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ゼロと人形遣い-9



ゼロと人形遣い 9



昼時のアルヴィーズの食堂、その裏側。
トリステイン魔法学院では、朝食は全校生徒と教師が同時に食べる規則だが、昼食は食事を取りたい者が時間内に食べに来る事になっている。
そのため、厨房はまさしく戦場と言っても過言ではない忙しさだった。

「おい、おまえら!キリキリ動けよ!料理を冷めさせたりしたら承知しねえぞ!」
「へい!」

この厨房を取り仕切っているコック長マルトーの声が響く。
彼は大の貴族嫌いだが、仕事には一切手を抜いたりすることはない。

「マルトーさん、またメインの追加です!」
「なにっ、またか!このままじゃ、ソースが足りなくなるな・・・」
「親父さん、こっちを見てもらえませんか!」
「ちょっと待ってろ!・・・よし、すぐに代わりを用意するから、その大食らいの貴族に確認を取ってきてくれ!」
「なんて言えばいいんですか!」
「趣向変えに、酸味を効かせた味にすると言っとけ!」
「わかりました!」
「親父さん、こっち頼みます!」
「コック長!サラダ用の飾り野菜が!」
「わかったから、ちょっと待ってろ!リタ、上手いこと言っとけよ!クーロイ、飾り野菜は向こうの倉庫にあるから、急いで持って来い!シシィは、ソースを作るための用意を、ビネガーとレモンだ。わかるな!ニック、すぐ行く!」

マルトーは、矢継ぎ早に、指示を飛ばしながらも、自分の仕事もこなしていく。

「忙しいもんなんですねぇ・・・」



その姿を横目で見ながら、阿柴花は呟いた。
こんなに忙しいなら、手伝いなど申し出なければよかった。
軽く後悔しながらも、自分に任された仕事をこなしていく。
まあ、仕事といっても、料理など作れないので皿洗いだが。

「アシハナさん、これもお願いします!」
「はいよぉ」

新しく運ばれてきた皿に、洗剤の様な薬品を布につけて洗う。
さっきから、その繰り返しだ。

「はぁ・・・、皿洗いなんてガキの頃以来ですからねぇ・・・。こんなにシンドイもんだったけなぁ・・・」

ブツブツと文句を言いながらも、皿を洗っては重ねていく。
そこに、ガシャと、

「すみません!これもお願いしますね」
「はいはい・・」

すべて洗いきらない内に、また皿が運ばれてくる。
こんなことなら、教室に残っていたほうが良かっただろうか。

「でもまあ、あっちよりはましでしょうねぇ」
「これもです!それからさっきの分は終わってますか?」
「・・・へぇ、そっちにありますよ」
「ありがとうございます!」

いや、やっぱりあっちの方が楽だったかも知れない。




数時間ほど前。
ルイズの魔法によって、地獄絵図に変えられてしまった教室。
やっと暴れていた使い魔たちが静まり、混乱が収まろうとしていた。

「くそ!これだから、ヴァリエールと同じクラスは嫌だったんだ」

生徒の一人が叫んだ。
すると、それに呼応するように、他の生徒達も口々に文句を言い出す。
先程とは違ったざわめきが拡がっていく。

「うるさーーーい!ちょっと失敗したくらいで、ブツブツ言うんじゃないわよ!」

負けじと、ルイズが喚き散らす。
阿柴花はその様子を、教室の後ろから眺めていた。
しばらく野次り合いが続いていると、気絶していたシュヴルーズがフラフラと身を起こした。



「あっ、先生!」
「ミセス・シュヴルーズ。大丈夫ですか」
「えっ、ええ・・・大丈夫です・・・」

近くにいた女生徒が、気がつき声を掛ける。
それに弱々しく答えて、立ち上がった。
シュヴルーズに、気がついたルイズは、口論を打ち切って駆け寄った。

「ミセス・シュヴルーズ、大丈夫ですか?」
「ええ、ミス・ヴァリエール」

心配そうにたずねるルイズに、シュヴルーズは引きつりながらも笑顔で返事をする。
なんとか教師としての、余裕を保とうとする。
しかし、

「申し訳ありませんでした。ちょっとだけ失敗してしまったみたいで・・・、でも次は上手くできます」
「ヒィ!」

ルイズから、次と聞いた瞬間に、悲鳴が漏れた。
すぐに笑顔で取り繕うと、授業の中止とルイズに罰を言いつけて、そそくさと教室を出て行ってしまった。
授業の中止を聞くと、生徒達は我先に教室から出て行った。
ルイズは、しばし呆然としていた。
しかし、すぐに気を取り直すと、教室の後ろ側に座っている、自分の使い魔へ顔を向けた。

「ちょっと、アシハナ!掃除をしてぇぇぇっえ?」

が、そこには誰も居なかった。



阿柴花は、シュヴルーズがルイズに罰掃除を言いつけた時に、嫌な予感がしてさっさと抜け出していたのだ。
そして、シエスタとの約束通り、厨房の手伝いをしに来ていた。
移動してすぐは、まだ昼食まで時間があったので、世間話兼コックやメイドを紹介してもらっていた。
だが、準備を始める時間が来ると、厨房全体が慌しくなってきたので、何かやることはないかとシエスタに聞くと、

「それなら、ケーキの配膳を手伝ってもらえませんか」

と、頬を染めながら言ってきた。
しかし、

「いや、シエスタ。それはさすがに無理がありますよ。アタシはテーブルマナーなんかひとつもわからないんですから」
「そうですか・・・。じゃあ、マルトーさんに聞いてきますね」

シエスタは軽くガッカリしながら、マルトーの所へ向かった。
すぐに戻ってくると、

「それじゃあ、お皿洗いをお願いしていいですか?」
「皿洗いですか。まあ、アタシには妥当なとこでしょうね。そんじゃあ、やらせてもらいますよ」
「はい。それでは、こっちですよ。」




そして現在に至る。
皿を洗うのにも慣れ、厨房もだいぶ落ち着いてきた。
隣で皿を洗っているメイドのソリスと雑談を交わしながら、のんびりと手を動かしていく。

しかし、急に食堂のほうが騒がしくなった。

「んっ?どうしたんでしょうか」
「さぁねぇ。貴族の誰かが喧嘩でもしてんじゃないですか」
「そんな・・・。違えばいいんですけど」
「なんでですか?別に関係ないでしょうに」
「だって、八つ当たりされたりしたら嫌じゃないですか」
「ああっ、ちがいねぇ」

そんな話をしている間も、騒ぎが収まる様子は無い。
と、厨房にメイドの一人が駆け込んできた。

「たっ大変です!」
「どうしなんでぇリタ?」
「シエスタが!シエスタが!」

マルトーは、リタの肩に手をやる。

「落ち着けって、シエスタがどうしたってんだ?」
「シエスタが、貴族に絡まれてるんです!」
「なにーーー!!」


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