「お館様ああぁぁぁぁぁぁ!!!」
決闘が終わったその夜、幸村は絶叫しながら目を覚ました。
だが、そこはヴェストリの広場ではなく、ルイズの部屋であった。
「ここは…」
「目が覚めた?」
と、ルイズの声が聞こえてくる。
「あんたを運ぶのはこれで2回目よ。まったく…本当に主人に面倒をかける使い魔なんだから…」
「も、申し訳ありませぬルイズ殿。拙者…まだまだ未熟者でござった」
そっぽを向いているルイズに幸村は片膝をついて謝った。
「…で、でも…」
決闘が終わったその夜、幸村は絶叫しながら目を覚ました。
だが、そこはヴェストリの広場ではなく、ルイズの部屋であった。
「ここは…」
「目が覚めた?」
と、ルイズの声が聞こえてくる。
「あんたを運ぶのはこれで2回目よ。まったく…本当に主人に面倒をかける使い魔なんだから…」
「も、申し訳ありませぬルイズ殿。拙者…まだまだ未熟者でござった」
そっぽを向いているルイズに幸村は片膝をついて謝った。
「…で、でも…」
『この世界で拙者に住む場所を、飯をくれた恩人を……ルイズ殿を馬鹿にするのだけは許せぬ!!』
「わ、私の為に戦ったのはほほ褒めてあげるわ。だ…だから今回の事は許してあげる」
「おお、なんと有り難きお言葉…この幸村、さらに精進してルイズ殿のお役に立ってみせましょうぞ!」
幸村の態度に照れたのか、少し顔を赤らめるルイズ。
「おお、なんと有り難きお言葉…この幸村、さらに精進してルイズ殿のお役に立ってみせましょうぞ!」
幸村の態度に照れたのか、少し顔を赤らめるルイズ。
「そ、そうだわ!」
ルイズは何かを思い出したように話を切り出した。
「あんたに褒美をあげるわ!こっちにいらっしゃい!」
幸村を呼び、そして床を指差した。
見てみると、ルイズのベッドの隣に藁が敷かれている。
「今度からここで寝るのよ!と、特別に私の近くにしておいたから!」
「ル、ルイズ殿…」
「ま…まぁこれからも私に感謝してしっかりと働きなさ…」
ルイズは何かを思い出したように話を切り出した。
「あんたに褒美をあげるわ!こっちにいらっしゃい!」
幸村を呼び、そして床を指差した。
見てみると、ルイズのベッドの隣に藁が敷かれている。
「今度からここで寝るのよ!と、特別に私の近くにしておいたから!」
「ル、ルイズ殿…」
「ま…まぁこれからも私に感謝してしっかりと働きなさ…」
「すまぬ、出来れば外で寝たいのでござるが…」
「……え?」
喜ぶと思っていたルイズだが、彼女に予想外の答えが返ってきた。
「やはり年頃の娘の部屋に男がいるのはいけませぬ。拙者は廊下で十分でござる」
どうやらこの部屋ではルイズが気になって眠れず、今日のように無様に倒れてしまうと思ったのだ。
しかし、ルイズにはせっかくの好意を拒否されたと捉えられた。
「……か…かっ…」
ルイズの肩がぷるぷると震え始める。
「あ、あのルイズ殿?」
喜ぶと思っていたルイズだが、彼女に予想外の答えが返ってきた。
「やはり年頃の娘の部屋に男がいるのはいけませぬ。拙者は廊下で十分でござる」
どうやらこの部屋ではルイズが気になって眠れず、今日のように無様に倒れてしまうと思ったのだ。
しかし、ルイズにはせっかくの好意を拒否されたと捉えられた。
「……か…かっ…」
ルイズの肩がぷるぷると震え始める。
「あ、あのルイズ殿?」
「勝手にしなさいこの馬鹿あぁーーー!!」
「ぬおおぉぉぉーーーっ!?」
突然の大声に幸村は驚いて尻餅をついた。
「ぬおおぉぉぉーーーっ!?」
突然の大声に幸村は驚いて尻餅をついた。
結局……そのまま幸村は怒ったルイズに追い出され、本人の願い通り廊下で寝る事となったのである。
(なによ!こっちが折角用意してあげたのに、外で寝たいだなんて!!)
部屋に残ったルイズはプンスカと怒りながらベッドに入る。
だがベッドの中に入ってもまだ怒りは収まりそうにない。
(なによ!こっちが折角用意してあげたのに、外で寝たいだなんて!!)
部屋に残ったルイズはプンスカと怒りながらベッドに入る。
だがベッドの中に入ってもまだ怒りは収まりそうにない。
「うむ…何故ルイズ殿は怒ったのであろうか…」
追い出された幸村は、廊下の真ん中で仰向けになりながら怒られた理由を考えていた。
「やはり女子というのは理解に苦しむでござる、佐助ならもっと上手くやれたのかもしれんな…」
そんな事を考えながら、幸村は徐々に眠りについていった。
追い出された幸村は、廊下の真ん中で仰向けになりながら怒られた理由を考えていた。
「やはり女子というのは理解に苦しむでござる、佐助ならもっと上手くやれたのかもしれんな…」
そんな事を考えながら、幸村は徐々に眠りについていった。
さて、場面を変え、その頃の氏政の話になるが…
その後ギーシュはモンモランシーに必死に謝罪し、何とか許してもらえる事となった。
一方、ケティには氏政が謝りに行っていたのである。
その後ギーシュはモンモランシーに必死に謝罪し、何とか許してもらえる事となった。
一方、ケティには氏政が謝りに行っていたのである。
「すまんのぅ…わしのせいでお主に辛い思いをさせてしまって…」
「いえ、いいんです…あのまま知らなかったらギーシュ様の為にもなりませんし…」
何せ今回の騒ぎは氏政がケティをけしかけたのが原因でもある。
流石にその責任を感じているのか、彼も素直に悪いと思っているようだ。
「今回の事はこの北条氏政の責任じゃ、だからあまりあの若造を責めないでくれ…」
「いえ、いいんです…あのまま知らなかったらギーシュ様の為にもなりませんし…」
何せ今回の騒ぎは氏政がケティをけしかけたのが原因でもある。
流石にその責任を感じているのか、彼も素直に悪いと思っているようだ。
「今回の事はこの北条氏政の責任じゃ、だからあまりあの若造を責めないでくれ…」
グウゥゥゥ~…
と、いきなり氏政の腹が大きく鳴いた
(ぬ…そういえば今日は朝の汁物以外ろくな物食っておらんかったわ…)
と、いきなり氏政の腹が大きく鳴いた
(ぬ…そういえば今日は朝の汁物以外ろくな物食っておらんかったわ…)
「……あの、良かったらこれ食べますか?」
氏政の腹の音を聞いたケティは持っていたバスケットケースを差し出した。
中には彼女の作ったスフレが入っている。
「本当はギーシュ様に食べてもらおうと思ったのですけど…もう萎んじゃいましたし…」
ケティは氏政の顔を見ながら申し訳なさそうに言った。
しかし、氏政にとってはこの日出された食べ物の中で一番まともな物であった。
「おおすまん!今日はろくな物を食ってなかったんじゃ!」
そう言って差し出されたスフレを口に運んでいく。
「こりゃ美味い、わしの国にはこんな菓子は無かったわい!」
西洋の菓子に感動したのか、さらに食べ続ける氏政。
その様子を見ているケティ。心なしか、自分の作ったお菓子を美味しいと言ってくれたのが嬉しいようだ。
氏政の腹の音を聞いたケティは持っていたバスケットケースを差し出した。
中には彼女の作ったスフレが入っている。
「本当はギーシュ様に食べてもらおうと思ったのですけど…もう萎んじゃいましたし…」
ケティは氏政の顔を見ながら申し訳なさそうに言った。
しかし、氏政にとってはこの日出された食べ物の中で一番まともな物であった。
「おおすまん!今日はろくな物を食ってなかったんじゃ!」
そう言って差し出されたスフレを口に運んでいく。
「こりゃ美味い、わしの国にはこんな菓子は無かったわい!」
西洋の菓子に感動したのか、さらに食べ続ける氏政。
その様子を見ているケティ。心なしか、自分の作ったお菓子を美味しいと言ってくれたのが嬉しいようだ。
「うーむ、出来立てならもっと美味かったのかもしれんのぅ…」
「あ、それならまた今度作ってきてあげましょうか?」
氏政の言葉を聞いたケティが思いついたように言った。
「おおー!それは楽しみじゃわい!お主は優しい娘じゃなぁ」
「ただし!」
だがここで彼女は人差し指を立てて氏政にびしっと向ける。
「もうギーシュ様を困らせるような事をしちゃダメです。ご飯貰えなくなっちゃいますよ?」
「ぬ……し、しょうがないのぅ…」
こうして、氏政とケティはまた会う約束をした。
そして、何かと騒がしかった一日が終わり、夜が更けていった…
「あ、それならまた今度作ってきてあげましょうか?」
氏政の言葉を聞いたケティが思いついたように言った。
「おおー!それは楽しみじゃわい!お主は優しい娘じゃなぁ」
「ただし!」
だがここで彼女は人差し指を立てて氏政にびしっと向ける。
「もうギーシュ様を困らせるような事をしちゃダメです。ご飯貰えなくなっちゃいますよ?」
「ぬ……し、しょうがないのぅ…」
こうして、氏政とケティはまた会う約束をした。
そして、何かと騒がしかった一日が終わり、夜が更けていった…