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第3回 趙・華麗なる決闘!!

前回のあらまし:C (趙マーク;趙公明が栄光を示したい時に現れる)


プリンス・趙公明の挑戦を受け、『ヴェストリの広場』へ向かうギーシュと野次馬たち。
しかし、そこに待ち受けていたのは巧妙な罠、じゃなかった、派手派手しい『闘技場』だった。

「と……特設リング!? いつの間に?」
「「恐れずによく来たね、ギーシュ・ド・グラモンくん!! 待っていたよ!!(ドドドドドヴァアアアン)」」
豪華な音楽とドライアイスの煙を伴い、ライトアップされた趙公明がリング中央からせり上がる。
口にはバラの花を咥え、背中に色とりどりの花々を背負っている。ちょっとした小林幸子並みだ。
ルイズはセコンドについていた。

「フフフフフ、急ごしらえの特設リングゆえ、たいした仕掛けもしていないよ。正々堂々と勝負だ!
 ……さてギーシュくん、とはいえ見たところキミの実力は、残念ながら僕の足元にも及ばない。
 獅子はウサギを狩るにも全力を尽くす我が子を鍛えるため、泣いて千尋の谷に突き落とすとか。
 三分、いや五分あげよう。その間僕は手出しをせず、避けもしない。
 それまでに僕に傷を付けられたら、キミの勝ちということにしてあげよう。全力で来たまえ」

当然過ぎる程当然ながら、完全になめられている。そしていろいろ混ざっている。
ギーシュのプライドに火がついた。もはや、恐れを知らない戦士のように振舞うしかない。
「い……一分で充分です!! 行け、『ワルキューレ』!!」

ギーシュがバラの造花の杖を振る。決闘開始だ。ギャラリーから歓声が挙がる。


バラの花びらは地面に落ち、『錬金』の魔法によって土から青銅の女戦士『ワルキューレ』を創造した!

「ほほう、青銅の女戦士を魔力で作り出し、操るとは。
 それなりの重量のハズだが、なかなか精巧だし、動きも俊敏だね。
 これを七体も作り出せるとは、少し見くびっていたかな? ……でも」
ガキン、とワルキューレたちの攻撃は、趙公明の手前で止まる。
「!! これは、マジックバリアー!!」
「これでも本来の力の千分の一というところかな。残念だが、この程度ではヒビも入らないよ」

趙公明のバリアーは、仙人界最強の宝貝(パオペエ、秘密兵器)の一つ『禁鞭』でのツッコミも防御する。
原作・最終決戦編でのパワーインフレはあったが、金ゴウ島三強の実力は、伊達ではない。
諦めーずにワルキューレがー総攻撃するけど、ヒービ一つ入らなーいよー。

「うむ、ジャスト一分か。ならばギーシュくん、こちらから行くよ。(スッ)
 伸びたまえ我が宝貝・『縛竜索』!!(ビシュシュシュ)」
趙公明は腰の鞭を抜き、フェンシングのように突きを放った!!

「そおれ、アン・ドゥー・トロワ!!!」
瞬時に、バゴバゴォッとワルキューレは全て粉砕され、はるか後方の学院の塔にぶち当たる。
左手の『ガンダールヴ』の効果も加わり、その威力は抜群だ。
さらに竜をも縛り付ける索(ムチ)は、ギーシュの胴体をぐるぐる巻きにした。
「さあ、降参かな? ギーシュくん」

実力が、兎とケルベロスぐらい違いすぎる。ギーシュはがっくりと項垂れた。
「ま……参りました、プリンス・チョウ・コウメイ。
 傷つけた女の子たちにも謝罪いたします。どうか、この僕を弟子にして下さい!!」
「フフフ、いいだろう。どこに出しても恥ずかしくない、立派な貴公子に教育してあげるよ!!」
ギャラリーはこれを聞いて、再び大きな歓声を挙げた。
かえって恥ずかしさが増すような気もしたが。


そんな事もあった、ある休日の朝のこと。
「ねえルイズ、遠乗りをしないかい? 学院に篭ってばかりでは、飽き飽きしてしまう」
「まあプリンス、素敵ですわね」
天命に従い、ルイズと趙公明は白馬を駆り、爽やかな午前の陽射しを浴びて、王都トリスタニアへ向かった。
当然、それを見たキュルケとタバサも風竜シルフィードで後を追う。


「フゥ……王城はなかなかトレビアーンだが、大通りの広さがこれではね。
 ム? あそこは随分人だかりがしているようだが……?」
ブルドンネ街の一角に、なにやら高級そうな店があった。グラサンに白髭の老店主が、店先で芸をしているようだ。

「取り出だしましたるこの手毬、これをテンツクと転がしますと……」
ビーチボールに似た二つの手毬は、周囲から三本の曲がった刃を出し、高速回転しながら飛翔して、的の藁人形を切り刻む。
「これぞ我が宝貝『化血神刀』。いまなら1セットがこのお値段!!」
と、提示された値段は城が買える程の趙・高額。人間に宝貝を売るな。
「高すぎるぞジジイ!!」「モノ売るってレベルじゃねーぞ!!」「そうだそうだ!!」
群衆はブーブー言いながら、散り始めた。

がっくりした様子の店主に、趙公明が声をかけた。
「おや? キミは、僕の弟子の『余化』じゃないか! キミもこの世界に来ていたのかい?」
「おおお、趙公明様! これは奇遇ですな。
 ええ、いつぞやメイジという連中に召喚されまして、今はご覧の通り武器屋を営んでおります」

彼は武器マニアの妖怪仙人、余化だ。強力な武器ばかり集めていて高価すぎるため、国に兵器を卸してもいるらしい。
「ふうむ、僕以外にも何人か召喚されているのかもな。ちょっと入らせてもらうよ」
「げっ、趙公明様……!!?」
広い店内に入ると、壁でびちびちと2メイル以上はある幅広の大剣が暴れる。よく見れば、剣身に顔がある。

「おお『飛刀』くん、元気だったかい? キミは確か、周の黄天祥くんに預けられたハズだけど」


「『飛刀』? それ、インテリジェンスソードですか? プリンス」
ルイズも、ひょっと顔を覗かせる。
「インテリジェンス(知性)か、確かにね」
「そうとも! オレサマは千五百年以上も日月の気を浴びた結果、生命と知性を得た大剣なのさ!
 年は忘れたが、多分もう六千年くらいは存在しているぜ……人の姿は取れないがな」
大剣が、生き物のように反り返って威張る。こいつは確かに生きている。

「ろ、六千年!? 嘘でしょ?」
この『飛刀』は宝貝ではなく、妖怪仙人の二歩手前の段階にある『妖精』だ。
ハルケギニアのそれとは違い、文字通り『妖しい精怪(もののけ)』だから妖怪みたいな物だが。
ちなみに妖術も使え、幻術で手にした人を惑わす能力を備えている。

「趙公明様、ここでお会いできたのも何かの縁。
 よろしければ、この『飛刀』をお譲りしましょうか? 必要はないと思いますが、どうも五月蝿くて……」
「ギャーーーッ!! ちょ、やめてくれジジイ!! この方だと命がなくなる!! 封神される!!」
「『封神フィールド』はここにはないぞ。壊れれば死ぬだけだ」
非情な主人である。なにしろ余化は『飛刀』より格上の、魔剣の妖怪仙人なのだ。

「じゃあ、有難く頂戴しよう! 感謝するよ余化くん」
「ひいいいいい!! 趙公明さま、どーぞお手柔らかに……」
強者になびくのも世渡りのコツ。『飛刀』は諦めて、哀しげな声をあげる。

その後、しばらくルイズと高級ブティックや喫茶店などを歩き、異世界の文化に触れる趙公明。
ルイズはデート気分でウキウキだ。そこへ、知った顔の二人が声をかける。
「あらプリンスにルイズ、奇遇ですわね」
「…………こんにちは」
「キュルケ! タバサ! 何でここに」
「あら、プリンスとデートなんて素敵じゃない。私たちも混ぜなさいよ!」
「いいとも皆! 今日は僕のおごりだ、何でも好きなものを買えばいい!!(シャランラアアア)」
「きゃあ、万歳! 流石は麗しの貴公子さま!!」

趙公明のゴージャスでスタイリッシュな財布からは、金貨が溢れ出し、使っても使ってもなくならない。
そればかりか、彼の入る店にはお客が殺到し、店員は嬉しい悲鳴をあげる。
封号『金竜如意正一竜虎玄壇真君』なる武財神、つまり『福の神』である趙公明のご利益であった。

(つづく)

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