それぞれが移動手段を講じて出発する。
キュルケとタバサはシルフィードに乗り、ギーシュとシエスタは馬。
ルイズはワルドのグリフォンに乗っていた。
キュルケとタバサはシルフィードに乗り、ギーシュとシエスタは馬。
ルイズはワルドのグリフォンに乗っていた。
「ワルド様、少しペースを落としましょう? 闇雲に急げばいいわけではないのですし」
出発から三時間ほど、シエスタはともかく、ギーシュはへばっていた。
それならば仕方が無いな、と一旦地上で休憩とする。
それならば仕方が無いな、と一旦地上で休憩とする。
シエスタが日傘とシートを広げ、準備してあったポットから紅茶を淹れる。
それに舌鼓を打ちつつ、周囲を見やる。
三時間ぶっ通しで駆け抜けただけあって結構遠くまで来た。
ギーシュは寝転がって腰を押さえ、タバサはシルフィードの背中で本を読み続けている。
キュルケはシルフィードを撫でて、水を飲ませている。
ワルド様はグリフォンを労いながら周囲を警戒している。
それに舌鼓を打ちつつ、周囲を見やる。
三時間ぶっ通しで駆け抜けただけあって結構遠くまで来た。
ギーシュは寝転がって腰を押さえ、タバサはシルフィードの背中で本を読み続けている。
キュルケはシルフィードを撫でて、水を飲ませている。
ワルド様はグリフォンを労いながら周囲を警戒している。
穏やかな時間が流れる。
と思ったらその五分後には出発だとワルド様が言ったので、全員が準備を始め、再び出発した。
何をそんなに焦っているのだろう、ワルド様は?
と思ったらその五分後には出発だとワルド様が言ったので、全員が準備を始め、再び出発した。
何をそんなに焦っているのだろう、ワルド様は?
どうしても、今日中にラ・ロシェールに着かないといけない理由でも有るのだろうか?
それを考えているうちに、ラ・ロシェール目前となっていた。
それを考えているうちに、ラ・ロシェール目前となっていた。
全員がへばりながら到達したラ・ロシェール。
女神の杵亭に部屋を取った後、全員が酒場で食事をしていた。
そして、今行われていることといえば―――
女神の杵亭に部屋を取った後、全員が酒場で食事をしていた。
そして、今行われていることといえば―――
「降りるなら今のうちよ、ルイズ。こっちのカードは、泣けるわよぉ?」
「あなたの手ぐらいお見通しだわ、キュルケ。こっちの手は最初から最後までクライマックスよ?」
「シエスタ、私につられてみる?」
「お爺ちゃん、これは見逃していい不正なのでしょうか?」
「深く考える必要は無いんじゃないかな? 賭けてるものは何一つ無いんだし」
「―――なぜ今この場でポーカーをしているんだ?」
「あなたの手ぐらいお見通しだわ、キュルケ。こっちの手は最初から最後までクライマックスよ?」
「シエスタ、私につられてみる?」
「お爺ちゃん、これは見逃していい不正なのでしょうか?」
「深く考える必要は無いんじゃないかな? 賭けてるものは何一つ無いんだし」
「―――なぜ今この場でポーカーをしているんだ?」
そう、ポーカーだ。
明後日まで船は出ないと聞いた瞬間、全員で酒場に突入。
食事が終わった後、キュルケの荷物にトランプを三箱発見。
全員で出来るゲームということでポーカーと相成った。
しかも、イカサマや魔法の使用の何でもありの究極の騙し合いポーカーだ。
明後日まで船は出ないと聞いた瞬間、全員で酒場に突入。
食事が終わった後、キュルケの荷物にトランプを三箱発見。
全員で出来るゲームということでポーカーと相成った。
しかも、イカサマや魔法の使用の何でもありの究極の騙し合いポーカーだ。
確認されているだけでもルイズがテレポでカードを都合よく操作したり、
タバサが風で山札をすり替えたり、シエスタが目にも留まらない速度で三箱のジョーカーを全部集めて5カードにしたりしていた。
タバサが風で山札をすり替えたり、シエスタが目にも留まらない速度で三箱のジョーカーを全部集めて5カードにしたりしていた。
「お、女って怖い」
「それについては同感だ、ギーシュ君」
「それについては同感だ、ギーシュ君」
二人はイカサマせずに普通にポーカーをしている。
おかげで勝率は悲惨だが。
おかげで勝率は悲惨だが。
そんな楽しいひと時に別れを告げ、各自あてがわれた部屋に戻る。
月を眺めながら眼下を眺める。
シエスタがいつもの素振りではなく、盾と剣を用いた実戦練習をしている。
盾で叩き伏せる、剣で防ぐ、蹴りで相手の手首を狙う、それら一通りが終わると砥石で錆を落としつつデルフを研ぐ。
そんな折、ノックが響く。
月を眺めながら眼下を眺める。
シエスタがいつもの素振りではなく、盾と剣を用いた実戦練習をしている。
盾で叩き伏せる、剣で防ぐ、蹴りで相手の手首を狙う、それら一通りが終わると砥石で錆を落としつつデルフを研ぐ。
そんな折、ノックが響く。
「夜も深けた時間にレディの寝室を訪ねるなんて、そう言った方がよろしいかしら?」
「すまないな、二人きりのときに話したいと思っていたからね」
「すまないな、二人きりのときに話したいと思っていたからね」
手に持ったワインを手土産にワルドが入ってきた。
「ところで、君は魔法を使えなかったのに、どうして使えるようになったんだい?」
「こればっかりは秘密なの、たとえワルド様でも」
「こればっかりは秘密なの、たとえワルド様でも」
その言葉に、ワルドは軽く目を伏せ、そうかと一言呟くだけに留まった。
そして、呟かれた一言に、ルイズは身を硬くする。
そして、呟かれた一言に、ルイズは身を硬くする。
「聖石、ゾディアックストーン。タルブ村の一部にしか伝わっていない話だ」
「研究熱心ですわね、ワルド様」
「なんだか最近きな臭くてね。探りを入れているんだ」
「それでも御伽噺の域を出ませんわ、聖石が発見されたのなら別ですけど…」
「研究熱心ですわね、ワルド様」
「なんだか最近きな臭くてね。探りを入れているんだ」
「それでも御伽噺の域を出ませんわ、聖石が発見されたのなら別ですけど…」
ワルドは口の端を笑みに変え、こう言った。
「明日、シエスタ君と決闘することにした。君に立会ってほしい」
そのまま、空のボトルを持って部屋を去っていった。
ワルド様は何かしらの事情で聖石という物の存在を知っている。
しかも、シエスタが持ち主だということも分かっている。
ワルド様は何かしらの事情で聖石という物の存在を知っている。
しかも、シエスタが持ち主だということも分かっている。
「シエスタに伝えないと。極力手札を見せるなって」
ワルド様が何をしようとしているのか知らないが、いやな予感しかしない。
明日は、絶対に一悶着どころか二悶着くらいある。
最近こういった予感が多いなと思いつつ眠りに着いた。
明日は、絶対に一悶着どころか二悶着くらいある。
最近こういった予感が多いなと思いつつ眠りに着いた。
あっという間に翌朝。
シエスタがデルフを構えて立っている。
それに相対するかのごとく、ワルド様が杖を構える。
シエスタがデルフを構えて立っている。
それに相対するかのごとく、ワルド様が杖を構える。
(見えている手札の使用は認められている、となると剛剣はOK、最近練習して使えるようになった技は使わない)
「それじゃあ、コインが落ちた瞬間に開始。卑怯な事したらこの私が叩きのめす」
そういって、私はコインを弾く。
二人の中間点に落ちるコイン。
それと同時にお互いが距離を詰める。
剣と杖が交差する。
その瞬間にシエスタがワルドの手を狙った蹴りを放つ。
シエスタ曰く、サムライという剣士の一流派が使う足蹴という技らしい。
その技に驚きつつも剣で何とか受け止める。
シエスタが一瞬で距離を離し、強攻破点突きを繰り出す。
怪我しないように着けていたプロテクターを破壊する、がその直後にウィンドブレイクがシエスタの体を吹き飛ばす。
壁にぶつかる寸前で体勢を立て直して足で壁に着地。
足をバネにして壁から弾け跳び、ワルドに突撃。
それを冷静に受け流した直後、エアハンマーがシエスタに直撃。
そのままシエスタの元まで歩み寄り、杖を突きつける。
二人の中間点に落ちるコイン。
それと同時にお互いが距離を詰める。
剣と杖が交差する。
その瞬間にシエスタがワルドの手を狙った蹴りを放つ。
シエスタ曰く、サムライという剣士の一流派が使う足蹴という技らしい。
その技に驚きつつも剣で何とか受け止める。
シエスタが一瞬で距離を離し、強攻破点突きを繰り出す。
怪我しないように着けていたプロテクターを破壊する、がその直後にウィンドブレイクがシエスタの体を吹き飛ばす。
壁にぶつかる寸前で体勢を立て直して足で壁に着地。
足をバネにして壁から弾け跳び、ワルドに突撃。
それを冷静に受け流した直後、エアハンマーがシエスタに直撃。
そのままシエスタの元まで歩み寄り、杖を突きつける。
「終わりだ。惜しかったのは君が魔法を使えないメイジだったということだ」
そう、自信満々に告げたワルドだったが、手加減されていることには全くといって気が付かないのだった。