あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ルイズと無重力巫女さん-04


「失礼しますオールドオスマン、大変なことが起こりました。」
オスマンがパイプを吸っているとドアをノックして秘書のミス・ロングビルが入ってきた。
「何なんじゃミス・ロングビル。その大変なこととは?」
「決闘です。」
その言葉を聞いたオールド・オスマンは口にくわえていたパイプを口から出し、大きくため息を吐いた。
「ふぅむ、どうしてこう最近の若者は血気盛んなのかのぉ…?して一体誰が?」
「はい、あのグラモン元帥の息子ギーシュ・ド・グラモンが……ミス・ヴァリエールの召喚した変わった服を着た少女に…。」
「何?」
【ミス・ヴァリエールの召喚した変わった服を着た少女】という言葉を聞いたオスマンは目を丸くした。
「ヴェストリの広場で決闘が行われるようですがどうします?」
「……わかった。とりあえずミス・ロングビルは広場の方に向かってくれ……それとここにミスタ・コルベールを呼んでくれんか。」



ミス・ロングビルがこの部屋を出てから数分後に、ミスタ・コルベールがドアをノックせずに慌ただしく部屋に入ってきた。
「オールド・オスマン。ミス・ロングビルから聞きましたが決闘とは本当ですか!?」
そのまま口づけしてしまうような距離まで迫ったコルベールを両手で押しとどめながら持っていたパイプを机に置いた。
「まぁまぁ落ち着けミスタ・コルベール。今から『遠見の鏡』で見るところじゃ。」
そういってオールド・オスマンは小さい置き鏡を机に置くと杖を振った。
その鏡に今のヴェストリの広場が映し出された。二年生が円を作り、ギーシュを囲んでいる。
「しかし大丈夫ですかねぇ…」
不意にコルベールが呟いたので。オスマンはコルベールの顔を見た。
「君はあの子の事を言っているのか…?それともグラモン家の息子?」
その言葉を聞いたコルベールは窓の外に目をやった後オスマンの方に顔を向けた。
「あの少女が果たしてうまく加減してくれるか心配ですよ。」
最初にあったとき、ルイズの足下目掛けて投げられた針を見てコルベールは「戦いに慣れている」と判断していた。
そんな者と二年生の中ではなかなかの実力者であるが戦い慣れしていない生徒が戦うのだ。
オールド・オスマンは不安がっているコルベールに顔を向け「大丈夫じゃ。」と言った。
「心配には及ばんじゃろうて。……では早速あの少女が本物の『ガンダールヴ』なのかどうか見せて貰おうじゃないか。」
オールド・オスマンはそう言い鏡の方に向き直った。



「諸君、決闘だ!!!!」
先にヴェストリの広場に着いていたギーシュは手を高らかに上げるとそう叫んだ。
それにつられその場にいた二年生達は歓声を上げた。
それから数秒後に上空から霊夢が降りてきてギーシュの目の前に立った。
「随分とまぁ…。こんなに野次がいると決闘というよりまるで見せ物ね。」
周りの異様な熱気に霊夢は嫌な目で辺りを見回す。

「舞台は整った。皆の者、静粛に!」
ギーシュが左手を高々に上げてそう言うと歓声を上げていた生徒達は一気に静まりかえった。
彼は左手を下ろすと右手に持っている薔薇の造花を振った。
するとどうだろう、地面から体が青銅で出来た一体の戦乙女、ワルキューレが現れた。

「君が負けと言ったら僕の勝ち。逆に君が僕の手に持っている造花を取ったら君の勝ちだ。」
霊夢は針を取り出して両手に持ち、ワルキューレとギーシュを見据えた。
「ちなみに僕の二つ名は「青銅」、「青銅」のギーシュ・ド・グラモン。」
大袈裟に右手を掲げながら名乗るギーシュに霊夢はつまらない物を見るかのような目で見つめていた。
「僕はメイジであるが故肉弾戦には自身がない、だからこの青銅で出来たワルキューレを操り君と戦う…異議は無いかね?」
「無いわよ。」
「それは結構………そうだそうだ、勝者は敗者に一回だけどんな命令でも下せるというサービスも追加しておこうか。」
ギーシュは薔薇の造花を持った右手を空高く掲げて――――

「グラモン家の息子。ギーシュ・ド・グラモンの力を見せてあげよう!」

振り下ろし、それを合図にワルキューレが霊夢目掛けて突撃した。


(来る…!)
ワルキューレは攻撃範囲に入ると右手で握り拳を作り、殴りかかるがそれに対し霊夢は地面から少し足を浮かせ――ホバリング移動というものである――で後ろに下がった。
(力はあるけど攻撃パターンは単純ね。)
隙が出来たワルキューレ目掛けて左手に持った針を全て投げた。
針はワルキューレの胸と肩の部分に命中したがワルキューレは二、三歩後退っただけに終わった。
霊夢はホバリング移動を止め着地すると今度は右手に針を持つ。


周りの観衆が霊夢の素早い攻撃と無駄の無い回避動作に オオッ! とざわめく。
「ん?なかなかやるようだね…。ならこちらは武器を出そう。」
そういってギーシュはワルキューレを自分の所にまで下がらせると薔薇の造花を振り、地面から出した青銅の短槍をワルキューレに持たせて再び突撃をさせた。
ワルキューレは素早い動作で突いてきたが霊夢はそれをジャンプして避けると右手に持った針をワルキューレの頭上から全て投げた。これは頭部に当たった。

頭部に針を喰らったワルキューレは持っていた槍を手放して大きくよろめき、地面に片膝を下ろした。
(よし、まずは一体!)
霊夢はワルキューレの動きが止まるのを確認するとギーシュの方に体を向ける。
ギーシュは新しく三体のワルキューレを生み出しており、三体とも手に青銅の大きな盾を両手に持っている。
(周りを固める気ね…!なr…)
瞬間、背中から物凄い衝撃と痛みが襲い、霊夢は地面に激突した。


「どうやら君を見くびっていたようだ。少し本気でいかせて貰う。」
ギーシュは薔薇の造花を霊夢に向けて言った。
霊夢は地面に寝そべったまま背後を見てみると倒したはずのワルキューレが前進ハリネズミ状態で立っていた。
(油断した…!相手はゴーレム=動く石像…つまりあれは一時的な停止か…!)
なんとか痛みを堪え立ち上がった瞬間、ワルキューレが青銅の体とは思えない軽快な動きで飛びかかった。


「今から本気…?……私はてっきり…今までのが本気だと思ってたんだけどっ……。」
霊夢は痛みに堪えながらも皮肉たっぷりに言い返すと足を浮かせて距離を取って攻撃をかわし、針を再び両手に持ち一斉に投げた。今度の目標はワルキューレではなくギーシュである。
針は数十本。ギーシュは針だらけのワルキューレを急いで自身の元に駆け寄らせ盾を持たせているワルキューレを前面に出し、持たせていた盾で防ぐ。
ギーシュは反撃しようとしたが息づく暇もなく再び襲い掛かる針が数十本、盾でまた防がせる。
3回目の針の弾幕は先ほどよりも広範囲で迫ってきたため。思わず全てのワルキューレを前面に出して防いだ。


針が止み、ワルキューレを自分の側面に配置させた後にギーシュは気づいた。
霊夢が彼の目の前からいなくなっていたことに。
そして何が起こったのかわからなくうろたえているギャラリー達。

「………一体何処に…「ギーシュ後ろだ!!」何?……っ!?」
外野から聞こえたマリコルヌの声と同時に、ギーシュの背中に霊夢の飛び蹴りが炸裂した。
吹き飛ばされたギーシュは地面とキスし、体中土まみれになりながらもなんとか立ち上がり口の中に入った土を ペッペッ と吐いた。
(い、いつの間に…!)
少なくとも彼にはあの少女が素早く自分の背後に移動できたとは思えなかった。
蹴りを食らうまで全く気配がつかめなかったのだ。

「さっき殴られたお返しよ。」
霊夢は地面に降り立ちそう言い、頭に付けている大きな赤リボンの中から札を数十枚取り出して勢いよく投げた。
投げられた札は一瞬にして空色の半透明状の薄い板になった後、扇状に広がった。目標はギーシュと周りのワルキューレである。
「くぅっ!ワルキューレ!!」
ギーシュは急いで全てのワルキューレ達に前面を固めさせるがここで驚くべき事がおこった。

先ほどまで針に耐えていたワルキューレ達と青銅の盾は半透明状の薄い板にあっさりと粉砕されたのだ。

誰もがその光景に驚く前に、ギーシュは咄嗟に身をかがめ。そのまま通り去った板はギーシュの後ろにある城壁と激突した。
城壁は大爆発を上げて粉砕した。ルイズよりもすごい爆発である。
(な、なんだよあれは…!あんな攻撃聞いてなi……痛っ!?)
杖を持っている右手に鋭い痛みが走った。
ふと上を見てみると自分の杖である薔薇の造花は目の前に立っている霊夢が右手に持っていた。

「チェックメイト、と言ったところかしら。」


ギーシュは顔を俯かせると「負けだ…。」と小さく呟いた。
それを聞いた霊夢は小さく息を吐くと薔薇の造花を空高く放り上げた。
放り上げた薔薇の造花は空中で四回転をし、ギーシュの座っている横の地面に突き刺さった。
「確か勝者は敗者に一回だけ命令を下せるんだっけ?ならねぇ…。」
霊夢は顔に少し笑みを浮かべて頭を捻った。
「あぁ…。(あんなこと言うんじゃなかった。)」
ギーシュはどんな事を言われるのか恐怖してガタガタと震えていた。
そして霊夢はギーシュと目を合わせて命令を言った。

「アンタが馬鹿にしたルイズと今まで付き合ってた女の子達に謝ってきなさい。」

「…………は?それだけ?」
あまりにも予想外な命令にギーシュは口をポカンと開けた。
「それだけよ。なに?満足いかないの?なら顔面一発殴らせろっていう命令にするけど?」
霊夢は悪魔の様な笑みを浮かべ握り拳を作る。
「いえいえいえ!是非謝らせてください!いや本当におねがい!」
ギーシュは首を横に振りながら大急ぎで広場を抜け出していった。

その後霊夢はワルキューレに殴られたところを手でさすりながら広場を後にした。
広場から少し離れた通路の柱の影で決闘を見ていたオールド・オスマンの秘書であるミス・ロングビルはその場から離れ明かりが灯っていない通路の奥へと消えていった。

「ふぅむ…。」
オールド・オスマンは杖を振り『遠見の鏡』をしまうと横にいるコルベールに顔を向けた。
「ミスタ・コルベール。さきほどの少女が出したアレ…どう思う?わしには未知の魔法に思えたのだが。」
「私もです。オールド・オスマン…しかし詠唱無しで出すとは…さらには瞬間移動まで…。」
二人は先ほどの攻撃魔法に驚かされていた。
杖はおろか詠唱無しであのような破壊力を持つ魔法を出した少女に。
「のぉ…ミスタ・コルベール。わしはアレを失われし『虚無』の魔法と思うのだが?」
「えっ!あの失われし系統の魔法…しかし唯一それについて書かれている本にはあのようなことなど…。」
「『書を捨てよ、町に出よう』と言うことわざがある。字で知るより実際に見て知る方がいいのじゃ。」

それを言ったオスマンは机で寝ているモートソグニルの体を静かに撫でながら心の中でぽつりと呟いた。

(先ほどの瞬間移動…あの少女何者じゃ。そしてそれを召喚したミス・ヴァリエールも…)

ふとコルベールの声がオスマンの耳に入った。

「しかし、『ガンダールヴ』の特徴は見れなかったものの、もしあれが本当に『虚無』の魔法ならばミス・ヴァリエールは……早速王室にこのk」
コルベールが言い終わる前にオスマンはコルベールの口を自らの手の甲で塞いで言った。
「いや、それはよせ。今の王室の貴族どもは戦争をしたがっておる。そんなことを報告したら奴らはなにをしでかすか…。」
と、そのとき部屋のドアからノックの音が聞こえてきた。

そっとオスマンは手をどかすと机からパイプを取り出し口に入れた。
「………この件はわしと君だけの秘密じゃ?いいな。」
「は、はい。では失礼しますオールド・オスマン。」
そういってコルベールは部屋を退室し、代わりにミス・ロングビルが入ってきた。
「オールド・オスマン。先ほどの決闘で粉砕された城壁は如何いたします?」
次にオスマンは修理代の事で頭を抱えることになった。


「いやぁ~、それにしてもさっきの決闘はいいものを見れたわね。久々に興奮したわ。」
そういってキュルケはドア付近からベッドで本を読んでいる青い髪の女子生徒の側に寄った。
今キュルケがいる場所はタバサという同級生の部屋であちこちに本が積み重ねられており全て彼女が読破した物だ。
たまにキュルケはこうして暇になればタバサの部屋に来て本を読んだりタバサとお話ししている。
「さっきの瞬間移動。」
タバサは微かに聞き取れる程度の声でそう言うと読んでいた本を閉じ窓の外を見ながら先ほどの光景を思い出していた。
針を数十本投げた後突如彼女の姿が掻き消え、数秒後にはギーシュの背後から蹴りを食らわしていた。
今まで様々な魔法を見てきたがあのような瞬間移動は生まれて初めて見た。
部屋に帰ってきてからありとあらゆる魔法関連の書物を読みあさり。先、魔法について書かれている本も読んだが瞬間移動については書かれていなかった。
「あぁ、あれは凄かったわね。あれであの紅白ちゃんがあの子の言うことを良く聞ける子だったらルイズも満足してたかしら?」
「………紅白、ちゃん?」
タバサは初めて聞いたその言葉に首を傾げた。

「あぁ、さっき私が決めたのよ。良いあだ名でしょ?」
「私にとってはナンセンス。」

そういってタバサはベッドから降りるとドアの方へと歩いていく。

「そろそろ夕食の時間。」
「あぁそうだったわね。今日は何かしらね~♪」

キュルケはスキップしながらタバサと共に食堂へと向かっていった。


「なぁモンモランシー許してくれよ!もうこれからは君一筋で…ごふっ!!」
「あんたみたいな女たらし信用できるわけ無いでしょ!?」
「だからって鳩尾蹴りはないよモンモランシー…。」




霊夢がルイズの部屋に帰ってきたのは夕食間近になってからであった。
決闘の後霊夢は暇なので空中散歩をしていたという。
一方のルイズは霊夢に手を振りほどかれてから部屋に戻って不貞寝していたらしく、数十分前位に起きたと言った。
「……ギーシュが謝りに来たわ。」
ベッドに座っているルイズは窓から二つの月を見ている霊夢に話しかけた。
「なんて?」
「「君に魔法の才能が無い「ゼロ」のルイズ…って言ってすまない。」って……。」
「そう、良かったじゃない。」

ルイズは一度顔を俯かせると顔を上げて霊夢にもう一度話しかけた。
「あんた、どこか怪我してない?」
「別に…何処も怪我してなんか無いけど。」
霊夢は素っ気なく答えた。
それを聞いたルイズはベッドから立ち上がり霊夢の傍によると袖首を引っ張った。
「うわっ!何するのよ!?」
「いいからちょっと背中見せなさい!」
霊夢はルイズにされるがまま服とその下に付けていたサラシの背中部分を取られた。
彼女の背中には大きくとも小さいとも言えない大きさの痣が出来ていた。それはワルキューレに殴られた時に出来た傷である。
「全く…キュルケが言ってたのは本当だったのね…。」
ルイズは大きくため息を吐くとタンスから小さい缶を取り出すと中から独特な香りのする薬を指ですくい、霊夢の背中に出来た痣にすりこんだ。

背中に薬を塗られている霊夢は背中から急に発した痛みに目を瞑った。
「いたっ!!なによこれ…。」
「我慢しなさい、痣を早く直せる秘薬だから。その代わり凄く痛いけど…」
「ならもうちょっとゆっくりしなさいよ…テテ。」
霊夢は小さく唸りながらもルイズに秘薬を塗って貰った。





「ハイ終わり……。でもあんた良く耐えたわね?大の大人でももうちょっと大きい声出すけど。」
ルイズは薬がはいった缶をタンスに戻しながらベッドに座ってサラシを付け直している霊夢に聞いた。
「これくらいの痛みなら……少しくらいは耐えれるわ……いてて。」
「もう…同居人が部屋の主を心配をさせてどうすんのよ。」
ルイズが頬をふくらませながらベッドに座っている霊夢の顔を見た。
霊夢はジト目でルイズに言った。
「……アンタは自分のこと馬鹿にされて痛くも痒くもなかったの?」
それを聞いたルイズはムッとしたような顔をしてこう言った。

「そりゃ確かに腹立たしかったけど…。あんなのもう慣れたわ。」
ルイズはそう言うと椅子の背もたれに掛けておいたマントを手に取って背中に付けると指をパチンと鳴らして蝋燭を消し。
ドアを開けて霊夢に顔を向けた。
「そろそろ夕食の時間よ。というかアンタ歩ける?」
霊夢は「大丈夫」と言うとそのままスクッと立ち上がり
ドアを開けて外に出たルイズの後を付いていった。


食堂へと行く途中。ふとルイズが霊夢に話しかけた。
「アンタって…元いた世界で巫女をやってたんだっけ?」
「そうだけど?」
「その巫女さんの仕事って何だったの?」
その質問に霊夢は頭を掻きながら答えた。
「そうねぇ~、一日一日をのんびりと有意義に過ごして…なにか異変が起こったときはそれを解決しにいく事かしら。後結界を張る仕事ね。」
「その異変とやらを解決する時はいつも一人で解決してたの?」

「いや、いつも一人くらいはついてくる奴がいて。つい最近二人がかりでとある異変を解決した事もあったわ。」
「へぇ…。」
それで会話が終わると思ったがルイズが一呼吸置いて口を開いた。

「あんた。なんであの時ギーシュに話しかけたの?」
「あの時?あぁ、あいつが女の子二人に振られた時ね。」
霊夢もルイズと同じく一呼吸置いてこう言った。
「うーん…「厄介事に首を突っ込んでしまう性格」ってやつかしら?そういうものよ。」
ルイズは小さくため息を吐いて呆れた風に言った。
「あんたよくそれで長生きできるわね。」
「こう見えても体力と素早さには自身があるわよ。」

既に食堂の入り口は目の前であり二人は軽く笑いながらも中へと入っていった。

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