あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

GTA:LCS-0 4

俺は昨日良い感じでワインを飲みルイズの部屋に何食わぬ顔で戻ったが、ルイズは深夜まで説教されていたらしく、その顔は不機嫌
そのもので疲れ果てていた。取り合えず余波を受ける事を避けたかった為、コルベールから受け取った毛布にくるんで寝ていた。
いや、正確に言えば寝た振りだがルイズは心底落胆していた。寝言は恨み言ばかりでまぁ無理はない、俺を呼んじまったからな。

翌朝、俺はルイズより先に起きてレオーネ・センチネルの車庫まで行き、マフィアの正装とも言われている黒いスーツを取りに行く。
所謂レオーネスーツと呼ばれているマフィア独特のものだが、着替えて部屋に戻る。
「ルイズ、朝だぞ……起きないとまずくないか?」
部屋に戻ると、ルイズはまだ寝ている。
「…なによぉ……ん!!?」
寝惚け眼のルイズは俺を見ると、ギョッとした様子で驚いていた。昨日寝るまでカジュアルでだらしないと思える服装の男が、朝
起きると恐ろしくびしっと決めている様は驚くに値するのだろう。
「え?え!?」
魔法が満足に使えない、呼んじまったのが俺、それに纏わる学友の嘲笑、そして昨日の騒ぎだ。多分面子も潰れプライドも自信も
恐らく深く傷ついたに違いない。本来知ったこっちゃねぇ事だが、流石に可哀相になってきたので今回は彼女の顔を立てる事にする。
「な…何!?どうしたのよ!」
「いや、認めたくはねぇが俺はお前の使い魔だろ。おかしな格好では面目がたたんだろ?」
ぶすっとした表情だが、その表情は少しばかり自信を取り戻したようにも見える。

ルイズの後を付いて来るレオーネスーツを着ている俺は、学院内で相当目立っていた。昨日の騒ぎもあったのだが、生徒はルイズと
俺が通り過ぎると、一歩離れて遠くから眺めるようになった。まぁこれには俺が睨みを利かせながらと言う理由もあるが。
「……なんでみんな私たちを遠くから見るのよ」
「さぁな、俺達が嫌でも目立っているからだろ」
まぁ、大方それは俺の所為だろう……そんな状況が教室に入るまで続く。ルイズは目立たないように後ろの席を取ると、俺は椅子を
後ろに引き、一歩下がった位置に腰を落とし、足を組んで座っている。
「……ちょっと、行儀悪いわよ」
「仕方ないだろ、隣に座ったらそれこそおかしいだろが」
だがこんな普通かもしれないやりとりでも、他の生徒はどう言う訳か俺達を見詰める。やっぱり目立っているのかと言うのを実感
させられる一瞬だ。それでもルイズは静々とノートに書き物をしているのはこいつが努力家なのかと考えさせられる。

暫くして授業が始まるとシュヴルーズとか言う少々豊満な女が教壇に立つと、大人しい物腰で話を始める……と言っても、これらの
話は俺たちにしてみると荒唐無稽と言うか何と言うか、おかしな物ばかりなのだが、普通に聞いている分なら幻想小説か何かの物語を
読み聞かせているようにも聞こえて飽きない。そうこうする中で、生真面目な表情を浮かべてルイズが教壇の前に歩む。試しに
やってみなさいというシュヴルーズの言葉に答えたものだが、俺は見逃さなかった。この女の表情が一瞬歪んだのを。そして教室中が
一瞬にして緊張に包まれた事を。
「なぁキュルケ、なんであの女不安そうに見てるんだ?」
「あ…あれはね……トニーを呼び出した前日に、錬金の授業で教室をふっ飛ばしたからだよ!」
俺は聞きたくも無い既成事実を聞いてしまったようだ。まぁ、魔法を満足に操れないと言う事を考えれば予想に足る事なのかも知れ
ないが、それでも多少の恐怖がある。現に俺を強制的に呼び出した昨日、ボディアーマーふっ飛ばしたからな。

だがそのミスは可愛らしい程呆気ないものだった。要は爆竹を一つ二つ破裂させた程度のものだったからだ。しかしながら、教室から
ルイズに対する野次や嘲笑、嫌味、からかっている声など様々な言葉が飛び出る。
「うるさい!うるさい!!」
そんな野次を気の強い彼女は生徒たちに背を向けて反応、これにはシュヴルーズはどうしたものか分からず狼狽している。なかでも
デブとも言える奴は余計にルイズに野次を飛ばしていた。

「デブ……もうそれ位でいいだろ、授業の邪魔だ……」
気が付いたら、俺は席を立ちデブの胸倉を掴んで自分の目線に届くように持ち上げていた。一気に場が凍りつき、ルイズに野次を
飛ばしていた連中はこの光景で黙り込む。ルイズもこの光景で反応が止まった。
「な…何するんだよ…平民……」
「反省が足りんようだなデブ……俺が教育してやる」
手に持っていた杖で何かしようとしたが、鳩尾に膝を入れると呆気なく杖を手放した。そして襟首に持ち替えると、俺はずるずると
教壇までこのデブを引っ張り、呆気に取られているシュヴルーズに一言こう言いおいた。
「ミス・シュヴルーズ、この豚少し借りるぜ」
そう言った後ずかずかと表に出る。シュヴルーズの表情は変わる事無く、俺を見送った。

「なっ…何するんだよ平民!」
「まだ自分の立場が分かってないようだな」
教室から引っ張り出すと、俺はデブを壁に叩き付けて額にピストルを突きつける。
「動くな、動いたら命は保証出来ん……俺が引き金を少し撃つだけでお前は死ねるぜ」
だが、ピストルを知らないこいつはやってみろと言う程、ふてぶてしい態度を取るが、その刹那俺は耳のスレスレを狙って発砲、それが
脅しではないと言う事を実証すると、デブは全身面白いほど震え、脂汗を滝のように流して指一本動かせる状態ではなかった。
「人の失敗を笑えばそれだけ敵を作る。あんまり余計な事をするな……」
多分これでは脅したりないと感じた俺は、こう付け加えた。
「……そうだな、俺たちマフィアの制裁方法にはこんなものがあるな……『ある晩にお前が消えました、探しても出てきません。
 翌日湖畔にお前さんの水死体が浮かんでました』とか、まぁいろいろあるが……どうするよ?」
この一言が効いたのか、このデブは首を横にぶんぶんと振りながらズボンを濡らし、回廊がびちょびちょなのが分かる。
「漏らしたのか……恥かしい奴だな。ほら、寄宿舎に行って着替えてこいよ……」
「ひっ…ひいいいいいぃぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃいっっ!!!」
抑えを取り外すと、デブは半狂乱になって寄宿舎向かって全力疾走で駆けていった。だが問題は一つ、貴族が聞いたことも無いような
物騒な言葉と、聞いたことの無い銃声、デブの半狂乱の悲鳴にルイズのクラスだけでなく、他の生徒や教師も様子を見に来ていた。
「少しやりすぎたかな……ルイズすまないな、俺は邪魔らしい。見学も兼ねて学園を見回ってるよ」
こう言って翻る俺だが、ルイズの表情は不思議と不機嫌ではなかったのが印象的だった。

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