決闘の日から数日…
「…ぐぅ…おや…かた…さまあぁぁ…」
今日もまた、トリステイン魔法学院に朝が来る。
「おや、かた、さまあぁぁ…」
そして、朝日が昇ったその瞬間。
「…ぐぅ…おや…かた…さまあぁぁ…」
今日もまた、トリステイン魔法学院に朝が来る。
「おや、かた、さまあぁぁ…」
そして、朝日が昇ったその瞬間。
「うぅおやかたさまあああああぁぁぁぁぁー!!!」
男の大声が学院中に響き渡った。
「きゃあああ!」
「うおわっ!?畜生、またルイズの使い魔だな!」
「しえええええ!持病の水虫じゃあああああ!」
その声に大勢の生徒が目を覚ます、これが最近学院での悩みの種となっていた。
毎朝決まった時間、この大声が聞こえて無理やり起こされてしまうのだ。
最も、ほぼ確実に目が覚めてしまう為、寝坊する生徒がいなくなったという事実もあるが…
「…ユキムラ、もう少し静かに起きられないの?」
と、その内1つのドアが開いた。
ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール…朝の大声の元、真田幸村の主人である。
「しかし!夢にお館様が出てきてはこの幸村、熱い魂を抑える事が出来ませぬ!」
「出来なくても何とかして抑えなさい!」
言い訳する幸村を一喝して部屋の中に戻るルイズ。しばらくすると、今度は洗濯物を持って出てきた。
「それじゃいつものようにお願い。いい? 絶 対 に 自分で洗おうとしない!」
「承知いたした!」
ルイズから洗濯物を受け取り、幸村は洗い場へと走り出した。
ここ最近彼と生活し、分かった事がある。
「きゃあああ!」
「うおわっ!?畜生、またルイズの使い魔だな!」
「しえええええ!持病の水虫じゃあああああ!」
その声に大勢の生徒が目を覚ます、これが最近学院での悩みの種となっていた。
毎朝決まった時間、この大声が聞こえて無理やり起こされてしまうのだ。
最も、ほぼ確実に目が覚めてしまう為、寝坊する生徒がいなくなったという事実もあるが…
「…ユキムラ、もう少し静かに起きられないの?」
と、その内1つのドアが開いた。
ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール…朝の大声の元、真田幸村の主人である。
「しかし!夢にお館様が出てきてはこの幸村、熱い魂を抑える事が出来ませぬ!」
「出来なくても何とかして抑えなさい!」
言い訳する幸村を一喝して部屋の中に戻るルイズ。しばらくすると、今度は洗濯物を持って出てきた。
「それじゃいつものようにお願い。いい? 絶 対 に 自分で洗おうとしない!」
「承知いたした!」
ルイズから洗濯物を受け取り、幸村は洗い場へと走り出した。
ここ最近彼と生活し、分かった事がある。
幸村は、家事が絶望的に出来ないという事だ。
1. 洗濯
「このような雑用もせねばならんとは…いや!これも使い魔としての役目!うおおおおー!」
「このような雑用もせねばならんとは…いや!これも使い魔としての役目!うおおおおー!」
ビリッ!!
「……あ」
「……あ」
「…で、私のパンツ…破っちゃったの?」
「も、申し訳ございませぬ!!この幸村、一生の不覚!!」
「も、申し訳ございませぬ!!この幸村、一生の不覚!!」
2. 掃除
「床にテーブル、しっかり拭きなさい」
「任せられよ!ぬおおおおおー!!」
「床にテーブル、しっかり拭きなさい」
「任せられよ!ぬおおおおおー!!」
「…?何これ…焦げ臭い…」
「うおらおらおらおらおらああぁぁー!!」
「ちょ、ちょっとユキムラ!火が!床が燃えてる!!」
「うおらおらおらおらおらああぁぁー!!」
「ちょ、ちょっとユキムラ!火が!床が燃えてる!!」
3. お茶汲み
(流石にお茶ぐらいなら淹れられるわよね…)
「お茶が入りましたぞ!!」
ゴボボボボボボボ
「……………」
「ルイズ殿、いかがなされた?」
「ななな何でカップに入っているのに沸騰して…(ガチャン!!)きゃあ!」
「だ、大丈夫でござるか!?」
(流石にお茶ぐらいなら淹れられるわよね…)
「お茶が入りましたぞ!!」
ゴボボボボボボボ
「……………」
「ルイズ殿、いかがなされた?」
「ななな何でカップに入っているのに沸騰して…(ガチャン!!)きゃあ!」
「だ、大丈夫でござるか!?」
頭が痛くなってきたので、ルイズはそこで思い出すのを止めた。
ふと、隣のキュルケの部屋から声が聞こえてくる。
「トシイエ、ちゃんと出来たらご飯多めにしてあげるわよ~」
「本当か?よーし!それがし頑張るぞおー!!」
ドアが勢いよく開き、洗濯物を持った利家が出てきた。それに続いてキュルケも出てくる。
「あら、おはようルイズ」
「お…おはようキュルケ…」
「おうルイズ殿!今日も元気か?」
出てきた2人にとりあえず挨拶するルイズ。
ふと、隣のキュルケの部屋から声が聞こえてくる。
「トシイエ、ちゃんと出来たらご飯多めにしてあげるわよ~」
「本当か?よーし!それがし頑張るぞおー!!」
ドアが勢いよく開き、洗濯物を持った利家が出てきた。それに続いてキュルケも出てくる。
「あら、おはようルイズ」
「お…おはようキュルケ…」
「おうルイズ殿!今日も元気か?」
出てきた2人にとりあえず挨拶するルイズ。
「じゃああたしは朝食に行ってくるわ。洗濯よろしくね」
「おう!ルイズ殿もちゃんと飯を食えよ。でなきゃ…大きくなれないぞぉ~!」
「よ、余計なお世話よ!!」
怒るルイズを尻目に、利家は洗い場へ走って行った。
当たる相手がいなくなった為、ルイズはキュルケをキッと睨みつける。
「キュルケ!あんたの使い魔、ちょっと礼儀がなってないんじゃない!?」
しかし、キュルケは何ら詫びる様子もなく、腰に手をあてている。
「あら?でも事実でしょ?あなた本当に背が低いし、それに…」
ルイズの胸に視線を移し、哀れむような目をして言った。
「おう!ルイズ殿もちゃんと飯を食えよ。でなきゃ…大きくなれないぞぉ~!」
「よ、余計なお世話よ!!」
怒るルイズを尻目に、利家は洗い場へ走って行った。
当たる相手がいなくなった為、ルイズはキュルケをキッと睨みつける。
「キュルケ!あんたの使い魔、ちょっと礼儀がなってないんじゃない!?」
しかし、キュルケは何ら詫びる様子もなく、腰に手をあてている。
「あら?でも事実でしょ?あなた本当に背が低いし、それに…」
ルイズの胸に視線を移し、哀れむような目をして言った。
「胸も成長してないみたいだし…プッ」
「こ、ここここれからよ!これから大きくなるんだから!!」
「こ、ここここれからよ!これから大きくなるんだから!!」
その頃、学院長室では朝早くから緊張した空気が流れていた。
「…これは伝説上にしか存在しない筈の使い魔のルーンじゃぞ…本当にこれがあの男に刻まれておったのか?」
「はい!確かにこのルーンが左手に!オールド・オスマン、これは大発見ですぞ!」
ガンダールヴ…オスマンはコルベールの持ってきた古文書を見て呟いた。
始祖ブリミルの使い魔で、あらゆる武器を使いこなした「神の左手」…
(そんな伝説上の使い魔を何故ミス・ヴァリエールが…)
「…これは伝説上にしか存在しない筈の使い魔のルーンじゃぞ…本当にこれがあの男に刻まれておったのか?」
「はい!確かにこのルーンが左手に!オールド・オスマン、これは大発見ですぞ!」
ガンダールヴ…オスマンはコルベールの持ってきた古文書を見て呟いた。
始祖ブリミルの使い魔で、あらゆる武器を使いこなした「神の左手」…
(そんな伝説上の使い魔を何故ミス・ヴァリエールが…)
「ミスタ・コルベール、この事は他言無用じゃ」
「よ、よろしいのですか?このような重大な事実、王室に知らせた方が…」
「ガンダールヴ、その強さは千人の軍隊に勝り、並のメイジでは歯が立たなかったとされたほどじゃ。そんな強力な者が現れたなどと知れたら、連中は戦でも起こしかねん」
オスマンはそこまで話すと、改めてコルベールを見据えて言った。
「よ、よろしいのですか?このような重大な事実、王室に知らせた方が…」
「ガンダールヴ、その強さは千人の軍隊に勝り、並のメイジでは歯が立たなかったとされたほどじゃ。そんな強力な者が現れたなどと知れたら、連中は戦でも起こしかねん」
オスマンはそこまで話すと、改めてコルベールを見据えて言った。
「それと、残り2人についても同じじゃ」
「え?」
「思い出してみよ。決闘の際、彼は力を発動して戦っていた……その強力な攻撃を受け止めたんじゃぞ?」
コルベールはハッとなり、決闘の様子を思い出した。
あの時…幸村は我を忘れ、ギーシュに止めを刺そうとした。
その攻撃を防いだのが前田利家と北条氏政の2人だ。
「つまり、彼らはガンダールヴに相当する実力を持っていると?」
「うむ、…恐らくな…」
「え?」
「思い出してみよ。決闘の際、彼は力を発動して戦っていた……その強力な攻撃を受け止めたんじゃぞ?」
コルベールはハッとなり、決闘の様子を思い出した。
あの時…幸村は我を忘れ、ギーシュに止めを刺そうとした。
その攻撃を防いだのが前田利家と北条氏政の2人だ。
「つまり、彼らはガンダールヴに相当する実力を持っていると?」
「うむ、…恐らくな…」