名乗りを上げた幸村にゴーレムはその腕でパンチを繰り出す。
一度戦ってみて分かった事だが、この怪物は動きが単調過ぎる。故に回避するのは容易であった。
迫るゴーレムの拳を跳躍して飛び越え、さらに左手に持った剣を振り下ろしてその腕を切断した。
一度戦ってみて分かった事だが、この怪物は動きが単調過ぎる。故に回避するのは容易であった。
迫るゴーレムの拳を跳躍して飛び越え、さらに左手に持った剣を振り下ろしてその腕を切断した。
(…何だこれは…)
ゴーレムの腕を斬り落としながら、幸村は自分の体に違和感を覚える。
(体が妙に軽い。それに力がみなぎってくる…!)
ふと、自分の左手に奇妙な文字が光り輝いているのが目に留まる。
彼は力が湧き上がってくる原因はこれだと気づいた。
しかしすぐにゴーレムに視線を戻す。今は戦…それも主の手柄が懸かっている戦の最中だ。
残った腕を振り上げたゴーレムに、幸村は全速力で走って行った。
距離を詰めた幸村に、腕が振り下ろされる。だが今度は逃げなかった。
真下から飛び上がり、その腕を槍で斬り払う。ギーシュの決闘でも見せた「大車輪」である。
ゴーレムの腕を斬り落としながら、幸村は自分の体に違和感を覚える。
(体が妙に軽い。それに力がみなぎってくる…!)
ふと、自分の左手に奇妙な文字が光り輝いているのが目に留まる。
彼は力が湧き上がってくる原因はこれだと気づいた。
しかしすぐにゴーレムに視線を戻す。今は戦…それも主の手柄が懸かっている戦の最中だ。
残った腕を振り上げたゴーレムに、幸村は全速力で走って行った。
距離を詰めた幸村に、腕が振り下ろされる。だが今度は逃げなかった。
真下から飛び上がり、その腕を槍で斬り払う。ギーシュの決闘でも見せた「大車輪」である。
「ちょっと!彼凄いじゃない!」
離れた場所から見ていたキュルケは感嘆の声を上げる。
ルイズも一度その強さを見た事があるとはいえ、驚いていた。
一方、タバサはゴーレムと幸村との戦いに目もくれず、空を見ていた。
(…まだ時間が掛かりそう…)
離れた場所から見ていたキュルケは感嘆の声を上げる。
ルイズも一度その強さを見た事があるとはいえ、驚いていた。
一方、タバサはゴーレムと幸村との戦いに目もくれず、空を見ていた。
(…まだ時間が掛かりそう…)
幸村の槍と剣…デルフリンガーにより、ゴーレムは両腕を失った。
「後は足を斬り捨てて達磨にしてくれる!」
両手の武器を握り締め、構え直す幸村。
…だが次に起こった事態を目にして、驚きの表情を浮かべる。
「後は足を斬り捨てて達磨にしてくれる!」
両手の武器を握り締め、構え直す幸村。
…だが次に起こった事態を目にして、驚きの表情を浮かべる。
地面の土が切断面に吸い込まれ、腕が再生していくではないか。
そう、このゴーレムは土で出来ている。だから土さえあれば破壊された部分をすぐに作り直せるのだ。
腕が完全に形成されると、まるで幸村を嘲笑するような唸り声を上げて腕を振り回し始めた。
腕が完全に形成されると、まるで幸村を嘲笑するような唸り声を上げて腕を振り回し始めた。
「あれじゃキリが無いわよ、どうするの?」
腕を再生させたゴーレムを見てキュルケが言った。
あれではいくら攻撃しても地面から土を吸い上げて直してしまう。
ゴーレムを一撃で吹き飛ばす…そんな強力な攻撃が必要だ。
何かないかと思案していたルイズの目に、タバサの持っている破壊の杖が目に入る。
「タバサ!それ貸して!」
空を見上げていたタバサから破壊の杖を受け取り、ルイズは戻って行った。
腕を再生させたゴーレムを見てキュルケが言った。
あれではいくら攻撃しても地面から土を吸い上げて直してしまう。
ゴーレムを一撃で吹き飛ばす…そんな強力な攻撃が必要だ。
何かないかと思案していたルイズの目に、タバサの持っている破壊の杖が目に入る。
「タバサ!それ貸して!」
空を見上げていたタバサから破壊の杖を受け取り、ルイズは戻って行った。
幸村は何度も攻撃した。槍で突き、剣で斬って…しかしその度に体を再生するのでは埒があかない。
破壊力のある技もあるが、それは攻撃に移るまで時間が掛かる。
このゴーレムがいくら鈍重だとしても、それを許すとは思えなかった。
破壊力のある技もあるが、それは攻撃に移るまで時間が掛かる。
このゴーレムがいくら鈍重だとしても、それを許すとは思えなかった。
「えい!えいっ!」
その時、後ろからルイズの声が聞こえる。
振り返ると、彼女は手に持った破壊の杖を懸命に振り回していた。
「何よこれ!何も起きないじゃない!」
それを見ていた幸村は一度デルフリンガーを鞘に戻すとルイズの元に走って行く。
「ルイズ殿!?何故戻ってきた!」
破壊の杖を振り回しているルイズの手を取り押さえる。
その時、後ろからルイズの声が聞こえる。
振り返ると、彼女は手に持った破壊の杖を懸命に振り回していた。
「何よこれ!何も起きないじゃない!」
それを見ていた幸村は一度デルフリンガーを鞘に戻すとルイズの元に走って行く。
「ルイズ殿!?何故戻ってきた!」
破壊の杖を振り回しているルイズの手を取り押さえる。
その時だった、幸村の手が破壊の杖に触れたのは。
「…ユキムラ?」
動きが止まった幸村を見てルイズは不思議がる。
突然、幸村が破壊の杖を取り上げるとそれをゴーレムに向け、取っ手の端に付いているスイッチを押した。
「……ルイズ殿、これは振り回す物ではない。こう使うのだ!!」
押した瞬間、爆発音と同時に装填されていた砲弾が発射された。
動きが止まった幸村を見てルイズは不思議がる。
突然、幸村が破壊の杖を取り上げるとそれをゴーレムに向け、取っ手の端に付いているスイッチを押した。
「……ルイズ殿、これは振り回す物ではない。こう使うのだ!!」
押した瞬間、爆発音と同時に装填されていた砲弾が発射された。
轟音が響き、真っ黒な黒煙が上がる。
発射された砲弾はゴーレムの顔の部分に直撃し、上半身を跡形もなく吹き飛ばした。
残ったのは亀裂の入った下半身のみ、しかしそれも直ぐにボロボロと崩れ去る。
あの巨大なゴーレムを、破壊の杖は一撃で破壊した。
発射された砲弾はゴーレムの顔の部分に直撃し、上半身を跡形もなく吹き飛ばした。
残ったのは亀裂の入った下半身のみ、しかしそれも直ぐにボロボロと崩れ去る。
あの巨大なゴーレムを、破壊の杖は一撃で破壊した。
「ご苦労様」
ゴーレムが崩れ去った後、森の茂みからロングビルが現れた。
「ミス・ロングビル、今まで何処に」
「辺りを探っていたら大きな音が聞こえたので…どうやらもう終わったようですね」
ロングビルは黒く、分厚い本を地面に置く。
「それが禁断の聖書ですか?」
「ええ、そちらは破壊の杖を見つけたんですね?」
ルイズはハッとすると、幸村から破壊の杖を受け取り、ロングビルの元へ向かって行った。
ゴーレムが崩れ去った後、森の茂みからロングビルが現れた。
「ミス・ロングビル、今まで何処に」
「辺りを探っていたら大きな音が聞こえたので…どうやらもう終わったようですね」
ロングビルは黒く、分厚い本を地面に置く。
「それが禁断の聖書ですか?」
「ええ、そちらは破壊の杖を見つけたんですね?」
ルイズはハッとすると、幸村から破壊の杖を受け取り、ロングビルの元へ向かって行った。
「凄いじゃないあの破壊の杖!見た目は悪趣味だけど」
「うむ…アレはそれがしも一度喰らった事があるからな…」
離れた所から見ていたキュルケは驚きの声を上げる、しかしタバサだけは辺りを見回している。
「…フーケは何処に…」
「ん?そういえば盗人の姿がないな…」
「うむ…アレはそれがしも一度喰らった事があるからな…」
離れた所から見ていたキュルケは驚きの声を上げる、しかしタバサだけは辺りを見回している。
「…フーケは何処に…」
「ん?そういえば盗人の姿がないな…」
「ミス・ロングビル、これを」
ルイズはロングビルに破壊の杖を渡した。
「本当によくやってくれました皆さん。本当に…」
と、ロングビルがルイズの手を強く握る。
だが、いつまでたっても手を離さない彼女にルイズは不安を抱き始めた。
「本当に…よくやってくれましたね。おかげで…」
「…あ、あの…ミス?」
ルイズはロングビルに破壊の杖を渡した。
「本当によくやってくれました皆さん。本当に…」
と、ロングビルがルイズの手を強く握る。
だが、いつまでたっても手を離さない彼女にルイズは不安を抱き始めた。
「本当に…よくやってくれましたね。おかげで…」
「…あ、あの…ミス?」
「おかげで………私のゴーレムがバラバラじゃないか」
突然豹変したロングビルに、ルイズは地面に組み伏された。
「何!?」
自分の主の危機に、幸村は駆け出そうとする。
「動くな!!」
だがロングビルが足で踏みつけたルイズに杖を向けて叫ぶ。
「あんたの槍と私の魔法…どっちが早いかしらねぇ?」
「おのれ……!」
「動かないでね、ご主人様の命が惜しいんなら剣と槍を捨てな。あんた達もだよ」
ロングビルの言う通り、キュルケとタバサは杖を捨てる。幸村と利家も槍と剣を放り投げた。
自分の主の危機に、幸村は駆け出そうとする。
「動くな!!」
だがロングビルが足で踏みつけたルイズに杖を向けて叫ぶ。
「あんたの槍と私の魔法…どっちが早いかしらねぇ?」
「おのれ……!」
「動かないでね、ご主人様の命が惜しいんなら剣と槍を捨てな。あんた達もだよ」
ロングビルの言う通り、キュルケとタバサは杖を捨てる。幸村と利家も槍と剣を放り投げた。
「くっ!あなたがフーケだったのね!」
踏みつけられながらもルイズはロングビル…いや、土くれのフーケをキッと睨みつけた。
「盗んだのはいいけど使い方が良く解らなくてね、こっちの聖書は見た事もない文字しか書いてないし…」
そこまで言うとフーケは幸村に視線を移した。
「でもそこの使い魔ならやってくれると思ったわ。流石はガンダールヴかしら?」
利用された事を悟った幸村は、フーケに今にも飛び掛りそうになる。
しかしルイズが捕われている為、動く事が出来ない。
そんな幸村を見て、フーケは妖しい笑みを浮かべながら破壊の杖を向けた。
「さぁ、使い方も解ったしあんた等は用なし……ここでお別れよ!」
踏みつけられながらもルイズはロングビル…いや、土くれのフーケをキッと睨みつけた。
「盗んだのはいいけど使い方が良く解らなくてね、こっちの聖書は見た事もない文字しか書いてないし…」
そこまで言うとフーケは幸村に視線を移した。
「でもそこの使い魔ならやってくれると思ったわ。流石はガンダールヴかしら?」
利用された事を悟った幸村は、フーケに今にも飛び掛りそうになる。
しかしルイズが捕われている為、動く事が出来ない。
そんな幸村を見て、フーケは妖しい笑みを浮かべながら破壊の杖を向けた。
「さぁ、使い方も解ったしあんた等は用なし……ここでお別れよ!」
撃たれる!キュルケ達は咄嗟に思った。
正にその時だった…空から大きな音が近づいて来たのは…
正にその時だった…空から大きな音が近づいて来たのは…
「来た」
今まで空を見ていたタバサが呟いた。
音の発信源が、幸村達とフーケの間に降り立つ。
土煙を巻き上げながら降り立ったのは……漆黒の巨人だった。
今まで空を見ていたタバサが呟いた。
音の発信源が、幸村達とフーケの間に降り立つ。
土煙を巻き上げながら降り立ったのは……漆黒の巨人だった。