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がんばれ武蔵軍団


その瞬間、無人の野を行くアルビオン軍が歩みを止めた・・・。

総勢7万の大群を遮ったのは、砂煙を上げ突っ込んでくる10人程の集団。

傭兵、野人、美形、坊主、爺、小男、揉み上げ、ゴリラ顔、痩せぎす―。
容姿も背格好もバラバラの10人だが、彼等には三つの共通点があった。

彼らは皆、薄汚れた異国の装束を身に纏い―

そのいずれもが、左手にルーン文字を瞬かせ―

そして・・・どいつもこいつも、表情が尋常ではない!
グルグルした眼を充血させ、のどちんこが見えるほど大口を開け、何事か喚きながら突っ込んでくる。

「う お お お お お お お お お お お お お お お お ッ ! ! !」

その狂人の一団が敵だと気づいた時には遅かった。 先頭の傭兵顔が、すでに眼前まで迫っていた。

「宮本武蔵義経!! 一番槍貰ったああァッ!!」
叫びと同時に両手の刀が走り、先頭のアルビオン兵が鎧ごと四分割される。
ようやく我に返り、恐慌をきたす前線の兵を、右に左に次々と切り捨てていく。

「どけえええええい!! 義経ぇッ!!」
背後から飛び込んできた大男が、巨大なオールのような木剣を振るう。
轟音がうなりをあげ、強烈な旋風を巻き起こし、10人以上もの兵士をピンボールのごとく弾き飛ばす。

前線の綻びを縫うように、傍らの美形が走りぬけ、最小の攻撃で切り捨てながら進んでいく。

「どこへ行く!? 光姫武蔵!」
「何人斬っても雑魚は雑魚じゃ! この戦さ 大将を斬った者が本物の武蔵だ!!」
「なんだとおっ!?」
「汚えぞ!! 戻れ光姫!!」

大将を斬る。 その言葉に全軍が青ざめる。
この狂人どもは、7万対10の戦闘に勝利して、アルビオン皇帝クロムウェルの首級を挙げるつもりなのだ。

「うおお 囲め囲め!」「このバカどもを行かせるな」
数に物を言わせ、対手を押し止めようとする兵士の群れに、さらに後続が飛び込んでくる。

「宮本武蔵征長 推参!!」
「宮本武蔵金成 円熟の技を見せてくれよう!!」
「宮本武蔵大仏もいるぞ!!」
「待て待て待てえい 宮本武蔵三郎を忘れるな!!」
「本物の武蔵はわしひとり! 宮本武蔵直道だあ~!!」

「「「「ウリャ~」」」」  「「「「早い者勝ちじゃああああ!!!!」」」」

そのいずれもがミヤモト・ムサシなる名前を名乗り、滅茶苦茶な事をまくし立てながら、
絶妙な剣捌きをを見せて敵を屠り去っていく。
そして全員目が危ない。

「いや~ それにしても こちらの世界に来てから妙に体が軽いのう」
「オウッ! まるで本物の武蔵になった気分じゃ!!」
「何じゃと!? 貴様やはり偽者じゃったか!?」
「フザケるな! このニセモノ野郎!!」
「ムオオ! 血が滾るぞお!! まるで吉岡一門とやり合った時のようじゃ!!」
「懐かしいのお あの時は吉岡の手勢700!! ことごとく血の海に沈めたものよ!」
「バカ言うな! たった一人で700も斬れるか!?」
「そうじゃそうじゃ あん時は吉岡の高弟どもを 一人づつ闇討ちで倒したんだろうが!!」
「なんだとニセモノ! 武蔵を愚弄するか!!」
「勝ってこその剣聖じゃ!! そんな事もわからぬのかこのニセモノめ!!」
「やめんかニセモノども!! そもそもワシは吉岡なんぞと戦っておらん!!」
「「「「ニセモノは黙ってろ!!」」」」

互いを激しく罵り合いながら、それでも一丸となって敵陣を切り裂く武蔵一行。
白兵戦の愚を悟り、将軍・ホーキンスが作戦を変える。
直ちに上空から魔法を射掛ける竜騎士部隊。
いかに強くとも、魔法の使えぬ平民には対処できない・・・ハズだった。

「コジロオオオオオオオ!!!!」

突如、彼方から飛来した巨大な鉄塊に、竜騎士の一人が切り裂かれる。
驚きの声を上げた同僚たちも、即座に鉛玉の嵐でハチの巣となる。

飛んできた物体の正体は、トリステイン魔法学院の秘宝・『破壊の巨大手裏剣』―
そして、その上に乗っていたのは・・・。

「げえ~ッ!? 『 破 壊 の 武 蔵 』!?」
「あの馬鹿でかい手裏剣に乗って 学院から飛んできたのか!?」
「ヤベエ!! 逃げろおお 巻き添えを喰らうぞおお!?」

怪盗フーケによって目覚めてしまった禁断の自律兵器・・・『破壊の武蔵』
まるで、本物の武蔵は俺だと言わんばかりに咆哮を上げる。

「ガンリュウジマノウラミイイイイイイ!!!!」
超大型の手裏剣が高速で飛び交い、胸部の大型ガトリング砲が火を噴き
全身から発射された3ケタ近いミサイルが、ドワオ ズワオと炸裂する。

「竜騎士隊 全滅!!」
「第3部隊から第17部隊が音信不通!!」
「前線が壊乱状態!! このままでは・・・!」

「落ち着け!! 魔法で疾風の障壁を作るのだ!!
 ミサイルとやらさえ全て弾き返せば 奴等はすぐに自壊する!!」

ホーキンスの懸命な指示の元、かろうじてメイジが前線を立て直し、疾風の詠唱を始める。
その眼前に、新たに立ちはだかる男がまた一人。

「師匠!? 生きていたのか!!」

新免武蔵と呼ばれていた大男が、乱入者の姿に声を荒げる。
確かにその師匠と呼ばれた男は、これまでの『ミヤモトムサシ』達とは一線を画すオーラを放っている・・・。

― なにせ、額に鬼のような角が生えているのだ・・・。

「カアアアアアアアッ!!」

男が叫び、剣を振るう。
まばゆい閃光と、強烈な衝撃波が、前線をまるごと吹き飛ばし、跡形もなく消し去っていく。

「クッ!! 予備兵力を直ちに動員! 全軍を挙げて奴らを討ち取れ!!」

最早アルビオン軍には後がなかった。
敵は只の狂人ではない。 一騎当千の狂人の群れである。
それは正真正銘、 7万対12の決戦であった。

「どうやら敵さん とうとう本気らしいな・・・」
「フン・・・ 何を今更」
「消滅・・・ ガガ 消滅シロオオオオオ!!」
「十兵衛・・・ どこだ 十兵衛・・・」
「師匠・・・ あんた 一体?」

「「「ちょっと待ったああああっ!!!」」」

突撃に移ろうとした刹那、彼方から、野太い三重奏が響いてくる。
両軍の眼前に現れたのは、 爆走する赤、白、黄色の戦闘機 ―。

「お前ら~! 大事な武蔵を忘れていないか!!」
「トリステインの危機を救えるのは 我々だけだ!」
「見ててくれ! ミチルさん 俺はやるぜ!!」

「「「丈夫で長持ち! 巴武蔵だあ~!!」」」

上空を高速で飛び交い、思い思いにアクロバット飛行でアピールする三人の太っちょ。

「しっかり捕まっててくれ ルイズお嬢さん!
 コイツはとんでもない動きをするぜ!!」

「イヤアアアアアア 降ろしてえッ! 機体を止めてえええ!!」

「武蔵1067号! 女性はもっとデリケートに扱え!」

「シエスタさん・・・ この『熊の羽衣』 ありがたく使わせてもらうぜ!!」

やがて、3機が横一線に並走を始める。

「準備はいいか!? 2011号! 4736号!」
「オウよ!」
「みーっつーの こーころーがー ひとつになれーばー」


「「「チェェェンジッ ゲッタアアアァァァァ・・・」」」」
「1!」「2!」「3!」

最高のタイミングで、3人がバラバラのスイッチを押した。
同時に左手のルーンが輝き、ガギョンガギョンと嫌な音を立てながら変形を始める・・・。


あらゆる兵器を操れるという、ガンダールヴが起こした奇跡だろうか?
機体は『無事』に変形した。
もっとも、この場合の『無事』というのは、壊れなかった、という意味だ・・・。

水を打ったように静まり返る戦場。
一同は改めて、その奇妙なロボットを仰ぎみる。

頭部は亀甲模様の真っ赤な二本角。
胸元から生える、烏賊のような白面。
背面には黄色の頭、肩から伸びるふたつのキャタピラ。
両足の代わりに、逆立ちするかのような二本の大型アーム。

― そして股間にはドリル。

「「「でええええ!? とんでもない変形をしてしまったあああ!?」」」

「マジメにやれ!! 4736号」
「なんだとお! ムサシと言ったらゲッター3だろうが!?」
「俺 一度でいいからドリル使ってみたかったんだよ!」

戦場に響く武蔵たちの漫才を契機に、戦場が再び動き出す。

「何なんだアレは!?」
「トリステインの秘密兵器かあ!?」
「なんておぞましいゴーレムだ!!」
「もしや先住魔法!!」

「聞けえええ!! 兵士諸君! 今より我ら一丸となって あのおぞましい悪魔を倒すッ!!
 この戦いはアルビオンの! いや ハルケギニアの未来をかけた一戦と心得よ!!」

ホーキンス将軍の使命感溢れる正義の雄叫びに、アルビオン全軍が一丸となる。
直後、史上最悪のゲッター目掛け、炎が氷が疾風が礫が次から次へと飛んでくる。

「分離している余裕は無い! このまま戦うぞ ふたりとも!!」
「ちょ・・・ バカなこと言ってんじゃな・・・」

「ゲッタアアァァトマホオオオォォクッ!!」
「ドリルッ! ミサァァァイルッ!!」
「ゲッター ミサアアイルッ!!」

3人が好き勝手に武器を振るう。
キャタピラをカタパルト代わりに射出されたトマホークが、滅茶苦茶な軌道で荒れ狂い、股間から放たれた大型ドリルが、まるで意思でも持つかのように戦場を飛び交い。
見境なしに発射されたミサイルが 敵に味方に炸裂する。

「うおおお こうなりゃヤケクソだあああああ!!!」
「悪魔をッ! 悪魔をたおせええ!!」
「ゴジロオオオオオ ゴジロオオオオオオオオオオ!!!」
「どこだああああ 十兵衛ェェ!!」
「グワーッ ワシはもういやじゃあああ!?」

「大雪山おろしいいいいい!!!」
「ゲッタアアアア ビジョンッ!!」
「ゲッタアアアアアア ビイイイイイイィイイィム!!」

悪魔の権化と化した機体が高速回転、分身を始め
周囲360度、無作為にビームを撒き散らす。
山が抉れ、大地が吹き飛び、アルビオン兵が宙に舞う。
その衝撃は、海上を彷徨う大陸に耐えられる物ではなかった・・・。

ズ ズズズズ  ズズズズ・・・

「な!? なんじゃああああ この揺れはッ!?」
「アルビオンが!? アルビオンが墜落するゥッ!!」
「おのれええええ!! おのれええ 悪魔めえええ!!!」
「ザザギ・・・  ザザギゴジロオオオオオオオオ!!!」
「大変じゃあ!?  『破壊の武蔵』の自爆モードが起動したァ!」
「十兵衛ええええええええええ!!!!!」
「師匠ーッ! 暴れてる場合じゃないです!!」
「いやあああ 早くここから降ろしてええ!!」
「何があった 1067号!?」
「ゲッター炉心の暴走だああ!! エンジンが爆発するぞッ!?」
「止むをえん! 4736号 エンペラーに支援を要請しろ!!」


「 ワ シ ッ ! ! 今 日 限 り で 武 蔵 や め る う う う ! ! ! ! 」


―その後、

たまたま近くを通りがかったゲッター艦隊の活躍により、アルビオンは高度を持ち直した。
大破した『破壊の武蔵』は母艦に収容され、角の生えた武蔵は別時空へと飛ばされた。

何から何までありがとう! ゲッター艦隊! そして武蔵司令官!



「フゥ・・・」
「どうした義経 溜息なんぞついて・・」
「いや・・・いつになったら元の時代に戻れるのかと思ってな」

「・・・・・・・・・」

義経の言葉で、一同の間に重苦しい空気が流れる。

「「「ハッハッハ! 何を弱気な事を言ってるんだね君たちは!!」」」
3人の巴武蔵が熱弁を奮う。

「いいかな 俺たちはルイズお嬢さんを守るため呼び出された『伝説のガンダールヴ』なのだよ!」
「ハルケギニアの平和を守れるのは俺たちしかいない!」
「幸い我々は 今回の戦いで活動の拠点を手に入れた!!」


「「「チェンジッ!! ゲッターアルビオン!!」」」

そう。
ゲッター艦隊によって大幅な改修を受けたアルビオンは、最早大陸ではない。
32門の巨大ブースターと、超大型ゲッター炉心を搭載した、空の要塞だった・・・。

「ちょっと待て ここを活動拠点にすると言うことは・・・」
「もちろん アルビオンの領土は ここにいる武蔵全員で平等に分配する!」
「と 言うことは・・・」

「「「「「ワシら 城持ち大名じゃあ~!!」」」」」

突然の行幸に、武蔵たちが やんや やんや と騒ぎ出す。

「もう 将軍家剣術指南役なんて目じゃないぞおお!」
「ワシら揃って 一国一城の主じゃあ~!」
「ワシ・・・ ワシ! 武 蔵 や っ て て 良 か っ た ~ ! !」

武蔵たちのドンチャン騒ぎを見つめる、3人の巴武蔵

「まずは一安心だな 2011号 4736号」

「ああ 俺たちの戦いはこれからだ!」

「さあ! この艦の艦長はあなたです!
 さっそく命令をください ルイズお嬢・・・ さ  ま」


「アンタら いい加減にしなさあああああああああいいいっ!!!」


ド ワ オ オ オ ッ ! !

ゲッターアルビオンの上部で、巨大な閃光が巻き起こった。





(グ ダ グ ダ で 終 わ り )


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