あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

もう一人の『左手』-08


「冗談じゃねえ! 冗談じゃねえ!! 今度こそ本気で冗談じゃねえぞ!!」
「はあ……まあ、たしかに、そうかもねえ……」
 才人の怒声に、褐色の肌と豊満な肉体を持つ女性――キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・ツェルプストーが、溜め息を洩らしながら、呟くように同意する。

 こんなはずではなかったのだ。
 今頃この自室は、本来ならば濃密な色気と媚香が漂う、愛の空間と化しているはずだったのに。


 才人の意識が回復してから、はや一週間。
 もはや恒例行事と化した観のある、ルイズと才人の大喧嘩。
 その怒声は、本来、分厚い石壁で遮られているはずの隣室にまで聞こえて来る。
 キュルケは、そのおぼろげに伝わってくる罵声を、聞くとも無く聞きながら、改めて、あの平民の少年は大したものだと思った。
 少なくとも、貴族に向かって、あそこまで対等に喧嘩が出来る平民など、キュルケは知らない。
 例え相手が、『ゼロ』のルイズであったとしても――いや、ルイズであればこそ、並みの平民なら、正面切って逆らったりは出来ないはずだ。
 彼女の気位の高さを、キュルケは十分に知っていたから。

 確かに彼女の母国ゲルマニアは、能力や金次第で平民でも貴族株を買う事ができ、ハルケギニアの他の国家ほど、貴族と平民の壁は厚くは無い。
 だがそれでも、平民出身の貴族から、その卑屈さが抜けきるまでは四代かかるとまで言われており、いわんや市井の平民など、やはり貴族に膝を屈する事に何の躊躇いも持ってはいない。
 だが、彼は――いや、ルイズが召喚した彼らは、そんな平民たちとは、全く違う。

 キュルケは、そんな彼らに興味を持った。
 二人目のニヒルな長身の方も捨てがたいが、やはり、一人目の少年の方が、キュルケの女心は大いに刺激された。
 自分の主を“無力な女の子”扱いする神経も相当のものだが、その子を護るために戦い、傷つき、瀕死の重傷を負いながらも、なお闘志を燃やし続ける、その根性。
 助太刀に入った、もう一人の平民に、敢えて剣を突きつけ、余計な真似をするなと叫ぶ、そのプライド。

――いい。あの子、いい。

 身震いするような感動とともに、キュルケはそう思った。
 何よりも、それがヴァリエール家の関係者を誘惑するという、ツェルプストー家の家風にも添う。そう思った瞬間に、彼女の興奮は倍増した。

 壁を通して聞こえる口論も、そろそろ終盤らしい。
 そうなると、彼はいつもルイズの部屋から蹴り出されるか、自分から出て行くか、だ。その後どこで寝ているのかは知らないが。
 ともかく、そうなったら、この部屋に連れ込もう。
 連れ込んで誘惑しよう。
 そのために部屋の照明も凝ったし、必殺のベビードールにも着替えたし、演出は完了! という状態だったのだが、……彼女の部屋に引っ張り込まれた才人が始めたのは、ルイズに対する不平不満を、キュルケにぶちまける事だった。

「だから言ってやったんだよ! 『使い魔品評会』だか何だか知らねえが、何でおれが犬猫やトカゲに混じって、かくし芸なんざしなきゃならねえんだってさ! そしたらアイツ、何て言ったと思う!?」
「さあ?」
「素直に言う事聞く分、まだ犬猫の方がマシだってよ!! ひとさらいが、どこまで図に乗りゃ気が済むんだ!!」
「ひとさらい?」
「そうだよ! おれが何でこんなエセ・ハリーポッターな学校で、ガキのお守りなんかしてると思う? あの幼児体型が、無理やりおれを召喚しちまったせいだ! おかげで家にも帰れやしねえ! ひとさらい以外の何だって言うんだ!!」
「まあ、あんたの気持ちは分かるけどさ。……で、どうするの?」
「え?」
「だから、品評会よ。――出るの? 出ないの?」
 キュルケがそう言った途端に、才人はそれまでの騒ぎっぷりが嘘のように、静かになった。

「出れねえ、よ」
「出れないって……どういう事? 実は出たいって事なの?」
「それはいやだ……。おれは人間だ。人間である以上、犬猫に混じって一芸披露なんて、死んでもいやだ。……でも、出るのもやむなしかな、とも思ってる。おれはルイズに命を救われた借りがあるからな」
「……」
「でも、分かってるんだ。出たところで、おれは何も出来ねえ。そもそも、おれはただの高校生だったんだ。ドラゴンとかグリフォンとか、いるだけでも珍しいような連中相手に、勝てるわけがねえ」
「……まあ、確かに難しいかも、ねえ」
「結果としてルイズにまた、恥をかかすだけだ。『ゼロ』のルイズの使い魔は、芸をやらせても、やっぱり『ゼロ』だってな。芸無しのおれが笑われるのはともかく、そのせいで、あいつが笑われるのは、一番いやだ……!」
「ふ……ん」
「出る以上は……勝ちたい。出たくねえがな。でも、勝てねえ。せめてあと一週間ほど時間があればともかく、本番はあさってだっていうんじゃ、な……」

 キュルケは妙に感心した。
 なんのかんの言って、この少年は、やはりルイズのことを考えているのだ。

 そのとき、ドアが凄まじい音を立てて吹き飛ばされた。
「ルッ……!?」
 ルイズ・ラ・ヴァリエールが、両目を光らせ、そこに立っていた。
「こんの、ばか犬ぅぅ~~~~!! 御主人様にさんざん逆らった挙げ句、よっ、よっ、よりにもよって、ツェルプストーの部屋なんかに……!! アンタ一体どういうつもりなのぉぉぉっ!!」

 その瞬間、才人も、それまでキュルケに見せていた真剣な顔が嘘のように、牙をむく。
「ああ!? おれがどこにいようが、おれの勝手だろうが!!」
「そんな勝手が許されるわけ無いでしょっ!! アンタはわたしの使い魔なのよっ!!」
「部屋から出てけっつったのはテメエだろ!? 命令どおり出て行ってやったまでだろうがっ!!」
「それでも、行っていい部屋といけない部屋があるのよっ!!」
「そんな事、おれが知るかっ!!」
「いいかげんにしなさいっ!!」
 キュルケが腰に手を当てて、まるでダダッ子を見る母親のような顔で叫ぶ。
「ルイズ」
「あによ?」
「彼――サイトから聞いたわよ。品評会の話」
 ルイズはじろりと才人を睨む。が、フンと鼻を鳴らして、手にした紅茶を一口すする。
 キュルケが淹れてくれたものだ。本当はツェルプストーの部屋など、一秒だって居たくは無いのだが、才人を残して出て行く気にもなれない。

「――で、あんたもコイツの肩を持つの? 使い魔に“使い魔品評会”に出なさいって言った、わたしが悪いって、そう言いたいの?」
「いいえ。そんな事は無いわ。あたしだって、これでも使い魔を使役する身だもの」
「だったら――」
「でもねルイズ。彼の言い分も、もっともだと思うのよ。使い魔使い魔って言ったところで、それ以前に彼も一人の人間なの。もっと気を使ってあげてもいいんじゃない?」
「冗談じゃないわよっ!! 使い魔に気を使う御主人様なんて、聞いた事も無いわ!!」
 金切り声を上げるルイズに、キュルケは深い溜め息をついた。

「でも少なくとも、彼はあなたに気を使ってるわ」
「何言ってるのよ? ここまで御主人様に逆らう使い魔なんて――」
「いいから聞きなさい!」
 そう言うと、キュルケはちらりと才人を見た。
「おい、まさか――」
 才人が何かを言おうとした瞬間、
「サイトが品評会に出たくないって言ったのは、何も自分が、犬猫と同列扱いされるのが気に入らないからってだけじゃないの」
「おい、やめろ!!」
 しかし、キュルケはやめない。
「彼はこう言っていたわ」
 さっき才人が言った言葉。それはこの際、ルイズに聞かせておいた方がいいと思ったからだ。

「品評会に出たところで、自分は気の利いた芸など何も出来ない、ただの平民だ。そして、本番で自分が恥をかくということは、アンタに恥をかかせる事だ、ってね」

「ホントなの……サイト……?」

 ルイズが、一瞬呆けたような表情をして、そのまま才人を振り返る。
 才人は才人で、顔を真っ赤にさせて、
「なっ、何で言うんだよっ!!」
 が、キュルケはそのクレームを右から左に受け流し、
「あら、まずかったかしらぁ? ――で、その言葉を受けて、御主人様の意見は?」
 その悪戯っぽい流し目を、才人からルイズへと切り替える。が、その先にいたのは、才人以上に頬を紅潮させて俯く、桃髪の少女。
 そして、お互い見つめ合っては、気まずそうに目を逸らす。

「ああ!! もうやってらんねえ!!」

 耐え切れなくなったのか、才人はそう叫ぶと、そのままキュルケの部屋を出て行ってしまった。
 ルイズはそんな才人を、当然のように――追わない。依然として、耳まで真っ赤になりながら、
「ねえ、あの、キュルケ?」
「なによ」
「あいつ、本当に、そんなこと言ったの? わたしに恥をかかせたくないって……?」
 もじもじと訊いてくる。……必死になって、喜びを抑えているのがバレバレだ。
 キュルケは、ルイズの質問には答えなかった。彼女が答えるまでも無く、それは才人の態度を見れば、一目瞭然だったからだ。
「……あんたたちって、ある意味、これ以上は無いくらい、お似合いなのね」

――やってらんないのは、こっちだわ……。

 キュルケはしみじみそう思った。
 そして、ふと思い出す。
「ねえルイズ、あなたが召喚したのって、二人だわよね? もう一人のニヒルな人はどうしたの?」
 そう訊かれた途端、ほころんでいたルイズの表情が、ふっと翳る。
「知らないわ」
「知らないって、――どういう事?」
「どういう事って……とにかく、サイトと違ってカザミは扱いにくいの。雰囲気怖いし、冷たそうだし。使い魔のクセに、滅多にわたしの部屋に寄り付かないし」
「まあ、確かに……サイトよりは気難しそうよね」
「今頃どこで何やってるんだか……」
 ルイズはそう呟いた。

――当然、彼は彼で危機に瀕していることなど、少女には気付く由も無い。




 ゴーレムの肩から、学院の塀までの8mほどの空間を、風見は助走もなしに、一気に飛び移った。
 女が、怯えた顔を、ますます引きつらせて、こっちを見る。

――確か、ミス・ロングビルとかいったか、この女。

 あれから風見は、何度となく学院長室のオスマンを訪ね、話をしている。
 オスマンの秘書である、この女性の顔も、当然憶えていた。
 どうする?
 自問自答する。
 V3としての姿を見られた以上、このまま帰すことは出来ない。
 しかし、だからと言って、どうやって口を封じる?
 まさか、殺すというわけにもいかない。
 参ったな……。
 そんな困惑が、風見の眉間に、より深い縦ジワを刻み込む。

「――あ、あんたさぁ、一体、何者なの……?」

 ロングビルが、半笑いかつ半泣きという、なんとも形容しがたい表情で訊いてくる。
 秘書として会った時は、もう少し物腰丁寧な女性だったと思うが、まあ、無理もない。
 ここまで怯えては、地金が出るのも当然だろう。
 普通の人間がイキナリ、あんな異形の姿に“変身”なんぞした日には――それを目の当たりにした日には、そのくらいの反応は当然だ。
 だが、――風見は思い出す。
 かつて日本でデストロンと戦っていた時、自分の正体を知る者は少なからずいた。
 立花藤兵衛、珠純子、少年仮面ライダー隊の面々。
 ならば、この女性も――自分が人間である事をキチンと理解させれば、いま見たことも口外しないと約束してくれるかも知れない。


「俺は、風見志郎。そして、仮面ライ――」

 口を開いた瞬間だった。
 風を切る凄まじい音とともに、ゴーレムの拳が迫る。
 身を捻って塀から飛び降りる。
 地上10m近い高さだ。たとえ風見といえど、変身もせずに飛び降りては、ただでは済まない……はずだった。
 だが、ルーンの力で身体能力を向上させた彼は、猫のようなしなやかさで、地上に降り立つ。そして、そのまま身を投げ出して転がった。――さっき彼が着地したポイントを踏みにじろうとしたゴーレムの踵を、間一髪、躱したのだ。
 だが、攻撃は終わらない。
 二転、三転、風見が再三迫り来るゴーレムの足裏を、転がりながら避ける。が、大股で踏み込み続ける巨大な足は、転がりながら避けるには、やはり限界があった。
「くたばりなっ!!」
 いつの間にか、ゴーレムの掌に移っていた女が叫ぶ。
 ゴーレムの五歩目の足が、風見を捉えた。
 だが、ロングビル――フーケは気付いた。
 その手応えが余りにおかしいことに。

――うそだろ……!!

 重量にして数十トンはあろうかという、ゴーレムの足。
 その巨大な足が、……徐々にだが、地面から持ち上がりつつある。
 もはや疑うまでも無い。あの男だ。あの“ばけもの”が、踏み潰されるどころか、その足を……!!

「はっ、離れろぉっっ!!」

 フーケが、我を忘れたかのようにヒステリックに叫ぶと同時に、ゴーレムの足が宙にめがけて蹴りを放った。たまらず、遠心力で吹っ飛ばされる人影。
 だが、彼はそのまま、空中で身体を回転させると、こともなげに着地する。
「“ばけもの”め……!!」


 赤い複眼を光らせた、異形の男がそこに立っていた。


 だが、フーケには、先程までの怯えは、もはや無い。
 さっきのように、間合いに入られてしまえばともかく、この『土くれ』のフーケが錬成したゴーレムと一対一で対峙して、戦える亜人など、この世にはいないからだ。
 だが、グズグズはしていられない。
 さっきのフットスタンプの地響きは、確実に学生寮か、職員寮に轟きわたっているだろう。早くケリをつけないと、誰かがやってきて、面倒な事になる。
「恨むんじゃないよ……。あんたが悪いんだからね……!!」

 風見――V3は困惑していた。

 ゴーレムに踏み潰されそうになった時、反射的に変身してしまったが、それでも、改造人間としてのフルパワーを、普通の人間相手に振るう気は無い。
 彼はそこまでプライドの低い男ではなかった。
 しかし、ゴーレムの掌から自分を見下ろしているロングビルは、いかにも戦意横溢しており、もはやいかなる問答も、一切無用だと言わんばかりだ。
 彼女からすれば、学院に忍び込んだ、得体の知れない亜人を仕留めようとしているだけなのだろう。
 そう考えれば、ますますもって彼女を傷つけるわけには行かない。
 しかも、さっきの地響きのおかげで、グズグズしてると、また誰かやってくるかも知れない。
(どうする……!?)
 しかし、彼は、ロングビルが勝負を焦る本当の理由――彼女も自分と同じく、第三者の眼を恐れているという事実を知らない。

「いくよっ!!」
 フーケのゴーレムが、自分の右腕を掴み、いきなり根元から千切り取った。
「なに?」
 だが、次の瞬間には、V3は正確に彼女の意図を汲み取った。
 千切り取られた右腕が『練金』で、突如、腕の形をした鉄槐に変化したからだ。

「そぉれっ!!」
 もぎ取られた自分の右腕を、ゴーレムは鋼鉄の鞭として、V3に叩きつける。
「くっ!!」
 さすがに彼も、こうなっては顔色を変えざるを得ない。
 さっきの“踏みつけ”も強力だったが、今度の攻撃はそれ以上だ。おそらく、まともに喰らえば、今のスペックアップしているV3といえど、ただでは済むまい。

「悪く思うなよ……!!」
 彼は、事ここに及んで、――ようやく戦うことを決意した。


 V3は、ジャンプして鉄腕から身を翻すと、そのまま塔の壁を蹴り、ゴーレムに向けて跳んだ。

――V3“26の秘密”の一つ、V3反転キック。

 戦うといっても、女に直接、暴力を振るうわけではない。
 彼女が自分と戦うよすがとなっている物体――ゴーレムを破壊すれば、ことは足りる。
 そして、いまや大地さえも抉り取る自分の技を受けて、こんな木偶人形が無事でいられる訳が無い。
 その予測は正しい……はずだった。

「なにぃっ!?」
 V3の蹴り足が、いとも容易く巨体を貫き、ゴーレムの背後にあった壁まで破壊し、校舎に大穴を開けてしまったのだ。
 いかに巨体とパワーを誇るフーケのゴーレムと言えど、所詮は土製のものでしかない。
 破壊力を増したV3の技が相手では、威力がありすぎて、貫通してしまうのだ。
「ちっ!!」
 技の威力が増大しているのは分かっていた。にもかかわらず、パワーを調節し損なった自分に舌打ちしながら、V3は、そのまま壁に沿って落下し、校舎を背にして着地する。
 そして、そこから振り仰いだ光景は、彼をギョッとさせるに充分だった。

 ゴーレムは再生していた。
 さっき、反転キックで空いたはずの胸の大穴は、もこもこと胸部周辺の土がうごめき、見る見るうちに塞がりつつあった。
 これでは、例え威力を調節したとしても、おそらくキック系の技では、どれも結果は同じであろう。
 いっそのこと、逆ダブルタイフーンで、吹き飛ばすか?
 しかし、そうなると、やはりロングビルの身がただでは済まない。
(どうする……!?)

 そして、両者に等しく女神が笑いかけたのは、まさにこの瞬間だった。
 V3には冷笑を。フーケには微笑を。

 ゴーレムの肩に屹立する彼女は、気付いてしまったのだ。
 眼下の異形の亜人が、ゴーレムごとぶち抜いた校舎の壁。それこそ、彼女が狙う『破壊の杖』が眠る、魔法学院宝物庫の壁である事に。
 そして、彼らの戦闘が立てる轟音に気付き、駆けつけた、哀れなる最初の“第三者”が、この場にいたことを。

「平賀ぁっ! 逃げろぉっ!!」

 V3が叫んだ時は遅かった。
 おそろしく間抜けな顔をして、そこに呆然としていた才人。
 まあ、学校の校庭で、体長30mほどある粘土の巨人と、仮面ライダーが格闘しているシーンを見れば、とっさに思考停止状態になるのも無理からぬ事なのだが……。

 彼が何故、こんな時間にこんな場所をうろついていたのか。
 キュルケの部屋を飛び出したはいいが、いまさら照れ臭すぎてルイズの部屋にも戻れず、寒夜の散歩としゃれ込んだ才人が、校庭の轟音に気付き、駆けつけてきた――という事など、V3にもフーケにも分かりようは無い。
 が、そんな事情は分からずとも、V3にとって事態を悪化させるには、才人の存在は充分過ぎた。
 フーケは、凶器として使用していた鉄腕を、本来の右腕として再生させると、逃げる事すら忘れた少年を、たちまち捕獲してしまったからだ。

「動くんじゃないよ昆虫男っ!!」

 その怒号は、V3の体を縛り付けるには、充分な威力を持っていた。


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