あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

魔法少女リリカルルイズ12


ゴーレムの打ち下ろす一撃をシールドで受けたユーノは片膝をついた。
その一撃は見た目よりは遙かに強力だ。
魔力のために単に腕を振り下ろしたときよりも何倍も威力を増している。
一方、ユーノの魔力は傷を治すために使っていたので余裕がない。
シールドもいつまでも待たない。
ゴーレムが両腕を組んで振り下ろしてきた。
それも防ぐ。
衝撃が治りきっていない傷に響いた。
今度はゴーレムが腕を横に振る。
建物が巻き込まれて崩れる。
ユーノはその中に、落ちる瓦礫を見上げるシエスタを見た。


シエスタはルイズを追いかけていたが途中で見失ってしまった。
仕方なく探していたらヴェストリの広場まで来てしまった。
大きな音がしたので来たらゴーレムが暴れていた。
ゴーレムが建物を崩壊させシエスタはそれに巻き込まれる。
「おじいちゃん……」
いつもスカートのポケットに入れている祖父からもらったお守りを掴んだ。
周りで怖い音がする。
上から重いものが迫ってくる。
もう一度お守りを掴んだ。
その時、体がふわりと浮いた。
「大丈夫?怪我はない?」
見知らぬ小さな子どものメイジがシエスタを抱いて空を飛んでいた。
落ちそうになったシエスタは子どものメイジに抱きついた。


痛む頭を押さえながらギーシュは目を冷ました。
当たりには土煙が舞っている。
離れたところで音がしたので、そっちを見た。
「なんだ……あれは」
10メイルくらいのゴーレムが暴れていた。
青銅の色をしているが自分のゴーレムではない。
あんなに大きなゴーレムは作れない。
それに自分は動かしてない。
ゴーレムの足下を見てまた驚く。
「なんだ、あいつは」
とにかくすごい防御魔法の使い手だった。
あんなゴーレムの攻撃を弾くような防御魔法を使えるメイジはこの学園でも少ないだろう。
「リリカル……マジカル」
後ろで声がした。
呪文のようだが聞いたことのない呪文だ。
だが、魔力の高まりは感じるので呪文であることは間違いない。
「リリカル……マジカル」
ギーシュは好奇心で振り向いた。
が、それを後悔した。
光がギーシュを包んだからだ。


前より調子がいい。
1回唱えるごとに魔力がずっと多く貯まっていく。
だけど、それでも足りない。
「リリカル……マジカル」
10メイルある巨人を倒すにはまだ足りない。
それでも急がないといけない。
念話で聞こえるユーノの声が弱っていく。
「リリカル……マジカル」
来た。
魔力が十分に貯まった充足感。
今ならいける。
「Shooting Mode.Set up」
杖が別の形に変わっていく。
より強い魔力をより遠くへ飛ばすための形に。
翼の生えた杖はどこまでも魔力を飛ばす。
杖を握りなおし、狙うのはゴーレムの頭。
「行きなさい!行って、捕まえなさい!」
魔力の光が撃ち出される。
光はゴーレム頭部のジュエルシードを射抜く。
途中で何かあったような気もしたけど気にしない。
「Stand by Ready」
「リリカルマジカル ジュエルシードシリアル10 封印!!」
第2射。
さらに強い光はゴーレムの頭に直撃し粉砕し、ジュエルシードをあらわにした。
「Sealing」
剥き出しのジュエルシードが光の筋となってレイジングハートに吸い込まれる。
「Receipt Number X」
頭のなくなったゴーレムが金属のねじれる甲高い音を立てながら崩れていく。
「Mode Release」
「ありがとう。レイジングハート」
役目を終えたレイジングハートは熱い水蒸気を吹き出し形を戻す。
「Good Bye」
ルイズは赤い宝石に戻ったレイジングハートをポケットに入れた。
「ふうー」
できた。
ユーノの言ったとおりミッドチルダ式の魔法は使えた。
思っていたよりもずっとうまく。
(ユーノ、封印終わったわ。こっちに来て)
返事がない。
(ユーノ、返事しなさい。どこにいるの?)
やっぱり返事がない。
興奮していた頭がすっと冷めていく。
ルイズはユーノを念話で呼びながらどこかに走っていった。
残されたギーシュはまだ気絶していた。


オールドオスマンが現場にたどり着いたのはゴーレムが崩れた後だった。
現場に生徒達を近寄らせないようにして、錬金でゴーレムの残骸を調べて分かったのは、これは魔法で作られた青銅ではあるということだけで特に不自然な点はない。
「そういえば、そこで気絶しとったグラモンのバカ息子は青銅の2つ名じゃったな……」
水のメイジが連れて行ったギーシュがゴーレムの主ではないかと考えるが首を振る。
ドットのメイジにはどうやっても無理な代物だ。
「それに、あれはなんじゃったんじゃろうな」
遠見の鏡で見たゴーレムの額には青いものがあった。
青銅に色をつけただけかも知れないが同じものは見つからない。
だが、あの青い石は気になった。


学院の生徒達は建物の陰に隠れてゴーレムを粉砕した桃色の光を放つ魔法を使った謎のメイジについて様々な憶測を建てていた。
学院の天才メイジである
いや、先住魔法かも知れない
いやいや、正義の味方に違いない!!
だがキュルケはそんなことどーでもよかった。
キュルケが問題にしているのはゴーレムを粉砕した魔法を使ったメイジではなく、ゴーレムと戦っていた風変わりな防御魔法を使う一年生だった。
「あの後ろ姿……どこかで見覚えがあるのよね」
裾がほつれたマント。
学院ではあまり見ない半ズボンと半袖の上着。
指の部分を切り取った手袋。
茶色の髪。
あれは確か……
「ルイズの男じゃない!!やっぱりいたのね」
ルイズがひた隠しにする男の子の正体。
それが誰か、ますます気になるキュルケだった。


ルイズはユーノを探して学園中を走り回る。
ゴーレムが暴れた近くにもいなかったので少し離れた場所も探してみる。
それでもユーノは見つからない。
(ユーノ、ユーノ。どこ、返事して)
「ユーノ、ユーノ。どこ、返事して」
念話と一緒に声が出る。
どこにもいない。見つからない。
「あの、ミス・ヴァリエール」
メイドがいた。
確か落ちたときに湿布を頼んだメイドだ。
「ミス・ヴァリエール。この人……」
メイドはフェレットを抱いていた。
間違いない。
「ユーノ!」
ルイズはユーノを奪うように取る。
ぐったりしていたが息をしていた。
「よかった」
ほっとしたら気づいた。
確か、このメイドは今「人」といわなかっただろうか。
フェレットのユーノを「人」といわなかっただろうか。
「あなた、なにか知ってるの?」
「あの、そのメイジの方……ユーノさんに助けていただいて……そのあと、ユーノさんがその姿に」
ルイズはとぎれとぎれに話すメイドの腕を掴む。
「あなた、名前は?」
「シ、シエスタといいます」
「シエスタ。ユーノのことは秘密にするのよ。いいわね?」
「え?……あのそれって」
ルイズは目に力を入れた。
「いいわね?」
「は、はい」
シエスタは背を仰け反らせて答えた。
「あ、それから。ミス・ヴァリエール。これ、頼まれていたものです」
ルイズはシエスタの出した湿布を取って、部屋に戻っていった。


部屋に戻ったルイズはユーノを机に寝かせた。
残っていた薬をユーノに塗る。
初めてジュエルシードを回収した後のようにユーノはぐったりして動かない。
「なんでこんなになって、平民なんか助けたのよ」
──平民なんか
最初にユーノと会った時を思い出す。
ユーノは自分の責任じゃないのにジュエルシードを回収しにここに来た。
責任とかそういうのじゃないのかも知れない。
「そっか」
少しユーノの考え方が解るような気がした。
ユーノの譲れないところなのかも知れない。
「あなたには、ほっておけ言ってもできないかもね」
納得はできなかったけど。
だからルイズはユーノが起きたらまず私のことを考えなさいと命令することにした。


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