あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔を使う使い魔-02

 ルイズの部屋の中で、レッドによる無愛想で解りやすい説明が続いていた。
 レッドはそばにあった椅子に何故か縛り付けられ、ルイズはそれを見下ろすように
 仁王立ちしている。 
 それでも冷静というか、自分のペースを見失わないこの少年は、冷静なのかバカなのか
 ちょっと危ない趣味を持っているのか、ルイズは考えて冷や汗を一つたらした。

 あのあと、ルイズはシエスタを振り切ってレッドに接近、あたおたするマルトー及び
 若いコック陣を一喝で黙らせると、レッドの首根っこを乱暴に掴んでこの部屋まで引
 きずってきた。
 この体と細腕に何でそんな力があるのかルイズは自分自身驚いてたりするが、
 引きずられながらもシエスタに手を振るレッドを横目で見てそんな考え遠くに吹っ飛ばし、
 そう近くはない自分の部屋に向かって力の限り走り抜けた。


 ただ、あのメイドとこのバカを一秒でも一緒の空間にいさせたくなかった。


 部屋に戻ると問答無用で椅子に座らせ、はききれる息も完全に無視してあっという間に
 レッドを縛り上げた。縛られる当の本人は何の抵抗もせず、ため息を一回つくも、終始
 されるがままだった。



                      第二話



「……以上だ」

 レッドが口を閉じると、ルイズは軽く頷いた。

 理由はわかった。よーくわかった。
 シエスタとかいうメイドの話を要約すると、ギーシュの二股がばれて、それをたまたま
 近くにいたシエスタが目撃。そこでギーシュは二股のばれた理由をシエスタに擦り付け
 ようとした。
 そしてギーシュの理不尽な理屈により、罰を受けそうになっているところをたまたま通
 りかかったこのバカ――レッドが目撃し、…………電撃を浴びせた?

「うん、ってちょっと待ちなさい! 
 あのメイドがギーシュに言い寄られ、アンタがかばった。ここまではわかったわ。
 うん、わたしは冷静だもの。でも、だからこそ冷静に考えてワケわかんないとこ
 ろがもー一つ、あるんだけど……」
「……?……もしかしてギーシュとかいう奴の二股の理由? そんなの俺も知らない……」

「 アンタはバカかぁ!! 」

 レッドはさも不思議そうに首をかしげた。頭上にはてなマークが浮かんでもおかしくない、
 そんな表情だ。

「電撃よ、で・ん・げ・き・! 仮にその話が本当だとして、なんで平民のあんたがメイジ
 みたいなこと出来るのって話! わかった!?」
「……ああ、そのことか。でてこい」

 言うやいなや、レッドの腰あたりが急にガタガタ震えだした。ルイズは何事かと身を引い
 たが、レッドの大丈夫という言葉に、おそるおそる腰のあたりを覗き込んだ。
 安心だとわかったため、ルイズは何が起こるか期待に目を少しだけ輝かせたが、それはう
 るさく震え続けるだけで一向に変化がおきず、しばらくするとぴたりと揺れは止まってし
 まった。 



「……」
「……」

 あれ?

「…………」
「…………?」
「……………………………」
「…………………………あれ、おかしいな?」
「……レッド、私をバカにしてる?」
「いやぜんぜん。……そうだルイズ、腰の辺りにボールみたいなのがいくつかくっついてる。
 ……その一番右のやつをとってくれ」

 殿方の腰周りに触れるのは少し抵抗があったけど、意を決して覗いて見ると、腰のライン
 には確かに赤と白で塗られた、手のひらサイズの小さなボールが6つ並んでいた。 

「あ、あるわ……でこの、い、一番右の奴ね……」
「…………(なぜ震える?)」

 レッドは頷き返しつつ、まるで恐ろしいものに触れるがごとき慎重さを見せるルイズを、 
 心底不思議に思った。

「……ってそんな撫でるように触らないでくれ、こそばゆい」
「え! あ、ご、ごめん」

 頬を薄く朱に染めて、ルイズは縮こまりつつボールをとることを再開した。 

「ちょっとルイズ!! さっきからガタガタうるさいわ…………」

 そこに体よく飛び込んできた、よ―――――――く見知った女の声。



 同時に扉が開いたことで入ってきた光と人影に、ルイズはハッとなって顔だけを向けた。 
 扉の、丁度部屋と廊下を結ぶ境目に呆然と立ち尽くしているのはあの怨敵ともいえよう
 存在。ルイズとは家系をはじめ、胸の大きさ、実力、ほぼ全てにおいて対極に位置し、
 そして精神的にも客観的にも今一番見られたくない女、キュルケその人であった。

 いつもはいやらしく、常に余裕を持って接してくる(それがまた嫌な部分)彼女が、あろ
 うことか、目を点にして呆然棒立ちである。 

 だがしかし、それはルイズにも言える事であった。
 彼女は腰のボールを見るために床に膝立ちになり、頬を真っ赤に染め、体はは探し回った
 のとレッドを引きずったので疲れ、思う以上に汗だく。
 そして、そんな彼女の前にはレッド(そこそこ美少年)が椅子にがんじがらめに縛られており、
 ルイズの手は丁度死角となってるキュルケの目線からは男の大事な部分あたりをまさぐって
 るように見えてしまっているわけだ。

 当然、死角のことも含めてルイズには全部わかっている。
 ゆえに棒膝立ち。ゆえに呆然。ぼーぜんである。



「ご、ごめんなさい。あの……お、お楽しみ中だと思わなくて……その、
 る、ルイズにそういうのはまだ早いと思ってたわ、私。うん……」 

 キュルケがじわじわと頬を染めていくのに比例するように、ルイズの脳天から流れ落ちる汗
 の量がじわじわどころか二次関数式にのごとき速度でどばどばと増えていく。
 そんなルイズのことなど目に、頭に入っていないようで、キュルケはまるっきり乙女丸出し
 でくねくね身を捩じらせていた。

「しかもそんなマニアックなプレイを……うらやま……じゃなくて、きゃ―――ッ!」

 最後に叫んで部屋を出るのと、ルイズが瞬間的に『神速』なみのスピードでキュルケに飛び
 掛ったのはほぼ同時であった。
 同時であったがゆえに、キュルケの扉を閉めるほうがわずかに速く、ルイズは頭を思いっき
 り打ちつけて、声も出さずに床を転げまわった。





「………………どうでもいいけど、はやくほどいてくれよ」

 レッドのつぶやきは絶望的なほど聞こえてなさそうだった。



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