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とある魔術の使い魔と主-17


「えっと、二人は幼なじみなのか?」

当麻のその一言で、二人だけの世界から現実へと突き戻された。
……悪い事したかなー、と当麻は自分の言った言葉に多少の罪悪感を感じた。
二人は楽しそうに昔話をしていた。一緒に悪巧みをしたり、遊んだり、笑いあったり、蚊帳の外である当麻も自然と口元が緩んだ。
当麻の知る限り、ルイズはあまり笑わない人であった。恐らく馬鹿にされ続けて、本当に心を許せる友達がいなかったんだろう。
だから、ルイズにもその許せる友達がいたのだとわかって、当麻は多少なりとも安心した。
って俺はあいつの親父か……ともちろん否定的な考えも浮かべる。
といっても、やはり会話に参加できないというのはなんか寂しい。結果、後先を考えずに思わず聞いてしまったのである。
すると、二人の視線が向けられる。アンリエッタに至っては、初めて当麻の事に気付いたのか、目を丸くしている。
「あら、ごめんなさい。もしかしてお邪魔だったかしら」
ルイズは首を傾げた。
「お邪魔? どうして?」
「彼恋人でしょ?」
アンリエッタの悪意もない素の発言に、ルイズは慌てて腕をぶんぶんに振って否定の言葉を述べる。
「ち、違います! ただの使い魔です!」
「いや待て。その言い方は果てしなく俺を侮辱してるぞ」
「なによ。事実じゃない」
「わーツンツンルイズ萌え~」
なによ! とさらに音量を上げていくルイズに、当麻は萌え~としか言わない。彼が出した結論は、ミコト=ルイズという方程式が成り立った為、彼女と同じような対処をする事になった。
そんな二人のやり取りをアンリエッタはただ見守っていた。
たまらずルイズが当麻を叩こうとするが、当麻はサッと避ける。
「何避けてんのよ!」
「主の命令よりも使い魔の命の方が大事です。こればっかりはどうしようもありません」
「う、うるさいうるさいうるさい!」


アンリエッタは思わず、ふふふと笑い出した。ルイズはその笑い声にピタッと動きを止める。
その後、一瞬の内にアンリエッタの手前に移動し、膝をついた。
「ももも申し訳ございません! 王女がこの場にいるのにも関わらず!」
「いぇ、二人共本当に仲がよくって」
アンリエッタはにっこりと笑った。しかし、すぐにそれはため息へと変わる。
そういえば、と当麻は思い出す。先ほどから、アンリエッタは時折寂しげな表情を見せた。
それらは王女という役職に不満だったり、結婚させられたり、色々不自由な生活を送られていた様子であった。
当麻はこの世界の事情はよくわからない。しかし、それでも何となくアンリエッタが辛い思いをしているのがわかる。
「ルイズ、あなたに話たい事があるの。誰にも話していけません」
言った後、当麻の方をちらっと見た。
「席、外そうか?」
「いえ、使い魔と主は一心同体。席を外す必要がありません」
そして、少し悲しげな表情のまま、アンリエッタは語り出した。

その次の朝。
当麻は廊下でシエスタとばったり出会った。
「トウマさん?」
「あぁシエスタか、朝早いんだな」
いえ……、と顔を赤くして恥ずかしがっている姿を見て、当麻は疑問符を頭に浮かべる。
「というかいつもこんなに早いのか?」
「え、あ、そんな事ないですよ。ただちょっと目が覚めてしまったからつい……」
本当は言えない。少しでも当麻に喜んでもらおうと、少ない時間を使ってまで料理の勉強をしているのだと。
「えと、トウマさんこそどうしたんですか?」
「ん? 困っている人の手助けの為これから働くのさ」
へ? と思わずシエスタは聞き返してしまった。当麻は若干困りながらも、
「いやまぁ、ようは出かけるのさ」
「え? 出かけるのですか!?」
せっかく新しい料理食べてもらおとしたのに~、と悔やむシエスタ。食べてくれる人がいなければ料理は意味を成さない。
「あぁ、といってもすぐ帰ってくるし心配すんなって」
じゃあな、と手を振ってこの場を去る当麻。
「あ……」
待って、と言おうとした時には、すでに背中を向けられていた。


「遅かったじゃないか」
「あぁ、ちょっと立ち話をな」
ギーシュに質問され、そっけなく当麻は答える。
ルイズはすでに馬に跨いでおりいつでも出発できる態勢にいた。
昨日アンリエッタに頼まれた事は簡潔に言ってしまうととんでもない内容であった。
『アルビオンに赴き、ウェールズ皇太子を捜して手紙を取り戻す』
一見すると、簡単な旅行である。が、実際は見事なまでに正反対の任務であった。
現在アルビオンでは戦争が起きており、貴族派が既に王党派を追い詰めていた。陥没まで時間の問題である。
そんな中、ウェールズ皇太子にアンリエッタは何やら手紙を渡していた。それを敵に見つけられるとトリステインの将来が危ういと言う。
アンリエッタが渡してくれた支給品は水のルビーと一通の手紙。いや、支給品という程でもない。会えたら渡して欲しい手紙とお守り、だ。
当麻も、知らない内に巻き込まれたという形になっていた。といっても、王女から直々に頼み込まれたら断りようがない。
では何故ギーシュがここにいるのかと言うと、ただ単に昨日の話を聞いてしまったからである。
何と言うか、わざわざ危険な任務へよく平気でいくよな……、と当麻は思うのであった。


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