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STEALTH & Aegis-02-2

STEALTH & Aegis  :2-2   ストレンジャーズ(2)




「…ですから混合比の変化によって燃焼速度を調節し…」
「なるほどなるほど、そうして機関の回転速度が上がって、それに応じて出力も……」


ここ最近のエディの日課は、魔法学院の教師であるミスタ・コルベールとのお喋りが日が昇っている時間帯の日課となっていた。
もっともただのお喋りではなく、れっきとした情報、ならびに技術交換である。

このコルベール、エディが周辺の地図作成から帰還したその夜から引っ切り無しにエディの元へ顔を出す様になっていた。
根っからの研究者肌に多いタイプで、未知の物はとことん調べない時がすまない性分らしい。

訪れた時は夜遅くて双月が雲に隠れていたにも関わらず、どういう訳か彼の頭がえらく光り輝いていたのが、未だにエディは不思議でならない。

人間の頭という物は、勝手に発光するものだっただろうか?

それはともかく、コルベールはどこか奇妙な部分もあったが、曲がりなりにも魔法学院の教師である。
この世界についての知識量は、生徒であるルイズよりもかなり豊富だろう。
そう判断し、エディはコルベールに取引を持ちかけたのだった。


エディは自分が居た、魔法が存在しない世界の科学技術についての知識の提供を。

コルベールはこのハルケギニアの国際状況や魔法などといった、この世界特有のエディの知らない情報を。


当初からエディにプログラムされていたデータの中には陸海空、各種軍用兵器についての詳細な一覧表があった。
近未来になっても第2次世界大戦中に採用された兵器を未だに現役採用している国家も存在している。
その為データの中には電子機器が殆ど使用されていない、骨董品とも言えるレベルの軍用車両などの詳細なスペックもしっかりとエディの知識に含まれていた。
その頃の戦場は荒地や密林、極寒の平野など兵士にも兵器にも厳しい場所が多く存在している。
よってそこで使用された軍用兵器の大半は厳しい戦場で長く使用できるよう整備性と頑丈さを追求し、動力機構をシンプルにした物が多かったのだ。

それでも魔法の存在によって科学技術が足踏み状態なハルケギニアでは、その程度の技術であっても驚愕に値するレベルだ。

もっともこの世界で魔法を使わないその技術の凄さを理解できているのは、自分の独力で燃焼機関の雛形をでっち上げた事のあるコルベールのみなのだが。


話を終えたコルベールは、意気揚々と自分の研究室へと戻っていった。

新しくエディから教えてもらった技術でもって自作の燃焼機関『愉快な蛇くん』の改良でも行うのだろう。
何だか目の下に大きな隈を作って、えらくハイに笑い声を上げていたのが気になったが。

…コルベールの身体をスキャンしてみた結果、重度の寝不足と軽い栄養失調と判明。
恐らく食事も睡眠もせず研究に打ち込んでいるのだろうが――ちょっと後悔。倒れられたら色々と困る。

入れ違いにルイズとサイトがやって来た。

ルイズはあれから何度かエディの元に顔を見せた事があるが、サイトはかれこれ1週間ぶりにエディの元にやってきた事になる。エディの方は中庭の片隅で何度もサイトの姿を見かけていたが。

どうやらルイズにあれこれ雑用をやらされていて忙しかったらしい。

「どうしましたか、ミス・ルイズ?」
「城下町へ行くわよ。こいつの剣を買いにね」
「授業はいいのですか?」
「今日は虚無の曜日よ。授業はお休み」
「そうですか。ではどうぞ」

既に前回の空からの探索とコルベールからのこの国周辺の地図を見せてもらい、収集したデータと比較済みなので大体の地理や街は把握済みだ。


ところで、総じて戦闘機の操縦席という物は狭い。
2人乗りの戦闘機もあるにはあるが、その場合席の前後に座席が並んだ複座型である。
縦はともかく、横幅はかなり狭い。各種電子機器も搭載しているため尚更に。

ましてや元々無人戦闘機であるエディの場合、人が乗らないのが前提だ。

大柄な男性1人乗るスペースは何とかあったものの、比較的小柄な人物でも流石に2人分乗る余裕は殆ど無い訳で。
サイトとルイズの場合、どうやって乗っているのかというと。

「どこ触ってんのよ、変態!」
「仕方ないだろ狭いんだからって、うわ、暴れんな!」
「すいません。私のセンサー球体は案外デリケートに出来ていますので傷つけないようお願いします」

まずサイトが座席(?)に腰かけて、その膝の上にルイズが座る。
こうする事で狭い空間に何とか乗り込めたサイトとルイズだが、お互い異性とここまで密着するのは殆ど経験が無いせいか、あれやこれやと騒ぎ立てる。
実際にはこうやって乗り込むのは2回目なのだが、最初の時はサイトは見た事も無い戦闘機に初めて乗るのに。
ルイズの方は幻といわれる韻竜かもしれないそれに乗る興奮で、その時は殆ど気にも留めていなかったようだ。

ともあれ2度目ともなると幾分冷静にもなる訳で。
さっきもいったが、ルイズもサイトも異性とここまで密着した経験など殆どない。
サイトは太ももから胸元に、ルイズは背中に感じるお互いの熱と身体の感触に、思わず頬を赤くする。勝手に緊張してどちらも口を閉じてしまった。
そんな2人の変化を、エディはしっかりばっちり観測していた。

そして、こう思った。


――――――これがいわゆる、初々しいティーンのカップルという物ですか。




少し違う。




城下町へと着くまでの間、エディは<<アイム・レディ・フォー・ラブ>>を流し続けた。

2人とも歌詞の意味は分からなかったが、囁くような歌声のお陰で尚更気まずい雰囲気が流れっぱなしだった。



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