あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔は剣士カエル-01


「モ、モンモランシーが亜人を召喚したぞ!」
「アレはカエルなのか? 人なのか?」
「怖っ! グロいよ、モンモランシー!」

 その儀式で注目を集めていたのは、いつまでも成功しないルイズのはずだった。
 他に注目を集めていたのは『微熱』のキュルケ、『雪風』のタバサといった凄い使い魔を呼び出した人物だけ。
 自分は控えめに言っても注目されるような人物ではないはず・・・なのに、これはどうした事か。

 目の前に現れたのは直立したカエル。
 帯剣し、鎧を纏い、マントを羽織っている・・・カエルだった。

「え、えーと。我が名は、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
 呪文を唱えて契約しようと試みる。しかし落ち着かない。
 ただのカエルなら良かったのに・・・何故カエル人間?
 一方、カエルの方は周囲をキョロキョロと眺めている。これから自分が何をされるのかも気にしてない様だ。
「ここは、どこだ? 時代は・・・変わってないように見えるが、こんな風景は見た事も無い」
 なんて呟いている所を強制的に契約決行。
 いきなり女の子にキスされたせいか、かなり驚いてる。

「うん、珍しい使い魔だけど、ルーンは普通だね。ミス・モンモランシ」
 というわけで滞り無く契約も終了したので注目終了。
 自分の人生の中でも滅多に無いレベルで注目されて緊張したのはここだけの話。
 どうせ今回の主役はルイズの召喚が成功するかどうかだもんね。
 ちょっと珍しい使い魔でも、まあこんなもんでしょ。
 ま、コミュニケーションを取るのは簡単そうだし、当たり・・・かな?

「私はモンモランシー。モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシよ。あなたは何て言うの?」
 自己紹介してお互いの事を把握できるのは滅多に無いだろうしね。
「俺か? ・・・俺は・・・カエルだ」
「ド直球そのままな名前ね・・・いいわ、私が名前を考えてあげる。今日からあなたはロビンよ」
 そんな訳で私とロビンの新しい学院ライフがスタートした。

 それから、みんなの注目を集めていたルイズだけど、何とサモン・サーヴァントを成功させて平民を呼び出した。
 さすがはゼロのルイズ。クラスで一番注目されるだけあるわ。

 その後は使い魔との親睦会。
 すぐそこにいるギーシュはモグラに夢中でしばらくはまとも会話が成立するかも怪しい所だ。
 まあ、こっちはこっちでロビン相手にお茶していればしばらくは退屈しそうに無いけど。
「へぇ、ガルディア城って素敵な所ね。で、騎士団長と料理長はその後どうなったの?」
「どっちも意地っ張りでな。最後まで素直に感謝の言葉を言わなかったが、仲直りしたよ。こういうのはやはりきっかけが大事なんだろうな」
 見知らぬ世界から来たカエルの剣士がする話は、どれも珍しい話で刺激的だった。
「それで、水の精霊にあいさつする時に注意する事は何だ?」
「ああ、それはね。やっぱり怒らせない事よね。向こうからすれば、こっちは体の一部を欲しいとか言ってるわけだし」
 向こうもこっちの話が珍しいらしく、熱心に聞いてくれる。

 ちなみに、ここまで会話して分かった事。
 感覚の共有は出来るけど、オススメ出来ない。
 カエルの視界は広すぎるから、慣れてないと酔ってしまうからだそうな。
 秘薬の材料探しは普通に出来そう。
『探索は割と得意な方』とは本人の弁だ。
 そして彼はどうも魔法剣士みたいで、メイジを守る盾としても優秀なようだ。
 先住魔法かと聞いた所、時の最果てがどうのスペッキオという神がこうのと言われてイマイチわからなかった。
 ちなみに彼が使う系統は『水』だそうだから、まさに私にピッタリよね。
「うむ? ピッタリとはどういう事だ」
「ああ、使い魔を見たらメイジの実力がわかるって言われているの。
 私としては秘薬の材料探しさえ出来てくれればそれで良かったんだけど、予想外の大当たりね。よろしくね、ロビン」
「こちらこそよろしく、姫君」
 うやうやしくあいさつをするところはまるで騎士みたい。
 実際の所、異国で城勤めをしていたみたいだし、外交問題にならないかちょっと心配だと言ったところ、
「それは無いだろう。俺が宮仕えをしていた頃はただの人間だったからな。カエルの俺に居場所は無いさ」
 と衝撃の発言。
 まさ元・人間だったとは・・・これで私もルイズの事を『ゼロ』と笑えなくなったわね。
「いいじゃないか、仲間が居る事は悪い話じゃない」
 そう言われても・・・学院始まって以来の劣等生と仲間とは、ちょっと嫌。
「劣等生・・・ねえ」

 ルイズの方を見れば、ひどいもので使い魔とまともに会話が出来てない。
「あれは魔法の優劣より、問題じゃないのか?」
「問題外よ。使い魔とケンカなんて普通出来ないわ」
「どうして?」
「召喚された時点で、使い魔には主に友好的な感情が植えつけられるの。あなた、私に反抗したいと思う?」
「・・・思わないな。そう言えば」
「でしょう? 正直、あなたがガルディアで重要人物じゃない事を祈るばかりよ。自分の人生のために、勝手に連れてきちゃったんだし」
「まあ、それは大丈夫だろう。魔王軍との戦争も終わったし、ラヴォスの脅威も消えたしな」
 サバサバした感じでロビンは言う。
 でも、その話が本当ならあなたは魔王退治の勇者で、普通は国賓じゃないかと思うんだけど。
「ちょっとしたおとぎ話よねぇ。魔王との戦いって」
「魔族といっても、要はこっちで言う亜人の勢力が強いだけさ。それほど現実離れしているとも思えんが」
 と言われても。
 こっちじゃ亜人は集落を作る程度で魔王軍とか魔王城とか、そこまで勢力を作るところは見た事が無い。
 あ、でもエルフはどうなんだろ?
「案外、あのサイトって坊主も勇者だったりしてな」
「まさかぁ~・・・」
 と、笑いはしたものの、よく考えれば何をやっても失敗ばかりだったあの『ゼロ』のルイズがやった事。
 正直、召喚失敗で留年に賭けていたヤツも居たのに成功させたんだった。

「そう言えば、使い魔は召喚されて時に特殊な能力が身につく場合があるって言うわね」
「へえ。それじゃあ・・・」
「ただの人間じゃなくなってたり・・・してもルイズだからねぇ」
「こだわるな」
「だってしょうがないじゃない。あの子、実は公爵家の三女で血筋はバッチリなのよ」
 つまり、本来エリートのはずなのだ。
 魔法の実力は血筋に影響されると言う。
 ルイズの父も母も非常に優秀なメイジらしい。
 長姉はアカデミーの研究員で、次姉は病弱とは言え優秀なメイジだとか。
「つまり、エリート中のエリートのはずが、妙な事になってるって事か」
「そういう事。本当なら『ヴァリエールには逆らうな』とまで言われてるの。例外って残酷よね」
 言ってみればルイズはヴァリエール家が抱えた弱点みたいなもの。
 魔法が出来ないと言う事は、メイジにとってそれほどまでに致命的で、気の毒で、本来誰も届かないはずの頂点が馬鹿にされる残酷な優劣なのだ。
「ま、そうは言ってもヴァリエール家は娘ばかりが三人で、しかも上の二人が婿取りに問題ありで、ルイズの婚約が家の将来を支えているのよね」
 これがまた彼女に降りかかる重圧な訳だ。
 何しろその婚約者ときたら、魔法衛士隊の隊長なのだ。
 どこまでも非の打ち所のない身分。
「でも魔法は誰よりもダメな子」
「そこまで知ってるなら少しは助けてやってもいいんじゃないか?」
「公爵家のプライドは高いのよ。それに、本来なら身分が違いすぎて何て声をかければいいのか・・・」
 嘆息する私。言ってみれば落ちこぼれにかける言葉はあっても、公爵令嬢に話しかけるのは難しい。
「そういう意味では、からかいの言葉くらいしか声がかけられないのか」
「どっちにしろ友達になるには難しい子よ」
 でも、ロビンだって元・人間だって話だしね。
「ロビン、あなたのおかげで近づくきっかけは出来るかもね。まだわかんないけど」
 遠くから眺める公爵令嬢と使い魔の口論はまだ終わりそうに無い。
「俺の方からも使い魔に話しかけてみるよ」
「お願いするわ。期待してないけど、上手くいけば学院生活が今より楽しくなるかもね」
「そうだな。・・・ところでギーシュの件だが、調べなくていいのか?」
「別にいいわよ。グラモン家の浮気癖は知ってるし、私が香水を渡した意味を理解してくれる事を期待するわ」
 チラリとギーシュを見ながらロビンが呟く。
「あの幸せそうな顔を見ているとどうも不安でな・・・」
 何も考えてないだけならいいんじゃないかしら?
「いや、それだけに誤解も根深い気がして、な」
 いざとなったら惚れ薬で縛り付けてやるわよ。
「いいのか・・・それ?」
「良くないわ。だからそうならないように祈っといてね、ロビン」
「・・・わかった」


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