あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

とある魔術の使い魔と主-02


「何で月が二つあるのですかー!?」
頭を両手で抱え、演技ではないかと思えるぐらいの驚きを放つ。
「当たり前じゃない。というか何でそこで驚くのよ?」
月が二つある事になんら疑問を沸かないルイズに、いやいやいやいやありえないですからー、と言葉に合わせるかのように片手を左右に振る。
「いや、だって月は一つしかないでしょ? それともあれですか、月がなんらかの手違いで分身しちゃいましたテヘッ、とか言っちゃうんですかあんたは!?」
「知らないわよそんなの……そんな事より貴族に対してそんな口の聞き方していいと思ってるの?」
ルイズがやや怒りを篭った口調を上条当麻は無視し、一つの確信を得た。ここは今まで暮らしてきた世界とはわけが違うのを。
あの後、歩いて城もとい学校に着いた当麻は、一緒にいたルイズに状況把握の為色々聞いた。
ここは何処なのか? あんたらは何処の魔術団体なのか? てかさっきは何の術式だったのか? それはもう沢山聞き、気付けば夜に変わっていた。
その間に、なんとなくここが別世界だと感づいたのだが、ありえない! と何度も当麻は自分に言い聞かせて来た。
そしてルイズは疲れに疲れて、今の当麻の変わりやすいテンションを半ば流すようにしないと身が持たない。一方の当麻は、必死に普段使わない頭を回転し始める。
(くそっ、ええい、まさかこういう不幸フラグが立つなんて!?)
不幸その一、異世界へと飛ばされた事。
不幸その二、自分が何やら『使い魔』とされた事。
良い子の皆はその場の幸福に騙されないように気をつけるんだぞ! いや、ホントに気をつけるべきだよ……、と当麻は体験した今素直にそう思えた。
(しかし……)
当麻はちらっと右手を見る。
幻想殺し、それが異能の力であるならば、超能力であろうが魔術であろうが神様の奇跡であろうが、触りさえすれば打ち消す力。
今まで、『御使堕し』といった神レベルの術式は、当麻の知らない間に右手が打ち消してくれた。では今回の術式に関しては何故発動しなかったのだろうか?
考えられる理由としては、『御使堕し』といった術式は、対象者は全員とされている。それと違ってルイズが行ったのは当麻だけへの術式。

言うならば当麻だけを狙った魔術、故に知らず内に右手が勝手に打ち消す事はない。そして、あろう事か当麻は右手であの契約の証の術式を触らなかった。
これならば筋が通っているであろう。術式を形成したのはルイズ自身、そして当麻は右手をずっと地面につけていたのだ。
というわけで見事ルイズの使い魔にへと変わったのでした。パチパチパチ、
(じゃねぇよ! うぉぉぉぉ、神様よ! 俺が何か悪い事をしましたか!?)
『いやカミヤン自分で神様の力打ち消しとるし』
『ホント、不幸の一言で締め括るにはもったいないぐらいだにゃー』
本日二回目の登場の青髪ピアスと土御門をほって置き、受験に失敗した三浪君レベルに落ち込むのであった。

(はぁ……なんだってこんな平民を召喚しちゃったのかなぁ……)
一方のルイズはルイズで、今更ながらも自分の使い魔に不満をもった。せっかく何回も挑戦して成功したのに、その相手がただの平民だなんてショックを受けるには大きすぎる。
人前では感情を隠せるが、こういった一人きりの時はそれが出来ない。
熱いものが目から込み上がってくる。それが流れ落ちる前に裾でササッと拭き取る。
(わかってる……、こんな所でへこたれるわけにはいかないわ)
決まった事項はもう変えられない。ならばこれからを見据えればいいだけ。ルイズは一人で決心する。決して使い魔に頼るようにしない立派なメイジになろうと。
と、気付く。自分の使い魔が極大な負のオーラを発している事を。
何やら体から出てきているように見えるのが余計に怖い。ルイズはとりあえずこのままでは自分も圧し負けてしまいそうなので、声をかける。
「とりあえず私の使い魔として恥をかかないようにしてよね」
が、決して慰めの言葉は与えない。当麻を人間として扱っていないからだ。

その時、当麻の頭にいい閃きが舞い降りた。とりあえず元の世界に戻る方法は後にして、まずは使い魔についてなんとかしよう。
とりあえず契約の証であろうこの左手にあるルーンを右手で触ればいいのでは? そうすれば幻想殺しの力で消え去って使い魔という役職から解放される!
ルイズから使い魔としての仕事――掃除、洗濯、その他雑用をヤレといわれた当麻にとってこれほど幸福な事はない。
「はっはっはっ、この上条当麻まだ屈したわけじゃないですよ! こちらはあんたとの関係を断ち切る切り札があるのさ、あるんだ、あるんです三段活用!」
当麻の急激なテンションの変化とは逆に、ルイズは絶えず同じ状態で小さく首を傾げた後、
「別にしてくれるならいいけど、そしたらあんた誰に養って貰うの?」
「……………………………………………………はい?」
「言っておくけど、ただの平民を貴族が養うわけないわよ」
「…………………………………………………………」
「でもまぁ私としても使い魔を変えたい思ってるから、是非やってくれないかな?」
「ルイズ様、私が悪うございました。上条当麻は是非ともここであなたの使い魔として過ごしたいとお思いです」
良い子の皆はその場の幸福に騙されないように気をつけるんだぞ! 当麻は自分のモットーにしようか真剣に悩む事にした。



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