あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ソーサリー・ゼロ第二部-17

前ページ   /   表紙へ戻る   /   次ページ



一六五

 寝台から跳ね起きた君は手早く背嚢をかつぎデルフリンガーを掴むと、眠りこけているギーシュにはかまわず部屋を飛び出し、音の轟く方向へと向かう。

 見晴らしのよい場所を探して廊下を駆け抜け階段を上がるうちに、本丸と尖塔のひとつをつなぐ通廊に出る。
 大人四人がどうにか並んで立てる程度の幅の狭い通廊だが、遠くを見渡せる高さに設けられているし、死角も少ない。
 騒ぎは西側の城壁で起こっているらしく、そちらに眼を向けた君は音の源を見出す。
 城壁の狭間に据えつけられたいくつもの大砲が、火と煙を吐いているのだ。
 それが夜の闇を照らす閃光を発するたびに、耳をつんざく轟音が響き渡る。
 大砲が実際に使われているところを初めて見た君は、その運用の様子を興味深く観察する。
 発射した反動で大砲ががらがらと後退すると、前面に開いた穴から兵士たちが新たな鉄球と火薬を詰めこみ、砲を前へと押し戻して再び狙いをつける。
 なにを狙って放たれているのだろうと今更ながらに疑問を感じた君は、城壁の向こうを見やり――信じられぬものを眼にする!
 月明かりに照らし出されたそれは、おそろしく巨大な人間めいた姿であり、その全身は岩で形作られているようだ。
 腕が異様に長く脚の短い不恰好な体型は、南方の密林に住む大猿を思わせるものだが、その身の丈は百フィートにも達する。
 城壁の大砲は岩の巨人めがけて鉄球を放っているのだが、その巨体の前では蚊が刺したほどにも感じられぬことだろう。
 緩慢な動きで城に近づく岩の巨人を呆然と眺める君は、それの正体を伝説的な怪力を誇る『地の精』の類かと推察するが、その考えは
いつのまにか背後に現れた若い男の声によって否定される。
「たいした岩ゴーレムだな。あれを操る土メイジも、並ならぬ腕の持ち主に違いない」
 そう言って君に近づいてきたのは、ウェールズ皇太子だ。
 部下のひとり――緑がかった茶色のマントをまとった野伏姿のままで、剣を吊るしていることからして平民のようだ――を背後に従えている。
 城が襲撃されているのに防戦の指揮をとらなくてよいのかという君の問いに、ウェールズは
「本気で城を落とすつもりなら、空と陸からの砲撃、ゴーレムやトロール鬼の突撃部隊、そして最後に歩兵という順序でやって来るはずだ。
いかに巨大とはいえ、たった一体のゴーレムで攻めてくることなどありえない。敵の狙いは他にあるはずだ」と答える。
「陽動かとも考えたが、背後の空から艦隊が強襲をかけてくるわけでも、地の底から坑道を掘って奇襲してくるわけでもない。どう思う、レパルス?」
 ウェールズに問いかけられた部下の野伏は、安眠を妨害するための、ただの嫌がらせにすぎぬのではないかと答える。
 君もゴーレムを操る術者の真意について考えるが、ただの嫌がらせや威力偵察(わざと反撃させて敵の防備を調べる)にしては大げさすぎる
――なんの目的があるのだろう?
「竜騎兵を出して、メイジをいぶり出してみますか?」
「やめておけ。残った竜は十頭か……いや、五頭だったな。貴重な戦力をむざむざ危険にさらすことはなかろう」
 そのような会話をするウェールズと部下をよそに、君は岩ゴーレムの動きを注視する。
 次々と浴びせられる鉄球をものともせず岩ゴーレムはじりじりと城に向かって進んでくるが、反撃しようという素振りさえ見せはしない。
 足元の岩を手にとって投げつけるだけでも、城壁の上の兵士たちには有効だろうに。四八へ。


四八 

「敵襲ですか、皇太子殿下」
 背後から声をかけられた君たち三人が振り向くと、そこにはワルド子爵が立っている。
 建物の陰になっているため判然とはせぬが、子爵自身とよく似た背格好の者を背後に数人従えているようだ。
「その通りだ……と言いたいところだが、敵がなにをしたいのか皆目見当もつかぬので、首をひねっていたところだ」とウェールズが答える。
 近づいてきたワルドは、君の姿を見てわずかに眉をひそめる。
「君も一緒だったか……。ああ、ルイズのことなら心配ない。砲声に眼を覚ましたが、危ないので部屋から出ぬように言っておいたよ」
 君にそう言うと、ワルドはウェールズに向き直り、
「殿下、あれの目的はこのニューカッスルの城内を混乱に陥れることです。そしてその隙に乗じて、あらかじめ潜入したある者が任務を果たそうとしているのです」と静かに言う。
「任務? 子爵、きみはなにを知っているのだ」
 ウェールズの問いかけを無視して、ワルドは淡々と語り続ける。
「その者はすでに、三つの任務のうち二つを達成しました。まずトリステインとゲルマニアの同盟を反故にする材料を手に入れ、つぎに、
衛兵どもが持ち場を離れた隙に、アルビオン国王の命を奪いました」
「陛下が……父上が死んだ!? 子爵、きみはまさか!」
 ウェールズは驚きつつも素早く杖を抜き、彼の部下は皇太子の楯となるべく、剣を抜いて進み出る。
「残るひとつは……そう、ウェールズ殿下、あなたのお命です。恨みはございませんが、これも我ら≪レコン・キスタ≫のため。お覚悟!」
 ワルドはそう言うや、腰に差した刺突剣のような形をした杖を引き抜き、呪文を唱えだす。
 それと同時に、彼の背後に控えていた長身の男たちが君たちめがけて殺到する!
 向かってくる敵は四人で、全員がワルドのものと同形の杖を持っているが、刀身にあたる部分が青白く輝いている。
 君は武器を抜いて敵を迎え撃つか(一八七へ)?
 それとも術を使うか?

 HOT・四四一へ
 GOB・四五〇へ
 FOF・三七三へ
 NAP・四三五へ
 RAZ・三五七へ


四四一

 体力点四を失う。
 君は術を使い、掌に燃える火の玉を作り出す。
 突進してくる敵めがけて投げつけると、火の玉は空中で二つに分裂する。
 狭い通廊の上ではよけきれず、先頭に立つふたりがたちまちのうちに炎に包まれぱっと燃え上がる。
 ふたりの男は悲鳴もあげずに倒れ伏すと、そのまま跡形もなく消滅してしまう!
 意外な出来事に眼を丸くする君だが、気を抜く暇はない。
 残りのふたりが輝く刃を振りかざし、君とウェールズの部下に突きかかってくる。
 サイコロ二個を振って、出目の合計を自分の技術点と比較せよ。
 合計が君の技術点と同じかそれ以下なら三〇一へ。
 君の技術点を上回れば一五六へ。


三〇一

 身をよじって必殺の突きをどうにかかわした君は、素早くデルフリンガーを抜き放つと、男を袈裟懸けに叩き斬る。
 相手の顔がワルドと瓜二つだということに気づいた直後、またもや敵は血の一滴も流さずに消えうせてしまう。
 この者たちは人間ではない――それどころか血のかよった生き物ですらないのだ!
「相棒、この手ごたえは≪遍在≫だ! 魔法でこしらえた分身だ!」
 君の手の中でデルフリンガーが叫ぶ。
 残った≪遍在≫のひとり――あるいは一体と呼ぶべきか――は、疾風のごとき突きの連続でウェールズの部下を串刺しにするがその直後、
眼に見えぬ刃に腹を切り裂かれて消滅する。
「使い魔殿、大丈夫か!?」
 ≪遍在≫の一体を風の魔法で倒したウェールズの呼びかけに、君は片手を挙げて応えるが、次の瞬間デルフリンガーが
「相棒、魔法がくるぞ!」と警告の叫びを発する。
 あわてて正面を向くと、ワルドの構えた杖の先から火花が散るさまが見える。
「俺を構えろ!」
 デルフリンガーの声と同時に、君めがけて稲妻がほとばしる!
 運だめしをせよ。
 吉とでれば二八六へ。
 凶ならば二四八へ。


二八六

 デルフリンガーが魔法を打ち消す謎めいた力をもつことを思い出した君は、とっさに魔剣を構える。
 しかし、デルフリンガーの力をもってしても稲妻の威力のすべてを打ち消すことはできない。
 すさまじい衝撃と熱が全身を襲い、君は後ろへと大きく弾き飛ばされる。
 君の服はずたずたに引き裂かれ、利き腕は無残に焼けただれている。
 衝撃とやけどとで、技術点二と体力点六を失う。

 君のぼんやりとした視界に映るのは、腕の傷口を押さえて苦悶の息を吐くウェールズと、彼に杖の切っ先を突きつけたワルドの姿だ。
 どうやら君が数秒だけ気絶しているあいだに、ワルドの突きがウェールズの腕を貫いたらしい。
 君は皇太子を救うために体を動かそうとするが、全身が痺れており腕一本、舌一枚たりとも動かせない。
 うつぶせに倒れこんだまま、なにもできずにいる。
「杖を失ってはもはやこれまででしょう、殿下。これも大儀のため、許しは乞いませぬ」
 ワルドそう言うと、青白く輝く杖の先端をウェールズの胸に突き立て――ようとして、はたと手を止める。
「やめて! やめて、ワルド!」
 少女の悲痛な叫びは、君の耳にも届く。
 眼だけを動かして視界の端にルイズの小さな姿を捉えた君は、来るなと叫ぼうとするが、喉からはかすれた呼気が漏れるばかりだ。
「ル、ルイズ! 部屋から出てはいけないと言ったはずだ! 来るな、来ないでくれ!」
 ワルドは狼狽した声をあげるが、かまわずルイズは君たちのもとに駆け寄り、ぼろぼろになった君の姿を見て息を呑む。
 君がまだ生きていることを確認したルイズは、ワルドとウェールズのあいだに割り込む。
「どうして……どうしてこんなことをするの、ワルド!?」
「彼は反乱軍――≪レコン・キスタ≫の間者だったのだよ、ラ・ヴァリエール嬢。父上だけではなく私をも殺めて、アルビオン王家を地上から消し去るつもりなのだ」
 ルイズの問いかけに答えたのは、苦痛に顔を歪めるウェールズだ。
「ルイズ……ぼくのルイズ。こんな姿を君に見せたくはなかった。薄汚い裏切り者で殺し屋である、ぼくの姿を」
 そう言うワルドの顔は蒼白であり、歪んだ表情はウェールズ以上の苦痛を味わっているかのようだ。
「君にふさわしい立派な貴族になるべく、ぼくは魔法も学問も必死で身につけたよ。その甲斐あって魔法衛士隊長にまで出世したが……どこでどう間違ってしまったのか。
一介の貴族の身では、いや王族ですらけっして手に入れられぬものを追い求めるようになってしまったんだよ」
「それは……いったい?」
「それは≪聖地≫にある……あるはずだ。それを手に入れるためならば、ぼくは悪魔に魂を売ることだって厭いはしない。
ハルケギニアを統一し、エルフどもから≪聖地≫を取り戻そうとしている≪レコン・キスタ≫のために働き、目的を果たさねばならない!」と言うと、
ワルドは悲痛な表情を決然としたものにあらためる。
「さあ、そこをどいてくれ、ルイズ。これ以上、君を巻き込みたくはない。君は自分の使い魔を介抱してやるんだ」
「お願い、やめて! あなたはそんな人じゃなかった! 泣き虫のわたしを、いつも慰めてくれた! なによりも矜持を重んじる人だったわ!」
 大きな眼に涙を湛えたルイズは、膝をついたウェールズに覆いかぶさるようにして、彼を守ろうとする。
「ルイズ、君にもいずれ、ぼくが何故こんなことをするのか、こうも変わり果ててしまったのか、解る日が来る。だから、今は黙って見逃してくれ!」
 懇願するようなワルドの口調が、苛立ったものに変わる。
「どけ、どくんだ!」
 そう叫んでルイズの襟首を掴むとウェールズから強引に引き剥がし、君のそばに投げ出す。

 小さく悲鳴をあげて倒れこむルイズを眼にした瞬間、君の左手の甲に刻まれた≪ルーン≫がぼんやりと発光する。
 それに気づかぬ君だが、全身に奇妙な力がみなぎり、痺れがみるみる薄れていくことはわかる。
 手が動く、脚も動く。
 君のなかに、『ご主人様』を傷つけた者を許してはならぬという単純で凶暴な思考が流れこみ、激しく渦巻く。
 君は跳ね起きると、今まさにウェールズにとどめを刺そうとしているワルドへ、放たれた矢の勢いで飛びかかる。
 ワルドは驚愕の表情を浮かべて
「まだ動けたのか!?」と言い、
君めがけて鋭い突きを放つ。
 サイコロ二個を振って、出目の合計から三を引いたうえで自分の技術点と比較せよ。
 合計が君の技術点と同じかそれ以下なら二七七へ。
 君の技術点を上回ったなら八九へ。


二七七

 手に握られたままのデルフリンガーでワルドの突きを弾き、そのまま反対に突きを加える。
 必殺の一撃だったが、素早く跳びすさったワルドには惜しくも届かない。
 間合いを詰めてふたたび斬りつけるか(一〇三へ)?
 それとも術を使って対抗するか?

 FOG・四九四へ
 FAR・四八一へ
 SIX・三八八へ
 ZAP・三五三へ
 MAG・四一五へ



前ページ   /   表紙へ戻る   /   次ページ

新着情報

取得中です。