「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ……!!
神聖で美しく、そして、強力な使い魔よ!!
私は心より求め,訴えるわ!! 我が導きに答えなさい!!」
神聖で美しく、そして、強力な使い魔よ!!
私は心より求め,訴えるわ!! 我が導きに答えなさい!!」
何かに呼び掛けた桃色の少女は、掲げていた杖を全身の全てを込めて振り下ろす。
ドッゴォォオォォオオォォオォオオオオォォォォォッ!!
そして、当然の様に起こる爆発。
周囲には30近いクレーターが出来上がっている。
周囲には30近いクレーターが出来上がっている。
最早日常となったこの光景に生徒達は、
指を指したり,呆れた表情で肩を竦めたりしながら少女を馬鹿にする様に囃し立てた。
指を指したり,呆れた表情で肩を竦めたりしながら少女を馬鹿にする様に囃し立てた。
何時もと同じ光景。
ゼロと呼ばれ続けた少女の日常は
ゼロと呼ばれ続けた少女の日常は
カランッ!!
煙の中から聞こえて来た金属製の『何か』の音で幕を閉じた。
【蒼い鬼火の使い魔】『其は不思議な場所なりて(ファースト・キス)』
「あれ……俺……?」
周りには巻き上がる土煙。
足元はクレーターみたいなでっかい凹み。
足元はクレーターみたいなでっかい凹み。
一面泥だらけだったさっきまでいた場所とは明らかに違う。
「さっきまで……ダムの村で…………?」
そうだ。
俺はダムで『灰色の狼(グラオ・ウォルフ)』のヴォルフの胸を……。
俺はダムで『灰色の狼(グラオ・ウォルフ)』のヴォルフの胸を……。
………何でなんだ?
何でこんなに彼方此方で銃声がなりっ放しなんだ?
何でこんなに彼方此方で銃声がなりっ放しなんだ?
カランッ!!
吹き抜ける風が、俺の腰のランタンを揺らし,土煙を少しずつ吹き飛ばして行く。
その土煙の向こう側にあった世界には……ピンク髪の小さな女の子がいた。
「#$R%=~(‘&?」
両手を腰に当て、真っ直ぐ少尉みたいな目でこっちを見ている。
言葉は全く分からないが、あの顔は絶対怒ってると思う。
言葉は全く分からないが、あの顔は絶対怒ってると思う。
その直ぐ後ろには、その光景をじっと見詰めて来ている沢山の子供達がいる。
青い髪の女の子以外、皆が凄く怯えている。
青い髪の女の子以外、皆が凄く怯えている。
もしかして、
そんな事になってる理由はぜんぜん分からないけど
此処は共和国で,あの人達は帝国軍人の格好をした俺を敵だとか思ってるんじゃあ……。
そんな事になってる理由はぜんぜん分からないけど
此処は共和国で,あの人達は帝国軍人の格好をした俺を敵だとか思ってるんじゃあ……。
「ええっと……すみません。」
取り敢えず、謝る。
しゃがんで、一応女の子の目線に合わせて。
しゃがんで、一応女の子の目線に合わせて。
下手に動くよりもそっちの方が良い。
「!“#”“!$%$%&((!! =~|%$%$#+*=!!」
やっぱり全然分からない言葉を叫ぶと、凄いしかめっ面であの女の子が顔を近付けて来た。
それが怖くて、顔の前で腕を組んだまま俺は目を瞑る。
それが怖くて、顔の前で腕を組んだまま俺は目を瞑る。
……………………チュッ!!
あれ?
微かに温かいモノが口に触れてる?
微かに温かいモノが口に触れてる?
何だろうと思って目を開く。
女の子の顔がある。 ピンクの髪がある。
女の子の顔がある。 ピンクの髪がある。
俺……ランデル・オーランドはピンク髪の女の子にキスをされていた。
「感謝しなさいよ。 貴族にこんな事されるのは一生無いんだから。」
何時の間にか俺にも分かる言葉を叫んでいた女の子。
しかし、それに驚く前に左手の痛みで俺の意識は少しずつ削られて行く。
ヴォルフ達との戦いで、結構俺の体は限界だったらしい。
ヴォルフ達との戦いで、結構俺の体は限界だったらしい。
痛みに耐えかねて意識を手放す寸前、俺には心配そうに此方を見る少尉が見えた気がした。
See You Next Time!