あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの落花生-1

「やったわ!ついに召喚に成功したわ!」
トリステイン魔法学院で、使い魔の召喚に成功したルイズが感嘆の声を上げる。
「でも、これは一体なんだい?」
ギーシュが、持っていた薔薇で指差しながら聞いた。
近くにいたキュルケがそれに答える。
「犬小屋でしょ?どうみても」
何とルイズは犬小屋を召喚したのだ。
だが、誰もそのことを笑わない。
何故か?
普通、犬小屋を見たら、中で犬が寝ていると思うものだ。
しかし、この犬小屋の犬は、屋根の上で寝ていた。

屋根の上では、白い体に黒い耳、赤い首輪をつけたちょっと変わった体形の犬が仰向け寝ている。
「何か変だよな」
「変だ、確かに変だ」
「かなり異常だ」
何処からか呟きが聞こえる。
「いいのよ!いいの!これはこういう犬なの!さ、契約を結ばなきゃ」
それを聞いたコルベールは頭を捻りながら言った。
「しかし…犬小屋に首輪があるということは…誰かの犬なんだろうから、勝手に使い魔にするというのも…」
「ミスタ・コルベール!この犬はサモン・サーヴァントに応じて出てきたんですよ!!だから私の使い魔なんです!!」
ルイズの剣幕にコルベールは黙ってしまう。
と、その声に反応して屋根の上の犬の耳が動いた。
(なんだい?ここはどこだ?)
犬は上体を起こしてキョロキョロとあたりを伺う。
「…絶対変」
青い髪の少女が呟いた。
(さっきまで、丸顔のボーヤの庭に居たと思ったんだけど)
「さあ、今度こそ契約を結ぶわよ!」
ルイズがコントラクトサーヴァントの呪文を唱え始める。
そして、小屋の屋根の上の犬に口付けをしようとした。
その瞬間、その犬が動いた。
(積極的だね、カワイコちゃん)
Chu!


「信じられないわ!」
ルイズが叫んだ。
「使い魔が鼻にキスしたわ!」
あたりにもざわめきが広がる。
「それにもっと信じられないわ!!」
さらにルイズが声を荒げる。
「ルーンが私に刻まれたわ!!!」
驚愕の事実。
召喚した使い魔に先に鼻に口付けされると、主人の方にルーンが刻まれる。
以後、トリステインでは、使い魔にコントラクト・サーヴァントする時に、鼻に手を当てながらするようになったという。
まあ一応ちゃんと契約できたみたいだし、次の授業に移ろうか」
「え?ちゃんとって…明らかに異常でしょ!」
ルイズの叫びを青い顔で無視するコルベール。
彼だって前代未聞の状況に軽くパニクっているのだ。
そのままコルベールは生徒たちを急かして行ってしまった。
「ルイズ、今回は気の毒だと思うけど、お前は歩いて来いよ」
一人の生徒がルイズに言った。
「わかってるわよ!うるさいわね!
…さあ行くわよ!って、あれ?私の使い魔は?」
ルイズはあたりを見回したが、あの犬の姿が見当たらない。
「貴方の使い魔なら」
キュルケが側に来て言った。
「皆と一緒に飛んで行ったわ」
指差した方を見ると、耳をヘリコプターの様に回転させて飛んでいく使い魔の後姿が見えた。
「……(タメイキ)」

「いい?使い魔って言うのはね――」
自室に戻ったルイズが部屋をウロウロしながら使い魔の何たるかを説明している。
「――だから主人を置いていくなんて言語道断なのよ!」
(つまり、僕は誘拐されたわけか!)
「先ずは感覚の共有だけど、それは無理みたい」
(僕を誘拐して、どうしようっていうんだ?)
「次に、秘薬の原料とか鉱石とかを集めてくるんだけど…あんたじゃ骨以外に集められそうにないわ」
(何を聞かれようと、決して秘密はバラさないぞ!)
「最後に、主人の護衛なんだけど…吼えるぐらいは出来るわよね?」
(さあ!どんな拷問にも耐えてやるぞ!!)
「…あんた、私の言ってること聞いてた」
(一言だって喋るもんか!)
「……もっと普通の使い魔が欲しかったわ…」
ルイズはそう呟いた。

「いつまでも『あんた』とか『犬』じゃ呼び憎いわ」
そう言って部屋の真ん中にポツンと立っている犬を見つめるルイズ。
翌々考えると、二本足で普通に立っている犬はかなり不気味だ。
「あんた、誰かに飼われてたのよね?という事は、名前がある筈よ。教えなさい」
(名前?人に名前を聞くときは、自分から名乗るものじゃないかな?お嬢さん)
すまし顔で言われ、ちょっとムッとしたルイズだったが、正論なので仕方が無い。
「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。ヴァリエール家の三女よ。さあ、あんたの番よ」
(私は…)
いつの間にか黒いボーラーハットに蝶ネクタイを身につけ、鞄を持った犬が答えた
(世界的に有名な弁護士さ。これから君を訴えるところ)
「……(タメイキ)」

頭痛がし始め、額に手を当てるルイズ
一瞬怒鳴り散らそうかと思ったが、余計頭が痛くなる気がして思いとどまった。
その代わり、目の前の使い魔を睨んでみる。
「ジー…」
(ん?折角の顔が台無しだよカワイコちゃん)
Chu!
鼻にキスされた。
「キャ!」
驚いてベッドまで飛びのくルイズ
「何すんのよこの犬ッ!」
頭痛がかなり酷くなってきた。
「えーと…じゃあ」
ベッドから頭を抑えつつ立ち上がるルイズ。
「その首輪には何て書いてあるのよ。ちょっと見せなさい!」
よくよく考えると最初から首輪の名前を見れば良かったんだわ。
ルイズは無理やり首輪をはずそうとし始めた。
(ウゲ!くるしいよ!)
「いいから黙ってなさい!…外れたわ!」
はずした首輪を眺めるルイズ。
「…読めないわ。何よこれ!?どこの文字よ!」
(単なる英語だよ。カワイコちゃん)
「英語?知らないわそんな言語…あんた読めるの?」
(もちろん)
「じゃあ読みなさいよ」
(どれどれ……チャー…ルズ…ブ…ラウン。チャールズ・ブラウンって書いてあるね)
「チャールズ?それがあんたの名前ね!」
(いいや)
プチッ
ルイズの中で何かが切れた
「じゃあ誰の名前よ!!!」
(さあ?誰だろう?判らないな。まさかあの丸顔の子の名前じゃないだろうし…)
実は丸顔の子の名前である。
ルイズの中で切れた何かが急速に萎んでしまった。
「…もういや」

「いいわ!あんたなんか犬で十分よ!!」
(否定のしようがないね。お嬢さん)
ルイズは着ている服を脱ぎ始めた。
「私はもう寝るわ!」
服を脱ぎつつルイズが叫ぶ。
「あんたは犬なんだから当然床で…あれ?」
服を着替えて振り返ると、そこには犬の姿は無く、ただテーブルとイスだけがポツンと立っていた。
「どこいったのよ!もう!もう!!もう!!!もう我慢の限界よ!!!あの馬鹿犬主人をおちょくりまくって!!!ホントに――」


そのころ、我らが犬ことスヌーピーは、自分の新しいが主人が自室で叫びまくっている事等露知らず、自分の小屋の屋根のでさっさと寝ていた。
(驚いたな)
屋根の上で仰向けになったまま呟く。
(月が二つもある)
スヌーピーは少しの間月を見つめていた。
(…片目をつぶってもやっぱり二つだ)
思い悩んだようにこう付け加えた。
(…これからどっちに吼えれば良いんだろう?)

スヌーピーが寝ている犬小屋に、誰かが近づいてきた。
(誰だろう?)
金髪で薔薇を胸に付けている少年だった。
「やあ今晩は。僕はギーシュ・ド・グラモン」
その少年は名乗った。
「君のご主人から、君を探すように頼まれたんだけど…」
(もう遅いから寝るように伝えといてよ)
スヌーピーは寝たまま答えた。
「そうだね。何か逃げ出したわけじゃ無さそうだしそう伝えておくよ」
そういってギーシュは立ち去ろうとした。
が、立ち止まって
「…って何で貴族の僕が犬の言うことを聞かなきゃ成らないんだ!?自分で伝えればいいだろう!」
と戻ってきた。
(判ったよ。じゃああのピンクの髪の子を呼んどいで。直接伝えるから)
と、今だ屋根に寝たままのスヌーピーが言った。
「よし、じゃあ呼んでくるから」
再度ギーシュは立ち去ろうとした。が。
「ん?ちょっと待て!それじゃあ僕が行って戻って来なきゃ成らないじゃないか!!二度手間だぞ!」
(じゃあ、最初から君が伝えて、戻ってこなければ問題解決じゃないか)
「あ?…ああ確かにそうだね。じゃあ僕から寝るように伝えておくよ。お休み犬君」
そういって今度こそギーシュは立ち去った。

数分後、学院のどこかから怒りに満ちた爆発音とギーシュの悲鳴が聞こえたのだった。

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