の件も片付くと思うぞ」
「まさか…もしそれが本当だとしたら、ギーシュ君が五体満足で決闘を終えられる確率は」
「ゼロじゃ。それはそれで、決闘がいかに危険な物か他の生徒に身をもって教えてくれる格好の教材じゃ。ま、そのへんは
あの使い魔の良心に期待するしかないわな」
「無責任な…!今からでも遅くない、私が止めに言ってきます!
「無駄じゃ。おぬしが止められるレベルの相手ではないし、一応貴族がその家名に懸けて行っている所を止めに入ると
今度はやれ名誉がどうとか面倒くさい話になってしまう。ここでおとなしく観戦しておれ。ああ、ミス・ロングビル。
すまんが中ジョッキ3つ、いやそなたも飲むじゃろ?もちろんジョッキも冷やしているのを頼む。あとは枝豆と、焼き鳥
それと乾き物を適当に見繕ってきておくれ。頼んだぞ」


そして決闘(というか虐殺)終了。
ジェラールの圧倒的な実力に、コルベールとロングビルは唖然としていた。彼らのジョッキに注がれたビールは
一口も飲まれることなく温くなり、泡も全て飛んでしまっている。しかしさすがというべきか、オスマンだけは
ご機嫌に三杯目に突入していた。

「いやー、仕事の時間に飲む酒というのはどうしてこんなに旨いんじゃろうなぁ?」
「……オールド・オスマン」
「ん?何じゃ二人とも進んでおらんのー。わしが頼んだのだから別に飲んでもいいんじゃぞ。イインジャゾー!」
「「オールド・オスマン!」」
「…ったく、酒を飲むときはもう少し楽しむもんじゃ。味わったり、落ち込んでるときの酒は独酌か、バーテンダーと
サシでいるときにしておかないと、相手が迷惑するわい。で、言いたい事は何じゃ?」
「「あの使い魔は」」
「あ、ミス・ロングビルお先に」
「いえ、ミスタ・コルベールこそお先に」
「いやいやそんなそんな」
「いえいえどうぞどうぞ」
「じゃあわしから」
「「どうぞどうぞ」」
( ( しまった! ) )
「結論から言えば、こちらから手出しをしてはいかん」
「しかしそれでは!」
「ミスタ・コルベール。今回の決闘、誰か怪我をした者はおるか?いないじゃろ。少なくとも彼はそれなりの常識と
周りに配慮するという気持ち、これらを備えているようじゃ。それに途中からのフルボッコはあの小僧が自ら
呼び込んだようにも見えたしの。大体、あれほどの実力の持ち主を力ずくでどうにかするなど、少なくともこの
学園内の人物でやるのはかなり厳しい。かといって王宮から支援を呼んで何かと介入されるのはもってのほかじゃ」

「はぁ…しかし、野放しにしておくのもどうかと思いますが」
「無論そうは言っておらん。いくら彼が凄腕だとしても、ミス・ヴァリエールの使い魔であることは事実じゃ。よって、
まずは彼女に彼が何者であるか、どこから来たのかを聞き出すように言い、その回答から我々が対策を練る。
これが一番無難じゃと思うがの」
「…分かりました。あと、彼がガンダールヴであることは間違いないですね?」
「おそらくはな。ただし原因と結果についてはどうだかは知らんが」
「というと?」
「最後、素手で叩きのめしておったじゃろ?確かガンダールヴとは「武器であればどんな物でも自由自在に扱える」
という事だったかの。それなら素手を選ぶのは不自然じゃ。つまり、ガンダールヴだから自由自在に武器を
使えるのか、自由自在に武器を使えるからガンダールヴなのか、区別が付かないという事じゃ。このことも含めて、
慎重に行動せねばならんぞ。さ、わしも少し考え事があるでの、一人にしてくれんか」
「あ、はい。それではミス・ロングビル、行きましょうか」

そう言って二人が部屋を出て行くと、オスマンは椅子にもたれ掛かり、どこか懐かしいものを見たような
そんな目をして、呟く。

「アバロン…まさかその名前をもう一度聞く事があるとは…わしにはその意味は分からんが、あのときの彼が
今際の時に言い残した言葉…彼ならば、あの破壊の杖の正体も明らかにしてくれるだろうか…」

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