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Zeroの使い魔

 ――アルビオン軍、その数7万。
 対するは一騎。虚無の守護者。虚無の盾。ガンダールヴ。

 勝ち目なぞ、最初から無かった。
 自明の理だ。ゆえに、後悔は無い。
 突貫し、暴れまわり、少しでも長く敵をひきつける。
 捨て駒だ。
 自覚していた。
 自覚した上で、それを――。
 それを、彼女に任せるわけには、いかなかったのだ。

 傷ついた身体をひきずって、少年は立ち上がる。
 怪我をしていない場所を探すほうが大変なありさま。
 あちこちに矢が突き刺さり、剣で切り裂かれた傷もある。
 そして何より、魔法の直撃を受けた腹部。
 ロクな医療知識なぞない、彼でもわかった。
 そこから流れ出た血は、もはや致命的な量に達している。

 ――だけど。

「おでれーた!凄い眺めだなぁ、相棒。
 この数相手に一騎駆けなんざ、古今東西、どんな英雄もやった事ァ無いぜ!
「……なんで俺、こんな事やる嵌めになっちまったんかなぁ」
「そりゃおめぇ……言っちまったんだろ? 好きだって」
「……まあな。
 なあ、デルフ。……俺、死ぬよな、これ」
「多分な。まず間違いなく」
「だよなぁ……」
「ま、どーせなら格好つけようぜ」
「……そーだな。勿体無いもんな」
「そーだ。勿体無いぜ」

 ――だけど、愛剣と軽口を叩いて、少年は笑った。
 その身を犠牲にしても、守るべき大義のある男の顔だった。
 覚悟を完了した男の笑みだった。

 魔剣を握る。

 遥か昔、恐らくは同様の気持ちから主人を守ったのだろう男の持っていた武具。
 それは出会ってから数ヶ月しか経過していないというのに、少年の手にも良く馴染んだ。
 ――それで十分。

 後ろには守りたい奴がいる。
 目前には倒すべき敵がいる。
 傍らには一緒に戦う相棒だ。

 文句なぞある筈もない。

 だから、平賀才人は笑った。
 それが恐怖をこらえた為に引き攣った顔でも。
 怯えを押さえ込めず手が震えてしまっていても。
 それでも。
 ――それでも。
 世界中の誰だって、彼を笑うことはできないのだ。

「――今夜は、死ぬにゃあ良い日だ」

 たった一騎。七万へ挑む、少年。

 彼の周囲を包囲した魔法使いたちが、致死的な威力を持つ光を杖に灯し、それを彼目掛けて放とうとする。

 ――その、刹那。

「……なんだ、アレは!」

 アルビオン軍に、戦慄が走る。
 轟音。爆音。風を切る唸り声。

 そう、覚えている。
 彼らは、その身をもって味わった。
 そうだ、あの時の大敗は覚えている。

「龍の、羽衣? いや……だが、この音は――」

<<よう、サイト。――まだ生きてるか?>>







 ……………数時間前。

「撤退、ですか」

「……はい、陛下。
 このまま正面からぶつかっても、我々に勝ち目は――」

「その為に一人の少年を犠牲にして」

「……彼はガンダールヴで、そして平民ですよ」

「その平民に総てを託さねばならない。
 ――挙句見捨てたとなれば、末代までの恥。
 貴族としての誇りを失うことは、死も同然ッ」

 幕僚からの報告を聞いていた王女は、なおも言い募る彼を視線一つで黙らせる。
 かつて姫殿下と呼ばれていた頃とは、まるで違う、剣呑な瞳。
 そう、彼女は今までずっと、夢を見ていたのだ。
 幻想の中にいた。
 それが赦されていた。彼女の周囲の世界は優しかったから。

 ――だが、それができなくなった。

 いつからだろう。
 自分が政略結婚をしなければならないと悟った時か。
 淡い恋心を抱いていた相手が死んでしまった時か。

 それとも。

 それとも――親友の想い人が、たった一人で死地に挑むと知った時か。

 覚悟というものは人を変える。
 それは、たとえ王女といえど。

「――私が、総ての責任を取ります。
 ……魔法学園に、連絡をとってください」



 ――トリステイン魔法学園。

 この学園には、古くから伝わる、ある伝統があった。
 魔法使いが一生を共にするパートナー。
 俗に使い魔と呼称される存在を、生徒に召還させるのである。

 無論、通常は小動物をはじめとする小さな生物であり、
 極稀に稀少種族が召還されることがあるが、
 それだとて”奇妙”と思われるようなことはありえない。

 だが、今年の使い魔召還は、確かに”奇妙”といわざるを得なかった。

 ――召還されたのは、人間だったのだ。

 ”ゼロの”ルイズと呼ばれる劣等生の少女。
 後に虚無の使い手と判明する彼女が、 サイトという平民を召還したのは良い。

 だが、他の生徒。
 一年生58人全員が人間を召還するなどというのは、
 魔法使いという概念が生まれて以来、前代未聞の珍事である。

 それも、ただの人間では無かった。
 彼らは「騎士」だったのだ。
 敵味方に別れていたとは言え、同じ戦場で戦った英傑たち。

 平穏の時代が過ぎ去り、戦乱が世界を覆い尽くした今。
 この学園を「学園」と呼称する人間は少なくなった。

 ある者は尊敬をこめ。
 ある者は畏怖をこめ。

 ――「円卓」と呼んだ。



≪管制塔了解、至急応援部隊を送る≫

≪ガルム隊、以後は空中管制機の指示に従え≫
≪撤退は許可できない≫

≪だろうな、報酬上乗せだ≫
≪お財布握って待ってろよ≫
≪姫様からの伝言。アルビオンの財布から支払う、とのこと≫
≪姫さんも随分性格変わりましたね。まぁ良いや、さあ行くか!≫
≪で……どうしてもついてくる気か、PJ?≫
≪あいつ、学園に恋人がいるんスよね。帰ったらプロポーズするって言ってたんだ。花束も買ってあったりして≫
≪仕方ないな。……落ちるなら俺の眼の届かない場所で頼む≫
≪了解!≫


――アルビオン戦争には謎が多い


≪ロト1より各機へ≫
≪アルビオン狩りだ≫
≪全部落とすぞ≫
≪ラージャ≫


誰もが正義となり

誰もが悪となる

そして誰が被害者で

誰が加害者か

一体『平和』とは何か


≪俺たちがこの世界に呼ばれたのは、この時の為だったか≫
≪アルビオン軍を確認。合計7万≫
≪ソーサラー1から全機へ、最大推力であたれ≫
≪サイトを無事に連れ戻してやる≫
≪本物の「魔法使い」とはどんなものか、連中に教えてやれ≫


 有り得ない出会い


≪シュヴァルツェ1より各機。まさか「ハゲタカ」にまでお呼びがかかるとはな≫
≪隊長が魅惑の妖精亭でバイトしてたルイズちゃんに手ェ出したからでしょ≫
≪まったく、胸にチップいれようとするから……≫
≪良いんだよ。可愛い子を泣かせたりは、したくないだろ?≫


 変わる運命


≪状況を確認≫
≪こちらグリューン2、相手は七万だ≫
≪……楽しませてもらおう≫


 変われない世界


≪ゴルト1より各機、状況を開始する≫
≪国境は要らない。――境界を無くせば世界は変わる≫
≪アルビオンの奴らに我々の正義を示すぞ≫


 ――その中にあって


≪シュネー1より各機、敵戦力を確認した≫
≪アルビオンの竜騎士を蹴散らす≫
≪全機、槍を放て≫


 彼らは飛び続けた。


≪ゲルプ2。不愉快なアルビオン軍を食い止める≫
≪私たちは、その為にこの世界に来たのですから≫


 ――全ては


≪インディゴ1より各機≫
≪アルビオン軍を確認≫
≪敵航空戦力は微少、対地攻撃に集中≫
≪攻撃を開始する≫


 一人の英雄と


≪戦場が混乱しています≫
≪私の生徒を救出する、ついてこい≫
≪了解、ボス≫


 一本の魔剣と


≪こちらウィザード1、アルビオンが網にかかった≫
≪ウィザード5了解≫
≪目標補足、その数七万≫
≪前方より接近中≫
≪問題ない。オメガ大隊よりは少ない≫
≪では始めよう≫


 一人の少女の為に


≪受け入れろよルイズ、これが戦争だ≫

≪ガンダールヴがなんだ!俺がやってやる!≫

≪生き残るぞ、ガルム1!≫



――――人は彼らを『円卓の騎士』と呼んだ




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