「もうすぐラ・ロシェーヌね」
「思っていたより早く着いた」
「シルフィードもだけど、ワルド卿のグリフォンのおかげね。
あらどうされましたワルド卿?」
「い、いやちょっとね」
「まあまあワルドちゃんったら、まるで『初めてのデートの相手が待ち合わせに遅れてる』みたいよ」
「な、なにおおっしゃっているのかわかり・・・・・・」
「ワルドちゃんは男の子、しかもこの中で最年長なんだからどっしりと『俺に全て任せておけ』みたいに構えないと。
ましてルイズちゃんの前なんだから」
「どう考えてもワルド卿はヴァリエールにはもったいないわよねぇ」
「思っていたより早く着いた」
「シルフィードもだけど、ワルド卿のグリフォンのおかげね。
あらどうされましたワルド卿?」
「い、いやちょっとね」
「まあまあワルドちゃんったら、まるで『初めてのデートの相手が待ち合わせに遅れてる』みたいよ」
「な、なにおおっしゃっているのかわかり・・・・・・」
「ワルドちゃんは男の子、しかもこの中で最年長なんだからどっしりと『俺に全て任せておけ』みたいに構えないと。
ましてルイズちゃんの前なんだから」
「どう考えてもワルド卿はヴァリエールにはもったいないわよねぇ」
などとヨタ話をしながら飛び行く二匹。
そして岩陰からそれを見送るのは、珍妙な格好をした一人の男。
トリステインでは見かけない衣装だ。
否、ハルケギニア全土を見てもこのような服を着た者はいないだろう。
「う・・・・・・うぐ、テメェ」
げしっ
「黙ってろ。第一お前、本来なら平身低頭して俺に感謝すべきなんだぞ」
「な・・・・にぃ?」
「今ここでおれにやられてなければお前ら、みなあのクソババァに係わっちまう所だったんだからな」
『お疲れ様、兼光 帰還して頂戴』
「なあ水穂、本当に水鏡と俺たち、瀬戸様放って帰還していいのか?」
『あら、心配?』
「ああ、心配だね。あのクソババァが好き勝手するかと思うと、この惑星、ハルケギニアだったか?
戻ってきた時には存在してないなんて事になりかねん」
『しかたないでしょ、瀬戸様がしばらくいなくなってるって事で海賊やら天木の舟参やらがコソコソ動き始めてるし
瀬戸様のアストラルコピーで睨み効かせないと』
「お前も西南くんに会いたいし、てか?」
『な、な、な、何言ってるのよ!そんな事あるわけないでしょ!
とりあえず樹雷に帰還するわよ!』
「ヘイヘイ」
そして岩陰からそれを見送るのは、珍妙な格好をした一人の男。
トリステインでは見かけない衣装だ。
否、ハルケギニア全土を見てもこのような服を着た者はいないだろう。
「う・・・・・・うぐ、テメェ」
げしっ
「黙ってろ。第一お前、本来なら平身低頭して俺に感謝すべきなんだぞ」
「な・・・・にぃ?」
「今ここでおれにやられてなければお前ら、みなあのクソババァに係わっちまう所だったんだからな」
『お疲れ様、兼光 帰還して頂戴』
「なあ水穂、本当に水鏡と俺たち、瀬戸様放って帰還していいのか?」
『あら、心配?』
「ああ、心配だね。あのクソババァが好き勝手するかと思うと、この惑星、ハルケギニアだったか?
戻ってきた時には存在してないなんて事になりかねん」
『しかたないでしょ、瀬戸様がしばらくいなくなってるって事で海賊やら天木の舟参やらがコソコソ動き始めてるし
瀬戸様のアストラルコピーで睨み効かせないと』
「お前も西南くんに会いたいし、てか?」
『な、な、な、何言ってるのよ!そんな事あるわけないでしょ!
とりあえず樹雷に帰還するわよ!』
「ヘイヘイ」
「えーみなさま。と・いうワケでラ・ロシェーヌに早く着いたワレワレでありますが」
「誰に説明してるんだい?」
「誰でもいいでしょ 一番早い便が明日の朝なので一夜の宿を取ったら、そこを謎な傭兵のクズどもに
襲撃されているという状況なのです」
「で、ワルドちゃんはどうしたらいいと思う?」
瀬戸の問いに、少し考えるワルド。
「このような任務は、半数が目的地に辿り着ければ、成功とされる。
正式な使いであるルイズと、護衛としてこのわたしが裏口から行こう。
皆は連中を食い止めていて欲しい」
「はい三十点ね、失格。
裏口に伏兵が待ち構えてたらどうするの?
彼我の戦力差を認識していない状況でいたずらに分かれるのは各個撃破されるだけよ」
「ではどうするべきと?」
できればここで余計な『護衛』と使い魔を排除、とまで行かなくとも別れておきたかったのだが。
「ここは正面突破ね」
「正面突破なんて無謀です」
「大丈夫よギーシュちゃん、心配してくれてありがと。
でもまあ時間も無いし。
みんな後から来てね」
いうなり立ち上がる瀬戸。
そのまま無造作にすたすたと外に歩いていく。
矢は勿論、燃え上がる炎はおろかメイジくずれの放つ風の牙すら彼女を傷付ける事無く自ら身を逸らしていく。
「やれやれ、『死を覚悟すれは鬼神も道を譲る』といったところかね」
「誰に説明してるんだい?」
「誰でもいいでしょ 一番早い便が明日の朝なので一夜の宿を取ったら、そこを謎な傭兵のクズどもに
襲撃されているという状況なのです」
「で、ワルドちゃんはどうしたらいいと思う?」
瀬戸の問いに、少し考えるワルド。
「このような任務は、半数が目的地に辿り着ければ、成功とされる。
正式な使いであるルイズと、護衛としてこのわたしが裏口から行こう。
皆は連中を食い止めていて欲しい」
「はい三十点ね、失格。
裏口に伏兵が待ち構えてたらどうするの?
彼我の戦力差を認識していない状況でいたずらに分かれるのは各個撃破されるだけよ」
「ではどうするべきと?」
できればここで余計な『護衛』と使い魔を排除、とまで行かなくとも別れておきたかったのだが。
「ここは正面突破ね」
「正面突破なんて無謀です」
「大丈夫よギーシュちゃん、心配してくれてありがと。
でもまあ時間も無いし。
みんな後から来てね」
いうなり立ち上がる瀬戸。
そのまま無造作にすたすたと外に歩いていく。
矢は勿論、燃え上がる炎はおろかメイジくずれの放つ風の牙すら彼女を傷付ける事無く自ら身を逸らしていく。
「やれやれ、『死を覚悟すれは鬼神も道を譲る』といったところかね」
「あら何を言ってるのかしらギーシュ。
セトは『死を覚悟』なんかしてないわ。
ただ普通に歩いてるだけ。
それだけで火も風もセトを恐れて逃げているのよ」
そういったルイズは、自らの使い魔の後について行く。
それはギーシュも、キュルケもタバサも同様であった。
「な・・・・・なにが・・・・・・・」
仕方なく最後尾をついていきながら、ワルドは呆然としていた。
何故あの使い魔はあそこまで自信満々なのだろう。
そしてルイズやこの物達は何を考えてここまで平民をごときを信用できるのだ。
「それはですね、ワルド卿。
彼女に教えられたからです。
魔法など宴会芸のひとつに過ぎないのだと」
セトは『死を覚悟』なんかしてないわ。
ただ普通に歩いてるだけ。
それだけで火も風もセトを恐れて逃げているのよ」
そういったルイズは、自らの使い魔の後について行く。
それはギーシュも、キュルケもタバサも同様であった。
「な・・・・・なにが・・・・・・・」
仕方なく最後尾をついていきながら、ワルドは呆然としていた。
何故あの使い魔はあそこまで自信満々なのだろう。
そしてルイズやこの物達は何を考えてここまで平民をごときを信用できるのだ。
「それはですね、ワルド卿。
彼女に教えられたからです。
魔法など宴会芸のひとつに過ぎないのだと」
これはいけない。
決定的な破滅で心が壊れかけた状態のルイズ。
そんな彼女に手を差し伸べる事で彼女の信頼を勝ち得る予定だったのに。
その為に周囲の者を少しずつ排除していく段取りだったのに。
決定的な破滅で心が壊れかけた状態のルイズ。
そんな彼女に手を差し伸べる事で彼女の信頼を勝ち得る予定だったのに。
その為に周囲の者を少しずつ排除していく段取りだったのに。
などと考えながら外に出たワルドは驚愕した。
あの命知らずの荒くれ傭兵どもが、怯え恐れ身を竦ませているではないか。
先頭の、ルイズの使い魔である平民がただ歩くだけで腰を抜かし、逃げ出してゆく。
あの命知らずの荒くれ傭兵どもが、怯え恐れ身を竦ませているではないか。
先頭の、ルイズの使い魔である平民がただ歩くだけで腰を抜かし、逃げ出してゆく。
一体何なのだ、ヤツは。
ヤツを殺さなければならない
ヤツの存在は自分達メイジの存在意義を危うくする
ヤツは『メイジとそれ以外』という始祖ブリミルによって定められたこの世界のありようを否定する
ヤツはどこかママににてるが、彼女を許しておいてはいけない
ヤツはボクがボクであることすら否定してしまう存在だ
ママ、ママ、ああママどうしたら良いと思う?助けてよママ