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ゼロと聖石-19


空を占拠したアルビオンの軍艦から降りてくる兵隊。
大よそ五千の軍勢は大体半分に別れ、片方はラ・ロシェールに、もう片方はタルブ村に向かってくる。
上空、黒チョコボから見た規模で、6:4くらいの割合。

それに対して、タルブ村周辺に並ぶ志願軍、約五百人。
百人ぐらいが外の冒険者で協力してくれた人たち。
それらを勘定に加え、大雑把に計算しても大体四倍の戦力差。

この戦いは、いかに技術を生かして戦うかが最大の焦点だ。
そのつもりで皆準備を進めている。
会戦まであと一時間位。
組み上げられる足場、そこに並ぶタルブ村の弓使いたち。
ルーンソードを持って並ぶ、ナイトの洗礼を受けた人たち。
道具袋に剣や槍を詰め、投擲準備に入る忍者達。
入念に準備運動するモンクたちに、刀を構える侍。

非戦闘員の避難も終わり、村から人が消える。
準備は万端だ。
決死の覚悟で落としに来い、このタルブ村、そう易々と占領はさせない!




地図に書かれているタルブという小さな集落。
こんなところは本来落とす予定は無かった。
あのワルドとか言う貴族が、攻撃目標に含めろという言葉を通達してきた。
たかが一集落がなんだと思っていたが、レキシントン号から眺めた景色が物語っていた。

トリスタニアよりも広いメインストリートに、強固な防壁。
村という言葉で片付けてはいけない、都市があった。

ボーウッドは乗り気のしない作戦に対して少しだけ興味を抱いた。
そして制圧部隊の内、約二千を村の制圧に回した。
ラ・ロシェールの軍に対抗するに当たって、三千の兵と船からの砲撃で蹴散らす。
混乱しているトリステイン軍にはこれで問題ないだろう。

親善訪問を装っての奇襲、その混乱を狙っての攻撃。
人としては最悪だが、命令を実行するのが軍人。
ウェールズ様の命とあっては逆らうことすら許されない。

「全軍、攻撃開始! レコンキスタの威光を見せ付けろ!」

それにしても、司令官とかいうジョンストン。
正直邪魔だ。
大雑把にしか命令していない男を横目に見つつ、小声で副官に細かい指示を出していった。





タルブ村襲撃の任に当たったメイジは憮然としていた。
最初は自分が指揮をとることに喜んでいたが、向かう先はただの集落。
たかが集落に、二千の兵を使って攻め落とせという話自体がありえない。
全軍に命令をし、とっとと片付けてラ・ロシェールを攻める側に回ろうと思っていた。
村の守備隊と前線がぶつかり合う。
自身も魔法で援護しようと考え、詠唱を開始する。

しかしその行動は、一本の矢によって阻まれた。

バキン、と小気味いい音が響く。
自分の手元を見る。
真っ二つに折れて、無残な姿を晒している杖。
足元には一本の矢。

それをきっかけに、あちこちで響く破壊音。
前線で戦っていた兵達の武器がどんどん破壊されてゆく。
村の守備隊によって、だ。



―――ブレイク系の技を覚えている人たちは、真っ先に武器を破壊しろ。

タルブ村のまとめ役であるお父さんから出された第一の指示。
敵を無力化し、少しでも有利な状況を作る。
私も冥界恐叫打で武器を破壊する。

弓使いをやっている人で、ウェポンブレイクを使える人は結構いる。
その人たちにはメイジの杖を破壊してもらっている。
後方に控える、杖の無いメイジなど怖くない。
全員が一丸となって、武器を破壊し続ける。
少しでも負担を減らすため、私は剣を構える。

「天の願いを胸に刻んで心頭滅却! 聖光爆裂破!」

一直線に走る光が、前線に穴を開ける。
タルブ村の長い一日は始まったばかりだ。



ええい、杖が一本だと思っていたか!
予備の杖を出し、詠唱。
五メイル位のゴーレムを作り出し、突撃させる。
周りのメイジたちも予備の杖を出し、魔法を使い始める。

その光景に、村の守備隊は後方へ下がる。
代わりに現われたのは、黄色い羽を持った巨大な鳥。

こちらめがけて一直線に走りこんでくる鳥に魔法を浴びせる。
しかし、それでも勢いは止まらない。
ゴーレムに張り付いて各部をくちばしで抉る。
傷ついた鳥が数匹集まって、光を発して傷を癒す。
その間にもゴーレムは削られ、前線の兵士達は鳥によって蹂躙される。

何なんだ、この村は!!
何なんだよ、こいつらは!?




―――ゴーレムとかそういった類が出てきたら、チョコボを前線に出すんだ。
   チョコボの何たるかを知らないヤツ等には衝撃を与えられるだろう。

武器を破壊され、チョコボの出現に浮き足立っている敵に動揺を与えるために私は叫ぶ。

「全員、騎乗! 大将首を討ち取ります!!」

全員が一斉にチョコボに跨り、突撃。
私もトウホウフハイに跨る。
同時に弓と、槍や剣の投擲による援護。
これによって突撃の威力を引き上げる。

陣が乱れると同時にチョコボに乗っていない人たちも突撃。
戦力差の関係から全滅させることは不可能だが、少なくとも撤退まで持ち込むことは出来る。
剣を振るい、不動無明剣でなぎ倒しながら進む。

トウホウフハイの速度に物を言わせ、一番奥に陣取っていたメイジの元へ。
軽い恐慌状態に陥っているメイジを見つけた瞬間、私はデルフを掲げる。

「幾多の戦場と時を駆け抜けた、魔殺しの名を解き放て! デルフリンガー!!」

刀魂放気。
今まで使う機会の無かった、デルフリンガーの魂開放。
ほかの刀でもよかったが、あくまでも撤退させるのが目的だ。
魔法吸収能力を、刀身という楔から解き放つ。

その力を解放されたデルフリンガーが行った行動は、

『周囲の魔力を全て喰らい尽くす』

メイジの杖から、大気から、魔力という魔力が喰われる。
周囲に魔力が一切無い空白が出来上がった後、デルフが満足して戻ってくる。
「ふっはぁ、久しぶりに使ったなぁ」
「ちなみにやり方を間違えると壊れるんですよ」

このとき、初めてデルフはシエスタのことが本気で怖いと思った。
そんなことはさておき、メイジの無力化に成功。
長続きはしないので、杖だけを破壊してすばやく離脱する。
その間にも武器破壊攻撃や槍の投擲が続く。

「全員、篭城します!!」

私の掛け声を合図に、門の所に撤退。
全員とチョコボが収容されると同時に閉門。
第一戦はなんとか成功。しばらくの間、篭城で時間は稼げる。
問題はこれから来る戦艦たちだ。

でも、私は信じていた。
ルイズ様が、何とかしてくれるという確信が。




「ちょっとばかりのんびりしすぎたわね」

ラ・ロシェールでのんびりとティータイムを過ごしていたら、トリステイン空軍が壊滅した。
始祖の祈祷書を抱え、ミメットに跨る。
羽ばたき、空を舞う。
その時、違和感を感じて祈祷書を開く。
今まで白紙だった本に、文字が書かれている。

レキシントン号の近くまで飛ぶ。
私は祈祷書に集中し、攻撃と回避は全てミメット任せる。
ふむふむ、祈祷書と使い手と王家のルビーが揃ったときに読めるわけね。




レキシントン号周辺になると、接近してくるルイズとミメットに対して直援の竜騎兵が寄ってくる。
こちらを敵とみなした火竜が炎を吐き、それをミメットがバレルロールで避ける。
お返しとばかりに謎の球体―――チョコボールを放ち、火竜を打ち据える。
そのままバランスを崩して落ちてゆく竜騎兵。

最大速度で火竜に劣る黒チョコボだが、その旋回性能と運動性の高さで竜騎兵を翻弄する。
ミメットは己の主人をちらりと見る。
相変わらず本に集中している。
やれやれと首を振り、進行方向とは逆向きの力を掛けるように羽ばたく。
翼は広げたまま固定し、滑らかな円を描きながら降下する。

背面に張り付いていた竜騎兵はこちらの姿を探している。
消えたように見えるだろうが、失速と降下を利用した黒チョコボの空戦テクニックだ。
速度を上げ、一気に上昇。同時に竜騎兵の背面を取り、チョコボールを放つ。
二体目、この調子で攻撃を繰り返す。
今、空の勢力図が変わろうとしていた。
ミメットが二十体打ち落としたところで本を閉じる。
眼下の地上部隊と、砲撃を続けるレキシントン号。
レコンキスタとトリステインの地上部隊規模は同じ。
差があるとしたら、空を押さえる戦艦がいるということだ。

地上ではアンリエッタ姫が陣頭指揮を取っている。
だったら空中をつぶすのは私の役目だ。

「ショウタイムよ」

ミメットが高度を上げ、レキシントン号に肉薄しようとする。
その途中で急減速、ひねり込むような機動を始めた。
文句を言おうとした瞬間、耳元を空気の槍が通過する。

背後を見る。
グリフォンでは無く、風竜に跨ったワルドがいた。
彼の手には杖が構えられている。
私は杖ではなく、アルテマから貰った剣を構えた。
同時に小石を投げ、錬金。
ワルドのエアスピアーと、失敗魔法が交差する。

まずい、まさか風竜に乗ってくるなんて。
最高速度、運動性の高さ、空の王者とも言える存在。
運動性能と旋回半径は勝っているが、総合能力ではどうしても劣ってしまう。
あまり魔力を消費するわけにも行かず、全力で回避に徹する。
それに私が出て行ったのを知ったら、絶対来るはずだから。

「来た…!」

先ほどやった失速降下―――木の葉落としを繰り出し、視界から消える。
それでもワルドは見失わずにこちらに風竜を向ける。
それが命取りとも知らずに。

「ヒィィィイイイイヤッホォォォーーーーー!!」

凄まじい勢いで突撃してくる風竜。
そして奇声を上げるキュルケ。
その横で杖を構えるタバサ。
ワルドの風竜の真横を通り過ぎ、方向転換するシルフィード。

「援軍に来た」
「気付くのが一時間遅かったら間に合わなかったわ」
「遅い! ―――ありがとう」

ワルドの風竜も体勢を立て直し、構える。

「ルイズ! とっとと落としてきなさい!」
「ここは引き受ける」

その言葉に、私はミメットをレキシントン号へ向ける。
ワルドがエアスピアーを放つも、キュルケがブラストガンで撃ち落とす。

「そういうわけで、通さないわよ。オ・ジ・サ・マ?」
「残念ながらオジサマと呼ばれるには早い年齢なのでな。通してもらうぞ!!」

今、空中における決戦が始まった。


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