「私は、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。ご主人様でいいわ」
「……何が?」
「呼び名よ。分かった?」
「……はい、ご主人様」
「……何が?」
「呼び名よ。分かった?」
「……はい、ご主人様」
抵抗はあったが、ハヤトは怒らせてはならないと思ってその言葉に従った。だが、男がご主人様って寒くないだろうか。
必死に気を紛らわそうと、自分の事をマスターと慕うメイトルパの少女を思い出す。彼女は愛らしいが、自分にそれを置き換えてみると……、無理だ。
もう少し打ち解けたら、考え直して貰おう。
必死に気を紛らわそうと、自分の事をマスターと慕うメイトルパの少女を思い出す。彼女は愛らしいが、自分にそれを置き換えてみると……、無理だ。
もう少し打ち解けたら、考え直して貰おう。
そして、しばらくルイズと言葉を交わした。
ハヤトは落ち着いていた。別の世界の存在は知っていたし、召喚された経験もある。
思っていたとおり、ここはハヤトの知っている世界ではないらしい。まだ、発見されていない世界のひとつだろうか。魔法が発達している世界。まるで、ファンタジーだ。
ハヤトは落ち着いていた。別の世界の存在は知っていたし、召喚された経験もある。
思っていたとおり、ここはハヤトの知っている世界ではないらしい。まだ、発見されていない世界のひとつだろうか。魔法が発達している世界。まるで、ファンタジーだ。
(って、人の事言えないか)
ハヤトの前いた世界は、魔法使いなどいない。しかし、その代わりに召喚師というものが存在する。
異界のものを呼び出し、彼らに力を借りて術を使う人々。ハヤトも、物理攻撃の方が得意だが召喚師だ。
しかも、ルイズには言わなかったが普通の召喚師とは比べ物にならない力を持っている、誓約者と呼ばれる人間だ。
その力は、異界の様々な生き物を自由に呼び出し、その力を最大限に発揮させる事ができる。
はずなのだけど、どうもこっちに来てからおかしい。
異界のものを呼び出し、彼らに力を借りて術を使う人々。ハヤトも、物理攻撃の方が得意だが召喚師だ。
しかも、ルイズには言わなかったが普通の召喚師とは比べ物にならない力を持っている、誓約者と呼ばれる人間だ。
その力は、異界の様々な生き物を自由に呼び出し、その力を最大限に発揮させる事ができる。
はずなのだけど、どうもこっちに来てからおかしい。
「異世界から来た?なに言ってんのよ、頭大丈夫?」
ルイズには説明してみたが、信じて貰えなかったようだ。
異世界から来たなんて話、あっさりと信じられるはずがない。ハヤトだって初めて召喚された時は、混乱したのだから。
あの時はしっかりと説明してくれたパートナーがいた。だが、ハヤトには口でルイズを納得させるのは難しそうだ。
なにか、証拠を見せるしかない。と、ずっと握っていた石ころが、怪しく輝いた気がした。
異世界から来たなんて話、あっさりと信じられるはずがない。ハヤトだって初めて召喚された時は、混乱したのだから。
あの時はしっかりと説明してくれたパートナーがいた。だが、ハヤトには口でルイズを納得させるのは難しそうだ。
なにか、証拠を見せるしかない。と、ずっと握っていた石ころが、怪しく輝いた気がした。
「……で、使い魔の仕事は、」
「あのさ」
「あのさ」
ハヤトは、ルイズの言葉を遮った。ルイズは、気分を害したように眉を顰める。
「俺の話が、本当だっていう証拠を見せるよ」
「証拠?」
「証拠?」
ハヤトは、握りしめていた石ころをルイズの前に置いた。どこにでもある、なんの変哲もない石ころ。
ふざけているのか、とルイズがハヤトに視線を送る。しかし、予想に反してルイズが目にしたのは真剣な表情をしたハヤトだった。
ふざけているのか、とルイズがハヤトに視線を送る。しかし、予想に反してルイズが目にしたのは真剣な表情をしたハヤトだった。
二つの月の光が、控えめに窓から差し込む。
成功するかどうかは分からない。だが、何かが呼んでいるような感覚がした。
成功するかどうかは分からない。だが、何かが呼んでいるような感覚がした。
(誓約者の名の元に、声よ、届け-ーー)
瞬間、頭が真っ白になる。体が支えられない。ハヤトは、膝を床に付けた。成功したのかは、すぐには分からなかった。
目の前がチカチカする。視界はなかなか戻らない。ルイズの沈黙が痛い。もしかして失敗ーー?
目の前がチカチカする。視界はなかなか戻らない。ルイズの沈黙が痛い。もしかして失敗ーー?
「か、可愛い……!」
「プワ?プワ!?」
「プワ?プワ!?」
やっと視界が戻る。そこに見えたのは、ルイズと……ポワソだ。三角帽子を被った、可愛らしいお化けの召喚獣だ。
ルイズは突然現れたポワソに驚いたようだが、目が合うと疑問より先に抱きしめていた。プワ、と抵抗の声も聞こえるが気にしない。
ルイズは突然現れたポワソに驚いたようだが、目が合うと疑問より先に抱きしめていた。プワ、と抵抗の声も聞こえるが気にしない。
「ハヤト!凄いわ!他にも出来ないの!?」
「キーアイテムがあれば、出来るけど」
「キーアイテム?」
「たまに、不思議な力を持ったアイテムがあるんだ。さっきの石ころとか、ペンダントとか色々」
「分かった!」
「キーアイテムがあれば、出来るけど」
「キーアイテム?」
「たまに、不思議な力を持ったアイテムがあるんだ。さっきの石ころとか、ペンダントとか色々」
「分かった!」
なにが分かったのか、ルイズはポワソを撫でながら、部屋の中をあさりはじめた。貴族、というだけあって高そうな小物がハヤトの前にいくつも並べられる。
ハヤトは、それを眺めながら力が満ちるのを感じていた。少しだけど、異界との繋がりが強くなった。
ポワソを召喚したおかげだろうか。試す価値はある。
ルイズの持ち物の中にも、いくつか力を感じるものがあった。
ハヤトは、それを眺めながら力が満ちるのを感じていた。少しだけど、異界との繋がりが強くなった。
ポワソを召喚したおかげだろうか。試す価値はある。
ルイズの持ち物の中にも、いくつか力を感じるものがあった。
(もしかしたら、)
数十分後には、ルイズの部屋は小さい使い魔が増えていた。
正確には、使い魔の使い魔なのだけど。使い魔のものは主人のものなのだから、そんなこと関係ない。
ルイズは、最高の気分だった。こんなに使い魔をよべる使い魔を召喚した自分は凄いのではないか。
使い魔たちの名前も教えて貰った。お化けみたいなのがポワソ、ゴーグルをつけてるのがテテ、そしてゴーレム。
初めはルイズを警戒していたようだが、段々と懐いてくれた。小さくて弱そうだけど、可愛い!
ルイズも上機嫌なら、ハヤトも上機嫌だった。ハヤトの立てた仮説は間違っていない。
召喚獣と契約をするほどに、異界との繋がりが強くなっているのだ。このままいけば、リィンバアムと繋がり送還術が使えるかもしれない。
送還術とは、元の世界に召喚獣を返す術。ルイズの帰る手段はない、という言葉は間違いだった。ひとつだけある。
まだ、高位のものとは契約できないだろうが、魔力が戻ればそれも可能になる。
キーアイテムを見つけ、多くの召喚獣と契約すること。ハヤトの当分の目標が定まった。
正確には、使い魔の使い魔なのだけど。使い魔のものは主人のものなのだから、そんなこと関係ない。
ルイズは、最高の気分だった。こんなに使い魔をよべる使い魔を召喚した自分は凄いのではないか。
使い魔たちの名前も教えて貰った。お化けみたいなのがポワソ、ゴーグルをつけてるのがテテ、そしてゴーレム。
初めはルイズを警戒していたようだが、段々と懐いてくれた。小さくて弱そうだけど、可愛い!
ルイズも上機嫌なら、ハヤトも上機嫌だった。ハヤトの立てた仮説は間違っていない。
召喚獣と契約をするほどに、異界との繋がりが強くなっているのだ。このままいけば、リィンバアムと繋がり送還術が使えるかもしれない。
送還術とは、元の世界に召喚獣を返す術。ルイズの帰る手段はない、という言葉は間違いだった。ひとつだけある。
まだ、高位のものとは契約できないだろうが、魔力が戻ればそれも可能になる。
キーアイテムを見つけ、多くの召喚獣と契約すること。ハヤトの当分の目標が定まった。
「ルイズ、これで俺の話を信じるか?」
「し、信じる!ハヤト、見直したわよ!」
「し、信じる!ハヤト、見直したわよ!」
そして、こぼれるような美しい笑顔をルイズはハヤトに向けた。呼び捨てで呼んでも、特に反応はない。
ハヤトはその笑顔に照れつつも思った。
ハヤトはその笑顔に照れつつも思った。
どこの世界でも、可愛いは正義なのだと。