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ゼロのしもべ第2部-8



「へ、陛下!」
呆けていた側近たちが我にかえり、慌ててジェームズ王に詰め寄った。
「陛下、お立ちください!平民風情になぜそのような態度を!?」
「それに、いかに追い詰められているとはいえ兵権を渡すとはいったいどういうことですか!?」
「陛下!」
ジェームズは侍従を呼び、支えられて立ち上がった。そして周囲の側近たちを見やり
「諸君は知らぬだろうが、このお方は我がアルビオンに大変縁の深いお方なのだ。わしにとっても、ウェールズにとっても、恩人と
言うべきお方。そのお方が此度の窮地を救い、叛徒どもを蹴散らすすべがあるというのだ。ならば迷うことはあるまい。」
そして厳かに締めくくった。
「よいか、これは国王命令じゃ。アルビオン国軍の指揮権は只今を以ってコウメイ様に移動する。諸君はコウメイ様の命令をわしの
命令と思い奉公をして貰いたい。この通りじゃ。」
最後には頭を下げるジェームズ王。その態度に皆もはや何も言えなくなってしまった。
そこへ歩を進める孔明。
「これでもはや何も言うことはあるまい。そう、これ即ち、始祖ブリミルの意思である!」
その言葉に、ははー、と礼をするジェームズ王。王の態度に渋々ながらも、重臣側近含めメイジたちは従い礼をとる。
「では、私の指示に皆さん従っていただきましょう。敵にばれぬよう、魔法の使用は禁止させていただきます。」
孔明の指示でまず火薬が準備された。続いてそれを袋につめるように指示する。
「これを岬の、ここと、ここと、ここに仕掛けるのです。」
地図を見て、工作の指示をとるよう王に命令された将軍に命じる孔明。
『火薬で吹き飛ばす気か。王が頼りにしたわりには案外平凡な策だな。』
そう心で思うが黙って従う将軍。その場にいた人々は全員が動員され、忙しく火薬を袋につめていく。
やがて袋詰めされた火薬が用意され、あとは支持のあった場所に埋めるだけとなった。
「さて、皆様方、ご苦労様でした。それでは、袋を置いて、礼拝堂にまで移動していただきたい。」
は?とわけのわからぬ表情で孔明の顔を皆が一斉に見た。視線を受けて、孔明は高らかに笑った。


「いえいえ――ネズミが一匹、そろそろかかったころでしょう。今はまず、かかったネズミを水にしとめることが先決。違いますかな?」
孔明の言葉を聞いて、将軍の顔色が一瞬で変わり、杖を掴むと部下について来いと命じて駆け出した。
まさか、この城に敵の間者が紛れ込んでいたというのか?今の行動はその男を炙り出すための手段だったのか。
将軍は後ろを一瞬振り返った。何もかも見通しているのですよ、といわんばかりの涼しげな表情で、孔明がこちらを見ていた。
将軍の背中につめたいものが走った。

時は少し遡り、3つの場面へ移動する。
まず最初は、孔明に耳打ちをされたウェールズ皇太子である。
彼は首を捻っていた。
「礼拝堂の鍵が必要となるでしょうから、とってきて頂きたい。そして、それを使いたい、という人物が現れるでしょうから、あと1時間
のちならよい、と許可を出していただきたい。」
そう言われたのである。どういうことだろう。
また、ルイズたち5人を呼んで孔明からの伝言を伝えた。
「ラ・ヴァリエール嬢はキミの使い魔と一緒に自室にいて貰いたい。そして30分後に、使い魔君はこの先の廊下をホールに向けて
適当に歩いていて欲しい、とのことだ。ラ・ヴァリエール嬢はその後、部屋に入ってきた人物にたいしては「はい」とだけ答えていただ
きたいと……」
ギーシュたち3人へは、
「君たちは、今から1時間ほど経ったら礼拝堂に入って、中から鍵を閉め扉近くに身を隠して置くように、と。その際、最初に扉付近へ
来た人間を……ふいご?といわれたのだが、それの原理で倒すように、と。3人でよく考えるように、と…。」
そして孔明に耳打ちされたときに渡された袋を、改めて渡した。
「なにかあればこの袋の中の指示に従え…ともおっしゃっていた。」
ふいご、といわれてギーシュがどきっとする。そしてついバビル2世に話しかける。
「い、いったいあのコウメイってな何者なんだい?アルビオンの国王や皇太子に命令をして、二人とも下僕のように従っている…。
なんだかキミの知り合いみたいじゃないか!いったい全体何者なんだ、彼は!?」
「孔明。」
タバサがぼそっと呟く。
「孔明じゃ仕方ないわね…」
「孔明ですものね。」
「孔明か……しかたがない。って違うだろ!何でみんな納得してるんだい!?おかしいよ!?」


いまだ腑に落ちないギーシュであったが、一国の王子を通しての命令である。断れるはずもなく渋々従うことにする。
3人と別れて自室へ向かうルイズとバビル2世。
指示通りに30分後、部屋を出て廊下を歩いていると、バビル2世の肩を誰かが叩いた。
ワルドであった。

次の場面は打って変わって城の外。叛乱軍、いや彼ら自信は自分たちは叛乱ではなく正しい世を導くもの、正統な軍であると自称
していた。すなわちアルビオン王国貴族派「レコン・キスタ」だ。舞台はその幕舎である。
レコン・キスタのニューカッスル攻略軍5万を率いる将軍は名をサー・ジョンストンといい、元は政治家であって軍人ではない。彼は
自分に箔をつけるための道具として今回の従軍を願い出、許可されただけの男であり実際の指揮は別人が取ることになっている。
指揮を執るのは老人であった。
メイジにとっての杖のように常に釣竿をかつぎ、暇を見ては魚釣りに興じている。ただし、釣り針はかえしがなくまっすぐで、兵隊に
「それで魚が釣れれば、漁師は明日にでも首を吊らなきゃいけねぇな」
と笑われていた。それを気にすることなく、老人は釣りをやめようとしない。
老人は、名を太公望呂尚という。
ロイヤル・ソヴリン号の叛乱を実質的に指揮し、レコンキスタにレキシントンの戦いでも勝利をもたらせたという、貴族派の指導者・
クロムウェルの懐刀であった。いつのまにクロムウェルの元に来たのか誰も知らなかったが、気づいたときには側近となっており、
実質クロムウェルに代わりここまで戦争の指揮を執っていた。
釣竿はおそらく杖を偽装したものであり、メイジに違いないとレコンキスタ内では囁かれていた。ときおり、杖をそのように加工して
持ち歩いている貴族がいるので、珍しいことではない。
この老人は、昨日クロムウェルの命令書を携えてここにやってきたばかりである。そしてジョンストンに
「軍師となり貴公を補佐して、完膚なきまでに王党派を殲滅せよ、との命令をいただきはせ参じました。」
と告げ、実質5万の兵の指揮官となったのである。ジョンストンはレコンキスタですでに重要な位置にいるこの老人とつながりを持って
おいて損はなく、指揮に不安のある自分の代わりにうってつけだろうと二言も言わず了承した。
そして改めてクロムウェルの王党派への執念に戦慄し、身震いした。


そのジョンストンが、釣りをしている呂尚の傍へ寄って明日の作戦について聞こうと思案していると、暗闇から1人の男が現れた。
白い仮面をかぶって黒いマントをつけた、長身の男であった。
「ほ、中の様子はどうであった?」
白仮面に目だけを向ける呂尚。一瞬身構え兵を呼ぼうとしたジョンストンであったが、白仮面は呂尚が送り込んだスパイと知り、
胸をなでおろした。
白仮面はコウメイなる男が現れたこと、その男の演説で玉砕覚悟の城が脱出に転じたこと、火薬を袋につめて準備させていること
だけを手短に伝えた。
「か、火薬ですと!?連中め火薬でなにを!?」ジョンストンがわめく。
「おそらくは火薬を要所要所に備え、我が軍を攻撃するつもりでしょう。その混乱にまぎれ、船を駆って城を逃げ出す算段に相違あり
ませぬ。」呂尚は釣りをやめず、言う。
「で、そのコウメイなるはいかな男か?」
「ひょろりとして口ひげを生やし、妙ないでたちをした男です。なぜか知りませぬが、王と皇太子に格段の信頼を寄せられている
ようでして……王党派の指揮権はそのコウメイが握りました。」
「な、なんですと!?」ジョンストンが素っ頓狂な声を上げた。
「いったい何者……」
「何者かわかりませぬが、どうやら用兵によほどの自信を持っているようですな。」
呂尚が竿をしまい、立ち上がった。
「面白い。この太公望呂尚の相手になる男か、コウメイとやらを試してくれよう。」
そしてジョンストンに対して、
「敵が逃げ出す算段を始めたということは、攻撃を急いだほうがよろしいでしょう。5万のうち、1万を先発隊とします。さらに2000を
物見として城周辺に張らせておくのです。通常城攻めには守備側の5倍の兵力であたるべしと言います。2000ならばよもや打って
出られても容易には逃さぬでしょう。この物見は今すぐにでも出発させるべきでしょうな。そして1万の兵は、王党派に心情的に味方
しているものたちを当てればよろしい。火薬で爆死させられても惜しくはなく、裏切ろうにも背後には味方の杖。まさにうってつけと
いうべきでしょう。」
ジョンストンはうむうむと頷き、傍に控えていたものに「急げよ」と命令を下した。
「さて、閃光の。お主は予定通り、3つの目的を果たすのじゃ。武吉を上手く活用するのじゃぞ。」


そして「おい、武吉」と呼ぶと釣りをしていた池の中から、背の高い男が飛び出してきた。
「予定通りじゃ。閃光のと協力し、目的を果たせよ。」
「はい、お師匠様。」
そう言って頭を下げると、白い仮面をつけ黒マントを嵌め、金髪のカツラをかぶり、見る間に「閃光の」と呼ばれた男に姿を変えた。
2人は、ニューカッスルに向かい姿を消した。

最後の場面は、少し時間が経ってである。
始祖ブリミルの像が置かれた礼拝堂で、ウェールズ皇太子は新郎と新婦の登場を待っていた。他には誰もいない。皆、コウメイの
命令どおり火薬の袋詰めをしているのだ。そんな中、新郎ワルド、新婦ルイズの結婚式が行われようとしていた。
ウェールズは皇太子の礼装をしている。
そして当然だが、こっそりとギーシュやキュルケ、タバサは身を隠して中にいた。
全ての経緯を話すと、ウェールズの元へ「礼拝堂を借りたい」とやって来たのはワルドであった。ラ・ヴァリエール嬢と結婚式を
あげたいのだという。
コウメイの言葉通りになったことに驚きつつ、許可をすると「ぜひ神父役をしていただきたい」とのこと。おそらく、この結婚式に、
賊が乱入してくるのか?あるいは…。そう思い引き受ける。万一賊が現れたとき、対処できるのはおそらく自分だけだろう。
そう思って……。
ウェールズはふと、そういえばコウメイ様とあの使い魔の少年との関係を聞くのを忘れていたな、と思った。
式が終わった後ででも聞いてみるか。そんなことを考えていた。
そしてふと、パインサラダとステーキが食べたくなり、炊事場へ向かってしまった。そこで脱出した後の夢を、コックに語ってしまった。
ルイズは訪れたのがロリコンでひどく驚いた。襲われるかと思った。おまけに結婚したいのだという。
合法的にするのか。と思いつつ、コウメイの言うとおりYESを連呼した。別にNOという理由はなかったからだ。
だが、やっぱりロリコンは嫌だな、と思っていた。
バビル2世は廊下でワルドに「ルイズと結婚する!」と告げられ、なんともいえない気持ちになった。
やるせない気持ちになった。
でもまあ、そういう趣味を沈める人身御供は必要かもしれないな。とか思った。
祝福は、あまりしたくなかったがしてやった。娘ができたら大変だな、とルイズにすごく同情した。

「では、式を始める。」
というわけで説明が終わったので結婚式へ戻る。王子の声が高らかになり、神聖な儀式の始まりを告げた。
バビル2世はこの場にはいない。どこに行ったのか、とルイズは訝しむ。
「新郎 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名においてこのものを敬い、愛し、そして妻とすることを誓いますか」
「誓います」ワルドは重々しく頷いて、杖を握った左手を胸の前に置いた。
「新婦 ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール…汝もまた、この者を夫として敬い、愛する
ことを誓いますか?」
「誓い……」とまで声が出て、止まった。
「どうしたね、ルイズ。気分でも悪いのかい?」
「そうじゃないの…なんだか、本能が危険だって語りかけてるの……」
ぐはっと崩れ落ちかけるワルド。
「そ、それはどういう意味かな?ぼくはロリコンじゃないって言ってるじゃないか!」
「子爵、キミはそういう趣味だったのか…」
「ち、違います!信じないでください!ラ・ヴァリエール嬢はからかってるんですよ。そうだね、ルイズ?」
「しかし明らかに新婦は……避けているようにように見えるんだが。」
そう、ルイズは無意識のうちに距離を開けていた。
「ガビーン!なにこの空間?なんか2人の距離広くない?」
「……。」ウェールズ皇太子も少し下がった。
「こ、皇太子!?なぜ貴方まで!?」
「い、いや…なんとなく……ワルド菌がうつりそうで。」
「ワルド菌!?なにそれ!?初耳だよ、その菌。うつると小さな女の子じゃないと性的興奮しないようになるっていうんですか!?」
「……だが、新婦はこの結婚を…やっぱりロリコンは嫌、といわんばかり。望んでないように見える…」
「そのとおりでございます。おふた方には大変失礼をいたすことになりますが、わたくしはこの結婚を望みません。」
ワルドの顔にさっと朱が差した。ウェールズは困ったように、首をかしげ、残念そうにワルドに告げた。
「子爵、誠にお気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続けるわけにはいかぬ。」
ルイズの手をとろうとするが避けられるワルド。
「……緊張しているんだ。そうだろ、ルイズ。ロリコンじゃないって。」
「ロリコンじゃなくても、ショタの気まであるんでしょう?」
「子爵!?」

「な、何を言うんだ!両刀でもないと言ったじゃないか!信じてくれ、ルイズ!」
「ロリコンじゃなくても、ショタでなくても、あなたと結婚をしたくはないな。」
声が、バビル2世のものに変わった。
服を脱ぎ捨てるルイズ。その下には学生服が着込まれていた。顔や背丈、体格が見る間にバビル2世に変化していく。
「な、何事だ!?」
「皇太子、こちらへ。」
驚くウェールズの袖を引っ張るのは、ルイズであった。始祖ブリミルの像の後ろから出てきたルイズが、慌てながらウェールズを
ワルドたちから引き離す。
「残念ですが子爵。あなたの謀は、全てばれているのですよ。」
高笑いと共に、ルイズと逆方向から現れたのは…
「げぇっ!コウメイ!?」
そう、白スーツの怪人、策士・孔明であった。
「な、なにがばれたというんだ。ルイズ、騙されちゃいけない!僕は世界を手に入れる!そのためにきみが必要なんだ!いつか
言ったことを覚えているか!?きみは始祖ブリミルに劣らぬ、優秀なメイジに成長するだろう!きみの力が!必要なんだ!」
ルイズのほうへ近寄ろうとするロリコン。だが、
「うふははは。振られた男がみっともない。残念ですが、あなたがレコンキスタであるという証拠はすでに私が握っているのですよ。」
優雅に宣告するコウメイに、ワルドの顔が青ざめた。
「証拠だと…馬鹿な。レコンキスタに繋がるものは全て排除してここに来たはず……」
え?とルイズが驚く。
「ど、どういうことです、ワルド様!?わたしはコウメイにはワルド様がロリコンであるという証拠をお見せしよう、と言われて…」
「――!?」
その瞬間、その場にいた人間全てが悟った。ワルドは見事に釣られたのだ、と。
「おやおや。賢い人ほど単純な手に引っかかりやすいものですなぁ。」
にやにやと孔明が嗤った。
「観念するんだな、ペド。」
「ペド!?さらに悪化した!?」
「桟橋のとき、仮面の男がおまえに似ていることに気づいた。だが、船の上にもおまえがいたため、気のせいかと思ったんだ。
しかし聞けば風の魔法には遍在という分身魔法があるというじゃないか。」
「左様。」と孔明が頷く。
「風はあらゆる場所に存在する、ゆえに遍在。ですが…」

こうなってはしかたがないとでもいうように、ペドは懐から白い仮面を取り出して嵌めた。
「やはりな。」
「貴族派!あなた、アルビオンの貴族派だったのね!?」
ルイズはわななきながら、怒鳴った。ペドは裏切り者だったのだ。
「そうとも。いかにも僕は「レコン・キスタ」の一員さ。レコン・キスタはハルケギニアの将来を憂いた貴族たちによる超国連盟。我々に
国境はない。ハルケギニアは我々の手で一つになり、始祖ブリミルの降臨せし「聖地」を取り戻すのだ!」
「昔は、そんな風じゃなかったわ。何があなたを変えたの?ワルド……」
「ヨミだ。」
バビル2世が断言した。
「今心を読んだんだが、こんな人間と以前出会ったことがある。かつてヨミは各国の重要人物を誘拐し、手術を行って改造人間を
つくりだしていた。そうして自分たちの意のままに動く人間を政府の中枢におき、目的の国を支配していた。」
呆然としていたウェールズが口を開いた。
「どういう意味なんだ?改造人間というのは何だ?ヨミとは何者だ?」
ウェールズの足元へペドが水の入ったビンを投げつけた。ガラスが割れ、水が飛び散った。
「お前たちが知る必要はない!ふふふ、バビル2世、見事な推理だ。その通り、今の私は改造人間だ。だが……」
ペドが呪文を唱える「ユビキタス・デル・ウィンデ……」呪文が完成するとワルドの身体は5つに分身した。
「やはり分身ができたのか。」
「その通り。だがただの分身ではない。一つ一つが意思を持つ分身。風は遍在する!」
5人のペドが鶴翼の陣を敷くように広がる。
「この旅における僕の目的は3つあった。1つはルイズを手に入れること……性的な意味ではないぞ。2つ目はルイズ、きみのポケット
に入っているアンエリッタの手紙……そして」
ウェールズの足元にぶちまけられた水が、ごぽっと音を立てた。
「3つ目……貴様の命だ、ウェールズ!」
水から手が生えた。手はウェールズの足首を掴む。水から背の高い、ペドと同じ仮面をつけた男が現れ、ウェールズを持ち上げた。
「うおおおお!」
そしてペドめがけ、ウェールズを投げ飛ばした。ペドは風のように身を翻らせ、投げつけられたウェールズの身体を青白く輝くその杖で
貫いた。ウェールズの口からどっと血が溢れ出た。ルイズが悲鳴を上げて、気絶した。

「ウェールズ王子!」
バビル2世は分身が全てだと思い込み、突如現れた男に対応が遅れてしまったのだ。
水から現れた男は、さっとペドの横に並び、変装をといた。
「まさか分身と、変装した男の2段構えとは、さすがのバビル2世といえども思い浮かばなかったようだな。」
ペドがふふふ、と嗤う。
「バビル2世様!」孔明が外を扇で指した。
「医務室へ!」叫んで、不思議な手の動きのジェスチャーをした。
「間に合うものか!あの手ごたえ……確実に仕留めた!」
穴の開いた胸から、赤い血がごぽごぽと溢れていた。
そこにようやく兵隊が入ってきた。
「皇太子!」
そして鮮血を吐き、胸元を赤く染めた皇太子を見て、何があったか悟った。
「おのれ、貴様らが犯人か!」
一斉にワルドたちに襲い掛かった。
「うおおおおお!どけどけー!おいらに勝てるか!?」
水から現れた男は、手斧を取り出すとそれをぶんぶん振り回し、兵隊をなぎ倒す。
「閃光の!今のうちに逃げるんだ!お師匠様に王子を倒したと報告するんだ!」
ワルドたちが兵隊の囲みへ突入した。そしてできた空間を、本体らしきワルドが駆け抜けた。
「ですが。」
孔明の呟きに呼応するように、ワルドの前に躍り出た人影が3つ。
「ど、どーすんだい!?僕たちでグリフォン隊の隊長を倒すのかい!?」
「仕方ないでしょ!?あのコーメーって親父の予想通りになってるんだから!本当に1人で扉まで来たし!」
「指示書通り、戦えば、勝てる。」
タバサの手から、先に渡した袋が覗いていた。
ウェールズの身体をかついで、壁を破壊してバビル2世が姿を消したのと、3人がワルドと激突したのはほぼ同時であった。
「ここまでは、全て私の思いのまま…」



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