あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

男達の使い魔 第十四話

「なんでえ、みんなして話し込んでよ。なにかあったのか?」

虎丸が話しかける。そこには、シエスタを中心として車座になった男達がいた。

「フッ。富樫が戻ってきたら、皆で邪鬼先輩の墓参りをしよう、と話していたのさ。」

桃がその言葉に答える。そっか、とだけ呟くと虎丸はどかっと腰を下ろした。

「しかし、今の俺達を見たら何て言うかなー。
 俺なんか、気合が足りん、とかいってどやされそうで怖いんだがな。」

虎丸が少しおどけた声色で話す。
飛燕が苦笑しながら言葉を返した。

「虎丸、それではどちらかというと羅刹先輩の台詞ですよ。」

「それもそうだな。ところで男塾の先輩方は元気でやってるといいんだがな。」

「それこそどやされるぞ。貴様等は自分達のことだけ考えておれ!とか言ってな。」

珍しく伊達も軽口をたたく。
暖かい雰囲気の中、会話が弾む。
後は富樫を待って出発するだけだ。

「富樫のヤツ、遅いな。」

普段相棒を務めている虎丸がぼそりと呟いた。

その時ノックの音が響いた。シエスタがドアを開けると、そこにはウェールズが真剣な顔をして立っていた。

暖かかった空気は、いつの間にか冷たく凍りはじめていた。

「タバサ!」

ウェールズの操る竜の後ろから降りたキュルケがタバサに駆け寄る。
その顔には、心の底からの笑顔が浮かんでいた。
同行していた雷電とウェールズは何も話してはいなかったのだ。ただ、タバサの母親が回復するということを除いて。
親友の事情を知っていたキュルケは、タバサの母親が回復するというニュースをわが事のように喜んでいたのだ。
そこでキュルケは気づいた。タバサがひどく複雑な表情を浮かべていることに。

「一体何があったの?」

そうしてキュルケが尋ねると、タバサはポツリポツリと話し始めた。
自分を庇い、そして遂にはエルフを撃退した富樫の意識がまだ戻らないことを。

その台詞に、キュルケはようやく合点がいった。
同行者達の雰囲気が何故か暗かったことに。

非難がましい目で見つめるキュルケに、雷電は言葉を返した。
王大人がついている。ならば何も問題はない。
実体験からでた言葉には重みがあった。

その様子にキュルケは何も言わないことにした。
友人である彼らが黙って富樫は助かると確信しているのだ。
ならば自分に言うことは何もない、そう判断したのだ。

キュルケは気を取り直してタバサに話しかけることにした。
今は親友の気持ちをやわらげる方が、キュルケにとっては大切なのだ。

「これでようやく落ち着いたな。テファよ、礼を言おう。」

王大人がテファに声をかける。その言葉によって、ようやく張り詰めていたものが切れたテファがソファに倒れこむ。
富樫の怪我は、それほど重傷であったのだ。むしろ生きている方が不思議だった、テファにはそう感じられたのだ。
近くにおいておいたコップから水を一口飲む。
そうして落ち着いたテファは、改めてベッドで眠っている男を見る。

(三十歳くらいかな?)

テファは何を思うでもなく、そんなことを思っていた。
比較的年を取っていそうな外見に反して回復力はすごいものがあったところを見ると、もう少し若いのかもしれない。
そこへ王大人が声をかける。

「この男も、あたら若い命を散らしてよい男ではないのでな。正直、わしだけでは五分五分であったろう。」

そう続ける王大人の台詞に、思わずテファを思っていたことを尋ねてしまう。

「若いって、いくつ位の方なんですか?」

「ふむ。十五といったところか?」

その台詞に思わずテファを絶句する。そう、実は富樫はテファよりも年下なのだ。

(じゃあ、ここの子供達も……)

思わずテファは、孤児院の子供達が十五歳になった時のことを想像してしまった。
自分には想像もつかないが、男の子は十五歳になったらこんな姿になってしまうんだ。
思わずそんな想像をしてしまったテファを誰が責められようか。

「「「今まで世話になり申した!押忍!」」」

そう言ってこの孤児院を去る子供達(十五歳、富樫似)を想像したところまでが限界であった。
あまりのショックにテファは椅子から転げ落ちてしまった。
視界の端に、王大人が慌てて駆け寄ってくる姿が写ったが、テファは生まれて初めて不貞寝をすることにした。


そのころルイズは、飛燕を伴って学院長室を尋ねようとしていた。
自分が虚無の使い手であることを知ったルイズは、迷った末にオスマンに相談することにしたのだ。

(学院長なら、この魔法を知っているかもしれないし。)

そうしてルイズはチラリと始祖の祈祷書を見る。

『エクスプロージョン』それがルイズがはじめて使えるようになった魔法である。
効果は極めて単純だ。ただ爆発を起こすだけだ。

それだけの魔法であるが、ルイズは試し打ちをする気にはなれなかったのだ。

(デルフリンガーの言っていることは正しかったのね。でも……)

ルイズの頭のうちには、今まで散々失敗してきた己の魔法の数々が浮かんでいた。
それらは失敗魔法にも関わらず、時と場合によっては、とんでもない破壊力を生み出してきたのだ。
迂闊に唱えては、惨事を引き起こしかねない。
増長かもしれないが、そう判断したルイズは、大人しくオスマンに相談することにしたのだ。

その時、学院長室から喧騒が聞こえた。

会話の内容を思わず盗み聞きしてしまったルイズは、扉を開け放った。

平和であったトリステインにも戦争の季節が訪れたのだ。

新男根寮は殺気立っていた。
戦争が始まるというのだ無理もない。それに、
Jはチラリと横を見る。そこにはルイズが桃達に怒鳴っていた。


ルイズの系統とその呪文を聞いたオスマンは一つの賭けをした。
伝説の虚無の魔法、それも爆発を引き起こすというエクスプロージョンに賭けたのだ。
その一撃を持って敵空中戦艦ロイヤル・ソヴリン号に打撃を与える。

誰が聞いても正気を疑うであろう作戦だ。
第一どうやって敵母艦に近づくというのか、そう言った反対意見が噴出したのも無理はない。
しかし、オスマンはそれをねじ伏せた。
オスマンには一つの確信があったのだ。かつて見たあのゼロ戦というものなら敵空中戦力を突破するのは不可能ではないという確信が。

その話を聞いたルイズは、飛燕を伴って新男根寮に駆けつけたのだ。


ここで一つ問題が生じた。
動かすだけならば、意外なことに桃と飛燕に心当たりがあるという。
しかし、いかなこの二人とは言え、戦闘機の操縦経験は流石にない。
そんな二人では、いかに機動力の低い竜やグリフォンが相手とは言え、突破する自身はなかった。
それでも、自分一人であるならば、問題はなかったであろう。

飛燕はルイズを見る。
誇り高く、そして不器用な優しさを持つ彼女のことを飛燕は気に入っていたのだ。
きっと彼女は、一人でも戦地に行くに違いない、そう判断した飛燕は、己がゼロ戦を飛ばすことにした。
いざとなれば、鳥人拳の全ての技術を駆使してでも、彼女だけは無事に帰す。

飛燕が一つ覚悟を決めたとき、それは起きた。

「何よ!これ!誰も召喚の儀式なんかしてないわよ!」

召喚時に起こる光が発生していた。
全員が固唾を呑んで見つめる中、光の中にいたそれは立ち上がった。
それはあたりをゆっくりと見回す、開口一番叫んだ。

「わしが男塾塾長江田島平八である!」

そこには、男塾塾生達最後の希望でもある江田島平八がたたずんでいた。


NGシーン

雷電「むう、あれは!」

虎丸「知っているのか雷電!?」

雷電「あれぞまさしく漢の時代に伝説となった江躯簾譜廊寺王(えくすぷろーじょん)!」

かつて漢の時代、譜廊寺(ふろうじ)という寺に江躯簾(え・くす)という僧侶がいた。
拳全一如を目指したこの僧侶は、修行中のある時、一つの技を閃いたが、その破壊力に即座にそれを禁じてとして封印した。
しかし、運命はそのままでいることを許さなかった。
ある時、この僧侶江躯簾は、譜廊寺の存続をかけて時の皇帝である武帝の下で御前試合をすることになった。
普段の江躯簾であるならば決して負ける試合ではなかった。
そのことに気づいていた相手は、卑怯にも試合前に江躯簾に毒を盛ることに成功した。
絶対に避けられない戦いであるがゆえに、江躯簾は動けない体を押して、弟子達の制止を振り切って試合へと臨んだ。
だが、現実は非常である。ほとんど動けない江躯簾は、相手のなすがままになるばかりであった。
このままでは負ける、そう判断した江躯簾は、己の封印を解くことにした。
その瞬間、凄まじいまでの轟音が当たり一体に響いた。
そして光が舞い上がる。そんな中武帝は見た。
舞い上がる誇りの中で、高々と右手を上げる江躯簾の姿を。
その姿に感動した武帝は江躯簾に譜廊寺の王、すなわち江躯簾譜廊寺王(えくすふろうじおう)と名乗ることを許した。

(注釈)この故事が欧州やハルケギニアに伝わる過程で、音や伝承内容が変化し、
   爆発現象一般をエクスプロージョンと表現するようになったのは、あまりにも有名な話である。

民明書房刊 「死馬戦『死期』」(平賀才人訳・注釈)



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