あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

SnakeTales Z 蛇の使い魔-11


ルイズの部屋に現れた王女は感極まった表情で呆然としているルイズを抱きしめた。
美少女二人の感動の再会…それだけでどっかのテレビ局が番組を作り出しそうだ。見ることは無いだろうが。

「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!」
「姫殿下、いけません。こんな下賎な所へ、お越しになられるなんて…。」

ルイズはかしこまった声で言った。
やはり王女には頭が上がらないか、と今更なことを思ったスネーク。

「ああ!ルイズ、ルイズ・フランソワーズ!そんな堅苦しい行儀はやめて頂戴!
 貴方と私はお友達!お友達じゃないの!
 ここには枢機卿も母上も、あの友達面してよってくる宮廷貴族たちもいないのですよ!
 貴方にまでよそよそしい態度を取られてしまったら、私に心を許せるお友達はいなくなってしまうわ!」
「姫殿下…。」

よく口の回る王女だ。…いや王女だから口が回るのか。

「幼い頃から、殴り合いのけんかをしあった仲じゃないの!」
「ええ。姫様が勝利をお納めになった事も数多くございました。」

さらりとすごいことを言う子だな、この王女は。
殴り合いとは、穏やかじゃない。

「思い出したわ!ほら、私たちがアミアンの包囲戦と呼んでいるあの一戦よ!」
「姫様の一撃で、私は気絶いたしましたわ。」

それから二人は顔を見合わせて笑いあった。
スネークはあきれて二人を見つめていた。
おしとやかかと思ったらとんでもない御転婆王女様だ。
厄介ごとを持ってこなければいいが…。

「どんな知り合いだ?」
「姫様が幼少のみぎり、恐れ多くもお遊び相手を勤めさせていただいたのよ。」

懐かしむようにルイズがいった。
幼馴染と言うわけか。自分にはいないため、そんなルイズが輝いて見えた。

「ところでルイズ、コチラの渋い殿方はどなたですの?」
「私の使い魔です。」
「使い魔?」

アンリエッタはきょとんとした顔でスネークを見つめた。

「人にしか見えませんが?」
「人です。姫様。」

スネークはアンリエッタに一礼し、非礼をわびた。

「スネークだ。先ほどは無礼なまねをしてすまなかった。まさか王女とは思わなかったのでな。」
「スネーク、『蛇』ですね。気にしないでください。あれは私があんな格好でいたのがいけないのです。」

アンリエッタが笑顔で言った。うむ、かわいい。
自分がもう少し若ければ、食事にでも誘っていたところだろう。
アンリエッタの笑顔が曇る。深いため息をついた。

「どうなさったんですか、姫様?」
「…貴方がうらやましいわ。自由って素敵ね。」
「何をおっしゃいます。貴方は姫様じゃありませんか。」

王国に生まれた姫君など、かごの鳥と同じだ。
どうせ政治の道具に過ぎない。
そのことがスネークにはよく分かっていた。
アンリエッタはしそうな表情で言った。

「私、結婚するのよ。」
「喜ばしいことじゃないですか。おめでとうございます。」

再びアンリエッタが深いため息をつく。
悩み事があるようだ。

「姫様、お悩み事がおありなら、おっしゃってください。」
「…いえ、話せません。忘れて頂戴。」
「おっしゃってください!お友達でしょう?」

美しい女の友情だ、といえばいいのだろうか。
少々凝りすぎな芝居に見える。

「ありがとう、ルイズ。私をお友達と呼んでくれるのね?」

決心したように頷くと語り始めた。

「今から話すことは他言無用です。いいですね?」

それからスネークのほうをちらと見るアンリエッタ。
無言で寄りかかっていた壁から離れ、部屋を出ようとする。

「何処へ行くのです?使い魔とメイジは一心同体。席を外す理由はありません。」

正直、聞きたくない。
やはり厄介ごとを持ち込んできたな、この王女。と内心毒づいた。
そして物悲しい様子でアンリエッタは語り始めた。


アンリエッタの話をまとめるとこうだ。

アンリエッタは同盟を結ぶため、ゲルマニアの皇帝に嫁ぐ事になった。
だが、アルビオンの貴族はそれを快く思っていない。
そのため、婚姻を妨げる材料を血眼になって探している。
その材料となるアンリエッタの手紙をアルビオンの王子、ウェールズ皇太子が持っている。
アルビオンは現在、内戦の真っ最中で、ウェールズが反乱軍に捕らえられ、殺されるのは時間の問題だ。
そうなれば、手紙がゲルマニアの皇帝に渡り、同盟は反故。
後に攻めてくるであろう強国アルビオンにトリステイン一国で戦わなければならない。

とのことだ。
正直、スネークにはどうでもいい。
厄介ごとはごめんだ。どうしてこっちでも戦争に巻き込まれなければならない?
というのが本音なのだが、ルイズはそうでは無いらしい。

「私がその手紙を取り戻してきましょう。」
「危険です。王党派と貴族派が戦いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて無理な話だわ!」
「《土くれ》のフーケを捕まえた、このわたくしめに、その一件、ぜひともお任せください!」

壁に寄りかかって話を聞いていたスネークが声を上げる。

「俺は行かんぞ。厄介ごとはごめんだ。」
「メイジと使い魔は?」
「一心同体。拒否は許さない、か?」
「そ。アンタは黙って付いてきなさい。」

早く帰りたい。

「ああ、ルイズ!ありがとう!私、貴方の忠誠と友情を一生忘れません!」

また二人で抱き合っている。
麗しい友情だねぇ。

「友情を確認している所すまないが、アルビオンは戦争中だろう?どうやって侵入するんだ?」
「それは後で考えるわ。」

要するに何も考えていないんだろう。
頭が痛くなってきた。


「任務を確認する。アルビオンへ潜入、ウェールズ皇太子の持つ手紙を奪取すればいいんだな?」
「そうです。《土くれ》のフーケを捕まえた貴方達なら、やり遂げられると信じています。」
「一命にかけても。急ぎの任務なのですか?」
「貴族派は王党派を国の隅っこまで追い詰めていると聞き及びます。急いでください。」
「早速明朝にでも、ここを出発します。」

アンリエッタは頷き、スネークのほうを見つめた。

「頼もしい使い魔さん。」
「俺か?」

前言撤回、もう少しここにいてもいいかもしれない。
アンリエッタに頼もしいと呼ばれ、先ほどのタバサの言葉で失った自信を取り戻した。

「私のお友達をよろしくお願いします。」

そして、すっと左手を差し出した。
手の甲が上を向いている。
黙ってスネークはその手を取り、手の甲にキスをした。

バターン!!

ドアが力強く蹴り開けられる。

「スネーク!君という男は!なんてうらやましい事を!」

とんでもない事を叫びながらギーシュが部屋に飛び込んできた。
スネークはライダーキックの要領でとび蹴りを仕掛けてきたギーシュの足を掴み、地面に叩きつける。

「痛いじゃないか、使い魔君。」
「盗み聞きは悪趣味だぞ、若いの。」

もはや何が出てこようと驚きもしないスネーク。
さすがに肝が据わっている。

「で、どうする?」
「…確かに今の話を聞かれたのはまずいわね。」

倒れていたギーシュがガバッと起き上がり、アンリエッタに向き直った。

「姫殿下!その困難な任務、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンに仰せ付けますよう。」
「グラモン…あのグラモン元帥の?」
「息子でございます。姫殿下。」

軍人の出だったのか…、とスネークは多少驚いた。
あのワルキューレの統制は確かに軍隊に近いものがあった。

「アンタは寝てなさい。」
「僕も仲間に入れてくれ!」
「どうして?」
「姫殿下のお役に立ちたいのです!」

ギーシュはアンリエッタに恭しく一礼した。
アンリエッタは少し考え込み、

「貴方も私の力になってくれると言うの?」
「任務の一員に加えてくださるなら、これはもう、望外の幸せにございます。」

熱っぽいギーシュの口調に、アンリエッタは安心したように微笑んだ。

「ありがとう。貴方もお父様の勇敢な血を受け継いでおりますのね。
 お願いしますわ。この不幸な姫をお助けください、ギーシュさん。」

ギーシュは感動のあまり、後ろにのけぞって失神した。
大丈夫だろうか…。不安だ。


アンリエッタは手紙をしたためる。
最後に一行付け加え、それから小さな声で呟く。

「始祖ブリミルよ…。この自分勝手な姫をお許しください。
 でも、国を憂いても、私は矢は要り、この一文を書かざるをえないのです…。
 自分の気持ちに、嘘をつく事は出来ないのです…。」

密書だと言うのにまるで恋文でもしたためたようなアンリエッタの表情だった。
ルイズは何もいわず、じっとアンリエッタを見つめていた。
アンリエッタは書いた手紙に魔法で封蝋をし、花押を押した。そしてその手紙をルイズに手渡す。

「ウェールズ皇太子にお会いしたら、この手紙を渡してください。すぐに件の手紙を返してくれるでしょう。」

それからアンリエッタは右手の薬指から指輪を引き抜き、ルイズに手渡した。
『水のルビー』という、お守り代わりのようだ。

「この任務はトリステインの未来がかかっています。母君の指輪が、アルビオンに吹く猛き風から、あなた方を守りますように。」


明朝
朝もやの中、スネークとルイズとギーシュは、馬に鞍を付けていた。
スネークはもてる装備を全て持っていくことにしていた。
多少重いが、戦地を突っ切る可能性もある。用心するに越した事は無い。
ギーシュは使い魔のモグラを連れて行きたがったが、ルイズが却下した。
それに腹を立てたのか、巨大モグラがルイズを押し倒している。

「若いの、中々官能的な絵じゃないか。」
「その通りだな。」

スネークとギーシュは腕を組んで頷きあった。
そんな中、一陣の風が舞い上がり、巨大モグラを吹き飛ばす。
朝もやの中から、一人の貴族が現れた。

「僕のヴェルダンデが…。貴様なんて事をするんだ!」

貴族は羽帽子を被っている。ギーシュが薔薇の造花を掲げた。
一瞬早く、羽帽子の貴族が杖を引き抜き、薔薇の造花を吹き飛ばす。

「だれかれ構わず、武器を向けるんじゃない、若いの。」
「そうだ。僕は敵じゃない。姫殿下より、君たちに同行する事を命じられてね。」

長身の貴族は、帽子を取り、一礼した。あのときの髭が渋い貴族だ。

「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。」

文句を言おうと口を開きかけたギーシュが相手が悪いと知ってうなだれた。
魔法衛士隊は全貴族の憧れである。ギージュも例外ではない。

「すまないね。婚約者が、モグラに襲われているのを見てみぬ不利は出来なくてね。」

さすがにスネークも驚いた。
ルイズ、婚約者がいたのか…?しかもこの髭が?
何故だか分からないが、ショックを受けた。
自分はロリコンでは無いはずなのだが…。

「久しぶりだね、僕のルイズ。」

ワルドは人懐っこい笑みを浮かべると、ルイズに駆け寄り、抱え上げた。

僕の?
何だコイツ!?
鳥肌が立ってきた。

「お久しぶりでございます。」

ルイズは頬を染めて、ワルドに抱きかかえられている。
なんというか、娘が何処の馬の骨とも知らぬ男に取られると言うのはこんな感じなのだろうか?
とにかく腹が立ってきた。

一通りいちゃついた後、ワルドはギーシュとスネークに挨拶をした。
ギーシュは深々と頭を下げ、スネークは腕を組み、気難しそうな顔をしている。

「君が使い魔かい?人とは思わなかった。」
「俺もアンタが婚約者だとは思わなかった。」
「ははは。僕の婚約者がお世話になっているよ。先ほどいったとおり、ワルドだ。よろしく。」
「こちらこそ。」

右手を出し、握手した。
スネークは上から下までその貴族を見つめた。
正面から見てみると、うほっいい男、じゃなく、中々鍛えているようだ。
一つ一つの動作に隙が無い。
そこそこ修羅場はくぐり抜けて来ているようだ。

「なかなか、強そうな使い魔じゃないか、ルイズ。」
「え、ええ。」

まだルイズは頬を染めている。
やれやれ。これから戦場に向かうというのにのんきなものだ。

「では諸君!出撃だ!」


アンリエッタは出発する一行を学院長室の窓から見つめていた。

「見送らないのですか?」

オスマン氏はアンリエッタの隣でネズミと遊んでいる。

「見ての通り、この老いぼれは使い魔の世話で忙しいのでな。」

アンリエッタは首を振り、窓の外へもう一度目を移した。
その隙を狙って、オスマン氏はネズミをアンリエッタの足元へ忍ばせた。
戻ってきたネズミに小さな声で話しかける。

「モートソグニル、何色じゃった?」

ちゅうちゅう

「そうかそうか。白か。やはり姫は純真な白で無いとの。」

ネズミを使って何をしているのやら。
幸か不幸か、アンリエッタには聞こえていないようである。
オスマン氏が馬鹿な事をしていると学院長室の扉がどんどんと叩かれる。
入ってきたのはミスタ・コルベール。随分とあわてた様子だ。

「君は落ち着きがなくていかん。だから頭が寂しい事になるんじゃよ。」
「そんな事を言っている場合ではありません!一大事です!
 チェルノボーグの牢獄から、フーケが脱獄しました!」
「ふむ…。」

オスマン氏は口ひげをひねりながらうなった。

「門番の話では、さる貴族を名乗る怪しい人物に『風』の魔法で気絶させられたそうです!
 魔法衛士隊が出払っている隙を狙ったと言う事は、城下に裏切り者が居ると言う事ですよ!」
「わかったわかった。そんなに大声を出さんでも聞こえるわい。
 その件については、後で聞こうではないか。」

コルベールがいなくなると、アンリエッタは、机に手をついて、ため息をついた。

「城下に裏切り者が!間違いありません。アルビオンの貴族の暗躍ですわ!」
「ほー、そうじゃの。その通りじゃ」

オスマン氏は、ネズミと次の作戦を考えながら言った。
本当にどうでもいい、といった様子だ。
その様子を、アンリエッタは呆れ顔で見つめた。

「トリステインの未来がかかっているのですよ。なぜ、そのような余裕の態度を…。」
「なぁに、大丈夫だ。そのままがんばってくれ。」
「まじめに聞いてください!」
「じゃがの、わしらに何が出来るというんじゃ?既に杖は振られたのですぞ。」

確かに正論だ。
今ここで、何を言った所でフーケが戻ってくるわけではない。
どうせ手引きをしたものも逃亡しているだろう。

「なぁに。彼ならば、道中どんな困難があろうとも、やってくれますでな。」
「彼とは?あのギーシュが?それとも、ワルド子爵が?」

オスマン氏は首を振った。

「ならば、あのルイズの使い魔ですか?まさか!ただの平民ではありませんか!」
「ただの平民じゃないのだよ。彼は異世界からやってきた男じゃ。
 その世界で、軍人をやっていたそうじゃ。それに姫は『ガンダールヴ』をご存知かな?」

言った後で、オスマン氏は口が滑ったと思った。
王室のものに『ガンダールヴ』について話すのはまずい。

「彼がそうだと?」
「あー、いや。『ガンダールヴ』並につかえると、そういうことじゃ。」
「異世界というのは?」
「ハルケギニアでは無いどこか。そこからやってきた彼ならばやってくれると、この老いぼれは信じておりますでな。
 余裕の態度もその所為なのですじゃ。」

アンリエッタは遠くを見るような目になった。
剣を突きつけられた時のあの目。確かにハルケギニアでは見ることの無い光に溢れていた。

「ならば祈りましょう。異世界からの蛇の使い魔に。」


「腰が痛い。」
「奇遇だな。僕もだ。」

学院を出発してもう半日。馬を交換して走っているのだが、さすがに二人とも疲れきっていた。
ワルドとそのグリフォンは疲れを見せずに走り続けるためそれについていかなければならない。
しかもさっきから目の前でルイズたちがいちゃついているおかげでスネークは余計に気疲れしていた。

「大変だな、君も。」
「分かってくれるのか、若いの。」

妙な友情が生まれた二人だった。
ルイズの身体にワルドが触れるたび、気が気ではない。
あの髭、気に入らない。
何処の馬の骨か分からん奴に娘はやれん!


港町ラ・ロシェール
アルビオンへの玄関口であるこの街は、人口こそ少ないが、
アルビオンと行き来する人々で、常に十倍以上の人間が街を闊歩している。
その入り口に到着した一行。
ようやく一息つけるという安心感から、スネークとギーシュは随分と元気になっていた。

そのとき―松明が崖の上から投げ込まれた!
炎に驚いた馬が前足を高々と上げる。
ギーシュは落馬し、スネークは飛び降りて着地した。
そこを狙って、何本もの矢が夜風を裂いて飛んでくる。

「敵襲だ!」

わめくギーシュの口を押さえ、物陰に隠れる。

スカカカッ!

軽い音を立てて矢が地面に突き刺さる。
レッグホルスターからソーコムを取り出した。
だが、崖の上の様子が分からない。状況が悪すぎる。

そのとき、一陣の風が舞い起こり、小型の竜巻が現れた。
矢を全て弾き飛ばす。ワルドの魔法だ。

「大丈夫か!?」
「問題ない!上を頼む!」

軍人同士、お互いに何をすべきか分かっているようだ。グリフォンが崖の上へ飛び上がる。
崖の上の男たちはワルドに恐れおののき、逃げ出そうとする。
そのとき、ばっさばっさと、羽音が聞こえた。男たちを挟むようにして風竜が降り立つ。

「味方か!?」
「ええ!」

女の声がする。聞き覚えのある声だ。男たちは観念したように地面にへたり込んだ。


「で、お前達は何をしにきた?」
「つれないわね、助けに来たんじゃないの。」

シルフィードからキュルケとタバサが降りてくる。
先ほどの風竜はシルフィードだったらしい。おかげで敵を捕まえる事が出来た。
ルイズがグリフォンから飛び降りて怒鳴った。

「ツェルプストー!あのねぇ、これはお忍びなのよ?」
「だったらそういいなさいよ。分からないじゃない。
 とにかく、感謝しなさいよね?あなたたちを襲った連中を捕まえてあげたんだから。」

倒れた男たちは口々に罵声をルイズたちに浴びせかけている。ギーシュの尋問が終わったようだ。

「子爵、あいつらはただの物取りだ、と言っています。」
「ふむ…。なら捨て置こう。」

ただの物取りがメイジ三人にけんかを売るのもおかしい。
だが、これ以上追求した所で無駄だろうと、スネークも同意した。

「今日と明日はラ・ロシェールに泊まる。明後日の朝一番の便でアルビオンへ向かう。」

ワルドは一向にそう告げた。
明日の夜は『スヴェル』の月夜といって、その次の日がもっともアルビオンがラ・ロシェールに近づく日のため、明日の便は無いらしい。
一向はラ・ロシェールに向けて進んでいった。


港町ラ・ロシェールの一番上等な宿『女神の杵』
ここに一向は泊まることになった。
ギーシュとスネークが相部屋になった。
なんと、あのギーシュがスネークの腰をもんでいた。

「腰が痛い。」
「まだ痛むのかい?やっぱり歳だね。」
「若いの、あんまり年寄りをバカにするモンじゃないぞ。」

この二人、どうやら硬い友情で結ばれているようである。
いや、二人と一本だ。デルフリンガーも混ざっている。

「おうよ、貴族の坊主!よく言うだろ?『亀の甲より年の功』ってな!」
「スネーク、あのうるさい剣を黙らせてくれないか?」
「うるさいか?愉快でいいじゃないか。」

その夜、二人と一本は遅くまで語り明かしたそうだ。


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