あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

あしたのルイズ

 ゴング。

 同時にレフェリーを務めるコルベールが、リング上で拳を交える二人を引き離す。

「ゴング! ゴングだ!」

 双方は一瞬にらみ合った後に振り返り、肩で息をしながらもしっかりとした足取りでニュートラルコーナーへと戻った。
 セコンドにより椅子が出され、一分間で少しでも体力を回復するための道具が次々と取り出される。
 赤コーナーの椅子へ座り込んだのは、ルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 現在、HBC(ハルケギニアボクシング評議会)のランキング3位に属する、異例の女性ボクサーである。
 ぶかぶかの赤いボクシングパンツに、白い無地のTシャツを着ていた。

「ルイズ、やったじゃねぇか! あいつのフィニッシュブローを破ったぜ!」

 セコンドの一人を務めるのは、腹巻に坊主頭、左目の眼帯と異様な格好の中年男性だ。
 名を、丹下段平。ルイズによってこのハルケギニアに召喚された、かつて異世界で名を馳せた名ボクサーである。

「あれだけ特訓したんだから、当然でしょ! 次のラウンドで勝負をかけるわ!」

 疲労困憊であるにも関わらず、ルイズはニヤリと笑ってみせる。


「動かないで」

 腫れ上がったルイズの顔を、魔法で出した氷で冷やしていたタバサが呟いた。
ルイズの級友である彼女もまた、セコンドを勤める一人である。

「それにしても、まさかあんたが本当にここまで強くなるとはね……。
女の癖にボクシングなんてバカじゃないかと思ったけど、あんた才能あるのね」

 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーが呆れたように漏らした。
 その名の通り、ツェルプストー家の一員である彼女は、ヴァリエール家のルイズとはまさしく犬猿の仲である。
 が、ルイズが「ボクシングやるから。絶対やるから。もう決めたから」とぬかし、
周囲を仰天の嵐に巻き込んだ際、初めにそれを応援した人間でもあった。
 要は、何だかんだ言って親友なのである。
 『微熱』の通り名を持ち、恋に生きると公言してはばからないような女性であるキュルケにとって、
その理由が納得いくものだったからかもしれない。

「そりゃそうでしょ」

 ルイズが真顔に戻り、呟いた。

「絶対サイトの仇を討つって決めたから。そう、誓ったんだから」
 そうして、向かいの青コーナーを睨みつける。

 そこには、不適に笑う元婚約者――HBC現王者、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドの姿があった。


 ハルケギニア大陸において、ボクシングとは全てである。
 六千年前、ブリミルと呼ばれる人物が編み出したとされるその競技は、瞬く間に大陸全土へと広がった。
 現在において、各国の代表を出す国際戦が最早代理戦争と化していることからも、その人気ぶりは知れよう。
 そして、貴族の誇りとは、強いボクサーであることであり、即ちボクシングで勝つことである。
 現在を生きる全ての貴族の男子にとって、ボクシングで強くなるのは確固たる目標であり、遥か遠い夢だ。
 HBC上位ランカーともなれば、下級貴族の三男坊などでも結婚相手は選び放題、生涯の成功は最早約束されたと言ってもいい。
 その妻も、夫の試合となれば必ずセコンドに立ち、声を枯らして応援。
勝てば抱き合ってリング上で接吻し、負ければ控え室で涙を流した。
 『俺のセコンドに立ってくれないか』というプロポーズの言葉は、最早使われすぎて陳腐であるにも関わらず
『好きな異性に言いたい/言われたい台詞ランキング』で132年連続一位ぶっちぎり独走中。
ちなみにランキングの集計が始まったのは132年前である。
 要は。どいつもこいつも、バカみたいにボクシングに燃えているのだ。


 ルイズが、使い魔契約の儀式で異世界の二人――平賀才人と丹下段平を召喚したのは、もう二年前のことになる。
 二人はやがて、ボクサーとセコンドとしてHBCランキングへ参加。
 グローブをはめると身体能力が向上するという、伝説の『ガンダールヴ』のルーン、丹下段平のやたら根性部分に特化した指導、
喋るインテリジェンスグローブ『デルフリンガー』などもあり、瞬く間に上位へと上り詰めた。

 しかし、その年のトリステイン王国代表決定戦。決勝戦において、ワルドの繰り出したフィニッシュブロー、
『ライトニング・クラウド・アッパー』によって、終始優位にあった才人は逆転負けした。
 ルイズはその時、婚約者と使い魔、どちらのセコンドに着くか悩んだ挙句、賓客用観客席という中途半端な立ち位置に居た。
 そして見たのだ。絶対に見た。二人がコーナーで戦っていたせいで、自分以外には誰にも見えなかったろうが、
しかしそれは確かだったとルイズは確信している。
 フィニッシュブローを撃つ瞬間、ワルドは才人の足を踏んでいた。


 そして、試合終了から三時間十二分後。
 平賀才人は、絶命した。


 試合から数日後。
 ルイズは、ワルドを問い詰めた。何故だ。何故、あんなことをしたのか。
 ワルドは哂った。高らかに哂っていた。

「まずい、まずいんだよルイズ。あそこで負けてしまっては、僕はルイズと結婚出来ない。
ヴァリエール家の麗しきご令嬢と結婚するんだ、HBC現王者くらいの立場は必要だろう?」

 くくく、と堪えきれない哂いを漏らす。その眼は、何か名状しがたきものに侵されていた。
 明らかに尋常では無い様子に、表情を硬くするルイズ。
 その腕を突然、ワルドが掴む。

「さぁ、もう十分だろうルイズ。僕はHBCの頂点、ハルケギニアにおける全ての男子の頂点に立ち、九回それを守り抜いた。
かつての伝説、『イーヴァルディの闘士』と並ぶ大記録。ああ、ああもう十分だ、そうだろう?
君と僕は結ばれる。誰にも邪魔はできない。そして君の、『虚無の拳』の力がついに――!」

 恐怖。しかし、それ以上にルイズの心を埋め尽くしたのは、憤怒だった。
 ルイズは腕を振り解き、ワルドを睨みつける。それを気にもせず、相変わらず、哂い続けているワルド。
 ワルド――いや、こいつが何を言っているのかはわからない。
 だけど。
 これだけはわかる。

「そんなことのために……!」

 その目的は、あいつ――才人に比べれば、屑にも劣る最低の代物だということだけは。

「サイトを……!」

 あいつを。いつまで経っても従おうとしなかった、小憎たらしい使い魔を。給仕やら、他の女性にすぐ傾く惚れっぽいあいつを。
 でも、……どうしようも無い程、どうしようも無くなる程に好きだったサイトを!

「殺したのねっ!」 




 ルイズは先日の自分を悔やんだ。何故、自分はこいつとサイトを比べて、しかも迷いなんてしたんだろう。
 こんなにも。こんなにも、私の気持ちは分かりきっているというのに!

「……いいわ。あなたがもう一度だけ、その王座を守りきったなら、私はあなたの妻になる」
「どうしたんだい? 僕の愛しいルイズ。別に、今すぐにでも僕は構わな――」
「その口で、次に『愛しい』と言って御覧なさい。――その口、引きちぎってやるから」

 ワルドは哂い止み、値踏みするような眼でルイズをじろり、と眺めた。
 完全に様子は一変し、実につまらなそうな、退屈そうな眼をしている。

「ふん。……成る程。君は僕の、『敵』になったと、そういうことなのかな、ルイズ?」
「ええ。完膚無きまでにね、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド」
「くくく。もう『ワルド様』とは呼んでくれないのだね、僕のルイズ。
だが、まぁいい。僕が次に勝ちさえすれば、全ては問題とはならない。
いくら君が反対しようとも、前人未到のHBC王座十連続防衛を果たした男となれば――君のお父上にほんの少し働きかければ済むことさ。
それで? 残りの一回、君は誰をけしかけるつもりなのかな?」

 馬鹿にしきった様子のワルドを前に、しかしルイズは動じなかった。
 眼を煌々と光らせ、胸を張り、怒りの炎に身を焼いて、誰よりも誇り高く、彼女はそこに居た。

「私よ。私自身が、あなたに挑む」



「セコンドアウト!」

 ロープを乗り越えながら、ルイズのセコンド達が次々に声をかける。

「いいか、ルイズ。足だ、足を使え。かき回した所に、お前のフィニッシュブローを叩き込んでやりな!」
「……本で読んだ言葉。あなたに。……Stand, and Fight.(立って、そして戦いなさい)」
「頑張りなさいよ。サイトのためなんでしょ?」

 ルイズは僅かに微笑みをこぼし、そして相対する敵へと向かっていった。
 着ているTシャツを握り締める。かつて、彼女の使い魔がこの世界に召喚された時に着ていたものだ。

「サイト」

 何かを噛み締めるように、ルイズはその使い魔の名前を呟く。

「らぅーん、えいと! ふぁいっ!」

 ゴング。


 開幕直後、ワルドは冷静に牽制の左を放つ。
 速く、鋭く、確かな芯のあるジャブ。『エア・ニードル・ジャブ』。
『閃光』の二つ名の元になった、ワルドの主武器の一つである。
 ルイズも動じず、ステップとガードで対処する。
 しばし、静かな攻防。盛り上がる観客席とは正反対に、凍りついたような緊張感がリングには満ちていた。
 ――と、その空気を打ち破るかのように、ワルドが大きく下がる。
 そのまま腕を広げ、オープンガード。そして、あろうことか対戦相手であるルイズへと話しかけた。


「いや、驚いたよルイズ。まさか、君が――君自身が! 僕に挑むと聞いたときには、正直正気を疑ったがね。
僕の『ライトニング・クラウド・アッパー』を破るとは、やるじゃないか」

 『ライトニング・クラウド・アッパー』。ワルドが幾多もの敵をリングに沈めてきた、彼の必殺技である。
 その拳は相手に命中すると同時に、グローブすら焼き尽くす強力な電撃を発し、その動きを止める。
 ガードも不可能、当たったらそこで終わり。まさしく、『フィニッシュ』ブローだ。

(尚、スレ住人の皆さんは技のあまりのネーミングセンスに眉をひそめていることだろうが、
これは筆者の趣味では無く、名作ボクシング漫画――アレをボクシングと呼称するのなら、という前提だが――
『リングにかけろ』へのリスペクトである。知らない人はググってwikipedia。すげーネーミングだから)

 ルイズは警戒。試合中に対戦相手に話しかけるなど、正気の沙汰ではない。コルベールが困っている。

「驚いたよ。本当に驚いた。まさか、『虚無の拳』の力を、僅かとはいえ引き出すとはね。
それに敬意を表して――僕の、正真正銘、本当の本気を見せるとしよう!」

 そう言い放つと、ワルドは突然詠唱を始める。

「ユビキタス・デル・ウィンデ……」

 ルイズはワルドへと突き進んだ。まずい。何の詠唱をしているのかはわからないが、本能が告げている。
 あの呪文を、完成させてはならないと。

「っ!」

 ワルドの顔面へ、右ストレートを放つ。

 そして、誰もがその眼を疑う光景。
 その拳が、ワルドの頬を『貫通』した。

「!」


 驚愕に凍り、動きが止まるルイズ。面前のワルドの姿が、かき消える。
 そして、

「ユビキタス。――風は、遍在する」

 ルイズの背後。そこに、五人のワルドが立っていた。
 振り返ったルイズの顔が、更なる驚愕で歪む。

「風の吹くところ、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する」

 ルイズは混乱しながらも、必死でジャブをうつ。
 涼しい顔でそれを防ぐ、ワルドの一人。

「物理的影響力を持ち、ある程度の衝撃なら消えることもない。そのそれぞれが意思を持っている。
――どうだい、僕の愛しいルイズ? これが僕の、本気だよ」

 一人がルイズのパンチをガードしている間に、もう一人が懐に潜り込み、ルイズの気をそらす。
 更に二人が牽制のジャブを放つ。

「くっ!」

 ルイズは必死で、それをかわそうと『イリュージョン・ステップ』を使う。
 自分自身の幻影を作り出し、敵を翻弄する足捌き。
 先ほど『ライトニング・クラウド・アッパー』を破ったのもこの技だ。
 しかし、

「無駄だ!」

 そして、最後の一人はルイズの死角へと回り込んで――

「これで終わりだ! 『エア・ハンマー・フック』!」

「――――!」

 空気の塊を伴った拳は、その力を元の数倍にまで増大。
 ルイズの顔面を捉え、悲鳴をあげることすら許さず数メイルの距離を吹き飛ばした!


 きもちいい。
 なんだか、すごくきもちいい。
 めのまえがぐにゃぐにゃする。なにもみえないや。
 ああ、ねちゃいそうだなぁ。

「――――!」

 なんだか、とおくでたくさんのひとがさわいでる。
 うるさいなぁ。
 わたしはもう、ねたいのに。

「――――!」

 ああもう、ほんとうにうるさい。
 たちあがることなんて、もうできないのに。

「――って!」

 え?
 いま、なんて……。

「立って! ルイズ!」




 リング上、ピクリともしないルイズ。勝ち誇り、ロープへもたれかかるワルド(×5)。
 それを見つめながら、キュルケは呻く。

「分身……。ボクシングで五対一なんて、勝てるわけがないじゃない……!」

「…………」

 無言のままのタバサ。

 3。

「ちくしょう……。ルイズは、ルイズはあんなに頑張ったのによぅ……!」

 丹下は俯き、何かを堪えるように歯を食いしばっていた。

「…………」

 無言のままのタバサ。

 5。

「……限界ね」

 倒れたまま動かない姿を見、キュルケがタオルを取り出す。
 止める丹下。

「待て! そいつぁダメだ! ルイズを、あいつの気持ちを裏切るつもりか!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
「せめて、10カウントの間は――」
「一刻を争う状況だったらどうするつもりなの!? その数秒が、あの子を殺すかもしれないのよ!」

「…………」

 無言のままのタバサ。

 8。

「ダメだ! そいつはやらせられねぇ!」

 丹下がキュルケに、タオルを投げさせまいと食らいつく。
 そうしながらも、叫ぶ。

「立(て! 立つんだ、ルイズ!)――」
「立って!」

 割り込むかのような突然のタバサの絶叫に、丹下は言葉を止められてしまう。
 タバサはルイズを見つめ、何かを訴えるように、目に涙を浮かべながらも叫ぶ!

「立って! ルイズ!」


 その一言で、心臓に火が入った。
 足が動かない。
 頭はグラグラだ。
 体中が痛みを訴えている。
 ――それでも。

 その全てを屈服させて、ルイズは立ち上がった。カウントは、9。
 霞む視界の中、リング下のタバサを捉える。
 そちらに向けて、頷いた。

 ――そうだ。

 驚くワルドが見える。

 ――負けられない。

 足を一歩、動かす。

 ――絶対に、

「負けないんだからっ……!」


 ワルド達が、再びルイズへ襲い掛かる。
 先手を取り、重い左手を必死で動かして、ジャブ。
 どうしようもなく鈍いそれを、ワルドは苦も無くガードした。
 先ほどと同じ流れか、と誰もが思ったその瞬間。

 ガードをしたワルドが、跡形も無く消え去っていた。

「な――!」

 驚きで動きを止めるワルド達。馬鹿な。あの程度のパンチで、分身が消え去るなどあり得ない。
 更に連続でルイズのジャブが放たれる。
 一発。一人のワルドが消える。
 一発。また一人のワルドが消える。
 残るワルドは、二人。

「馬鹿な、そんな筈は!」

 混乱するワルド。そこに、ルイズがぽつりと、だが確かな強い声でその技の名前を告げた。

「――『ディスペル・ジャブ』」
「っ! 『解除』したというのか、僕の分身を!」

 更に、一発。更にワルドが消えうせる。
 残るは本体。たった一人の、ワルドのみだ。

「僕は……僕は負けないっ! 『虚無の拳』を手に入れ、ボクシング界の全てを手に入れるまで、決して!」

 錯乱したワルドが、ルイズへ吶喊する!

「あ、ああああああああああああああっ!」


 再び、『ライトニング・クラウド・アッパー』を放つ。
 決まれば、間違いなく終わる。その威力を秘めた一撃。
 しかし。その技は既に――

「ああああああああああああああっ!」

 命中!
 ワルドの眼に、電撃に撃たれながら吹っ飛んでいくルイズの姿が映る!

「あああああああああああああ、ああ、あ……?」

 再び倒れるルイズ。電撃で体中が焼け焦げ、見る影も無い。

「あ、ああ、は、ははははははは! 勝った! 『虚無』に、伝説に、僕は勝ったんだ!」

 ワルドは気づくべきだった。
 ルイズにその拳が命中した――否、そう見えた瞬間。
 しかしそれに反して、その手には何の感触も無かったことに。

 倒れていたルイズの姿が消える。

「ははははははははっはああははは、はぁ? あれ?」

 『イリュージョン・ステップ』。
 そして、

「喰らいなさいっ! サイトの――仇っ!」

 ワルドの目の前から放たれた拳は、

「『スマッシュ』――」

 その顎にクリーンヒットし、

「――『エクスプロージョン』!」

 大爆発によって、ワルドを上空十数メイルまで吹き飛ばした!


 一瞬の沈黙。
 その会場にいた全ての人間が、歓声一つ上げず、、空中のワルドを見つめていた。

 ぐしゃり。

 何かが潰れるような音と共に、ワルドがリング外へ顔面から墜落する。
 コルベールがそれを覗き込み、――その両腕を、頭上で交差させた。


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 歓声が爆発し、ゴングはこれでもかと鳴り響く!

「やった! ついにやったぜ、ルイズ!」
「……やった」
「あの、バカ……! 心配させて……!」

 コルベールがルイズの腕を、高々と掲げる。更に音を増していく観客の声援。
 腕を下ろされたルイズは、その中を、ふらふらとニュートラルコーナーへ戻る。

「っ! タンゲ! 椅子!」
「言われるまでもねぇわっ!」


 出された椅子に、崩れるように座り込むルイズ。


「ちょっとルイズ? 体は、大丈夫なの?」
「待ってろ。今、わしがとっておきの薬を――」
「要らない。水のメイジが医務室からすぐに来る」 
「ルイズ? ……ちょっとルイズ? ルイズ!」
「おいルイズ! 返事しねぇか!」
「…………救護班、早く!」








 ねぇ、サイト。

 やったよ。

 私、あんたの仇を討った。



 サイト。

 もう一度だけでも、あんたに会いたいわ。

 言いたいことがあるのよ。

 前には言えなかったけど、今なら、素直になれそうな気がする。



 でも。

 燃え尽きちゃった。

 燃え尽きちゃったわ。

 真っ白にね……。

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