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悪魔も泣き出す使い魔-mission01


~異世界への招待~
使い魔のルーンをその身に刻め



「五つの力を司るペンタゴン、我の定めに従いし、使い魔を召喚せよ!」



少女の呼びかけに応えたそれは、平民の人間だった。
そして、ボロボロのズボンに半裸というその格好は、平民を通り越して奴隷や囚人を彷彿とさせるものだった。



「見ろよ!ルイズが召喚したのは奴隷だぜ!?」
「さっすがはゼロのルイズだな!平民どころか呼び出したのは奴隷!」
「どこの奴隷市から連れてきたんだよ ハッハッハ」
「やっぱイイ男ってさ、寝顔もイイ男よね~。」
「起きた」



寝ボケ眼で周りの様子を伺う。その目の前で口論する桃色髪の小娘とハゲ頭。
「・・無理・・・召喚・・やりなおし・・・・」
「・・・・・・伝統・・神聖・・・無理・・・」
ああ、これは夢だ。そう納得すると召喚された男はゴロンと仰向けに寝転んで再び目を閉じた。



怒鳴ろうが平手を浴びせようが全く起きようとしないこの男。
それもその筈、ついさっきまで壮絶な兄弟喧嘩を、何処ぞの親子喧嘩と巻き込んで夜通し繰り広げていたのであるが、
それは当の本人を除いて誰も知らない事であった。



少女は銀髪の青年に馬乗りになって、それからウンザリしつつも何かを決心したような顔でポツリと呟いた。「感謝しなさいよ・・・」
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
ルイズが唇を重ねると男の身体が光だす。



通常、コントラクト・サーヴァントの儀式を受けた使い魔は、その体にルーンを刻む熱や痛みを伴うのだが、
動じようともしない。跳び起きようともしない。何なのだコイツは。
死んでるんじゃないかとも思ってみれば、ガースカと寝息をたてる始末。
本当に何なのだコイツは。



青年が目覚めたのは、生徒達が帰路へ就いてから更に夕刻を過ぎた頃。
自分の上で眠りこけてる見慣れない娘をどかし、すぐそこでこちらを伺っていた頭髪の薄い男性に尋ねた。



「便所はどこだ?」




ここはハルケギニアの(大分端折って)トリステイン魔法学院。
ルイズはこの学院の生徒であり使い魔の主人。
使い魔は主人に死ぬまで従わなくてはならない。



「だからトニー・レッドクレイヴ。あなたは使い魔として、死ぬまで私に従わなくちゃいけないの」
「やれやれ。それで、何時になったら俺は帰れるんだ?」
「真面目に聞け!何度も何度も同じ説明させんな!」



ルイズの使い魔となった男の、本当の名はダンテ。
遥か2000年前に、魔界の帝王が率いる悪魔の軍勢から人類を救った、伝説の魔剣士スパーダの後継者。



それを使い魔として召喚した当のルイズは、自室のベッドの上で仁王立ちの格好になって、ダンテを見下ろしている。
使い魔となったダンテは、その床に寝そべって、肩肘をつきながら主人の話を半信半疑に聞いていた。



「ていうかさ、アンタ一体どこから来たの?今時ゲルマニアにだってそんな酷い格好の奴隷見たこと無いわよ」
「ラブ・プラネットの2階からさ。事務所が壊れちまって、これからシャワー借りて寝ようって所だったんだよ。
そしたらベッドの前から急に光が・・・」
「どこの国かって聞いてるのよ!ラブって何よ!」
「それが聞きたかったんだよお嬢ちゃん。ここは何て所なんだ?」
「ご主人様と呼べ!!・・・もう、ここはトリステイン。そしてここは、かの有名な魔法学院よ」
「知らないな。魔法使いの学校なんざ聞いた事もねえ」



真剣な眼差しで自分の世界の概要を説明するルイズと、半ば興味なさ気な顔で主人の話をボーっと聞いているダンテ。



「飽きれたわ・・・。まったく、一体どんな田舎からやってきたのよアンタは?」
「まあ、田舎っちゃあ田舎だな。ロクでもない連中がウロウロしてたし」
「よっぽど酷い環境で生まれ育ったのねアンタ。・・・今までどんな生活送ってきたのよ」
「そのロクでもない連中を相手に生計たててたんだ。便利屋って奴さ。」



怪訝な顔で、ダンテを品定めする様に見るルイズ。



「話を聞いてると、アンタもそのゴロつきどもと対して変わらない様な気がするんだけど」
「これから店開いて、本格的にやるかって所だったんだぜ?店の名前も決まったしな。聞きたいか?」
「結構よ。平民以下の教養も無さそうなアンタが考えた、ロクでもない店の名前なんて聞きたくも無いわ」
「言ってくれるね。これが割と気に入ってるんだけど」
「もう!店とか名前とか、そんな話はどうでもいいの!アンタは私の使い魔!使い魔は私の言う事を聞かなきゃいけないの!」



それから
「私が主人なんだからもっと使い魔らしく~」とか
「アンタがもうちょっとマシな格好してれば今日は恥を掻く事が~」とか
そんな事をもうかれこれ小一時間はわめき散らしてるルイズを見て
「昨日からロクな女に当たんねえな・・・」
とダンテは愛銃アイボリーを弄りながら溜め息混じりにボヤいた。



その瞬間、ルイズは熱狂冷めやらぬ演説をピタリと止め、ダンテの右手に握られているアイボリーに目線を送った。



「綺麗な装飾ね。・・・ねえ、何それ?」
「銃だよ。魔法使いのお嬢様は銃も見たことねえのか?」



それからルイズは、顔を膨らませて使い魔に反論する。



「知ってるもん!ほ、ほら。魔法が使えない平民どもが使うチンケな道具でしょ?鉛の玉が飛ばせるから何だっていうのよ」



そうは言ってるルイズだが、子供の様に目を輝かせながら、興味津々といった顔でアイボリーを見つめる。



「ねえ、それちょっと貸してよ」
「駄目だ。ガキの玩具じゃねえ」
「子供扱いするな。主人の命令なんだから渡しなさい」



ダンテはルイズが座るベッドの上にアイボリーを放り投げる。ルイズは嬉々としてそれを手に取ろうとした・・・が。
大の大人が両手を使って、やっとの事で構えられる重量のアイボリーを、ルイズは持ち上げる事ができない。



「・・・ちょっと・・・何でこんなに・・重いのよ」
「言ったろうが。ガキや女が持てる代物じゃねえよ」
「女だからって・・・バカにしないでよ」
「ハッ お前はまだガキの分類だ」



そう言われたルイズは怒りに身を任せて、振り上げたアイボリーの銃口をダンテに向ける。



「バカにするなって言ってるでしょう!」



ルイズが指に掛けた引き金を引く。しかし、何度引き金を引こうが、アイボリーの銃口からは弾丸は放たれない。
腕の力が限界に近づいたルイズは、アイボリーをベッドの上にドスンと落とした。
息を切らしながらへたり込むルイズに、ダンテはニヤっとした顔でこう言った。



「へえ、根性あるじゃねえか」
「壊れてるじゃないのこれ!」
「こいつには魔法が掛かっててね。俺以外には撃てねえよ」



ダンテはそう言いながら、ルイズの手元に置かれたアイボリーをひょいと持ち上げて、クルクルと指先で器用に回しながら腰元に戻した。



「嘘おっしゃい!平民の癖に・・・使い魔の癖に・・・」



ルイズは肩をワナワナと震わせながら、ダンテに指を突きつけ、こう言い放った。



「明日はご飯抜きだからね!アンタの主である、貴族の私を愚弄した罰よ!」
「そりゃ困るね。昨日からピザ一枚も食ってないんだけど」
「知らない!反省するまでエサをあたえるつもりは無いんだから!」



ルイズをからかう調子で返答を繰り返すダンテだったが、ルイズが段々と涙声で叫ぶようになってきたので、
そろそろ素直に話を聞いてやる事にした。



「チッ、分かったよ。俺はお嬢ちゃんの使い魔だ。これでいいんだろう?」
「ちゃんと御主人様って呼びなさい」
「はいはい御主人様。使い魔は何をすればいいんだ?」



ルイズがウトウトした顔で返答する。



「疲れた。今日はもう寝るから、詳しい事はまた明日に話すわ」



ルイズは目の前で服を脱ぐと、それをダンテに放り投げた。



「それ、明日の朝までに洗濯しといてよね。それから主人がいない間はここの掃除も」



ルイズはそう言いながらも、ベッドにコテンと横になると、直ぐに目をつむって寝息を立て始めた。
よほど疲れていたのであろうか。



やれやれ、開店第一号の仕事は御嬢様の召使いかよ。
ダンテはルイズが眠るのを確認すると、投げられた制服を入り口に放り投げて、床に寝そべった。


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