あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

虚無を担う女、文珠を使う男-01


第1珠 ~文珠使い、ハルケギニアにやってくる~

オカルトが実在する、ちょっと変わった地球にて、赤バンダナに青ジーンズの男、横島忠夫は精一杯生きていた。

富士の樹海のどこかに突然現れたという人間界と魔界とを繋ぐゲート。
今回、美神令子除霊事務所が受けた依頼は、他GS及び魔界側の正規軍と協力してその穴の調査及び封鎖を行うというもの。

滞りなく契約も済み、魔界側との調整も終わり、そして場面はクライマックス。

「も、もう限界や~」
横島が対するは、ゲートから抜け出た上に、魔界軍の包囲の隙をついて抜け出た魔族の一体。
オカルトGメンから借り受けた携帯型結界発生装置もところどころ煙をふいて、限界である事が素人目にもわかるほど。
上司であり、こんなときには(大体は)的確な指示を出す美神は、別の魔族を相手に奮闘中。
「横島さん、やっぱりここは何とか魔界に送り還すしか!!」
横から声をかけるは、巫女服の少女、おキヌちゃん。
「【送】【還】の2文字使用しても霊力不足だったのはおキヌちゃんも見てたやんかー」
そう、防ぐだけでは結界が切れたときが命の切れ目と、すでに実際に送還を試みて失敗しているのだった。
横島忠夫、絶対絶命の大ピンチ!

そして魔族の一撃が、とうとう結界を破ってしまい、結界発生装置は、ただの煙発生装置となってしまう。

「よ、横島君! 何やってんの! それ弁償って事になったら横島君の給料から差っ引くからね!」
美神の、状況をまるっきり無視した台詞が聞こえ、
「美神さん、早く何とかしないと、横島さんが!!」
おキヌちゃんの悲鳴が聞こえ…

「こ、こうなったらヤケクソじゃ~ イチかバチかの文珠乱れ撃ち!!」

錯乱気味の横島がとった手は、ありったけの文珠に効果のありそうなイメージを込めて全部投げつけるという物。
複数の文珠を組み合わせて何かの単語・文を作るのではなく、あくまで文珠1個ずつで効果が発揮するような文字を込める。
複数制御は無理でも、これなら何とかなるかなぁ、とか思ってしまったのも、状況が状況だけに仕方が無かったのかもしれない。
【跳】【魔】【扉】【界】【異】【飛】【移】【逃】…

「あ、あのバカ!! そんな事したら何が起こるか分からないって事も分からないの!?」
美神の焦りを含んだ声をBGMとしながら、横島の制御を外れた文珠が、てんでばらばらに効力を発揮していく。当然のようにそれに巻き込まれる横島。

「よ、横島さ~ん!!」

おキヌちゃんの必死の呼びかけもむなしく、横島の姿はどこへともなく消えていってしまった。



横島達がいた世界とは、全く違う時空にて。
魔法が実在する、地球にまぁまぁ似ているハルケギニアにて、桃色の髪に小さな体の少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは精一杯生きていた。

そんな彼女が、1年もの間辛い思いをしたトリステイン魔法学院では 、2年生となった生徒達が「サモン・サーヴァント」の儀式を行っていた。

生徒達のほとんどは、滞りなく召喚と契約を済ませ、そして場面はクライマックス。

(見てなさい、あんたらみたいな普通のなんかより、どこを探したって見つからない、すっごいレアなのを引き当ててみせるんだから)
「この世界のどこにもいない、私だけの使い魔よ!
強く美しく、そして、気高き使い魔よ!
私の声が聞こえるならば、その力をもって応えなさい!」

ルイズの唱えるオリジナルな呪文に、燃えるような髪の、生徒にしては成長しすぎてる女が笑い出す。

「ル、ルイズったらどこにもいない使い魔なんてどうやって呼び出すのかしら!」

案の定、呪文は失敗。大爆発。あたりは爆風で舞い上げられた塵・埃で視界がきかなくなる。

「さっすがゼロだぜ、期待を裏切らないね」
「さっきの呪文だって、成功しないのをごまかす為のわざとだったんだろ!」

(そ、そうよね、さっきの呪文はさすがにまずかったわよね。そうでもないなら、いくら何でもサモン・サーヴァントまで失敗するはずないはずよ)
と、ルイズ自身ですらさきほどの呪文は失敗だったと思ってしまう。

だが… 
教師であり、こんなときには(大体は)生徒達をしずまらせ儀式の続行の指示を出すコルベールは、別の事を考えていた。
(このにおい… まさか、でもこれは何かが爆発炎上する時の!!)
「皆さん、急いで校舎の中へ!! ミス・ヴァリエールもです!」
コルベールの真意をはかりかねたルイズ、
(え、私、もう召喚させてもらえないの? 使い魔召喚できなかったら…)
そう、使い魔召喚に成功しなかった場合、留年となってしまう。そしてすでにルイズは召喚に失敗しているのだった。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、絶対絶命の大ピンチ!

そんなルイズの心情などお構いなく、盛大な爆発音と共になにやら青い物体が打ち上げられた。

「コンナンバッカリヤ~」

その物体は、何を隠そう、文珠を暴走させた横島忠夫。うなり声ともとれる奇妙な音を発しながら落ちてきて、地面に激突する。肉が潰れるようなものすごい不快な音がして…

「おい!見ろよ!ありゃ人間なんじゃね?」
「杖もマントも見当たらないし、あれは平民か?」
「ってことはあれか、ルイズの奴、サモン・サーヴァントで平民を呼び出したのか?」
「どうせその辺歩いてた平民が爆発に巻き込まれたんだろ?」
「いやいや、きっとあらかじめどこかの平民を雇ってたに違いない。それで召喚に成功したように見せかけて、爆発で吹っ飛ばして
『召喚には成功しました。でも使い魔は爆発で死んでしまいました。もう1回呼ぶ気はないですけど、召喚自体は成功してるから留年は無しですよね』
とか言うつもりなんだぜ。」
「うわ、お前えげつねぇよ。友達付き合い、考えようかな…」

周りの生徒たちがあれやこれやと騒ぎ立てるが、コルベールはそれどころではなかった。
(あの爆発のとき、ミス・ヴァリエールは何もしていなかった。
おそらく火の秘薬を使ったんだろうが、もしかすると高位のメイジかもしれない)
「治癒の呪文が使える生徒は、早く治癒をかけなさい! 平民とは言え、無関係の人間を見殺しにしたとあっては、品位が疑われます!!」

コルベールの言葉に、モンモランシーを始めとする水メイジ達が駆け寄る…

そして、いざ治癒をかけようとしたそのとき。

「アー 死ヌカト思ッタ」
いつもの台詞と一緒にむっくりと体を起こす横島。

「きゃ、きゃ~ ゾンビ!」
様子を見ていたコルベールも、思わずひっくり返ってしまうほどの光景。
「ウーン。此処ハ何処ダ? トリアエズ安全ナ場所ッポイケド、ドウミテモ瞬間移動シテルヨナ… 何故ダカ、餓鬼ドモニ囲マレテルシ。
サッキノ感覚カラシテ、タダノ瞬間移動ジャナサソウダシナァ。映画ヤゲームノ世界ニ吸イコマレタ時ヨリハ、時間移動シタ時ノ感覚ニ近イシ…」
どう考えても瀕死だった状態なのに、すでに辺りを見回せるくらいにまで回復している見知らぬ男(横島)。
(これほどの回復力、人間とは思えない。もしかしたらさっきの爆発も先住魔法による攻撃だった可能性も!? 
実は、かなり危険な生物なのかもしれない)
コルベールは先ほどの自分の判断を悔やむ間もなく、その何かに向って駆け出しながら叫ぶ。
「早く下がって、危険かもしれません!!」

その台詞を聞いたルイズ、
(も、もしかして私、召喚成功してた? しかも教師ですら焦るほどの実力のある使い魔? この際、平民なのは我慢して、あいつを使い魔にするのもいいかも?)
と立ち上がりコルベールの後を追う。

そのコルベールの必死の形相をみた謎の男(横島)は、
「ナ、ナンダ!? アノオッサン、スゴイ殺気… ッテ、狙イハ俺!? ナンデジャー!!」
と喚きつつ立ち上がり…
「ハンズ・オブ・グローリー!」「サイキック・ソーサー!」
右手に光輝く剣を、そして左手にはこれまた光輝く盾を構えた。

その様子を見ていた誰もが、
「おい。あいつどこからあれ取り出した?」
「というか、あの武器光ってるぞ? ただの平民じゃ無かったのか?」
「あんなもの、見たことも聞いたこともないぞ。あんな武装しているって事は… もしかして、メイジ殺しか!?」
と、だんだん大事になり、それにコルベールの必死の形相も手伝って、とうとう
「ゼロのルイズがメイジ殺しを召喚したぞ! 逃げろー!」
と蜘蛛の子を散らすようになってしまう。

その様子に、少々及び腰になりつつも
(い、いくらメイジ殺しだからって、知りもしない貴族をいきなりざっくりとはしてこないわよね? 平民だっていうのが気にくわないけど、それなりの実力はあるでしょうからとりあえず合格ラインよね。
それに、またサモン・サーヴァントを成功させる自信もないし…)
と、前向きに考えるルイズ。もしも相手が傭兵ではなく暗殺者(=犯罪者)である可能性は考えないようにしているようだ。

そうこうしている間に、コルベールに向って走りながら
「蝶ノヨウニ舞イ…」
となにやらぶつぶつ唱えている男(横島)と、生徒をかばうように前に立った
(とは言っても、すでに現場にいるのは当事者のルイズに、実はルイズを心配しているキュルケ、そのキュルケを心配しているタバサ、そして最初のゾンビ行動に腰を抜かしてしまったモンモランシーと付き添いのギーシュくらいの物だったが)
コルベールが戦闘を始めてしまいそうだ。取り返しのつかなくなる前にと、
「ミスタ・コルベール、それは私の使い魔(候補)です!! 手出しは無用、私にコントラクト・サーヴァントをさせて下さい!」
とルイズが叫び、それに気をとられたコルベールを見た男(横島)、
「ゴキブリノヨウニ逃ゲル~!」
と、180°方向転換して逃げ出してしまう。

「「「「「「え?」」」」」」

あっけに取られてしまう6人。一瞬、対応が遅れてしまい、
「わ、私の使い魔が逃げた~!!」
ルイズを除く一同は
(おいおい、あんな怪しい奴、本当に使い魔にするつもりか?)
とため息をついたという。

一方、逃げ出した横島はというと。
「はぁはぁ。さっきはマジでやばかった。あのオッサンの殺気、尋常じゃ無かったぞ。ったく、本当に俺が一体何をしたっちゅうんじゃ」
「さて、どうすっかな。ただでさえ給料差っ引かれるかもしれない上に、これ以上仕事さぼったりでもしたらとんでもない事になっちまうけど…」
と言いつつ、手元で大爆発を起こしてしまった結界発生装置を見る。
「とは言っても、文珠がなきゃ帰る方法も分からん。本当に時間移動しちまってたら、文珠以外じゃどうにもならんだろうし、時間移動で帰るなら、帰還日時だけ気をつければここを出発するのはいつだって構わないはずだし…」
と何やら言い訳にも聞こえるっぽい台詞をはきながら、
「よし、ここは一つさっきのセクシーなお姉さんで霊力補充と行きますかー!!」

…あんな状況にあったにも関わらず、きっちりと美人なお姉さんを確認していた横島であった。

逃げ出した使い魔候補(横島)を探して回る4人。
(モンモランシーは、ゾンビショックが抜けなくて医務室へ。ギーシュは付き添った)

件の男について話し合うキュルケとタバサ。
「それにしても、あの武器、綺麗だったわねぇ。ゲルマニアにだってあんなに綺麗に輝いてるのは滅多にないわよ。ただの平民に持てるものじゃないでしょうし、もしかしたら私の国の貴族だったりして。
そうだったら一大事ね。いくら魔法は使えないとは言っても、貴族は貴族。使い魔にしちゃったら国際問題よ? タバサもそう思うでしょ?」
「まだ分からない」
「どうして? あんな価値の高そうな武器を持ってる以上、力のある貴族なんでしょうけど、でも杖は無かったから魔法は使えないはずだし…
魔法が使えなくても貴族になれるのは、私の国くらいなはずよ?」
「貴族か平民か、以前の問題。魔法が使えないと決め付けるのもまだ早い。」
といいつつタバサが呪文を唱えて一欠けらの氷を出す。
「ディテクトマジックをかけてみた。あれは、武器よりはこれに近い感じがした」
「じゃ、じゃあタバサは、あの男は杖も使わずに魔法を使ったっていうの? それじゃまるでエルフじゃない!」
「エルフじゃないと思う。あれはエルフの顔じゃない。人間の顔。それにあの逃げ方は、実力に不安があるときの逃げ方。エルフだったらもっと普通に立ち去ってるはず」
二人の話に割り込むルイズ。
「ちょっと待ちなさいよ! 確かにエルフじゃないかもしれないけど、私が呼んだのよ。 あの不思議な武器もあるし、ただの平民なわけないじゃない! 私の使い魔(候補)をバカにするのはやめてもらえる?」
「あら、ルイズ。誰もあれが平民だ、なんて言ってないわよ。エルフじゃないって言っただけ。本当は自分でも『もしかして平民呼んじゃったんじゃ』とか思ってるんじゃないの?
あ、でも平民じゃなくて貴族だとしたら、それはそれで問題よね。どうするつもり?」
と、いつものようにキュルケがルイズをからかい始めたそのとき…
「僕横島忠夫、17歳。サッキハ驚カセチャッタミタイダネ。デモモウ大丈夫。サア素敵ナオ姉サン、私ト一緒ニオ茶ニ行キマショウ!!」
とどこからともなく使い魔候補(横島)が現れた。相変わらず何を言っているのかさっぱりだが、どうやら危険はなさそうだ。
警戒は解かないが、場合によっては(もちろん危険な生物だと判明した場合のことだ。話が通じなかった場合は、おそらくアカデミー行きだろう)帰ってもらうべきだとコルベール。彼は未だに、この男が「人間ではない何か」かもしれないと疑っているのだ。
キュルケもタバサも、それがいいと言うが…(タバサはともかく、キュルケはコルベールの真意までは読めていないのだろ、お気楽な表情だ)
「ミスタ・コルベール。先ほども言ったとおり、これは私が召喚した使い魔です。他人の使い魔の事に口を出さないで下さい!」
とガンとして譲らないルイズ。
「ア、モシカシテオ姉サンダケ誘ッタカラ喧嘩ニナッチャッタ? ヨシ、ソウイウ事ナラオ兄サン、三人マトメテ面倒ミチャウヨ!」「………アア…テ、コウシ…、ソロソロイイ…ナ、イッタダキマスー」
この男、話が通じていないのを良い事に、勝手に妄想を進めてしまい、とうとう盛大に鼻血を出しはじめてぶっ倒れてしまう。

ねぇルイズ? あなた、本当にこんなのが使い魔でいいの?」
「………ちょっと考えさせて頂戴」

ルイズにとっては初めて呪文を成功させるチャンスだというのに、ものすごい真剣に悩み始めてしまい、10分ほど静寂が場を支配して… 先に動いたのは使い魔候補(横島)

「オオ、霊力満タン。煩悩全開モ、ヤッパリ初物ダト効果ガダンチダナァ」
と何やら呟きながら、手を握りこんだ。ルイズを除く3人が何だと思って観察していると、手を開いたときには何やら文字のようなもの(【訳】)が刻まれている綺麗な珠が握られていた。
おもむろにその珠を飲み込んだ彼が次に話した言葉を聞いて、彼らは非常に驚いたという。
「あの~ すみません、これで通じてます? ちょっと迷子になっちゃって、出来ればここがどこだか教えてもらえると助かるんですけれども…」
(今まで全く通じていなかったのに、それが嘘のようにはっきりと通じてる。本当に不思議な生物だが、全く危険な物を感じないし、よく思い出してみれば、最初に襲いかかったのは自分の方だったではないか)
コルベールは、今、ここでようやく、自分が勘違いのオンパレードをやらかしていた事に気づいた。
「ああ、コホン。さっきまでは全く意味が分からなかったのだが、今ではそれが嘘のようだ。あ、こっちからの話はちゃんと通じているのかな? その……」
「あ、横島忠夫っす。どうやらちゃんと通じてるようで安心しました。それで、ここにあんまり長い事いるわけにもいかないんですけど…」

と事情説明を始める横島とコルベール。そして話が進むにつれてだんだんと険しくなっていく横島の顔。

結局、ルイズが思考の渦から舞い戻ってきた原因は、それから1時間も過ぎた後、横島の
「一生この小娘の使い魔だってー!!」
との叫び声だった。その言葉に
「だ、誰が小娘ですって!! 由緒正しきヴァリエール家に向って何ていう言い草。決めたわ、使い魔なんて生ぬるい、あんたは下僕よ、奴隷よ、ちょっと不思議な力があるからって特別扱いしないからそう思いなさい!!」
と頭にのぼったルイズは、そのままキスをかましてしまう。

その行動に一瞬固まった横島だったが、
「わいはロリコンやない、わいはロリコンやない…」
と頭をガンガンと地面にぶつけ、またタバサが
「契約の呪文を唱えていない。無効」
と呟くのを聞いたルイズは
「あ、あー そ、そんな、だって私、さっきのが初めてだったのに… ぜ、全部こいつが悪いのよ!!」
とすでに頭からどくどく血を流している横島を強く踏んづけて気絶させてしまった。

結局、横島が気絶している間にコルベールに説得されたルイズが契約を行い、左手に刻まれた珍しいルーンを確認して、やっと新2年生全員の使い魔召喚の儀が終了したのであった。
(ちなみに、何故かルーンが刻み終わるまでに、30分もの時間がかかったこともコルベールは確認した)



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