あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

STEALTH & Aegis-00

その反応は一瞬で起こって、一瞬で消え去った。

米軍の交渉と要請という名の皮を被った軍事的・外交的圧力によって韓国との国境線近くの北朝鮮の領土にポッカリと設けられた無人地帯。
そこで突然発生した大規模なエネルギー反応を最初に――そして唯一捉えたのは、そこの監視に割り当てられていた米軍の監視衛星の1つのみだった。

その時数千マイル離れた真夜中のペンタゴンの地下の1室で、衛星の操作と監視を担当していた下士官は、いきなり閃光を発したモニターに思わず面食らって椅子から転げ落ちた。
何だ今のは?核爆発か?
だが目の前の衛星に繋がったモニターには、何かの変化を示すデータは送られていなかった。
下士官は大いに首を捻りながら一応上官に報告しようと内線電話に手を伸ばす。




彼はまだ気付いていない。



目の前に映し出されている画面に映し出されていた、数マイル上空から送られてくる衛星からの映像の異変に。
その地域が監視されていたそもそもの原因、多種多量な残骸に紛れて放置されていた『それ』の破片が、全て綺麗さっぱり消え去っている事に。





そして…同時刻、まったく同じタイミングで、日本で1人の少年がこの世界から消え去った事など。



彼はまったく知る由も無い。




STEALTH & Aegis :0




彼女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、目の前の光景に唖然呆然とするしかなかった。

2年生進級のための課題でありながら、今の今まで彼女が失敗してきた『サモン・サーヴァント』の呪文は一応だがようやく成功した。これは良い。
自分の魔法で巻き起こった白煙の中から現れたのは冴えない見た目の変わった服装の平民(きっとそうだ、あのみすぼらしさはきっとそうに違いない)の少年だった。形振り構っていられないから、大いに大目に見てこれも良いとする。

なら、平民のすぐ後ろに鎮座している『あれ』は一体何だ?

3対の車輪のような物に支えられた、海の生物であるサメのような、エイのような変わった外見。
滑らかな鉄のような素材で出来てるだろうそれの表面は奇妙な光沢を持っていて、菱形の一方の中央から飛び出た部分の中央は、高級なアンティーク時計の装飾みたいなガラス張りの中に珍しい彫刻か何かを掘り込んだ球体が鎮座していた。
その反対側は、どんな用途を持つのかさっぱり把握できない円盤状の穴。
車輪の突き出ている面も、彼方此方に似たような見た目の穴が幾つもある。

とにかく『これ』が一体何なのかは見当も付かないが、平民と一緒に現れたという事は『これ』は平民の持ち物だという事かもしれない。
教師であるコルベールも彼女と同じ考えのようで、仕方なくルイズは未知の物体を目の前にしてハイテンションなコルベールに促されるまま、
彼女は契約の儀式の口付け…『コントラクト・サーヴァント』を平民の少年に行った。





その数分後、平民の少年も遅まきながら背後に鎮座していた『それ』の存在に気付き、
彼自身もそれについてさっぱり知らない事を悟ったルイズが癇癪を起こす事になる。




『彼』(人間以前に生物ではないので雄雌の区別は無いのだが、人格データや音声上の設定は男なので構わないだろう)は、目の前の光景にひとしきり――何十分の1秒間戸惑っていた。

たった今までギャノン大尉と共に韓国―北朝鮮国境付近、その北朝鮮側の領地に居た筈。
そして自分はギャノン大尉ならびにウェイド大尉両名を助ける為、己の最優先義務<自己の生存>を覆し北朝鮮軍のヘリコプターに衝突――

…自己診断プログラムの結果。
機体の損傷率0%、
記憶領域のバグの可能性0.78%、
現在の状況把握に関するデータ改ざんの可能性1.13%

『彼』の出した結論は、目の前で起こっている事、そして自分がまだ存在している事は現実だという事。
現在地の確認――セントラルプライム再接続不能、また各種軌道上の衛星への侵入・接続も不能。
センサーによる周辺地理の把握――約2キロ先に巨大な建造物。既存の建築物での一致無し。その建築物へと向かう一団有。先ほど自分の周囲に居たヨーロッパ系の少年ならびに少女達と判断。
現在の状況――2.5m前方に2人の少年ならびに少女を観測。
少年は人種別データ上から10代後半の日本人と判断。
彼の持つバッグの中身のセンサーによる計測結果…ノートパソコン、接続用コード等、脅威レベルは極めて低レベルと判断。恐らく民間人の確率大。
少女――データ上の一致無し。恐らくヨーロッパ系10代前半と推測。
同人種による成長度合いのデータとの比較から低レベルの発育不良の可能性高。極度の興奮状態にあり。所持物は右手に握られた木の棒のみと推測。棒の材質データは計測不明だが、彼女も危険性は極めて低レベルと判断。



E.D.I―――関係者からエディと呼ばれていた無人ステルス戦闘機に搭載された人工知能は電子的情報収集を現時点では限界だと判断すると、彼自身を生み出した人間達が今まで散々行ってきたやり方を改めて実行に移した。

すなわち、今自分がどこに居るのかを傍に居た人に尋ねてみたのだ。

「申し訳ありません、ここがどこなのか教えてもらえないでしょうか?」






その時の少年達の顔は滑稽だったと、エディは思った。



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