あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

スクライド・零-6


ギーシュが舞台として指定したヴェストリの広場は『風』と『日』の塔の間にある中庭である。
ここは常に薄暗いところであり、ある意味『雰囲気満点』と言える場所だった。

「諸君! 決闘だ!」
カズマが広場に姿を現したのに気づいたギーシュが芝居がかった言い回しで薔薇の造花を掲げ、
ギャラリーに告げた。貴族の子弟にとっては格好の暇つぶし程度としか考えていないのか、
まさに十重二十重の見物人から歓声が上がる。
「ギーシュが決闘するぞ! 相手はルイズの平民だ!」
声に手を挙げて答えるギーシュをどうでも良い風に見ながら、カズマはメイジの使う魔法とやらがどんなモノか考えていた。
「とりあえず、逃げずに来たことは、ほめてやろうじゃないか」
「口上はいい、ビビってるんじゃなきゃかかってきな」
「フン、その減らず口がいつまでたたけるかな」
「くどい」
「わかったよ、じゃぁ始めようじゃないか」
ギーシュが薔薇の造花を振ると、花びらが一枚落ち、そこが盛り上がって甲冑を着た女性の姿をした青銅の像へと変わる。
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
「いいぜ、そうでなくっちゃ面白くねぇ」
「吠えるな、平民が! 行けワルキューレ!」

正直な話、カズマにとってギーシュのワルキューレは何ら脅威ではなかった。
青銅の乙女は確かに『それなりの』動きはする。
しかし、この程度のシロモノ独立型アルターと何が違うというのだ。
いや、アルター使いにそれぞれによってどれ一つとして同じ能力の存在しないアルターと違って、
あくまで見た目通りの性能しかないこれは、カズマにとって遊びにもならない。
拳をいなし、蹴りを避け、突進をよけて体制の崩れたワルキューレに蹴りをぶち込む。
ゴイィーーーン
鈍い音が響く。倒れはするもののさすがに行動不能になるほどではなくすぐさま立ち上がってくる。
「どうした? よく避けているようだがそれでは僕を倒すことはできないよ?」
ぬるい。おそらくこの坊ちゃんは自分で殴り合いをしたことなど無いのだろう。
そんなヤツがルイズやシエスタを嬲る。カズマは静かに怒りのボルテージを上げていた。

「ふむ、埒があかんな。よかろう、君にもチャンスをあげようじゃないか」
そう言うとギーシュは薔薇の造花を一振りし、一本の剣を練金した。
「僕に勝ちたければそれを取りたまえ。武器、すなわち平民が貴族にかみつくための牙だ」
そう言われ、剣の方へ歩き出すカズマ。勝ち誇ったようなギーシュの顔は、
しかしカズマがその剣を蹴り飛ばしたことで酷くゆがむことになった。

「素手だから負けました、などとはもう言い訳にならんぞ」
「あいにく俺にはこいつがあるんでな、そんなモンはいらねぇのさ。見せてやるぜ、俺の自慢の拳をよ!」
そう言ってカズマは右腕を水平方向に持ち上げた。



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