あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのロリカード-02



 陽も完全に落ちた夜半、少女アーカードはゆっくりと目を覚ました。上体だけを起こすと周囲を見渡す。
そう・・・・・・自分は隣のベッドでスヤスヤと寝息を立てて眠っている少女、ルイズの使い魔となったのだ。
我ながら、その場の酔狂じみた勢いで契約の儀とやらを交わしてしまったことに、少しばかり後悔する。
ルイズが私を、ではなく、私がルイズを使い魔にしてもそれはそれで面白いことになったかも知れないと。

 ふと何気なく左手を見ると、なにやら紋様が左手甲の部分にうっすらと浮かび上がっていた。なるほど、これが契約の証か。
と、同時に自分が手袋をしてないことに気付く。はずした覚えはなかったが・・・・・・まぁいいか。

 起き上がり大きく伸びをする。窓へと近づきゆっくりと外を眺め、空を仰ぎ見た。
月が二つ浮かんでいる。いよいよ以てここは元の世界ではないらしい。
(別世界・・・・・・それもまた一興か)
アーカードは心の中で静かに笑った。幾星霜と生きてきてこの様な事は初めてだった。
つくづく人の世というものは面白い。だがさして驚きはない。
この歳になるといちいち驚かない。産業革命以降の劇的な科学発展に比べれば、異世界の存在など大したことはない。
人間が月へ行くなどとは100年前には信じられんことだし、ケータイとかインターネットとかもそうだ。
五世紀を軽く超えるほど生きている己は、いつまでも新鮮な気持ちではいられない。何かと驚いていては身が保たない。

「ふゥ~・・・・・・」
アーカードはゆったりと深呼吸を繰り返す。
気分は悪くなかった。混濁した頭の中もスッキリしている。
だが・・・・・・――――――思い出せない。この異世界に召喚される前のこと。
頭の中を整理しようにも、靄がかかったように見えない。

(まっ・・・・・・いずれ思い出すだろう)

 アーカードは「何のことはない」と言った風に、首をコキコキと鳴らす。
焦っても仕方ない。焦る意味もない。大概こういったことは"時"が解決してくれる。
長く生きてきた経験がそう言っている。達観、そして諦観した心地。


 アーカードはルイズへと近づいた、未だ静かな寝息を立て寝ている。
(主は・・・・・・まだ暫し寝かせておいてやるか)
無垢で無防備な顔、しばしそれを眺めている内にアーカードの悪戯心が刺激された。

 つんつんと頬を突っつく、肌は適度な弾力で指を離す度に窪みが音もなく元に戻る。
次は横に引っ張る、少女のあどけなさを大きく残したその端正な顔立ちが崩れる。
ルイズは寝苦しそうに呻いた。ベッドの半分は占領しているだろう桃色の髪を梳く。
ウェーブがかった長髪はよく手入れされているようで、指は難なく通り心地よい感触を残す。
艶がかった唇は少女特有の耽美さを発していた。

「・・・・・・ふむ」
アーカードはルイズの顔を大きく覗き込む、そのまま目覚めのキスでもしてやろうかと思った。
しかし偶然なのか、はたまた身の危険を感じたのか、ルイズの眼が虚ろいながらもゆったりと開く。
「~~~~~~~~~~ッッッ!!??」
声にならない叫びを上げつつ、ルイズは反射的にアーカードを押しのけて部屋の隅に陣を取った。

「何を逃げることがある、一度した仲ではないか」
その声は、現状把握の為に必死に頭を働かせているルイズの耳には入らなかった。
「どうした?」
返事のないルイズを訝しみ、アーカードは声を掛けるもののこれも反応なし。


 ここは己の部屋、それ以外には見えない。寝込みを襲われた・・・・・・?
陽が出ていない、もう夜だ。そもそもなんで自分は寝ていた?寝巻きではなくローブを羽織っている。着替えていない、もしかして気絶していた?
最後の記憶はコントラクト・サーヴァント。そうだ、目の前の少女はアーカード。契約を交わした私の使い魔。何で気絶した?たしか契約の時に・・・・・・。
思い出した瞬間、気恥ずかしさと己の醜態にルイズは顔を紅潮させた。
そして先に言ったアーカードの言葉がようやく頭に入ってくる。
『一度した仲』とは、それはつまるところ・・・・・・。

「わ・・・・・・わわ・・・私にそういう趣味はないわよ!!」
アーカードはその言葉を反芻していたようだった、そして唇の端をニヤリと上げて告げる。
「ふむ、私が『女の姿』だから問題があるのだな。ならば『男の姿』であれば文句はないわけか。それならば――――――」

「どちらにしても駄目よ!」
言ってる意味がよくわからなかったが、とりあえず声を荒げて否定する。
アーカードは不思議そうに首を傾げていた。「己の発言に何かおかしいことあったかな?」といった様子である。

「まったく、盛りのついた野良犬じゃあるまいし。た・・例えばその、こ・・・・・・恋人同士とかならともかく!!
 だからその・・・・・・キ・・・キスなんておいそれとするものじゃないわ。大体あれは『コントラクト・サーヴァント』で仕方なくやっただけなんだから」

 正確には半ば無理やりに「やられた」感もあったが、そこには敢えて触れなかった。
既に双方の意思確認は終了していたわけだし、あとはキスをして契約完了するだけだったのだから。
どちらからしたというのはこの際どうでもいい。というかあの醜態は記憶から消し去りたい。

「くっくっく・・・・・・私を"犬"呼ばわりか、言いえて妙だな」
何がそんなにおかしいのか、アーカードは笑っていた。
「・・・・・・?」
ひとしきり笑い終わったところでアーカードは口を開く。

「ところで起きたなら丁度良い、ルイズ。少しばかり聞きたいことがあるのだが」




 その頃より時を遡ること数時間、ミスタ・コルベールは自室で悩んでいた。
ミス・ヴァリエールが召喚した使い魔アーカード、その異常性と危険性。
あの場はひとまず何事もなく収まった。しかしこれからどうなるかは全く以てわからない、未知数である。
もし何らかの形で彼女が敵意を示した時、とてつもなく恐ろしい事態が発生するのではないかと危惧していた。

 アーカードを案内する為にミス・ヴァリエールの部屋を調べる際、学院長であるオールド・オスマンに相談した。
こちらが危険性を訴えても、間近で見てない所為か、オールド・オスマンは呆気なく言い放った。
「既に契約も済んじゃったなら、別にいいんじゃないの」と。
楽観的と言うか、無頓着と言うか。危機感というものが欠如している。
とはいえ学院の最高権力者がそう言っている以上、自分がどうこうするわけにも・・・・・・。

 しかし仮に何らかの対策が練られて、それを強硬な手段で講じた結果。
件の少女アーカードが、何がしかの重大なアクションに出たらどうするのか。
少なくとも契約は無事に終わり、今現在まで特にこれといった不都合も問題も発生してはいない。

 何かが起こってからでは遅いと思いつつも、同時に藪をつついて蛇を出す結果にもなりかねないとも思う。
コルベールは葛藤し、悩み続けていた。




「んむ、やはりここは私がいた世界とは異なるな。特にわかりやすく顕著なのは、私の世界では月が一つしか存在しないということだ」
既に確信はあったが、ルイズからハルケギニアの話を聞けば聞くほどに違うことを思い知らされる。
「月が一つ・・・・・・?」
自分が生まれてから十と余年、月が一つだったことはない。それ以前の歴史上でも恐らくそんなことはなかった・・・・・・と思う。
アーカードの言ってることなんて信じられない、というわけではない。
ルイズはまだアーカードと出会って一日と経ってない、しかもその殆どは眠っていた。
しかしこと学院内では誰よりも信頼出来ると思っているし、アーカードは既にルイズにとって気のおけない存在となっていた。

 異世界というものが本当に存在するのか、仮に存在していたとしたら・・・・・・。
ルイズは心中に芽生えたその疑念を口に出そうか迷った。息が詰まり、心なしか冷や汗まで出てくるような気がした。
しかしそれでも口にした。何故かはわからない。
己のプライドの為か。疑念が晴れぬまま過ごすのが苦痛だと思ったからか。
彼女の、アーカードの・・・・・・本心の願いを汲み取ってあげたいからか。
どれもが理由ではないとも言えるし、その全てが理由とも言えた。そして意を決しルイズは言葉を紡ぐ。

「ねぇアーカード、その・・・・・・元の世界に帰りたい?」
本音を言えば聞きたくはない。
自分から質問をしておいて難だが、思わず耳を塞ぎたくなる衝動に駆られる。
肯定されたらきっと自分はとても悲しくなる。自分自身を否定されたような気持ちになってしまう。

 そんな利己的な考えを持ってしまう自分が疎ましい。
だけどもし彼女が元の世界に戻りたいというのなら、力になってあげたいというのもまた本心であった。
「なぁに、最低でも主が寿命で死ぬまではいるから安心しろ」
そんなルイズの心情をアーカードは知ってか知らずか、あっさりと笑いながら否定した。

 ルイズは安堵した、根拠はないけれど妙な安心感に包まれる。私より先にアーカードが死ぬ可能性だってあるのに・・・・・・。
そしてルイズは心から感謝した。彼女を召喚したこと、契約したことに。人間でも平民でも関係ない。
何をやっても失敗したり裏目に出てしまう、そんな自分を認めてくれるこの少女が傍にいてくれることに。


 話が一段落したところで、ルイズは起きてからその胸に抱いていた一つの疑問を投げかけることにした。
「ところで・・・・・・あの棺桶はなに?」
ベッドの横に置いてある箱を指をさした。これ以上ないくらい部屋に不釣合い且つ圧倒的な存在感を醸し出すソレを。
確か薄っすらとした記憶によれば・・・・・・召喚した時には、既にアーカードの背後にあったような気がする。

 アーカードは立ち上がり、棺桶に足を広げ大股に座る。そして笑った。
「私の最後の領地だ、ここで生まれそこで死ぬ」
アーカードはさも当然の事といったように、サラリと答えた。
「まぁ噛み砕いて言えば・・・・・・ただの寝床だの」

「いや・・・・・・どう考えてもあれは寝床じゃないでしょ。そりゃあ、ある意味人間が最後にお世話になる寝床とは言えるけど・・・・・・。
 まさかいつ死んでもいいように用意してるわけ?それともなに?近い内に死ぬつもり?で・・・・・・でもさっき言ったわよね、私が死ぬまでは死なないって」

 自然と口調が早くなっている自分に気付く、さっきの言葉は嘘だとは思わない。
しかしアーカードの言葉の裏に隠された真意を探る為か、いつの間にか捲くし立てていた。
確かにアーカードは言った、私が死ぬまでは死なないと。
だが目の前に謎の棺桶があるとなると、それでも流石に不安になる。


 ルイズの早口をよそに、アーカードは一言で斬って落とした。
「だからただの寝床だ」
腑に落ちない、疑問符が取れない、疑念を拭い切れない、故にルイズは続ける。
「だって・・・・・・おかしいじゃない。普通は棺桶でなんて寝ないわ、ベッドで寝るものでしょ?」
いくら平民でも棺桶で睡眠をとるなんて聞いたことがない。まさか別世界とやらではそれが普通なのか・・・・・・?


「別におかしくはないさ、私は人間ではない、吸血鬼(ノスフェラトウ)なのだからな」
「へっ・・・・・・?吸血・・・鬼?人間じゃ、ない?」
アーカードはコクと頷く。確認の言が肯定されたことで、ルイズはまたも思考をぐるぐると巡らせる。

 勝手に平民だと思っていた。貴族には見えなかったし、見た目は明らかな少女だ。
故に一度はコルベール教師にやり直しを要求した。しかし人間ではない、見た目こそ少女であるが吸血鬼?
あぁ、思えば本人が化物と言っていたではないか。
結果的にアーカードは異世界人だったけれど、人間の姿で化物と言えばハルケギニアでは限られる。
耳は普通だからエルフではない。であれば残る亜人の化物と言えば・・・・・・吸血鬼ではないか。
異世界人でなかったとしても、化物であるという言と、尋常ならざるオーラから考えれば、平民でないことは容易に推察出来た筈だ。

 それならば棺桶が寝床というのも・・・・・・、とりあえず納得出来る。
異世界の吸血鬼には、きっとそういう習慣があるのだろう。
(な~んだ・・・・・・)
自分は最初ハズレだと思っていたが、どう転んでも当たりを引いていたのではないか。
実際には人間の敵であるエルフや吸血鬼を使役するわけにはいかなかっただろうものの・・・・・・。
一端のメイジとしての実力証明には充分過ぎる成果だ。

 しかし・・・・・・吸血鬼といえば最悪の妖魔とも言われている。
異世界の吸血鬼で多少勝手は違うかも知れない。けれど化物であることに相違ないのは明らかだ。
果たして己に御しきれる存在なのだろうかと、ルイズは自問する。
いや・・・・・・たとえ何者でもアーカードはアーカード。このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔だ。
間違いは起こさない、起こさせない。彼女を信じ、そして自分を信じよう。


 あれやこれやと考えているルイズの首筋に、アーカードは顔を近づけた。
咄嗟にアーカードを両手で掴んで制す。すんごく嫌な予感しかしなかった。
「・・・・・・な、なに?」
「んむ、血を少し貰おうと――――――」
"吸血"鬼である以上、やはり異世界でもそういうところは一緒なんだと。
そう半ば予想していたものの、一瞬思考が空白になった。

「な・・・・・・!?ダメダメダメ、そんなの駄目よ」
「何故だ」
「いやいや何故って・・・・・・だってそんなの、私は貴族だし、人間でいたいし」
吸血鬼に血を吸われたら、グールになることくらいは知っている。
アーカードがどういうつもりかは知らないが、そんなのはご免蒙る。

 しかしアーカードは少しずつ力を込める、ルイズは渾身の力でその進行を阻むもジリジリと近付いてくる。
「別に今はまだ、眷属にするつもりはないから安心せい」
「なによ、今はまだって・・・・・・。というかもしかして血を飲まないと、その・・・・・・死んじゃったりするわけ?」

 アーカードは一旦手を離した、少し名残惜しそうな顔をしていたが気にしない。
ルイズは一息ついてアーカードの言葉を待った。
「別に死にはしないさ、ただ・・・・・・」
「ただ?」
「干からびる」
「・・・・・・」

 場を静寂が支配した。静かな夜だ、異様ともいえるほど。
「まぁ別に誰の血でも構わないんだがの」
「・・・・・・私が駄目なら他の人を吸うつもりなの?」
アーカードは悪びれる様子もなく、「んむ」と首を縦に振り肯定する。

「輸血パックなどがあればそれでもいいのだが・・・・・・」
ルイズは首を傾げて疑問符を浮かべる。尤もアーカードにとってそれは想定の範囲内だ。
「まぁ・・・・・・無いだろうな」
つまりは『文化が違ーーーう』というやつだ。

「う~ん、飲まないとまずい?」
「いや無理にとは言わんが・・・・・・そうだな、とりあえず力は落ちる。結果として主が迷惑を被るかもしれん」


 ルイズは悩んだ、血を飲まないと弱くなる。折角強いっぽいのに弱くなってしまってはそれはそれで困る。
かといって血を吸わせるわけにもいかない。他人の血を吸う使い魔など以てのほかである。
ただアーカードの口振りからすると、飲まなくても死なないようではある。
ハルケギニアの吸血鬼であれば、基本的に吸血は食事そのものであり、それをしなければ死んでしまう。

「ねぇアーカード、あなたの吸血鬼としての特徴を教えてもらえる?」
まずは吸血鬼の違いを聞かないことには始まらない。
ハルケギニアの吸血鬼の特徴は、母から聞いたことがあった。
実際に会ったことあるのかと邪推するほどに、やけに生々しい話だったのを覚えている。

「良かろう」
アーカードは自分自身のことも含めて、詳細を話し始めた。


「う~ん・・・・・・」
アーカードの話は長かった。一度には覚え切れないほどに多種多様な特徴。
特に意味がわからないのは、やれ命がどうの通貨がどうの、やれ拘束なんちゃらがどうの。
尤も、「今すぐ理解せずとも良い」とアーカードは言う。

 とりあえず大まかな差異はわかった。
特に吸血に関して。人間を殺すほどに吸血する必要は無く、また節操がないわけではないこと。
切創などから滴る血を飲むだけでも充分である。処女の血ならば尚のこと良いらしい。
他にもまだまだ違いはあったが、当面に於いて重要なのはそれだけだ。

「では改めて・・・・・・」
と、アーカードは近付く。血を飲むつもりなのだろう。
「待って、なんというかこう・・・・・・やっぱり抵抗あるわ」
「ここまで来てそれはなかろう」
「うっ・・・・・・でも、嫌なものは嫌なのよ。本当に必要になったらその時に、ね?」

 「はっ」とアーカードは短く溜息をつく。
無理やりに迫っても面白いが、また別の邪心が湧いてくる。

「なればしょうがない、血は吸わない。その代わり少し目を瞑ってくれ」
「・・・・・・?目を瞑るだけ??」
ルイズはそう言って、何の危機感もなく目を瞑った。
アーカードは悪戯心の赴くままに、すっと顔を近付ける。


「んっ・・・・・・むぅ!?」
唇を塞がれルイズは目を開ける。
押しのけようとするがその瞬間強引に押さえ込まれ動けなくなる。
二度目のキスであったことが幸いしてか、前と違って頭の中が真っ白にはならず呼吸することはできた。
しかしただのキスからは考えられないほど強烈な快楽がルイズを襲い、すぐ腰が抜けてしまう。
と、アーカードは拘束を解き唇を離した。
恍惚の表情を浮かべ呆然としていたルイズだが、すぐに我を取り戻す。

「ナニするのよ!!」
「ふむ、ハッキリ言って良いのか?」
はっきりと言われたら、さらに赤面するということを見越して、アーカードがニヤニヤと笑う。
改めて言われたらまた恥ずかしくなると、感じたルイズも言葉に詰まる。

「うぅ・・・・・・」
汚された。一度目はまだしも二度目は完全に。自分にそんな趣味は無いと言うのに。
言いたいことは山ほどあったが、ルイズはそれ以上抗議するのはやめることにした。
何を言っても無駄だと早くも悟る。
アーカードは私の反応を見て楽しんでいる、これ以上楽しませるのは癪だ。

 なんだかどっと疲れた気がして・・・・・・否、本当に疲れてルイズは溜息を吐く。
「どうした?」
不思議そうな顔をしてアーカードが聞いてくる。
「アンタの所為よ・・・・・・疲れたの」
「ふむ」
アーカードはただ笑っていた。
自覚があるのかないのか、いや・・・・・・あるんだろうな。


「さて、適当に案内してくれないか我が主」
「案内?・・・・・・今真夜中でしょ」
「そうだな」
「無理よ、寝るわ」
「さっきまで寝ていただろうに」
「誰かさんの所為で、すっっっごく疲れちゃったんだもの」
精一杯の悪態をつくが、アーカードは気にも留めていないようだった。


 とりあえず案内は後日に回し、簡単に場所の説明だけをすることにした。
しかし、結局無理やり詳しい歴史や文化など様々なことを聞かれ、一通り答え終わった頃には朝方になっていた。
目に染みる陽光に目を細めながら、ルイズの短いながらも波乱に満ちた一日はようやくここで終わりを告げ、そして新たな一日が始まろうとしていた。



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