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愛、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール戦記

某日、某国、某都、某一族の、某屋敷にて。
こんな会話が繰り広げられていたと、某人物は語った。

「お帰りなさい、当主様」
「ただいま、イツ花……ううぅ、流星爆の撃ち過ぎで眩暈が」
「しっかりして下さい当主様。今日は待ちに待った、『あの日』なんですからネ!」
「おお! ということは……来たのか!!」
「はい! 太照天昼子様から新しいご家族を預かって参りました! お喜び下さい!!」
「くー! ついに俺も父親って訳かぁ。何かこう、感無量だな!」
「そりゃアもう、私にとっても初めての子供ですし」
「え?」
「あーいえいえ何でもありませんよー! とにかくまずはバーンとォ! 命名と職業を――あれ?」
「どうした?」
「あれ、いえ、おかしいな……あの子、どこに行ったんでしょう」
「おいおいおいおい。しっかりしてくれよ。――あぁ、居た。あそこだ」
「あ、本当だ。……はて。あんな所に鏡なんてありましたっけ?」
「あー、こらこら。無闇に触るんじゃないぞ――って、うおおっ!?」
「…………あ。れ、れ!? き、消えちゃいましたね……鏡ごと」
「お、俺の初めての子が……」
「私の子でもあったのに……」
「……………………」
「……当主様? あのォ、ちょっと顔色が……あああッ!?」

概ね、こんな感じであったという。


 *


果たしてそれは必然であったのか、それとも偶然であったのか。
それは誰にも分からない。
神のみぞ、どころか神様まで翻弄されているのだからもう、何とも言いようがない。

そんなわけで、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは使い魔の召喚に成功した。
爆煙の中から現れたのは、赤ん坊であった。

ほんぎゃあああぁぁ!!

「……私に、どうしろと」
ルイズはただただ呆然と立ちすくむばかり。
「では、コントラクト・サーヴァントを」
こんな時でも容赦ないのがハゲのハゲたる所以であろうか。
「いや、そんな……そもそも、この子がどこの子なのか、貴族なのか平民なのかも分からないし、
 っていうかこの緑色のイボって何かやばいのでは」
「コントラクト・サーヴァントを」
このハゲめ……今度養毛剤をたっぷりプレゼントしてやろう。お前の飯の中にな!!
――そんな気持ちを瞳に込めて見つめても、このハゲは平然としたもので。
ああ、視線で人を殺せたら……!
ルイズが抱くと、その子は嘘のように静かになった。
……懐いている、のか?
「使い魔……人間を……しかも赤ん坊……一体誰が育てると……私が?」
まさかこの歳で『母親』になるなどとは考えもしなかった。
ファーストキスすらまだなのに……いや、今からしなきゃならないのか。
「……この子の親が見つかるまでの辛抱、と言うわけにはいかないのかなぁ」

こうして、ハルケギニアに降り立った神の子は、『ゼロの使い魔』となった。


 *


そして二ヶ月。
顔馴染みのメイドの手を借りつつも懸命に育児に励むルイズの姿には、
見る者の心を揺さぶる何かがあった。
「寝て起きて、泣いて笑って漏らして泣いて。……まったく、赤ちゃんってのは本当にタチが悪いわ」
そう愚痴るルイズであったが、その顔は確かな充実感に溢れていた。

――だが、突然始まったルイズの子育て奮闘記は、これまた突然に終焉を迎えた。
別にルイズが育児放棄した、とか虐待の末に殺してしまった、とかそういう生臭い話ではない。

「お帰りなさいませ、母上」
「……ん、ただいま」
いやはや。子供というのはあっという間に大きくなると言うが、この子はまた格別にして別格である。

……あっという間に赤ん坊ではなくなってしまった。

「今日は留守番をしている間、ずっと『杖の指南』を読み耽っておりました。
 素晴らしい本です! 何やら、読んだだけでメイジになれたような気がしますネ!!」
「あー……ええと。うん。わざわざ取り寄せた甲斐があったわ」
「はい!」

しかも、ルイズの身長を追い越してしまった。
いくらなんでも異常だろとか、こんな言葉遣いどこで覚えたんだとか、本当にメイジになってしまったらどうしようとか、
何かもう突っ込む気も起こらない。


 *


さらに二月。
……本当にメイジになってしまった。あとついでにルイズが『虚無』に目覚めた。

この二つの事実から導き出される結果は。以下参照。

「ルイズの術『エクスプロージョン』の併せ、始め!!」
「ルイズの術『エクスプロージョン』の併せ、2人目!!」
「『エクスプロージョン』の併せ、3人目!!」
「『エクスプロージョン』の併せ、4人目!!」
「5人目!!」
「6人目!!」

……

「ルイズの術『エクスプロージョン』!! 13人併せて効果25倍!!」

…………

「え? 巻物があって、心と技が充実すれば、魔法なんて自然に覚えられるものでしょう?」
巻物が無いなら作ってしまえばいいじゃない。魔法学院なんだし。
……そういうものだろうか。
「さすが母上! 素晴らしい術です!!」
「あぁ、えっと、うん。ありがとう……うん」

こんなんでいいのか世の中。


 *


さて。

「母上。私は実はこの世界の人間ではありません」
「えっ……うん。なんとなくそんな気はしてたんだけど」
「元の世界に戻り、都を荒らす鬼を退治しなければならないのです」
「なんかどこかで聞いたような話が混ざってるような気がする」
「さもないと子供も作れない上に、一年半程度しか生きられないというオマケ付きで」
「……そういう重要な事は最初に言いなさいね」

そんなノリで物語は唐突に急展開を迎えたわけですが。
果たしてルイズの選択や如何に。


 *


某日、某世界の某国、某都、某一族の、某屋敷。
某女中が概ねこんなことを語ったとか、語っていないとか。

「聞きましたよ、当主様!! 私が昼寝してる隙に出陣されて、
 朱点童子まで倒してきちゃったンですってね!?
 まったくもォ……そんな大事な話を今まで秘密にしておくなんて
 人が悪いですよ、プンプン。
 で、結局、朱点童子はどうなっちゃったンですか?
 イツ花にもお聞かせくださいまし」

――それはそれとして。
同じ頃、近辺で桃色の髪の少女を先頭とする謎の一団を目撃した、と言う未確認情報が数件寄せられているが、
別にだからどうしたという話ではない。


ハルケギニアは、今日もそれなりに平和である。
ハルケギニアではない方も、同じ程度には平和である。


どっとはらい。

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