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ゼロの魔獣-13


語られるべき話は全て出尽くし、慎一はそこで口を閉じた。
学院長室の空気が緩み、オールド・オスマンは、ふう、とため息を漏らした。

高度な魔法の習得を通じ、世界の理の多くに触れた老人ではあったが
目の前にいる若者の体験は、彼が知覚出来るレベルを遥かに超えていた。

よく言えば博識、悪く言えば変人で知られたコルベールは、
高度に発達した科学技術で成り立つ異世界の話に、初めは目を輝かせていたが
話が神々の戦いに踏み込むまでに至り、戸惑いを隠す事が出来ずにいた。

「・・・お話はわかりました ―それで ミスタ・クルマ」
「慎一でいい」
「ではシンイチ あなたはこれから どうなさるおつもりなのですか?」
「・・・元の世界に戻る それだけだ」

自らの体を切り刻み、母親をモルモットのように殺した、父・来留間源三と十三人の科学者・・・。
真理阿と出会い、その運命が劇的に変化してしまった今もなお、
彼の人生の目的は、十三使徒への復讐であった。

目の前に置かれた『破壊の杖』-ガトリングガンの残骸を眺めながら、
2人のやり取りを聞いていたオスマンが、重い口を開いた。

「・・・残念じゃが 今のわしらに協力できる事はないの
 この『破壊の杖』をハルケギニアにもたらした人間は、既にこの世のものではない」

慎一は、特に落胆した風でもない。
ただ 「そうか」 とだけ言って、部屋を後にしようとする。

「ま 待ってくれ シンイチ」
「・・・・・・・・」
「元の世界に 戻るアテはあるのかい?」

「・・・元々俺は 内在する真理阿の力を使いこの世界まで来た
 失った力が回復すれば 別世界へと跳躍すること位は出来るハズだ」

―実際、召喚された直後の慎一は、真理阿と入れ替わる事が出来ないまでに深く傷ついていた・・・
こちらの世界に来て、少しづつではあるが、着実に慎一の力は回復しつつあった。

「だが あんまり長居はしたくは無ぇな」

慎一が、十三使徒の首を狙っているように―

神々の尖兵達もまた、慎一の体内に潜む神の血―真理阿の細胞を欲している。

自分の戦いに巻き込むつもりはサラサラ無いが、
守ってやってる余裕も無い。

慎一の言葉は、その事実を婉曲に告げていた。

「・・・良く分かった 貴殿が元の世界に戻れるように わしらも最大限の努力をしよう」

オールド・オスマンの言葉に対し、慎一は振り向きもせず
ただ右手をひらひらさせて扉を閉めた。


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