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ゼロの使い魔~オデレタロス参上!!~

ルイズは自身の使い魔である、リョウタロウ・ノガミを気に入っていた。
それがどの様な感情から来ているものか、現在の彼女自身には判別が付かないが
相当に入れ込んでいるといってもよかった。

彼を召喚した当初はその見た目に違わぬ貧弱さと、何より平民であったことに大いに落胆したのは事実だ。
しかしそんなことは、彼に自分が『ゼロ』だと知られたその時に、吹き飛んでしまった。

『笑わないよ。……ほら、ルイズちゃんの教科書、擦り切れてぼろぼろになってる。
 弱かったり、運が悪かったり、何も知らなかったとしても、何もしないことの言い訳にはならない。
 僕は知ってるから。ルイズちゃんが、すごく頑張ってるってこと』

その言葉を聴いて、涙が一筋落ちると同時に、何か重い憑き物もいっしょに落ちたかのような気がした。
例え魔法が使えなかったとしても、父にも、母にも、姉達にも愛されてきたという自覚がルイズにはあった。
しかしただ一つ、愛する家族にさえ貰えず、彼女を苦しめ続けてきたものがあった。
魔法が貴族としての絶対の要素であるこの国で、彼女の生涯の中、一度も得られなかったものがあった。
それをこの使い魔の青年が、初めて自分に与えてくれたのだ。
それは、誰かに認められるということ。

その後赤くなった目元を隠し、何事もなかったかのように教室を掃除し、何事もなかったかのようにリョウタロウが
木片につまづき頭を打ち気絶し、何事もなかったかのようにとても運の悪い、優しい使い魔を見て溜息をついた。

その日から、ルイズはリョウタロウを使い魔としてよかったと思うようになった。
だから、彼がまたいつも通り異常な運の悪さを発揮してギーシュと決闘になった時、散々に打ちのめされたリョウタロウを見て
一瞬で頭に血がのぼり、『錬金』を連発して助けだし治療と看病に努めた。
彼のひ弱さを心配して、タバサという子の監修の元、ハシバミ草のジュースを飲ませたりもした。
リョウタロウが自分で一生懸命選んだ、デルフリンガーという名らしいボロ剣に、
キュルケが『ファイアボール』をぶち当てた時には、決闘の当事者である自分を棚に上げ、激怒もした。
こんな、怒ったり、笑ったり、忙しない毎日がこれからも続くと思っていた。
少なくともリョウタロウが故郷に帰るまでか、自身との使い魔の契約が切れるまでは。

そう、使い魔の契約が切れるということは主従どちらかが命を落とすということであり
それは例えば今目の前で起きている現状の通りの出来事が仮にだが起きてしまった場合にそうなるわけで――――――

「……あ、え?嘘、でしょう?」

――――――ばらばらと降り注ぐ砂と小石が頬に当たり、つかの間の現実逃避から引き戻された。

土煙が舞い上がり、視界が一瞬塞がれる。

「りょ……たろ?」

視界が晴れたその先には巨大な土の塊が立ちふさがっている。
土で出来た巨大なゴーレムが、地面に拳を打ち下ろしていた。

「ば……ばかね……またいつもの、ツイてない病、なんでしょう?
 ほら、怒らないから、ね?でて、きなさい、よ……?」

より正確に言えば、ゴーレムから守るためにルイズを突き飛ばした、リョウタロウの真上に――――――

「ねえ!?ねえったら!?リョウタロ――――――!?」
「だーー!!危機一髪だったなあ!相棒!!」

唐突に場に似合わぬ陽気な声が響き、人影がむくりと起き上がった。
その影の正体を認めたルイズの目が見開かれる。
リョウタロウだ。生きていたのだ。

「リョウタロウ!リョウタロウ!!」
「あー、危ねぇから後ろ下がってな娘っ子。にしても、うは!おでれーた!!相棒の身体乗っ取ってるよ俺!?
 しかし……操りやすいっつーかなんつーか、燃費が良いのか?」

喜び駆け寄ってくるルイズを静止し、リョウタロウは何やら独り言を始める。
どうにも腑に落ちないものはあったが、何とかリョウタロウの無事を確認し、ルイズはほっと胸を撫で下ろした。
しかし直ぐに、彼に感じる違和感に首を傾げた。
その身体にはゴーレムによるダメージは見当たらず、むしろ活力が漲っているのを感じる。
以前までの弱々しい雰囲気はどこかに消え、飄々としていながらも触れれば斬れる剣のような鋭さを醸しだしていた。
髪の一房と、瞳の色が鈍色に妖しく輝いている。
一体リョウタロウの身に何が起きたのだろうか。

「ねえ、あんた本当に大丈夫―――危ない!!」
「んー、相棒が特異体質なのか?……あん?何か言ったか娘っ子?ってうおおおお!?」

ルイズの警告を受け、慌てて屈んだリョウタロウの頭上を
ゴーレムの豪腕が唸りを上げて通り過ぎていく。

「っかーー!ヤル気満々じゃねぇか、危ねぇなあオイ!!始めっからクライマックスってか!?
 ええい、相棒は寝ちまってるし……しゃーねぇ!俺がやるしかねえか――――――!!」

余りにも頼りない、ボロボロに錆びた剣を突きつけ
しかし誇らしげにリョウタロウが叫ぶ。




「俺、参上ッッ!!」




ゼロの使い魔  ~オデレタロス参上!!~  完

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