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ゼロのはっちゃけ 二人目 ~トカゲも踊る恋曜日~

『ゼロのはっちゃけ』


二人目 ~トカゲも踊る恋曜日~


 キュルケは恋多き女である。
 実際に男とそういうことをしているかはなんとなく微妙だが、まあルイズにとっては腹立たしく感じなくもない。
 とりあえずあえてサイレントを解いてから行為に及ぶのはセクハラとは言わないのか?
 ルイズは誰かに誘われたりはしない。

 魔法が使えないから。


 レビテーションで石ころを爆発させて、ルイズは夜の特訓を終える。
 何度挑戦しても一向に向上しない魔法の腕になきそうになりながら、寮へ歩いて戻る。
 ふと頭上を見上げると己の横の部屋から飛んで降りてくる男の姿。
 眼前に降り立ち少し驚いた様子を見せた彼だったが、すぐに嗤ってきびすを返した。

「何だ、ゼロか」

 ぷちっと、何かが切れる音がする。
 下げてきた荷物入れから、緑の仮面を取り出した。


「ゼロのやつめ脅かしやがって。先生かと思ったじゃないか」

 ぶつぶつ愚痴を垂れ流しながら、キュルケのボーイフレンドその一は寮への道を歩いていた。
 名前がないのは簡単、一発キャラだからさ。
 ちなみに「つまらないわねぇ」とキュルケには既に切り捨てられていることを、彼は幸福にも知らない。

「しかしゼロめ、魔法どころか胸もゼロだなぁ」

 あはははははと笑う彼の真後ろに、影から抜け出すように人影が現れた。

「そっちだって大したものじゃないんじゃないの? ミス・ツェルプストーが飽きたってさっき言ってたわよ?」
「だだ誰だ!?」

 振り返るとそこには、トリコロールカラーのスーツを着込み立派な高山帽をかぶった女の姿があった。

「な、何だ貴様は!」
「わたし? わたしは愛の戦士! いまいちね、ラブウォリアー! 駄目ね。何がいいかしら?」

 帽子の下から毛の一本もないつるりとした緑の顔が覗いた。

「うわ、うわ、うわあああああ」
「ああん、そんな声を上げちゃ駄目駄目! 夜は静かに優雅に華やかに! というわけで一名様ごあんな~い!」
「た、助けてくれぇ~!」
「ああん、つれないお・か・た。きゃーははははははは!」

 声に驚いて数名の生徒が顔を覗かせるが、そこにはもう誰もいなかった。


 キュルケの朝は早い。
 しっかりと化粧を整えて、ルイズをからかうために部屋を出る。
 戸を開けた瞬間、眼前のそれに腰を抜かした。

 そこにあったのは十字架。
 どこから持ってきたのか見事な十字架に両手を広げて結び付けられたBF一号。
 下着一枚で気絶したままうなだれるようにぶら下がり、口にくわえさせられているのは真っ赤なチューリップ。
 尻に突き刺さった彼の杖、首に下げられたプレートには『つまらなくてごめんなさい』
 季節はずれの花々の花びらが一面に撒かれ、かぐわしい香りをばら撒いている。

 横にきちんとたたんで置かれた彼の服が、状況にあまりにもミスマッチだった。

 絶妙なタイミングでルイズの部屋が開く。
 その妙なオブジェを見、キュルケを見、ボソッと一言。

「ツェルプストー、あなたが盛るのは勝手だけどせめてもの部屋でお願い」

 呆れたような視線できびすを返し去り際に一言。

「ものすごく変わった趣味を持ってるのね」

「違うの! お願い聞いて、いくらなんでもこんな趣味はないのよ! お願い聞いてルイズ!」

 慌ててキュルケは追いすがった。普段の悪態も何のその。

 だが彼女は翌朝も愕然とする。
 今度はどこから持ってきたのか巨大な円盤に大の字にくくられたBF2号がひまわりを咥えさせられていたから。


 オスマンとコルベールは頭を抱えていた。
 学生同士のいざこざなど日常茶飯事だし女の取り合いで喧嘩なんて珍しくもなんともない。
 問題は被害者がラインとトライアングルのメイジで、さらには魔法を使った形跡がまったくないということだった。

「まさか犯人が平民ということはなかろうし……」
「ですが一人は単一属性とはいえトライアングルですよ? そうそう簡単には……」
「ともかく共通しとるのはツェルプストーのとこの彼氏ということだけじゃ」
「今夜は私が当たってみます」

 夜は流れる。


 いつものようにキュルケの窓から男が入ってくる。彼氏とはいえ来ることも忘れていたくらいだが。
 とはいえ今日は勝手が違った。

 ルイズはそろそろ堪忍袋の緒が切れたのだ。

「やあキュルケ、なにやら落ち込んでいる様子だが?」
「ちょっとね。それより悪いんだけれど今やあ調子がよくないの。できればまたにして欲しいんだけど」
「そんな、せっかく楽しみにしていたのに!」
『あら、しつこい男は嫌われるわよ?』

 突然声が響き、窓から飛び込んだ何かが彼をさらって消えた。

 いきなりの出来事に呆然とするも、慌てて窓から外をのぞく。

「アッーーーーーーーーーーーー!!!」

 声は眼下の森の中から響いていた。


 森の奥にある湖、昼なら恋人たちが語らうそこに、確かに午前中にはなかったはずのステージがあった。
 この世界にはないはずのド派手な電気照明、明々と燃えるたいまつ、そしてステージの天辺でBF三号がいた。

 帽子からオムツまでそろった赤ちゃんの格好で。

「レディース・エーンド・ジェーントルメェ~ン! とはいえお客はレディ一人だけ! お姉さん悲しいわ?」

 確かに誰もいなかったはずのステージに、女が一人。
 真緑色のド派手なスーツの上下にえぐいぐらい真っ赤なネクタイ。
 某ドナ○ドのような大きすぎる赤い靴、頭には同じく緑の帽子。

「あんたが二人をやったのね!?」
「いやん、ヤルだなんてお下品♪ 駄目よそんなじゃ」
「黙りなさい! 彼をおろして!」

 突きつけられる杖、動き出す精神力。

「あらいやだ、ダンスぐらい付き合ってくれたっていいじゃない?」
「黙りなさい! 『フレイム・ボール』!」

 ノーブランクで放たれた火炎の球は、まるで紙のように腰から折りたたむという動きに回避された。

「え、ええ!?」
「A-HA-! ぬるい! ぬるいわ! そんなんじゃ飛んでるハエも捕らえられないわ! 止まってるハエだったかしら?」
「こ、この、この! この! この! このお!」
「甘い甘い甘~い! クックベリーパイより甘いわ!」
「……そう、なら避けられないようにしてあげる」

 ゴッと、キュルケの周囲に浮かび上がる大量の火球。

「……あらいやだ」
「食らいなさい!」

 合図とともに女を囲むように飛来する火球、女は両手を斜め上に広げた。

「お色直しが必要ね!」

 まるで竜巻のように回転する。
 回転から復帰した女は、それでも服の赤と緑が入れ替わっただけだった。

「だからなんだというの!」

 だがそれでも火球は、ひとつも女に当たらない。
 足首から上だけをゴム人形のように動かすという珍妙な動きで、女はすべてを回避した。

「そんな、そんな!」
「赤色は通常の三倍の速さ! 緑とは違うのだよ緑とはあ! HA-HA-HA-!」

 背後に仮面をかぶったイケメンのビジョンを浮かべ、女は傾いたポーズを決める。

「だったら今度こそ吹き飛ばしてあげるわ!」

 いつの間にかキュルケの背後にいたフレイムの吐き出した火炎球が、彼女のフレイムボールとともに女に襲い掛かった。

「ワーオ!」

 女の行動は早く、そして特異だった。
 両手をポケットに突っ込み大量のガラクタを取り出す。
 ペンに始まりお菓子からおもちゃ、熱々の鍋ごとのシチューまで。
 最後に取り出したのは、ホースのようなものとスイッチのようなものだった。

 ホースを口へくわえスイッチを腰へ。
 スイッチを押しこむと回転音、次々と飛んでくる火球はくわえられたホースに吸い込まれていく。
 唖然とするキュルケの前で女の腹は膨れ上がり。火球はすべて吸い込まれた。

「んんん、んふ、ん、ガフッ!」

 口から、巨大な火柱が上がった。

「ん~マイルド!」
「うそ、そんな……」
「さあ、パーティタイムよ~ん♪」

 女がポケットから取り出したのは、マリコルヌのときとは比べ物にならないほど凶悪なものだった。
 そのあまりにもあまりな外見に、キュルケは思わずゴクリと息をのむ。

「あ、あの、何をする気なのかしら?」
「さあ? 想像力を働かせるのは大切だと思うわ」

 ゴウッと轟音を上げて、赤と緑の竜巻がキュルケに襲い掛かった。

「ちょ、ま、それは! いくらなんでもそれは!」
「んふふふふふ~」
「ちょ、駄目、ほんとに駄目! いくらなんでもそれはアッー!」

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 楽しくてたまらない。
 毎日が楽しくてたまらない。
 ルイズは一人、道を外れていく。

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