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ルイズVSマジク~史上最哀の会合~03


第3話『今になって分かる説明役っぽいものの大切さ』

ルイズは何が起こったのか理解できずにいた。
確か自分の使い魔は危機的状況に陥っていたはずだった。

6体ものゴーレムに囲まれ,平民の彼にはどうしようもない。
――どうにかなってはならない窮地。
彼が死ぬことで自分は新たな使い魔を呼ぶことができるようになる。
それは願ってもないことだ。
でも何故か彼を死なせたくはない。
そう思いギーシュに膝を屈して頭を下げてまで許しを請おう。
いやっ,それは公爵家の三女としてどうなの?
などと考えあぐねていた。
そうしていたら彼――マジクがおもむろに右手をあげて何事か叫んだのを聞いた。
次にルイズが見た光景は,
マジクから放たれた純白の熱衝撃波がゴーレムをあとかたもなく粉砕するところだ。

「えっ?なっ何がおこったの?」
「今あの平民,魔法を使ったぞ。」
「馬鹿な,杖もルーンの詠唱もなしにか?」
野次馬達の悲鳴まがいの声を聞いて,やっとルイズは状況を認識する。
どうやら自分の使い魔はありえないことをしたのだと。
(早く――あの馬鹿をどこかに移動させて説明をきかないと。)
ルイズはマジクの元へ走った。

マジクはギーシュからの敗北宣言を聞きだしたあと,ふとあることに気付いた。
野次馬達の中からシエスタを見つけだし声をかける。
「シエスタ。もう日がくれちゃうよ。」
「はい?」
「まだ仕事が残ってるだろ。マルトーさんやメイド長に叱られちゃうよ。」
「はぁ。」
「この不況の世の中。少し仕事が遅いだけで,
クビにさせられることなんてよくあることですし。
 残った仕事を残業して片付けたところで残業手当はスズメの涙。」
「ええ。」
「まあ家の宿なんてパートの人が残業するほどの仕事は,
何故かなかったけど…それはおいといて。」
マジクはシエスタの手をとり体を引き寄せ
「ぼくが手伝えば,ギリギリで終業時刻には間に合うはずだから急ごう。」と
シエスタと共に走りだそうとしたが――
「待ちなさいっ!この馬鹿いぃぬぅっ!」
走ってきたルイズにぶん殴られ,5メートルほどぶっ飛ぶ。
「ったく,この馬鹿犬っ!」
そのままズルズル引きずられていった。
唖然にとられていたシエスタは
「…あっ,仕事しなきゃ。」
そそくさと食堂に帰っていく。
なんだか気が抜けた野次馬達も
付き合ってらんねーと解散した。

――院長室
この珍事を見ている二人がいた。
由緒あるトリステイン魔法学院が院長。
エロじじいことオールド・オスマン。
いっけん貧弱,だけど私すごいんです,な禿げ眼鏡。
炎蛇のコルベール。
「いや,しかしまいりましたな。」
コルベールが心底困り顔でポツリとこぼす。
「契約の際に彼に刻まれたルーン。書物によると伝説のガンダールヴとのこと。
 真偽を確かめるのに丁度よくミスタ・グラモンとの決闘…」
「だというのに,ガンダールヴのものと思われる能力は見られずじまい。
 それどころかもっとやっかいなことになりそうじゃしなぁ。」
同じく困り顔のオスマンが言葉をひきとる。
「あれは系統魔法では断じてない。」
「では先住魔法とでも?」
「いや,それとも違うじゃろ。」
「…」
「…」
院長室に沈黙が流れる。

――ルイズの部屋
「で?あんた何者なの? さっきのはどうやったの?
 まさかとは思うけど魔法?というより何で私が使えないのに,
あんたなんかが魔法をつかえるのよ。こんなのってないわ。
ついでにあのメイドとなっ慣れ慣れしくしすぎよ。」
理不尽にも広場からここまで乱暴に引きずられたマジク。
決闘では無傷だったのに…今ではいたるとこから出血し,捻挫に打ち身に打撲と
牙の塔でもそんなにはなかった惨状にいながらなんとか答える。
…はぐれ旅で培われたものはそこまで偉大なのだろうか?
「召喚された日にもいったけど,ぼくはマジク。マジク・リン。
 牙の塔に所属する上級魔術士で,さっきのは魔法ではなく魔術だよ。
 詳しく説明すると長くなるけど………【以下略あしからず】
………という訳さ。シエスタと仲がいいのはご飯とかめぐんでくれるし。
ぼくとしてはこれから最低限,人並みのご飯がでてきてくれるとうれしいです。」
さりげに要求を付け加えながらマジクは説明し終えた。
…下手に魔術の説明しようとしたら大陸の歴史からなにやら説明しないといけないから
 大変だよね。

「ふーん。音声魔術,黒魔術…光や熱といったエネルギーや,肉体そのものを扱う…ね。
 いまいち分からないわ。何かみせてみなさいよ。」
やや興味をひかれてマジクに魔術を求めるルイズ。
(いい加減に癒さないと…危ないからなぁ…ぼく)
構成を編む。
「我は癒す斜陽の傷痕」
マジクの体の傷が消えていく。
「す,すごいわ。さすがにやりすぎたと思って
水の秘薬を用意しなきゃいけないだろうなぁ~っていう傷を
一瞬で治すなんて。」
「そ,そうかな?どうってことないよ。自分の傷を治すなんて。
本当に難しいのは他人の傷を…」
「ねぇ。他にどんなことができるの?」
本当は純情で好奇心旺盛なルイズ。
自分達とは違う魔術にほとほと感嘆していた。
一方マジクは,先ほどまでは人になるべく魔術は見せたくないと考えていたが…
なんか色々考えるのが面倒くさくなっていた。
(なんなんだろうね,この展開。)
(異世界に呼び出されて,使い魔にされて,おまけに決闘…)
溜息をこぼし,
(前っから,こうだ。ぼくの意思に関係なくことは起きる。――起きるんだ。)
(なら今,何か考えてもしょうがないじゃないか。)

ルイズをみつめて,
(なら今は…ルイズを楽しませれば…上出来かな?)
≪ゼロのルイズ≫――魔法がまったくつかえないルイズがそう呼ばれているのを,
マジクは知っていた。
(なにもできないのは――つらいことなんだ。)
かつての自分が味わったあの気持ち。
マジクの場合は周りには,同年代の魔術士がいなかった。
(でも,ルイズの周りには…)
自分とは比べられないくらい辛かったろうなと考えていたら,
「ちょっと,マジクっ!わたしの話をきいてるの?」
「あぁ,ごめん。」
怒られた。
「そうだなぁ,まずは…」
このあとルイズは眠くなるまで,マジクの魔術を楽しんだ。



次回予告
マジク「ぼくの生活水準があがって大満足な今日この頃…」
ギーシュ「だけどそんな平和が続くはずがなかった。」
キュルケ「ダーリン。この男たちを…倒してみ・せ・て。」
    「勝ったら全力で愛してあげるから。」
ルイズ「ちょっとキュルケ。人の使い魔に手をださないでよ。」
ギーシュ「次回,第4話『長編と短編とテレビで変わるもてっぷり』に」
タバサ「我は導くは死呼ぶ椋鳥!」



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