あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔にはお供がいた

トリステイン魔法学院で春の召喚の儀式が行われている。
順調に行われていた儀式の中で、たった一つだけ問題が起きていた。
ルイズ・フランソワーズが召喚したのが、人間だったのだ。
「なんだ?ここは。今まで供の者と街道を歩いていた筈なんが…」
体格が立派であるが。妙な格好をした男だった。
髪型は男でありながら長髪で結っていて、額には妙なバンダナを巻いている。
服装はトリステインで見たことのないもので、腰にはこれまた見たことのない剣を帯剣していた。
少なくとも貴族の外見ではない。
念のため本人に聞いてみたところ、自分は孤児なので貴族かどうかは判らない。
育ての親は平民だ。丁度、一仕事終えて育ての親の元に返ろうとしていた所、変な鏡が目の前に現れて気が付いたらここに居た。
との事。
使い魔については
「衣食住を保障してくれるなら、引き受けよう」
とアッサリ承諾した。
むしろ、ルイズの方が渋々という感じであった。
「何で平民なんかを…」
まあ、無いよりマシだし、使用人代わりにはなるだろう。
それにコントラクトを済ませないと二年生にはなれないし…
そう考えてこの大柄な平民に、大事な大事なファーストキスを与えたのだった。

だが、ルイズの期待は裏切られた。
その男、ルイズがいくら言って仕事をしない。
下着を洗えと言っても「後で」と答える。
服を着せろと言っても面倒だと言う。
粗末な食事を与えても、元々素食だったので気にしない。
逆に、
「鶏をその様に食べるとは…見てるだけで吐き気がするなぁ」などと言い放つ。
食事を抜きにしてやったら、日がな一日ルイズの部屋でゴロゴロしだして教室にも顔を出さなくなった。
怒って殴ってみても、相手は体格のいい男、ルイズの拳が痛くなるばかり。
ならばと鞭で叩こうとした所、鞭を奪われ窓の外に投げ捨てられた。
キレて爆破してやろうとしたら、杖まで窓の外に捨てられてしまった。
「ああああ、あんたが投げたんだからあんたが取ってきなさい!!!!」
「…後で」
その後数時間、いつ今で待っても取りに行く様子も無く、仕方が無いので誰にも見られぬよう闇夜にまぎれて杖を探すルイズ。
「…種族も最低なら素行も最低……殺してサモンやり直そうかしら?」
真面目に物騒なことを悩み始めたある日、事件は起きた。

その平民が、香水ビンを拾って珍しそうに手で弄んでいた為に、ギーシュの二股がバレてしまったと言うのだ。
挙句決闘を申し込まれた。
近くでそれを聞いたメイドは「あの人大丈夫かしら…」等と心配していたが、
まさかギーシュも殺すまではしないだろうし、大柄で丈夫そうな男だから平気だろう。むしろ、多少痛い目にあって反省した方がいいわね。
だが、またもルイズの期待は裏切られる結果となった。

「僕はメイジなので、このワルキューレが代わりにお相手しよう」
ヴェストリの広場でキザったらしく薔薇の造花を構えたギーシュが言う。
言われた平民は驚いた。
「代わりでもいいのか?!では俺は面倒なので…」
面倒なので…?なに言ってるんだこいつ?殆どの貴族はそう思った。
「こいつに代わりに相手をさせよう」
こいつと言われた物を見て、ギーシュは悲鳴を上げる。
「ヴェ!ヴェルダンデ!?何してるんだ!!?」
平民の足元の地面を突き破ってギーシュの使い魔が現れた。
「ほれ。かかれモグラ」
平民のその一言でヴェルダンデがギーシュに突進する。
哀れギーシュは自分の使い魔を攻撃する事が出来ず、全身引っかき傷だらけになって敗北した。
さらに、決闘の商品として、寝具(ベッド除く)を一式奪われてしまったのだった。

ルイズは自分の使い魔を多少見直した。
他人の使い魔を使役できるとはただの平民ではないのだろう。
だがどうやったのか?
「ただ親しくなっただけだ」と言ってはぐらかされてしまった。
挙句、全然反省していないのでルイズの言うことも全然聞かない。
やっぱり死んだ方が良かったかも。
再度そう考えたルイズだった。


次に使い魔が活躍したのはフーケ討伐の時であった。
悪党の討伐ということで、流石に怠惰な使い魔も、渋々ルイズの言う事を聞いて参加したが、道中馬車の上では寝てばかり。
さらに宿敵ツェルプストーに膝枕されている始末。
怒ったルイズと、それをからかうキュルケと怒鳴り合いを始めても、面倒ごとに首は突っ込みたくないとばかりにタヌキ寝入りされた。

フーケが目撃された小屋に入ると、盗まれたという破壊の杖はアッサリ見つかった。
だがそこをフーケ操る巨大なゴーレムに急襲された。
全員が逃げ出そうとするなか、破壊の杖を持ちゴーレムに戦いを挑むルイズ。
しかし。
「なんで?!何で何も起きないのよ!!」
巨大なゴーレムの巨大な足が、踏み潰さんと小さなルイズに迫る。

後に、その時起きたことを聞いた魔法学院の教師たちは、一様に首を捻ったと言う。


ルイズが踏み潰されそうになった刹那、何かがでゴーレムの足の下に飛び込んできたのだ!
それは馬だった!!
ルイズ一行が乗って来た馬車を引いていた馬が、物凄い勢いでゴーレムの下を駆け抜け、ルイズを咥えて助け出したのだ!!!
………………。
その場にいた全員が我が目を疑った。
いや一人を除いて。
「うむ!無事だなご主人」
ルイズの使い魔が主人に声を掛ける。
「はい?」
馬の口から地面に落とされたルイズは、状況を把握しきれて居なかった。
主人の無事を見届けるとルイズの使い魔は馬車馬にこう命令を下した。
「次はあの化け物だ!行け!!」
信じられないことに、馬車馬によって、30メイルはあろうかと言うゴーレムが、滅茶苦茶に踏み砕かれて、木っ端微塵に粉砕された。
さらに、小屋に残っていた臭いからロングビルがフーケだと突き止めた馬車馬によって、フーケは捉えられた。
詰まる所、ゴーレムもフーケも名も無き馬車馬によって討伐されたのだった。

学園に戻って後、ルイズ、キュルケはシュバリエの称号を。
タバサは精霊勲章を。散々教師たちの頭を悩ませた結果、馬車馬にはサトウキビ50kgが授与される事となった。
因みにルイズの使い魔は、朝食を毎朝部屋に運んでもらう約束を取り付け、満足してさっさと部屋に戻ってしまった。


この討伐劇でルイズは使い魔がどうやってヴェルダンデや馬を操った秘密に気がついた。
あの使い魔は馬車を離れる際、馬に何か食べさせていたのだ。
どう聞こうか悩んだ末に、部屋の床にギーシュから分捕った布団を敷いてゴロゴロしている使い魔にストレートに聞いた。
「ねえ、あの時馬に何を食べさせてたの?」
「あの時?…フーケ退治の時か。これの事だな?」
アッサリ見せてくれた。
それはピンポン玉大の丸薬だった。
何の薬か聞いて見たが、薬ではないとはぐらかされただけだった。


それから数週間、相変わらず怠惰な日々を過ごしていた使い魔だったが、ある日、思いも寄らぬ事件巻き込まれる。
アンリエッタ王女が学園を訪れたのだ(その時、使い魔はルイズの部屋で昼寝していた)。
夜、ルイズが妙にソワソワしている横で、ダラダラ寝転がっていると、アンリエッタ王女がルイズに会いに来た。
一応、姫ということもあって、かしこまったルイズの使い魔。それを横目にルイズとアンリエッタは昔話に花を咲かせ始める。
所が、いつの間にか、戦争中のアルビオンに、アンリエッタ王女が送った恋文を取りに行ってくれという事に成って居るではないか。
ルイズは行く気満々である。
「ルイズの使い魔殿。わたくしの大切な友人を守ってくださいね」
と、姫直々のお言葉。
それに対する使い魔の答えは。
「面倒だから嫌だなぁ」
まさか姫様の命令を面倒で片付けるとは!!
これにはルイズも空いた口が塞がらない。
その後真夜中ごろまで、ルイズとアンリエッタ、そしていつの間にか乱入してきたギーシュに説得されて、渋々行くことになった。


翌日、珍しく早起きした使い魔は厨房で何かを作っていた。
聞けばあの丸薬を作っているとの事だ。
厨房の材料で出来るの?と疑問に思うルイズだが、まともな答えは期待できそうに無いので聞くのは止めた。
ギーシュと、ルイズの婚約者のワルドと合流し、ラ・ロシェールへ。
出発から数十分後、ギーシュは一人馬を走らせ、その上で泣いていた。
その前方数キロの地点を飛んでいるワルドはルイズに聞いた。
「君の使い魔が乗っている馬はどこの名馬なんだ!?グリフォンが追いつけないなんて!」
「ただの…馬車馬です」

途中色々あってタバサとキュルケも合流し、無事到着。
船が出るのが明後日ということになり、丸一日ゴロゴロする使い魔。
翌朝、ワルドが申し込んだ決闘は「後で」と言って一応承諾した。ように見えたが。
ワルドがルイズから、「後で」言われた時はいくら待っても絶対にやらないと教えられたのは、既に暗くなってからであった。

夕食をとっていると謎の傭兵団に奇襲を受けた。
「このような任務は、半数が目的地に辿り着ければ、成功とされる」
ワルドの言い分を聞いてルイズの使い魔が頷く。
「なるほど…おいギーシュ」
「はい!」
「面倒だし、この程度の連中、モグラとお前だけで十分だな」
そう言うと例の丸薬を、床を割って現れたヴェルダンデに食べさせる使い魔。
そしてそのまま残りの全員が行ってしまった。
ギーシュは…その場に一人残され……恐怖ではなく、寂しさで泣いた。


その後、海賊に襲われたり、実は海賊の頭がウェールズ王子だったりしてアルビオンに到着。
アンリエッタの恋文を取り返したはいいが、ルイズに悩み事が一つ。

「ワルド様に結婚を申し込まれたわ…明日ウェールズ様に式を挙げてもらう事になったのよ…」
あてがわれた部屋でゴロゴロしている使い魔に何となく相談してみるルイズ。
こんな奴に言ってもあんまり意味は無いだろうけど、等と思っていたら
「止めた方がいいぞ」
と即答された。


「あいつは実はレンコン何とかの間者で、その目的はウェールズ殿の首とアンリエッタ姫の手紙、ご主人と結婚する理由は虚無の使い手のご主人を良い様に扱いたいからだそうだ」
それを聞いたルイズは…
プッツ~ン
切れた!!
今までただの怠け者だと思ったら、とんでもない大法螺吹きだったのね!!
そのままの勢いで翌日、式を挙げる事になった。
が、途中で使い魔の言葉が気になりだし、やはり式はトリステインに帰ってから挙げようと言って見ると、ワルドが本性を現した。
ワルドのエアニードルに胸を貫かれるウェールズ。
その時ルイズの使い魔は!?
ボケーと見ていた。
「な!何でこうなると判ってたのに助けなかったのよ!!」
「死にたがってる奴を助けるなんて面倒な事はしないよ」
ごもっとも。
そこへ偏在を繰り出すワルド。
スクウェアクラスが四人に対して、こちらはキュルケとタバサのトライアングル二人と、爆発だけのルイズ、そして今まで自分じゃ戦わなかった使い魔のみ。
正に絶体絶命の状況だが、全然焦らない使い魔。
「そちらが四人で来るのであれば…」
そう言って例の丸薬を取り出す。
「こちらはな!一つ食べれば十人力よ!!」
そういって丸薬を食べたのだ!!
「これで四人に負ける筈が無い!!」
「フン」
鼻で笑うワルドたち
「それは…力を増す秘薬か?なるほどガンダールヴに相応しい能力だな。だが!それならば遠距離攻撃すれば済むだけのこと!!」
そう叫び距離をとるワルド。
だがしかし、今正に始まろうとしていた風のスクウェア四人と伝説のガンダールヴの戦いはまったく予期せぬ形で決着を迎えた。
ドカーン!!
突如、
天井を破って、
ワルドのグリフォンが飛び込み、
そのまま偏在たちを蹴散らし、本体のワルドをアッサリと捕まえたのだ!!
「ねぇタバサ?何が起こったの?」
「理解不能」
「ちょっと!!これはどういう事!!?説明しなさい!!」
「何、簡単な事。このグリホンとは来る途中の船で知り合いになっていたのだ。ワルドのたくらみも全てこいつが教えてくれたのだぞ」
それ以上の追求は、誰もしなかった。
その後、縛ったワルドをグリフォンに持たせ、そのグリフォンに乗ったルイズの使い魔と、残りの三人を乗せたタバサの風竜は、何だか釈然としないままトリステインに帰還したのだった。


それから数週間後、ルイズはアンリエッタ王女と成り上がりのアホとの結婚式で詔を詠む大役をまかされていた。
始祖の祈祷書と使い魔の言った言葉から、自分が虚無の使い手と判ったが結局何も浮かばぬまま式当日になってしまった。
だが、突如アルビオンが戦線布告し、現在タルブ村で交戦中との知らせを受け式はとりやめ。
虚無の力を使えば何とかなるのでは?!と考えたルイズはタバサに頼み、風竜で一路タルブ村へ。
だが、そこで見た光景はこれまた想像を絶するものであった!!
神聖アルビオン誇る巨大戦艦レキシントンが、何者かによって撃墜されていたのだ。
見ると、草原に落ちで轟々と炎を吹き上げる船からルイズの使い魔とワルドのグリフォンがやってくる。
「ああああ、あんたいつの間に私たちを追い越したのよ?!!!」
呆れ顔の使い魔。
「三日も前からこの村にいるぞ」
そういえば、詔の事で頭がいっぱいで気が回らなかったがここ数日こいつの顔を見ていない気がする。
何故この村に居たのかと問うと、シエスタというメイドと結婚するため、親の了承を得に来ていたとか。
「何それ?!そんなの初耳よ!!」
「そりゃ当然。言ってないから」
何でも、ギーシュと決闘した日の前の日、シエスタがモットとかいう悪党にさらわれて、手篭めに成りそうに成った所をヴェルダンデと助けたと言う。
「そっちの話も全然聞いてないわ!」
普段怠惰な使い魔も、さらわれたとあっては一大事と飛んで出たそうだ。
だから気づかなかったのだろうと。
なるほど、ギーシュと決闘の時にあのメイドが心配していたのは、こいつじゃなくてギーシュの方だったのか。
「それに悪党のモットって…ジュール・ド・モット伯の事じゃないでしょうね?」
「さあ?モグラにペコペコ土下座していたので、貴族には見えなかったな!」
頭が痛くなるルイズであった。


そんなこんなで色々あって今、ルイズの使い魔はモグラと馬車馬とグリフォンと共にアルビオンで7万の軍勢を待ち構えている。
『何を為さっているのですか?』
馬車馬がルイズの使い魔に聞いた。
「これが無いと、気分が出ないんでな」
そういって使い魔は地面に置いた白い旗指に何か文字を書き始めた。
『七万相手に勝てるとお思いですか?』
ヴェルダンデが聞いた。
「そりゃあ勝てるだろう」
旗に文字を書きながら答える。
「この黍団子は、一つ食べれば十人力、二つ食べれば百人力、三つ食べれば千人力よ。四つ食べればきっと万人力だ!それになあ…」
ふと文字を書く手を止める。
「前の戦いの時も、絶望的な状況から勝利を掴んだのだ」
『前の戦とは何ですか?』
グリフォンが聞いた。
「この国に来る前になぁ」
最後の文字を書きながら答える使い魔。
「犬、猿、雉と鬼の軍勢を退治した時の話よ。よし出来た!イザ出陣だ!!!」
そう叫び駆け出すルイズの使い魔と、お供の三匹。
背中に立てた旗指には大きく

【日 本 一 の 桃 太 郎】

と書かれていたそうな。



こうして、無事七万の兵を蹴散らした桃太郎とお供の者達はアルビオンのお宝を手に入れトリステインに帰り、
桃太郎はシエスタと末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。

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