あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの妖精‐01

俺は死ぬはずだった。
でも死ななかった…
痛む体を引きずって辿り着いた場所は、あの核の爆心地だったんだ。
何も無い光景、それがなんだか悲しくてしょうがなかった。
でもそこで強く生きる人々がいた。
俺は彼らに救援が来るまで、助けられたんだ。
あの人の言うとおり、世界に境目なんて必要ないかもしれない。
でも無くすだけで変わるんだろうか…
世界を変えるのは、人を信じる力なんだろうな。
信じ合えば憎悪は産まれない、でもそれが出来ないのも人なのかもしれない。

俺はもう、戦場の近くにはいない……結局俺は彼女と結婚した。
あの人の言うとおり人間は戦いを止めることはできないかもしれない。
でも……確かめたいんだ、人間が、人間を信じられるか、人間の意志を
答えなどないかもしれない、でも探したいんだ
いまはそう思う、それでいいと思う

この映像は…サイファーも、『妖精』も見るのか?
妖精、生きているのなら、あんたはどう思う?

あんたは今、どこにいるんだ?

ウスティオ空軍第6航空師団第4飛行小隊「クロウ隊」の3番機
パトリック・ジェームズ・ベケット 通称『PJ』のインタビューより


そのとき『俺』は空中にいた
俺は声を大にして、無線の先にいるかつての相棒
そして今の敵に叫びかける
ヘッドオン、真正面から『鬼神』の乗った戦闘機F15が迫ってくる

<<撃て!!>>

もう特殊兵装TLS…タクティカルレーザーシステムも散弾ミサイルも品切れ
おまけに通常ミサイルすら看板、最後の最後番犬ガルムの文字通りのdog fight
もはや正面からぶつかるような加速をつけた機体が迫ってくる
俺が叫ぶのと同時、そして相手とも同時に最後の手段、機銃が火を噴いた

なにかが食い込む音、一瞬遅れての衝撃、俺乗っていた機体―――ADFX-02『モルガン』は
左エンジンから火を噴きながら、バランスを崩し、俺の操作から解き放たれる、だが、加速は途切れない
正面から、相手の機体が迫る…肉薄、数mの差もないままにすれ違い……俺は落ちた

目の前が真っ白になる、ああ、俺は機体ごと爆発したんだ、と理解した

爆発した


『ゼロのルイズ』ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは
例年のお約束行事「サモン・サーヴァント」の儀式を取り行い、もはやお約束のように爆発を発生させた
余波を食らい数名の負傷者というか気絶者を出しながらも、どうやら儀式自体は成功した模様で
徐々に薄れる白煙の向こうには何か、大きな影

『おいおい、あのルイズがなにやら成功させたぞ!?』
『いいや、まだわからないぞ、煙が消えた向こうには粗大ゴミがあるかも』

そんな野次など、耳など入らぬ様子で、ルイズは煙が薄れるのを、ただ胸をときめかせながら待ちわびる
積年の屈辱返上となるか、とただ、じっと待ちわびていると、そこに現れたのは
なにやら、20メイト以上の全長を誇る、鳥ともゴーレムとも言えないような物体
「なに………これ……」
ルイズは、ただ、理解できないものを前に、立ち尽くしていた


「なんだ………これは」
『片羽の妖精』と呼ばれた凄腕の傭兵パイロット「ラリー・フォルク」は
ただ、コックピットに座り尽くしていた
(俺は落ちて……死んだはずでは……なにが、なにが起こっている)
混乱を必死に経験と度胸で押さえ込みながら、状況を確認する
自分は確かについ先ほど乗っていた『モルガン』にいる
爆発しそうな様子はない、左エンジンからは煙は上がっていない
それどころか『円卓の鬼神』に破壊されたはずの戦略レーザー照射装置が見えた
もしや、と思い機体システムをチェックすれば
使い果たしたはずの散弾ミサイル、通常弾頭のサイドワインダーすら満載されていた。

「こ、コルベール先生…これは……いったいなんなんでしょうか?」
「さ…さあ?私にも理解はできません、薄っぺらく、ゴーレムにも見えますが…」
「や、やり直しを要求s」
「ダメです、春の使い魔召喚の儀式は神聖な儀式だ、好む好まざる関わらず
 特例もなく、呼び出した物を使い魔にするしかない」
「そいつは困るな」

ピクシーは偶然外から聞こえてきた会話に、咄嗟に口を挟んだ
使い魔だとか、儀式だとか、わけのわからないことを喋っているようだが、文脈から読み取る限り
呼び出したもの……おそらく、自分ではなく、このモルガンを対象にして、自分のものにしようとしているようで…
彼は咄嗟にコックピットのハッチを開き、話しかけたのだ、会話に熱中していた二人はともかくとして
あたりの人々は、得体の知れない物が動き、オマケに中から人が現れたのだ、動揺しざわめいている…

「なに?これは、私が呼び出したから私のものよ!」
「それは随分と急な話だな、いつから窃盗罪はこの国から消滅したんだ?」

本来ならば、補助の道具を使い、乗り降りする戦闘機のコックピットから手馴れたように
身軽に地面に降り立つピクシーにルイズは食って掛かる、見たこともないような髪の色をした少女に
いきなり上から目線で話されて、少し、苛立ったような表情を浮かべながら、ピクシーも言葉を返す
お互い、なにやら胡散臭い、と判断したようで、それ以上の会話は続かず、しばらくの沈黙の後
ピクシーは、まだ比較的常識的な姿のメガネを掛けた中年の男のほうに話しかけることにした。

「おい、そこの、これは一体どういうことなんだ?ここはどこなんだ?
 俺は死んで、天国…いや、地獄に落ちたのか?」
「ここはトリステイン魔法学院で……
 あなたと、このゴーレムのようなものは年に一度の使い魔召還の儀式にて、召還されたのです。」

ジーザス、魔法と来た、自分自身「妖精」とは名乗っていたし
知り合いと言うか同志というか仲間には「魔法使い隊」とか名乗っていたのもいた
だがしかし、大真面目に魔法と来た、まだ地獄に落ちるか、あのダムでベイルアウトしていればよかった。
それとも、俺は死ぬ直前の白昼夢でも見ているのか?
それとも、いままで全部夢で基地の連中の壮大なイタズラにでもハマっているのか?(もし、そうだとしたら首謀者はクロウ隊の連中か?PJだとしたら、あとで本当にTLSを食らわせておこう)

そんなことを考えていると、相手はさらに言葉を続ける

「それで、あなたのお名前は?」
「…………ピクシーだ」

こんなところで、本名を名乗る勇気など俺にはありはしない、偽名も浮かばず
TACネームで名乗ってしまったが、相手はこんなオッサンが「妖精」と名乗っているにもかかわらず
なにも言わずに言葉を続ける…………言葉は通じているが、オーシア語ではない…?

中年の男はコルベールと名乗り、何かを説明しているが俺の耳にはいまいち入ってこない
ルイズ、という、桃色の髪の子供はなにやら黙って俺とコルベールの中間にいる、周りは
何故か平民、平民、とざわめいている……イタズラだとしたら相当手が込んでいる、なにやら
見たことのない生き物がウヨウヨしている。(最近流行ってると言うポケモンという奴だろうか)

「………ですから、彼女は契約を結ばないと、彼女は落第になってしまうのです」

久しぶりに眼前の中年、コルベールの話を聞くと
どうやら、契約とやらを結ばないと彼女が困るらしい
重要な部分は全て聞き飛ばしたが、大体の大意はわかった。

「………こいつはダメだ、機体が無事なのに、徒歩で帰るだなんてな、ダイエットはしていないんだ」
「ならば、これでなければ、あなたがなるのどうでしょうか?」
「ああ、こいつでなければ、なんでもいいさ、使い魔でもなんでもなってやる」

もちろん、そんなつもりはない、とにかく、得体の知れない場所でいきなり機体を奪われるのはまずい
一応持っていた銃で脅して飛んで逃げる、というのも考えたが……この広場じゃあ、滑走には短すぎる
そもそも滑走路が必要ない垂直離陸式
あるいは第二次大戦中のプロペラ機じゃあないと足りないだろう(後者の場合、よっぽどいい風じゃないと無理だな)
とにかく、現状を誤魔化して、どうにか機体をこの建物の外に放り出し
さっさと飛んで逃げよう、そうと決まれば行動だ 。
なにやら呪文のような言葉を唱えていた
ルイズに向き直ると、声を掛けた

「それで、俺はなにをすればいい?」
「やっと決まったようね……ちょっと、しゃがみなさい」
「はいよ……これでいいか」

言われた通り、しゃがみこんで、相手を見れば、なにやら、顔を近づけて―――いきなりキスされた
一瞬触れて、すぐに離れた、それで終わり、相手がなにやら小声で「ファーストキス」とかぶつぶつ
言っているが、どうやら、下らないお遊びもこれで終わりらしい、なら、さっさとモルガンをこの狭い場所から外に出して、飛ぶとしよう
最悪、車輪が壊れるかもしれないが
ここに留まって奪われるより100倍はマシだ

………ルイズから踵を返し、飛んだ後どうするか考えながら
機体に近づいた瞬間、ピクシーは手に燃えるような熱さを感じ
それを確認しようと、手を見ようとしたが
できなかった

俺の体は、膝から崩れ落ち、俺の意識は、ぷっつり途切れた。




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