話は酒場での結果報告より遡る。
仕事も終わり、意気揚々と帰還している最中だった。
森の中に石造りの建物があった。
森の中に石造りの建物があった。
部屋が一つだけの簡素な造り。
中には朽ち果てた船が一隻。
大きさから見て二人から三人乗りの船だろう。
船体に刻まれていた文字はエンタープライズ、船の名前だろう。
しかし、ギーシュが触るだけで船体が軋み、所によって割れる。
中には朽ち果てた船が一隻。
大きさから見て二人から三人乗りの船だろう。
船体に刻まれていた文字はエンタープライズ、船の名前だろう。
しかし、ギーシュが触るだけで船体が軋み、所によって割れる。
これが、未知の技術で作られていることはすぐにわかった。
なぜなら、風石が無い上によくわからない棒が付いている。
極めつけは中に積んであった黒い塊。
なぜなら、風石が無い上によくわからない棒が付いている。
極めつけは中に積んであった黒い塊。
『魔力変換式空冷エンジン・銀鍵守護機関過渡期Ver.Dr.West』
とりあえず、名前とかそういったものには一切触れないで置こう。
なんだか検閲されそうだし。
よく解らないが、そういったときはあのハゲに聞くのが一番。
というわけで、戦果として持ち帰ることにした。
なんだか検閲されそうだし。
よく解らないが、そういったときはあのハゲに聞くのが一番。
というわけで、戦果として持ち帰ることにした。
やぁ、皆の頼れる紳士、コッパゲ―――違うわ! コルベール先生だ。
初めて活躍した『コルベールをやっつけろ☆』以来、久しぶりの登場です。
初めて活躍した『コルベールをやっつけろ☆』以来、久しぶりの登場です。
横で部屋の片付けをしているのは、古代のゴーレム『労働八号』君だ。
戦闘用としても有用だが、命令に対して忠実なのでミス・ヴァリエールからリースしている。
一ヶ月金貨三枚で有能な秘書を雇うようなものだ。
彼のおかげで研究ははかどっている。
機構こそブラックボックスだが、その技術はいろいろと画期的だ。
ゆかいな蛇君Mk-2の開発も手伝ってくれたし。
戦闘用としても有用だが、命令に対して忠実なのでミス・ヴァリエールからリースしている。
一ヶ月金貨三枚で有能な秘書を雇うようなものだ。
彼のおかげで研究ははかどっている。
機構こそブラックボックスだが、その技術はいろいろと画期的だ。
ゆかいな蛇君Mk-2の開発も手伝ってくれたし。
と、外が騒がしい。
まぁ、私には関係ないが。
まぁ、私には関係ないが。
「なんだ? またコッパゲ関連か?」
「あのコッパゲも変人だからな。だからハゲるんだよ」
「あのコッパゲも変人だからな。だからハゲるんだよ」
よろしい、私情で点数は付けないがイロは付けよう。
それにしても私関連ということはミス・ヴァリエールか?
マントを羽織り、中庭に出る。
それにしても私関連ということはミス・ヴァリエールか?
マントを羽織り、中庭に出る。
黒い塊に、竜騎兵達。
その前にミス・ヴァリエール達。
その前にミス・ヴァリエール達。
「あ、コルベール先生。ちょうどよかった、この人たちに運賃を払ってくれませんか?」
数日間留守にしてようやく帰ってきたらいきなり金よこせですか。
ずいぶん偉くなったものですな。
ずいぶん偉くなったものですな。
「帰ってきていきなり―――こ、これは!?」
目の前に聳え立つ黒い塊。
いや、ただの塊じゃない、これはゆかいな蛇君の発展版だ。
純粋にスケールアップしただけではなく、所々違う部分や用途が不明な部分が多い。
いや、ただの塊じゃない、これはゆかいな蛇君の発展版だ。
純粋にスケールアップしただけではなく、所々違う部分や用途が不明な部分が多い。
―――バラシたい。
そこからの行動は迅速かつ丁寧に行われた。
研究室に戻り、運賃を支払う。
ついでに研究室前まで運んでもらう。
一緒に持ってきていた工具の類も運び込む。
研究室に戻り、運賃を支払う。
ついでに研究室前まで運んでもらう。
一緒に持ってきていた工具の類も運び込む。
そして、ミス・ヴァリエールにアイコンタクトを送る。
―――少なくとも二週間は授業を自習という旨を皆に。
―――了解しました、先生。成果のほうをよしなに。
―――了解しました、先生。成果のほうをよしなに。
アイコンタクト成立。
これだけの研究対象は久しぶりだ。
工具を携え、謎の物体『エンジン』へと戦いを挑みに行った。
これだけの研究対象は久しぶりだ。
工具を携え、謎の物体『エンジン』へと戦いを挑みに行った。
これでしばらくは自由に過ごせる。
チョコボの卵、あの勇敢な赤チョコボが守っていた卵。
残念な結果だったが、あのチョコボのことは忘れない。
チョコボの卵、あの勇敢な赤チョコボが守っていた卵。
残念な結果だったが、あのチョコボのことは忘れない。
卵は馬小屋の端に藁を敷いて、暖めている。
私はその隣でポーションを調合する。
正面にはモンモランシー。
水系統のメイジで、『香水』の二つ名を持っている。
私はその隣でポーションを調合する。
正面にはモンモランシー。
水系統のメイジで、『香水』の二つ名を持っている。
「つまり、十二種のハーブと七種類のビタミンっていう栄養の素、それに泡の出る水を合わせるの」
「泡の出る水って、炭酸ってやつ?」
「泡の出る水って、炭酸ってやつ?」
彼女にポーションの作り方を教えてと言われ、実演している最中。
今作っているのは飲み薬の方、塗り薬もある。
今作っているのは飲み薬の方、塗り薬もある。
ちなみに十二種類のハーブはFFⅩⅡ、飾り瓶で有名な初代ポーション。
七種類のビタミンはFFⅦ、新羅カンパニー瓶の方である。
Ⅶの方はローヤルゼリーとカフェインも含まれているぞ。
七種類のビタミンはFFⅦ、新羅カンパニー瓶の方である。
Ⅶの方はローヤルゼリーとカフェインも含まれているぞ。
いけない、雑念が混ざった。
薬作りに集中。
薬作りに集中。
「でも、こんな水の秘薬聞いたこと無いわ。材料費も安いし」
「ある所にはあるのよ」
「ある所にはあるのよ」
主にタルブ村とか。
そんなことを考えながら、手早くハイポーションとエーテルを合わせてエクスポーションを作る。
同時にエーテルとエーテルドライ、ハイエーテルを作る。
そんなことを考えながら、手早くハイポーションとエーテルを合わせてエクスポーションを作る。
同時にエーテルとエーテルドライ、ハイエーテルを作る。
「もしかすると、秘薬の常識を覆せるかも」
「いや、これだけで十分覆しているし」
「いや、これだけで十分覆しているし」
私はエクスポーションの瓶とハイエーテルの瓶を持ち、ビーカーに注ぐ。
二つの薬をあわせ、出来上がったものをモンモランシーの口に突っ込む。
二つの薬をあわせ、出来上がったものをモンモランシーの口に突っ込む。
「ガボボボボボボボ!!!??」
さあ、効果の程はいかに!?
「殺す気ってあれ? 精神力が回復しているような…」
「体の調子は?」
「あんまり変わらないわ」
「体の調子は?」
「あんまり変わらないわ」
残念、失敗か。
エリクサーが出来れば今後楽になったのに。
エリクサーが出来れば今後楽になったのに。
「ルイズ、今舌打ちしなかった!?」
「してないわ。それよりもポーションを作ってみなさいよ」
「してないわ。それよりもポーションを作ってみなさいよ」
その言葉にモンモランシーはポーションを作り始める。
私はというと、卵を見つめる。
時々動いたり。ヒビが入ったり………
―――ヒビ?
私はというと、卵を見つめる。
時々動いたり。ヒビが入ったり………
―――ヒビ?
て、うわぁぁぁ!! 卵二つともヒビ入ってるし!?
ちょ、ま、シエスタ!?
ちょ、ま、シエスタ!?
「あ、ヒビが入ってますね。この様子だと後五分ぐらいですね」
「うわぁぁ!? いつの間に!?」
「ヒビが入り始めたあたりからです」
「うわぁぁ!? いつの間に!?」
「ヒビが入り始めたあたりからです」
恐るべしメイド、いやシエスタ。
そんなことしているうちに卵のヒビがどんどん大きくなる。
一部の殻が外れ、中から羽毛の色が見える。
そんなことしているうちに卵のヒビがどんどん大きくなる。
一部の殻が外れ、中から羽毛の色が見える。
「こっちのほうは赤、こっちのは黒ですね」
「いずれこの子も岩を落とすのね………」
「いずれこの子も岩を落とすのね………」
シエスタをも一撃で倒す威力の岩など見たくもない。
味方なら別だけど。
ヒビが全体に行き渡り、卵が孵る。
味方なら別だけど。
ヒビが全体に行き渡り、卵が孵る。
「「クエッ!!」」
二匹のチョコボが産声を上げ、誕生する。
「ルイズ様、名前をつけてください」
「そうね、性別わかる?」
「そうね、性別わかる?」
シエスタが二匹の性別を調べる。
その間に名前の候補を決める。
その間に名前の候補を決める。
「赤チョコボがオスで、黒チョコボはメスです」
「だったら―――赤チョコボがシルキスで、黒チョコボはミメット」
「だったら―――赤チョコボがシルキスで、黒チョコボはミメット」
名前が決まったあと、藁で体を拭いてやった。
これからこの子達がどう育つのか、楽しみにしながら。
これからこの子達がどう育つのか、楽しみにしながら。