あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの因果導体-03

―――夢を見た。命を危険に晒しながら、守るべき者のために、生きる人々の夢を。
―――夢と現実の境界は、目覚めたときに見えたものを、どう感じるかだけだ。それを区別できるのは、神様だけなんだろう。



    ※    ※    ※



不意に鳴り響いた電子音で夢の世界から引き戻される。
寝ぼけた頭で辺りを探ると何かを掴む。

「布切れ?」

よく目を凝らしてみると女性物の下着であった。

瞬時に自分の置かれている状況を思い出す。


その一:自分はベータに自分の乗っていた戦術機を粉砕されて死んだ……、はずだった。
その二:気づいたら違う世界に飛ばされていた。
その三:犯人はルイズとか言う魔女っ娘。理由は使い魔にするため。


「よし、思い出した」
握ったままのショーツを放り投げ、寝る前に外した腕時計を掴み、腕時計の目覚ましを止める。
窓の外では朝日が立ち上り、鳥たちが囀りをあげ、この学園のメイドと思わしき少女がせっせと洗濯を行っている。

「さてと、俺もお洗濯にいきますか」



    ※    ※    ※



「ボクは羽入と申します~♪ ボクの姿は見えません~♪ なのです~♪」
さっきのメイドの少女が何か歌いながら洗濯物を干している。
何故か妙にノリノリだ。

「ずっと昔からここにいます~♪ だけど梨花しか知りません~♪ なのです~♪」
「お洗濯中申し訳ありません、J○SRACの者ですが」
「ひゃあっ! ご、ご、ごめんなさい! もう勝手に歌わないので許してくださいのです!」
それにしてもこのメイド、ノリノリである。

「いや、スマン、冗談だ」
「も、もう…。驚きましたよ。いきなり変なこと言うから。ええと…、どなたですか?」
「俺? 俺はタケル。タケル・シロガネ。ヴァリエールのお嬢様の使い魔をやってる」
「そ、それじゃあ、あなたがあの…」
そう言い後ろに後ずさりする。
どうやら昨日ピストルをぶっ放した件が広まってしまっているようだ。

「あ、いや、洗濯道具がどこにあるか聞きに来ただけだ。別に変なことをしたりはしないよ」
「す、すみません。失礼なことしちゃって」
「いや、別に気にしてないからいいよ。それより洗濯道具はどこにあるんだ?」
「はい、こっちです。ついて来てください」


俺はメイドに洗濯道具と井戸の場所を教わり、清々しい朝の光に包まれながら洗濯を行った。



    ※    ※    ※



洗濯を終え、部屋へと戻ってきたが、未だにルイズは気持ちよさそうにベッドで寝息を立てている。
「zzz……、私の執事をやらないか……?」
どんな夢を見ているんだ、こいつは?

ベッドのそばに寄り、頬を指で突いてみる。
「zzz……、うるひゃい、うるひゃい、うるひゃい……」
だからどんな夢を見ているんだよ、お前は!?

頬を指で突きながらルイズを起こす。
「おーい、お嬢様ぁー、朝でございますよー」
「んんん……、おはよう……って誰よあんた!?」
どうやら寝起きで頭が回転し出していないようだ。

「お前の呼び出した使い魔のタケルだ、思い出したか?」
「……、私が呼び出した使い魔ね。そうね、昨日、召喚したんだっけ」

「服」
椅子にかかった制服を放り投げると、ルイズはだるそうにネグリジェを脱ぎ始めた。
つるぺったんな胸など見ても面白くないので反対側を向く。

「下着」
「ハァ……、どこに在るんだよ?」
「そこのクローゼットの一番下の引き出し」
着替えも一人で出来ないのかと呆れながら、適当にひとつ掴んで、ルイズの方へと放り投げた。

「服」
「ハァ? さっき渡しただろ」
「着せて」
頭が痛くなった。

「平民のあんたは知らないだろうけど、貴族は下僕がいる時は自分で服なんて着ないのよ」
「自分で着れるのなら、自分でやれよ!」
「ご飯要らないの?」
この台詞が出た時点で俺の敗北は決定した。
何故なら背嚢には食料品は入っていなかったからだ。
さらに俺はここのところ、帰還する度にまたすぐ再出撃でまともに食事を取った覚えすらない。

―――神は死んだ。

そうニーチェの言葉を何度も呟きながら、しぶしぶルイズの左肩にブラウスの袖を通し始めた。



    ※    ※    ※



ジャケットを羽織り、サブマシンガンを首から下げルイズとともに部屋を出ると向かいのドアの一つが開いて、
中から燃えるような赤い髪の女の子が現れた。
女の子と言ったがむしろ女性と言ったほうがいいプロポーションだ。

「おはよう。ルイズ」

ルイズは露骨に嫌そうな顔をして、挨拶を返した。
「おはよう。キュルケ」

「あなたの使い魔って、彼かしら?」
そういいながら熱い視線を向けられる。
「え? お、俺?」
「ええ、そうよ。これが私の使い魔よ」
ルイズは眉間をピクピクさせながら言った。
「あなたには勿体無い、いい男ね。でも『サモン・サーヴァント』で人間を呼び出すなんてあなたらしいわ。流石ゼロのルイズ、
私たちにはできないことをやってのけるっ! そこにしびれる! あこがれるっ!」
「うっ、うるさいわね!」
「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で呪文成功よ」
「ああ、そう! 良かったわね」
「どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよね。フレイム!」
キュルケは、勝ち誇った声で己の使い魔を呼んだ。
キュルケの部屋からのっそりと、真っ赤で巨大なトカゲのようなものが現れた。

「し、新種のベータか?」
咄嗟にサブマシンガンを構える。

「平気よ。あたしが命令しない限り、襲ったりしないから」
「これって、サラマンダー?」
ルイズが悔しそうに尋ねた。
「そうよ! 火トカゲよ! 見てよ、この尻尾。ここまで鮮やk(以下長いのでry」
「ああ、そりゃよかったわね!」
ルイズは半ば切れている。
「素敵でしょ。あたしの属性ぴったり」
「あんた『火』属性だもんね」
「ええ。微熱のキュルケですもの。ささやかに燃える情熱は微熱。でも、男はそれでイチコロよ、あなたと違ってね?」
キュルケは得意げに己の胸に付いているものをアピールする。
ルイズも負けじと返すが明らかにボリュームが違いすぎる。
言うならば関東平野とエベレストのようなものだ。
「あんたみたいにあちらこちらの男に色気振りまくほど暇じゃないだけよ」

「あなた、お名前は?」
「ん? 俺か? 俺はタケル・シロガネ、国連軍の大尉だ」
「変わった名前ね、軍人さん」
「余計なお世話だよ」
「それじゃあ、お先に失礼するわ」

ルイズはキュルケが去っていくのを、あたかも親の敵でもあるかのように睨みつけていた。
「ああ、もう! なんなのよ、あの女! 自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって!」
「俺じゃあ不満か? 不満なのか?」
「あたりまえでしょ! メイジの実力を計るには使い魔を見ろと言われてのよ!
なんであのバカ女がサラマンダーで、わたしがどこの馬の骨かもわからないような男なのよ!」
「ひでぇ言い様だな、おい! お前だって人間だろうに」
「メイジと平民じゃ、オオカミと犬ほどの違いがあるのよ!」
ああ、神よ、この国に平等という概念を与えてくれ……

「ところであの彼女、お前をゼロのルイズって言ってたけど、『ゼロ』って何だ? お前ってそんな名前だったっけ?」
「ただの……ただのあだ名よ」
「あだ名ね…… あいつが微熱ってのはなんと理解できた。お前はどうしてゼロなんだ?」
「アンタは知らなくていいことよ」
今度は俺にさっきキュルケに向けた様な視線をぶつけた。

「胸か?」
ルイズの関東平原を見つめて言った。
「こ、こ、この馬鹿ぁ!!」
「つるぺったぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
強烈なアッパーを浴びせられ、思いっきり体が吹っ飛ぶ。

ああ、口は災いの元とはこの事だな…



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