あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

鋼の使い魔-10


 フーケを捕らえることに成功したルイズ達。ロングビルこと土くれのフーケは縄で縛られ杖も取り上げられていた。
馬車に乗って学院への帰路を行く。なお、馬車の御者はなんとタバサが買って出ており、御者席では
華奢な腕で見事に馬を操るタバサを見ることが出来る。
ルイズは移動する馬車の上で包まれた布を剥ぎ取った『破壊の杖』をまじまじと見つめている。
「でもこれが本当に『破壊の杖』なの?大仰な名前の割にどう見ても普通の杖に見えるんだけど……」
 ルイズの視線は馬車の荷台に手足を縛られて転がしてあるフーケに向かっている。フーケは身動きできないことが実に忌々しいらしく、
顔を背けながら答える。
「そうさ。わざわざやりたくもない秘書をやって何日も下調べをして盗み出したんだ。間違いないね」
 そう、フーケが盗み出し、今ルイズ達の手で学院の元に戻されようとしている『破壊の杖』は、一見すれば誰がどう見ても
メイジが使うのに差し支えない普通の杖に見える。特徴らしいものがあるといえば、それはタバサが使うような杖と同じくらいに長く、かつ
それよりも太くがっしりとした作りをしている、ということだろう。
 ギュスターヴの腰でデルフがカタカタとしゃべる。
「相棒、その杖を握ってみな」
「どうして?」
 デルフの言葉にタバサ以外の耳目が集まる。
「『ガンダールヴ』はあらゆる武器を使うことが出来る。例えそれが使ったことのない武器でも、一度握ればそれがどんな武器で、
どうやって使うのか分かっちまうのさ」
「でも俺はお前を握った時お前がどんな武器で、とか分からなかったぞ?」
「それはお前……なんでだろ」
 ずったん!一同が馬車の上ですっこける。
「なによそれ!」
「いやーなんていうの?相棒が『ガンダールヴ』だってのは思い出したんだけど、それ以外はさーっぱり、思い出せねーの」
 やっぱりボロ剣ね、とルイズがため息交じりにつぶやいた。
 ギュスターヴはルイズの持つ『破壊の杖』をよく見た。それは先ほどの通りどこにでもあるようなありふれた杖に見える。
杖の頭に龍の頭のような装飾が施されて、黄土色の磨かれた石がはめ込まれている。
「ルイズ、貸してくれないか」
「いいけど。壊すんじゃないわよ?」
 ギュスターヴの手にルイズが『破壊の杖』を渡す。ギュスターヴは杖を握って数瞬、痺れるような衝撃を受けた。
自分の思考の中に突如として知識が刻まれていく。それは視界他五感を通じて得られるそれよりも遥かに鮮明に
ギュスターヴの脳内を駆け抜けた。脳に焼き鏝で烙印を施すような強烈な刺激を感じるようだった。
「ぐ、ぐぅ…!」
「ギュスターヴ?!」
 杖を渡してからいきなり、うめき声を上げて倒れるギュスターヴ。頭を抱えてうずくまった姿にルイズが駆け寄り肩を揺らす。
「はぁっ、はぁっ、はっ……」
「だ、大丈夫なのギュスターヴ……」
「どうよ、相棒」
 額に脂汗を浮かべて苦悶の表情を浮かべているギュスターヴは、呼吸を整えながら座りなおし、杖をルイズに渡した。
「なんてことだ。こいつは、こいつは……」
「何か分かったの?」
 ルイズは見た。ギュスターヴの顔に写るものを。それは召喚した最初の日、ルイズに向かって何度も鬼気迫る顔で
質問を繰り返していた時のそれと、良く似ていた。
「ああ、こいつの正体が分かった」
「で、何なのこれは?」
「いや、ここで言うのは拙い」
 え?とルイズ。キュルケも真剣に聞いている。フーケすら転がされたまま聞き耳を立てていた。
「皆に言う前に、一つ質問をしなくちゃいけない人間が出てきた」



『盗賊捕縛、そして』



陽が徐々に傾き始めた頃、馬車は学院に到着した。衛兵に馬車と捕縛したフーケを引き渡して四人は学院長室へ向かう。
学院長室では臨時的に秘書業務をしていたコルベールが迎えてくれ、まもなくオスマンが四人の前に現れた。
「どうやら無事、賊を捕まえてくれた様だの。奪われた『破壊の杖』も取り戻してくれて何よりじゃ。感謝に絶えん」
 『破壊の杖』は今、コルベールが預かっている。
 貴族の礼として恭しく頭を下げる三人。
「さて、我々からはその功績に見合った礼をせねばなるまいな。ミス・ヴァリエールとミス・ツェルプストーにはそれぞれ国に
シュバリエの認定申請をしておいた。遠からず何らかの沙汰があるじゃろう。ミス・タバサには精霊勲章の授与申請をしておいたぞ。
こちらも同じく、国から何らかの知らせが送られるじゃろうから、虚心に待つように」
「お気遣い感謝します」
 らしくなく礼をするキュルケ。タバサも無言のまま頭を下げた。
一方ルイズは、礼をしながらも頭を上げて答える。
「あの、彼には……ギュスターヴには何も無いのでしょうか?」
「んむ……」
 オスマンの視線はルイズの問いによって、起立したまま待機しているギュスターヴに移る。両腰に挿された大小の剣が、貴族の証無き
この男に一種の風格を与えている。零細な貴族家庭のそれなど吹き飛ぼう、威厳がにじみ出ている。
「……彼は貴族ではないゆえ、王宮から何かを与えるように申請する事はできぬ」
「…そうですか」
 しかし、とオスマンは続け、
「何も報酬が無いのも道義に悖るものじゃ。よって、わしの権限により学院の予算から幾らかの金子を包むとしよう。我々には
それくらいしか出来ぬ。それで許してもらえぬかな?」
「お気遣い、感謝いたします」
「ありがとうございます」
 ここで初めてギュスターヴは礼をした。ルイズも一層深い礼をする。
 オスマンはそれらに満足したように微笑み、語りかける。
「さて。賊の侵入でわたわたしておったが、今日は『フリッグの舞踏会』じゃ。お主等も会場の華として楽しんで行きなさい」
 再度の礼をして学院長室を辞す三人に、ギュスターヴは足を止める。
「先に行っててくれないか」
「いいけど…どうして?」
「少し用事が出来た。すぐ戻る」


 ルイズ等三人が退室し、部屋にはオスマン、コルベール、ギュスターヴの三人が残った。デルフは入室する前にきっちりと鞘に納めて
口を閉じさせてある。
「コルベール君。宝物庫に『破壊の杖』を戻してきてくれんか」
「は……」
 なにやらただならぬ空気を感じ取ったコルベールは、何も聞かずに学院長室を出て行く。
 夕陽がさしかかり、部屋の中が赤光で満たされる。
「お主は何かわしに聞きたいことがあるようじゃな」
 ギュスターヴは何も答えない。ただじっとオスマンを見ている。オスマンは深く椅子に腰掛け、パイプを一息吸って、煙を吐いた。
「……しかし、賊の正体がミス・ロングビルじゃったとはのぅ……」
「彼女とはどこで?」
 ん?とオスマン。
「王都の酒場でじゃよ。そこで給仕をしておったんじゃが、話もうまいし気立てもいいし、丁度秘書の席が空いておったからな。
雇ってみることにしたんじゃよ」
 女とは分からぬものじゃなぁ、とオスマンは嘆く。
「……いくつか聞きたいことがある」
「わしに答えられるものならお教えしよう。今を逃せば聞けまいこともあろうて」
「大きくは二つ。まず『破壊の杖』の出所について」
「ふむ……」
 パイプを皿に置いてオスマンは手を組んだ。
「あれはこちらの世界のものじゃない。俺の居た世界のものだ」
「君の世界……とは、なんだね?」
「ここから遥か遠くだ。貴方達の言う東方の国よりもずっと遠くにある」
 ほう、と一言だけ相槌する。
「あの杖は俺のいた世界にあるフォーゲラングという町で製造されていた杖だ。品目は確か……『砂龍の杖』…だったか。それが何故この世界に
あって、『破壊の杖』なんて呼ばれているのか。フーケを問いただして聞いたところじゃ宝物庫に寄贈したのは学院長自身だというから、直接聞くのが早いだろうと思って」
 パイプから立ち上る煙が細く伸びて、天井に当たって砕ける。
オスマンはギュスターヴのまっすぐな瞳を見て、呵呵と笑う。
「年嵩に合わず正直な男じゃのぅ、君は。……まぁよい。もうずっと昔の話になるかのぅ。わしはその時、一人森の中に入って秘薬の材料になる薬草を探しておった……」
 オスマンは語り始めた。杖を手に入れた日のことを……。



 それは今日より遥かに昔。ハルケギニア内陸部に広がる名も無き森の一つ。樹木の根が地面をうねらせ、空は広がった枝で隠された森の奥。その時は霧が泥のように濃
い。
「視界が霧でさえぎられ始めた時じゃ。わしは風の魔法で突風を起こし、霧を散らせて視界を取ろうとした」
 巻き起こる風で吹き払われていく霧。風で切り裂かれた霧の向こうにはわずかに開けた空が見えた。と、空から光るものと人のものでは決して無い奇声が同時に振り落ち
てくる。 それは濃い緑色の鱗をした二足の竜。翼を広げても3メイルほどにしかならないが、鋭い爪と牙を供えた幻獣らの中で上位に君臨する一種、ワイバーンだった。
「わしは強い魔法の反動で反撃をすることが出来なかった。あと一歩でワイバーンの爪がわしにかかるという時、何者かが木の影から飛び出してワイバーンを打ち据えたの
じゃ」
 その何者かはワイバーンに慄き倒れていたオスマンを起き上がらせると、再び低空で飛翔し襲い掛かってくるワイバーンに杖を向けて何かを叫ぶ。
すると杖先に仄かに光る石の壁が出現し、そこから光の玉のようなものを発射してワイバーンを打った。次の瞬間にワイバーンはぴしぴしと音を立てて石化し、
崩れて砂に変わったという。
『大丈夫ですか。ご老人』
『う、うむ……』
『ここは危険だ。私の杖をお貸ししましょう』
「そう言ってわしに渡してくれたのが、『破壊の杖』じゃ」
 その後再び掛かり始めた濃い霧の向こうから男を呼ぶ声がしたという。
『ヘンリー!どこにいったんだよー!』
『すみません、仲間が呼んでいますので、失礼』
『ま、待ちなされ!』
「何者かが呼ぶ声の中、霧の奥に彼は帰っていった。再びわしが霧を払った時には、もう影も形もなかったのじゃ」



オスマンが語った過去。霧の向こうからやってきた男が持っていた『サンダイルの世界の武器』、それが今学院に眠る『破壊の杖』の正体だった。
ギュスターヴはそれが、ある一つの疑問点を自らに提示するものだと気付いた。
「サモン・サーヴァント以外の方法でハルケギニアにやってきた人間がいる?」
 それまでギュスターヴは、自分がルイズに召喚されてハルケギニアにやってきたのは何らかの奇跡か偶然か、ともかく砂漠で砂金を拾うような僥倖の結果だと
考えていたが、オスマンの語る話が事実であるならば、サンダイルとハルケギニアはどこかで繋がっている、という可能性が生まれる。
 それはギュスターヴに並々ならぬ衝撃を当たるものだ。
「かもしれぬ。じゃが、わしは君とその男以外にそう言ったものを知らぬ」
「そうか……」
 オスマンの語るサンダイルへの手がかりはそれ以上ないようだ。ギュスターヴはもどかしいものを感じずには居られない。
「君も元の世界に帰りたいかの?」
「……わからない。ただ、帰る方法があるならばそれを探すのもいいし、少なくともルイズの使い魔をやっているのも、それほど辛いわけでもないからな」
「おぬしは優しいのぅ」
 それと、とギュスターヴが続く。
「もう一つ質問があるんだ。この左手の刻印について」
「む……」
 左手の甲をオスマンに見せながら話すギュスターヴ、オスマンの表情は一転して、硬くなった。
「ある者からこれは『ガンダールヴ』という伝説の使い魔のものだと聞いた。教えてくれ。伝説というのは何なんだ?」
 オスマンは組んだ手を解き、手癖のようにパイプをとって蒸して、また置いた。
「ふむ…昔、今は我々が『聖地』と呼ばれるところに始祖ブリミルが降り立った。彼は虚無の魔法を使い、エルフと戦った。
戦いによって豊かな大地を手に入れたブリミルは、三人の子供と一人の弟子に国を作らせ、それが今のハルケギニアの祖形となった、と言われておる。
『ガンダールヴ』とはその始祖ブリミルが従えたと言われる四つの使い魔のうちの一つじゃ」
 曰く、あらゆる武器を使う『ガンダールヴ』、あらゆる幻獣を操る『ヴィンダールヴ』、
あらゆる魔法道具に精通する『ミョズニトニルン』、そして語られぬもう一つ……
「……じゃが、君の口から『ガンダールヴ』の話を聞くことになるとはのぅ」
「なんだと?」
「わしらは以前から君が『ガンダールヴ』ではないかと考えておったが、確証がなかった」
 その言葉に苦い顔をするギュスターヴ。己が何者かに監視されていたと聞かされて心地よいものなど居ない。
「そう嫌がることもあるまい。君はありとあらゆる武器を用い、主人を守る盾となったのじゃ。その力でミス・ヴァリエールを守ってあげなさい」
「…俺が守ってやらなくても、多分ルイズは強い」
「ほぉ。なぜだね?」
 今回は無事平穏に戻ってきたとはいえ、オスマンの目から見ても、ルイズは無力な娘だ。魔法の使えない貴族に居場所があるほどトリステインは広くない。
「何故かな…そうだと言いたくなる」
 対するギュスターヴの目は、どこまでも澄んでオスマンを見据えていた。


夕食の時間と同時にアルヴぃーズの食堂は今、盛大なパーティの会場となっている。生徒達貴族の子女がお家の恥にならぬよう、一層の装束をめかし込み、
気に入ったもの同士で踊り、或いは食事に手をつけていた。
ギュスターヴはオスマンとの会談のあと、ルイズの部屋に戻ったのだが、クローゼットを引っ掻き回した跡があるだけで部屋主を見つけることが出来なかった。
夕食の時間ともあるから食堂に居るのだろうかと思ってやってくるとこのような次第である。
「ハァイ。待ちくたびれましたわミスタ・ギュス」
 鮮やかな赤いドレスに身を包み、長い髪を纏め上げてうなじを見せて歩くキュルケが出入り口に立っていたギュスターヴに声をかける。
「これが言っていた舞踏会ってやつか……」
「そうよ。よろしかったら一緒に踊ってくださいません?」
「ちょっとキュルケ!勝手に人の使い魔と馴れ馴れしくしないで!」
 怒鳴りこみながらコツコツコツ、と細かい足音を立ててキュルケの背中に迫ってきたのはルイズ。しかしその装いはギュスターヴの知るルイズを大きく変えてみせる。
薄い桜色の生地を豪華に使ったドレス、二の腕まで覆った手袋も上質のシルクで作られ、髪留めもネックレスも特注の一品であることがすぐに分かった。
なによりそれを身に着けるルイズ自身が装飾品に負けない気品を漂わせて立っている。血の良さが振りまかれた生粋の貴族であることが、そこに示されている。
年ながら気圧されるような迫力を伴う二人に笑って答えるギュスターヴである。
「二人とも立派な姿だな。……ところでタバサは?」
「あそこ」
 二人は食堂の一角、テーブルが置かれて普段より一層の豪華な料理が並ぶ場所を指した。
タバサも彼女らと同じく肌理の細やかな黒いドレスで着飾っていたが、ダンスや音楽に全く興味を示さずひたすら食事に手をつけていた。
ところで、とルイズがギュスターヴを見上げる。
「ギュスターヴ。オールド・オスマンと何を話していたの」
「ん、まぁ、ちょっとな……」
 果たして話すべきか、ギュスターヴは悩むのだった。


 パーティも酣(たけなわ)。ギュスターヴは食堂から延びるバルコニーに一人、立っていた。備え付けのテーブルにはデルフが外されて置かれ、その脇に
空のグラスが2つ、栓の抜かれたワインボトルが一緒に置かれている。
 ギュスターヴは壁に寄りかかるようにして月を眺めた。サンダイルには無い、大小の月。
 軽い足音がして振り向くと、ルイズが立っていた。
「踊らないのか?」
「あまり気が乗らいわ。相手もいないだろうし」
 そうか、と何も言う事がないままに、流れる時間。食堂から漏れ出る音楽が変わった。
 テーブルの上にあるグラスをとり、ギュスターヴはワインを注いだ。
「結局、『破壊の杖』って何だったの?」
 ルイズへ答えるべき、なのだろうな、と、ギュスターヴは一口ワインを飲んでから答える。
「……同輩の忘れ物、って言ったところだな。多分この世界であれを使うことの出来る人間は、居ないだろう」
「ギュスターヴの世界……サンダイルの物だったのね」
「ああ。どうやってあれを持ってハルケギニアに来たのやら。知りたいものさ」
 ルイズもテーブルからボトルをとってグラスに注いだ。
「……やっぱり、サンダイルに帰りたいの?」
「ん……?」
 ギュスターヴがルイズを見ると、少し目が潤んでいた。既にアルコールが嵩一杯まで染みこんでいるから、ではないだろう。
「……どちらでもいいさ。でも帰る方法を探しながら使い魔をやるのも楽しそうだ」
 ギュスターヴは笑った。なんて事の無いように。
考えていたのだ。食堂にはいってからずっと。おそらく向こうでは、サンダイルでの自分はもう死んでいる。いや、死んだ扱いになっているだろう。
であればむしろ帰還は、友人達の行動の妨げになるのではないか。しかし一方で、郷愁の念に駆られないわけではない。
なぜなら不確かながらも、こちらとあちらはつながりがあるようだから。ならば、つながりを探しながら、やはりルイズのそばで使い魔の真似事をして過すのも悪くない。
それくらいには思えてきたのだった。
術不能の偏見、王家の血の宿命、それらから切り離されてここに立っているギュスターヴは、いろいろな意味で自由な己を捉えなおすのだ。
「不遜な男ね」
 かもな、と答えるギュスターヴ。ルイズはワインを飲み干してグラスを置くと、ギュスターヴに手を伸ばした。
「ダンスは出来る?」
「一応嗜み程度にはな」
「では、お相手してくださいまし、ミスタ」
 やっぱり酔いが深いのだろう。ルイズの目が少し蕩けている。仕方無いなぁ、とルイズの手を取ってギュスターヴは食堂の中に入っていった。
 バルコニーに置かれたテーブルに残されたデルフが、カタカタと鍔を鳴らす。
「こいつぁおでれーた。主人のダンスの相手をする使い魔なんてな」
 残されたワインの水面に、二つの月が写りこみ、揺れた。



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