あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

つかわれるもの-1


第01話 呼び出されたもの



ここトリステイン魔法学院では、現在二年生の「春の使い魔召喚の儀式」の真っ最中だ。
午後から始まったこの儀式だが、生徒達は順調に召喚に成功して行き、一人の女生徒を残すのみ。
しかしその女生徒が召喚の魔法を唱えても……聞こえてくるのは儀式を終えた生徒や使い魔の叫び声と―――爆発音だけであった。

その女生徒――ルイズはこれで16度目となる爆発にも決して諦めようともせず、ゆっくりと深呼吸を行って精神を集中させていた。

(今度こそ大丈夫だ、落ち着こう……)

周りから聞こえて来る罵声と悲鳴、教師がまた明日行えば……と言ってくるが、ルイズはもう一度だけやらせて下さい!と半ば強引に押し切った。

(今まで沢山練習したんだ、落ち着いてやれば成功するわよッ……)

そして再び杖を掲げ、声を張り上げた。

「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」

――再び巻き起こる轟音を伴った大爆発、今までで最大の規模だ。
太った一人の生徒が巻き込まれ、焼き過ぎて焦げてしまった豚のように真っ黒になってしまった。



ルイズはついに地面に崩れ落ちた。
今までの努力は、勉強は、練習は、無駄だったのだろうか。
所詮「ゼロ」のルイズには召喚なんか無理だったのだろうか。
そう考えると涙が出そうになった……が、周りの叫び声で我に返った。

「お、おい!何か動いてるぞ!」
「あのルイズが成功したのか!?」
「マリコルヌ!傷は深いぞ!しっかりしろ!!!」

何かが、居る?
勢い良く顔を上げ、土煙の中を確認すべく目を凝らす。
そこには確かに何か動くものが存在し、ルイズは期待に胸を膨らませた。

(ドラゴン?グリフォン?この際だったら鷲とか、梟とか、何でも良いわ!)

そして段々と土煙が晴れて行き、そこに居たのは……

「あ、亜人!?」

獣の耳と尾を持つ女性と、鷲の翼のような耳を持つ女性の二人だった。



カルラが目を開いた時、目の前は土煙で覆われていた。
そして辺りからは罵声や悲鳴、そして驚愕の声が聞こえて来る。
落ち着いて周囲を見回すと、隣にトウカが倒れているのが見えた。

「トウカー、死んでませんわよねー?」

ゆっさゆっさとトウカの身体を揺する。
呼吸はしているようだから死んではいないだろう。
片手で顔を抑えながら、トウカはゆっくりと上体を起こした。

「んー……ここは?」
「良く判りませんけど、生きてはいるみたいですわねー」
「先程居た戦場では無いみたいだな……」
「どうやら"あの鏡"で何処かに飛ばされた、と考えるのが妥当ですわね……」

結論から言えば、カルラの読みは正しかった。
土煙が晴れて目にしたのは、珍妙な衣装に身を包んだ子供達であった。



それを見守っていた教師――二つ名「炎蛇」のコルベールは、目の前で起こった事態に困り果てていた。
何しろ亜人が召喚された、というだけで相当の異常事態であると言うのに、あまつさえそれが二人も居るのだ。困るのも当然と言えば当然なのだが。
試しに彼女達に『ディテクト・マジック』を使ってみたのが、結果として両方から魔力反応があった。
やはり先住魔法が使える、と考えるべきなのだろう。いきなり暴れ出そうものなら手が付けられない事は明白だ。

そして、コルベールを悩ませる理由は彼女達の存在だけでは無かった。

「ミスタ・コルベール……私はどうすれば良いのでしょうか……」

そう、彼女達を召喚したのが――ルイズだと言う事だ。

コルベール自身、彼女の努力は良く判っているつもりでいた。
そしてルイズに才能が無いのでは無く、まだ開花していないだけだ、と考えていた。
ルイズが今日の儀式の為に、毎日毎日努力をしていた事を知っていた。
だからこそ、この機会に召喚できずに退学、という事態だけは絶対に避けて欲しかった。
もしこれを認めなかったら、次に召喚する時に成功する保証は……無い。


コルベールは考える。
召喚される使い魔は、主にとって最も必要とされる存在だ。
恐らく何らかの理由で、彼女達は呼ばれたのだろう。
今更何をした所で、杖はもう振られたのだ。ならばこの流れに全てを任せよう。

もしこの女性達が暴れ出そうものなら、自身が全力で止めてみせる。生徒達を守ってみせる。
コルベールは意を決して、ルイズに声を掛けた。

「前例には無いが……例外は認めらない。春の使い魔召喚の儀式はあらゆるルールに優先する」







「彼女達のどちらか片方と、『コントラクト・サーヴァント』を」



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